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公開番号2023177686
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-12-14
出願番号2022090484
出願日2022-06-02
発明の名称土壌散布用組成物および作物の生産方法
出願人第一工業製薬株式会社,静岡県,三ヶ日町農業協同組合
代理人弁理士法人蔦田特許事務所
主分類A01G 13/00 20060101AFI20231207BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】農業用分野等に用いられる新規な土壌散布用組成物を提供する。
【解決手段】実施形態に係る土壌散布用組成物は、20℃で固体の生分解性物質と、セルロース繊維を、水中に分散した状態で含む。生分解性物質としては、例えば、融点30℃以上100℃以下の固体油や、生分解性樹脂が挙げられる。固体油としては、例えば、炭化水素油、ワックスエステル、脂肪などが挙げられる。実施形態に係る作物の生産方法は、該土壌散布用組成物を作物周辺の土壌表面に散布する工程を含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
20℃で固体である生分解性物質と、セルロース繊維を、水中に分散した状態で含む、土壌散布用組成物。
続きを表示(約 460 文字)【請求項2】
前記生分解性物質が、融点30℃以上100℃以下の固体油、および、生分解性樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の土壌散布用組成物。
【請求項3】
前記固体油が、炭化水素油、ワックスエステルおよび脂肪からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項2に記載の土壌散布用組成物。
【請求項4】
前記セルロース繊維が、数平均繊維径が100nm以下でありかつアニオン性基を有するセルロースナノファイバーである、請求項1に記載の土壌散布用組成物。
【請求項5】
前記セルロース繊維の含有量が前記生分解性物質100質量部に対して0.1~10質量部である、請求項1に記載の土壌散布用組成物。
【請求項6】
作物周辺の土壌表面に散布して用いられる、請求項1に記載の土壌散布用組成物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の土壌散布用組成物を作物周辺の土壌表面に散布する工程を含む、作物の生産方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、土壌散布用組成物、および、それを用いた作物の生産方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
例えば農業分野において雨水等の土壌への浸透を抑制するために、土壌の表面をマルチシートで覆うことがある。マルチシート等の農業用シートに関する技術として、特許文献1には、パルプを主体とする紙基材と、該紙基材に積層した塗工層とを備え、該塗工層としてセルロースナノファイバーを含む層とポリビニルアルコールを含む層を設けた農業用シートが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-000016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、土壌表面をマルチシートで覆う作業は重労働であることから、広く普及していないのが実情である。そこで、本発明者らは、作業負荷を軽減して普及率を向上するために、マルチシート等の農業用シートの代替技術として、液状の組成物を土壌表面に散布することを考えた。
【0005】
本発明の実施形態は、農業分野等に用いられる新規な土壌散布用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は以下に示される実施形態を含む。
[1] 20℃で固体である生分解性物質と、セルロース繊維を、水中に分散した状態で含む、土壌散布用組成物。
[2] 前記生分解性物質が、融点30℃以上100℃以下の固体油、および、生分解性樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である、[1]に記載の土壌散布用組成物。
[3] 前記固体油が、炭化水素油、ワックスエステルおよび脂肪からなる群から選択される少なくとも1種を含む、[2]に記載の土壌散布用組成物。
[4] 前記セルロース繊維が、数平均繊維径が100nm以下でありかつアニオン性基を有するセルロースナノファイバーである、[1]~[3]のいずれか1項に記載の土壌散布用組成物。
[5] 前記セルロース繊維の含有量が前記生分解性物質100質量部に対して0.1~10質量部である、[1]~[4]のいずれか1項に記載の土壌散布用組成物。
[6] 作物周辺の土壌表面に散布して用いられる、[1]~[5]のいずれか1項に記載の土壌散布用組成物。
[7] [1]~[6]のいずれか1項に記載の土壌散布用組成物を作物周辺の土壌表面に散布する工程を含む、作物の生産方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態に係る土壌散布用組成物であると、例えば農業用シートの代替技術として使用可能であり、土壌表面を農業用シートで覆う場合に比べて作業負荷を軽減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施形態に係る土壌散布用組成物は、20℃で固体の生分解性物質(A)およびセルロース繊維(B)を、水中に分散した状態で含む。
【0009】
[生分解性物質(A)]
生分解性物質(A)は、水中に分散した状態で含まれるものであり、疎水性物質である。ここで、疎水性物質とは、水に溶けない物質をいう。疎水性物質であるため、土壌に散布された後、セルロース繊維(B)とともに土壌表面に固体として保持され、マルチシート等の農業用シートの代替として、例えば雨水等の土壌への浸透抑制効果を発揮する。
【0010】
生分解性物質(A)は、微生物によって分解される物質である。ここで、セルロース繊維(B)は生分解性物質(A)には含まれない。本実施形態に係る土壌散布用組成物は、生分解性物質(A)を含むことにより、土壌に散布され、その目的を達した後に土壌中の微生物により分解されるので、除去作業を不要とすることができ、農業用シートを用いる場合に比べて作業負荷を軽減することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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