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公開番号2023077329
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-06-05
出願番号2021190602
出願日2021-11-24
発明の名称粘着テープ
出願人住友ベークライト株式会社
代理人個人,個人
主分類H01L 21/301 20060101AFI20230529BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】半導体ウエハのような基板を個片化することで粘着テープ上に形成された半導体チップのような部品を、粘着テープを伸長するエキスパンディング工程の後に、ピックアップすることで得る際に、前記エキスパンディング工程を経ることに起因する部品の縁部における糊残り発生、および、前記エキスパンディング工程の粘着テープの伸長時における部品の飛びの発生を的確に抑制または防止することができる粘着テープを提供すること。
【解決手段】本発明の粘着テープは、基材4と粘着層2とを備え、基板を個片化することで複数の部品を得る際に、前記基板の厚さ方向に対する切断により前記粘着層が切断されることなく、前記基板と前記部品とが前記粘着層に仮固定して用いられるものであり、粘着層2は、エネルギーの付与後のゲル分率が90%以上であり、かつ、ピール強度Aは、100cN/20mm以上500cN/20mm以下であること満足する。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
基材と、該基材の一方の面に積層された粘着層とを備え、
基板を個片化することで複数の部品を得る際に、前記基板の厚さ方向に対する切断により前記粘着層が切断されることなく、前記基板と前記部品とが前記粘着層に仮固定して用いられる粘着テープであって、
前記粘着層は、粘着性を有するベース樹脂と、エネルギーの付与により硬化する硬化性樹脂とを含有し、前記エネルギーとして、紫外線強度:55mW/cm
2
、照射強度:200mJ/cm
2
の紫外線を照射した後のゲル分率が90%以上であり、かつ、当該粘着テープは、下記要件Aを満足することを特徴とする粘着テープ。
要件A:当該粘着テープは、JIS Z 0237に準拠して、#2000研磨したシリコンウエハ上に、幅20mmの前記粘着テープを、前記粘着層を前記シリコンウエハ側として貼付した後に、前記粘着層に、前記エネルギーとして、前記紫外線を照射し、次いで、前記粘着テープの一端を持ち、25℃において30°の方向に1000mm/分の速度で引き剥がしたときに測定されるピール強度Aが100cN/20mm以上500cN/20mm以下となる。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記粘着層は、前記エネルギーの付与前のゲル分率が50%以上80%以下である請求項1に記載の粘着テープ。
【請求項3】
当該粘着テープは、JIS Z 0237に準拠して、#2000研磨したシリコンウエハ上に、幅20mmの前記粘着テープを、前記粘着層を前記シリコンウエハ側として貼付し、次いで、前記粘着層に対する前記エネルギーの付与前に、前記粘着テープの一端を持ち、25℃において30°の方向に1000mm/分の速度で引き剥がしたときに測定されるピール強度Bが700cN/20mm以上1500cN/20mm以下となる請求項1または2に記載の粘着テープ。
【請求項4】
当該粘着テープは、前記基板としての半導体ウエハの厚さ方向に、前記半導体ウエハの一方の面から他方の面まで到達しない複数の溝部をマトリクス状に形成した前記半導体ウエハの加工に用いられる請求項1ないし3いずれか1項に記載の粘着テープ。
【請求項5】
当該粘着テープは、前記溝部をマトリクス状に形成する前記半導体ウエハの加工の後に、前記他方の面の研削を行うことで、前記他方の面において前記溝部を露出させることで、前記半導体ウエハが個片化された、前記部品としての半導体チップを得る際に、前記粘着層上に、前記半導体ウエハおよび前記半導体チップを仮固定して用いられる請求項4に記載の粘着テープ。
【請求項6】
前記硬化性樹脂は、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレートのうちの少なくとも1種を含有する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の粘着テープ。
【請求項7】
前記ベース樹脂は、アクリル系樹脂である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の粘着テープ。
【請求項8】
当該粘着テープを平面視で見たとき、前記基材と前記粘着層との界面に形成されている気泡は、面積が100μm

以上のものの数が、15.0個/mm

以下である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の粘着テープ。
【請求項9】
前記基材は、前記基材の一方の面側の表面抵抗率が1.0×10

(Ω/□)超であり、かつ、その体積抵抗率が1.0×10
16
(Ω・m)以下である請求項1ないし8のいずれか1項に記載の粘着テープ。
【請求項10】
当該粘着テープは、下記要件Bを満足する請求項1ないし9のいずれか1項に記載の粘着テープ。
要件B:シリコン基板(直径6インチ、厚さ500μm、#2000研磨)を、一方の面側から、その厚さ方向に200μmの位置まで、厚さ30μmのブレードを用いて、複数の溝部をマトリクス状に形成した後に、前記一方の面側を当該粘着テープで固定し、その後、#320の粗さのグラインダーを用いて、前記シリコン基板の他方の面を前記溝部が露出するまで研削することで、個片化された縦2mm×横2mmの大きさのシリコンチップを得た後、紫外線強度:55mW/cm
2
、照射強度:200mJ/cm
2
の紫外線を照射し、前記基材の面方向に前記基材を110%の大きさに伸長し、前記基材の前記粘着層と反対側の面からニードルで1.5mm突き上げた状態として、前記シリコンチップを、真空コレットを用いてピックアップすることで、当該粘着テープから剥離させたときに、前記シリコンチップの裏面の糊残り率1が1.0%以下であること。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、基板および部品を仮固定して用いられる粘着テープに関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年の電子機器の高機能化とモバイル用途への拡大に対応して半導体装置の高密度化、高集積化の要求が強まり、ICパッケージの大容量高密度化が進んでいる。
【0003】
これらの半導体装置の製造方法としては、例えば、まず、基板としての半導体基板(半導体ウエハ)にダイシングテープを貼付し、半導体基板の周囲をウエハリングで固定しながら、ダイシングソーを用いたダイシング工程で、半導体基板をその厚さ方向の途中まで切断した複数の溝部をマトリクス状に形成した後に、この溝部が形成された半導体基板からダイシングテープを剥離させる。次いで、この半導体基板の溝部が形成されている面側に研削用テープ(粘着テープ)を貼付し、グラインダー(研削機)を用いた研削工程で、半導体基板の溝部が形成されているのと反対の面側を、この反対の面側において前記溝部が露出するまで研削することで、溝部が形成された半導体基板を個々の半導体素子(半導体チップ)に切断分離(個片化)する。次いで、個片化された複数の半導体素子の周囲をウエハリングで固定しながら、ウエハリングを用いて研削用テープを放射状に伸ばすことで、隣接する半導体素子同士の間に間隙を形成するエキスパンディング工程の後、個片化した半導体素子を、ニードルを用いて突き上げた状態で、ピックアップするピックアップ工程を行う。次いで、このピックアップした半導体素子を金属リードフレームあるいは基板(例えばテープ基板、有機硬質基板等)に搭載するための搭載工程へ移送する。ピックアップされた半導体素子は、搭載工程で、例えば、アンダーフィル材を介してリードフレームあるいは基板に接着され、その後、リードフレームあるいは基板上で半導体素子を封止部により封止することで半導体装置が製造される。
【0004】
このような半導体装置の製造では、半導体基板の個片化により複数の半導体素子が一括して得られ、この加工プロセスに、いわゆるDicing Before Back Grinding(DBG)法が適用され、このDBG法に用いられる研削用テープ(粘着テープ)について、近年、種々の検討がなされている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
この研削用テープは、一般に、基材(フィルム基材)と、この基材上に形成された粘着層とを有するものであり、粘着層により溝部が形成された半導体基板が固定される。また、半導体基板の溝部が形成されているのと反対の面側を研削する研削工程後に半導体素子のピックアップが実現できるように、粘着層は、通常、粘着性を有するベース樹脂および光硬化性樹脂等を含有する樹脂組成物で構成されている。つまり、研削工程後、粘着層にエネルギーが付与されると、樹脂組成物が硬化して粘着層の粘着性が低下し、そのため、ピックアップ工程において、半導体素子を、ニードルを用いて突き上げた際に、半導体素子から研削用テープを剥離させることができ、その結果、半導体素子のピックアップが実現できるようになっている。
【0006】
上記のような工程を経る、研削用テープを用いた半導体装置の製造方法では、ダイシングソーを用いたダイシング工程において、研削用テープは、半導体基板に対して貼付されておらず、そのため、当然、研削用テープが備える粘着層は、ダイシング工程の後に実施される、エキスパンディング工程の際に、半導体基板の個片化により形成された半導体素子に対応して、その厚さ方向に、ダイシングソーによる切断がなされていない。そのため、エキスパンディング工程において、研削用テープを放射状に伸長することで、隣接する半導体素子同士の間に間隙を形成する際に、基材上に積層された粘着層、特に前記間隙に対応する位置に存在する粘着層に応力が発生する。そして、この粘着層における応力の発生に起因して、粘着層と半導体素子との間でせん断応力が生じることとなる。その結果、半導体素子の縁部において、半導体素子から粘着層が剥離し、半導体素子の縁部の剥離が生じた領域で、粘着層の一部が残存する糊残りが生じると言う問題があった。さらに、粘着層(研削用テープ)の粘着力が低過ぎると、すなわち、粘着層による半導体素子の保持力が低過ぎると、上記のような半導体素子からの粘着層の剥離が、半導体素子の縁部に限定されず、その全体にまで及ぶ、いわゆるチップ飛びが生じると言う問題もあった。
【0007】
また、このような問題は、上述したDBG法を用いて個片化された部品としての半導体素子を、研削用テープを伸長するエキスパンディング工程の後にピックアップする場合に限らず、基板としての半導体基板の厚さ方向に対する切断により粘着層が切断されないプロセスを有する各種の部品の製造方法においても同様に生じていると言える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2012-156339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、半導体ウエハのような基板を個片化することで粘着テープ上に形成された半導体チップのような部品を、粘着テープを伸長するエキスパンディング工程の後に、ピックアップすることで得る際に、前記エキスパンディング工程を経ることに起因する部品の縁部における糊残りの発生、および、前記エキスパンディング工程の粘着テープの伸長時における部品の飛びの発生を的確に抑制または防止することができる粘着テープを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような目的は、下記(1)~(10)に記載の本発明により達成される。
(1) 基材と、該基材の一方の面に積層された粘着層とを備え、
基板を個片化することで複数の部品を得る際に、前記基板の厚さ方向に対する切断により前記粘着層が切断されることなく、前記基板と前記部品とが前記粘着層に仮固定して用いられる粘着テープであって、
前記粘着層は、粘着性を有するベース樹脂と、エネルギーの付与により硬化する硬化性樹脂とを含有し、前記エネルギーとして、紫外線強度:55mW/cm
2
、照射強度:200mJ/cm
2
の紫外線を照射した後のゲル分率が90%以上であり、かつ、当該粘着テープは、下記要件Aを満足することを特徴とする粘着テープ。
要件A:当該粘着テープは、JIS Z 0237に準拠して、#2000研磨したシリコンウエハ上に、幅20mmの前記粘着テープを、前記粘着層を前記シリコンウエハ側として貼付した後に、前記粘着層に、前記エネルギーとして、前記紫外線を照射し、次いで、前記粘着テープの一端を持ち、25℃において30°の方向に1000mm/分の速度で引き剥がしたときに測定されるピール強度Aが100cN/20mm以上500cN/20mm以下となる。
(【0011】以降は省略されています)

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