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公開番号2023166173
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-11-21
出願番号2022077034
出願日2022-05-09
発明の名称変性非晶性ポリプロピレンの製造方法
出願人国立大学法人山形大学,KFケミカル株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C08F 255/02 20060101AFI20231114BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】非晶性ポリプロピレンを溶融混練機中でグラフト重合しても取り扱い性に問題が生じず、かつ、高いグラフト効率及び抑制された分子量変化にて、変性非晶性ポリプロピレンを製造できる方法の提供。
【解決手段】非晶性ポリプロピレンと、カルボキシル基又は酸無水物基を有するエチレン性不飽和単量体と、有機過酸化物と、電子供与性の多官能エチレン性不飽和単量体と、電子供与性の連鎖移動剤とを、130~180℃の温度で溶融混錬することを含む、変性非晶性ポリプロピレンの製造方法
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
非晶性ポリプロピレンと、
カルボキシル基又は酸無水物基を有するエチレン性不飽和単量体と、
有機過酸化物と、
電子供与性の多官能エチレン性不飽和単量体と、
電子供与性の連鎖移動剤と、
を、130~180℃の温度で溶融混錬することを含む、
変性非晶性ポリプロピレンの製造方法。
続きを表示(約 960 文字)【請求項2】
前記非晶性ポリプロピレンの軟化点が、130~180℃である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記非晶性ポリプロピレンの重量平均分子量が、5,000~500,000である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記非晶性ポリプロピレンの190℃における溶融粘度が、0.01~50Pa・sである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記カルボキシル基又は酸無水物基を有するエチレン性不飽和単量体が、メタクリル酸、アクリル酸、及び無水マレイン酸からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
前記カルボキシル基又は酸無水物基を有するエチレン性不飽和単量体が、メタクリル酸を含む、請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記電子供与性の多官能エチレン性不飽和単量体が、2以上のビニル基又は2以上のアリル基を有し、かつ、芳香環又はイソシアヌル環を有する、請求項1に記載の製造方法。
【請求項8】
前記電子供与性の多官能エチレン性不飽和単量体が、ジビニルベンゼン、及びトリアリルイソシアヌレートからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
前記電子供与性の連鎖移動剤が、下記式(1):
JPEG
2023166173000006.jpg
33
170
[式中、


は、アリール基又はヘテロアリール基であり、


は、アリール基、ヘテロアリール基、シアノ基又はアルキルエステル基(-COOR

、ここでR

は炭素数1~4のアルキル基である)であり、


は、水素又はメチル基である]
で表される化合物を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項10】
前記電子供与性の連鎖移動剤が、α-メチルスチレンダイマーを含む、請求項9に記載の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、変性非晶性ポリプロピレンの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
非晶性ポリプロピレンは、安全かつ無公害な高耐熱性粘着性樹脂であり、汎用結晶性ポリプロピレンとの相溶性及び接着性に優れることから、紙おむつ等のホットメルト接着剤等の様々な分野で使用されている。しかしながら、その極性の低さのため、他の部材(例えば、金属又は無機部材、ポリプロピレン以外のプラスチック部材)への密着性が悪いといった欠点を有する。この欠点を解決するため、非晶性ポリプロピレンに極性モノマーをグラフト重合させて、変性非晶性ポリプロピレンを製造することが行われていた。しかしながら、従来の製造方法では、極性モノマーのグラフト効率を上げるにしたがって、非晶性ポリプロピレンの分解による分子量低下が起こり、耐熱性が低下するといった問題があった。また一方で、非晶性ポリプロピレンの架橋反応によって分子量が上昇し、溶融粘度が過度に上昇してしまうという問題もあった。
【0003】
前記問題を解決するために、様々な製造方法が報告されている。例えば、特許文献1は、ポリオレフィンのグラフト重合の際に、架橋助剤としてジビニルベンゼン等のビニル単量体を使用すると、グラフト効率は向上するものの、ポリオレフィンの分解及び架橋を上手く防止できないことを課題とし、これを解決するためにジビニルベンゼンの代わりにα-メチルスチレンダイマーを使用する方法を開示している。
【0004】
同様に、特許文献2は、グラフト効率の向上及び分子量の制御を目的として、連鎖移動剤としてのα-メチルスチレンダイマーをグラフト重合に使用する方法を開示している。また、特許文献3も、グラフト重合の際のポリオレフィンの分解及び架橋を防止することを目的として、α-メチルスチレンダイマーを使用する方法を開示している。
【0005】
ところで、ポリプロピレンのグラフト重合は、溶媒中で反応を行う溶媒法、混錬機中で反応を行う溶融混錬法等によって実施することができる。例えば、特許文献4は、所定の溶媒の存在下でプロピレン系重合体のグラフト重合を行うことを開示している。一方、特許文献5は、結晶性ポリプロピレンを溶融混練機中でグラフト重合させることを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平6-172459号公報
特開昭61-155413号公報
特開平11-236421号公報
特許第5002128号公報
特開2002-234919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1~3によれば、ジビニルベンゼン等のビニル単量体に代えて、α-メチルスチレンダイマー等の連鎖移動剤をグラフト重合に使用することにより、グラフト効率の向上、及び分子量の制御が可能といえる。しかしながら、これらの点については、未だ改善の余地が残されている。
【0008】
また、特許文献5では、溶融混練機中で結晶性ポリプロピレンのグラフト重合を行っているが、結晶性ポリプロピレンの代わりに非晶性ポリプロピレンを使用することは容易ではない。すなわち、非晶性ポリプロピレンは軟化点が低いところ、特許文献5のように溶融混練機を使用すると、非晶性ポリプロピレンの元々の軟化点の低さに加えて、グラフト重合中のポリプロピレンの分解に伴う分子量低下のために、ポリプロピレンの流動性が非常に高くなり、取り扱い性に大きな問題が生じる。
【0009】
そこで、本発明は、非晶性ポリプロピレンを溶融混練機中でグラフト重合しても取り扱い性に問題が生じず、かつ、高いグラフト効率及び抑制された分子量変化にて、変性非晶性ポリプロピレンを製造できる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者等が鋭意検討した結果、非晶性ポリプロピレンを溶融混練機中でグラフト重合する際に、通常使用される変性剤及び有機過酸化物に加えて、電子供与性の多官能エチレン性不飽和単量体と電子供与性の連鎖移動剤との組み合わせを使用すること、並びに、従来の方法よりも低温で溶融混錬することにより、高いグラフト効率及び抑制された分子量変化にて変性非晶性ポリプロピレンが得られること、及び非晶性ポリプロピレンの分子量低下に起因する取り扱い性の問題を回避できること、を見出した。
(【0011】以降は省略されています)

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