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公開番号
2023073988
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2023-05-26
出願番号
2022179128
出願日
2022-11-08
発明の名称
中性子遮蔽材及びその製造方法
出願人
国立大学法人京都大学
,
ステラケミファ株式会社
代理人
個人
,
弁理士法人OMNI国際特許事務所
主分類
G21F
3/00 20060101AFI20230519BHJP(核物理;核工学)
要約
【課題】良好な光透過性を有し、かつ熱中性子線に対する遮蔽性能に優れた中性子遮蔽材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明にかかる中性子遮蔽材は、光透過性材料と、質量数10のホウ素同位体に濃縮されたホウ素化合物とを含み、光透過性を有する成形物からなることを特徴とし、ホウ素化合物として、質量数10のホウ素同位体に濃縮されたものを含有させることにより、熱中性子線に対する遮蔽性能の向上を図る。その結果、視認性及び中性子遮断性を要する部材に広く適用することができる。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
光透過性材料と、質量数10のホウ素同位体に濃縮されたホウ素化合物とを含み、光透過性を有する成形物からなる中性子遮蔽材。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記ホウ素化合物に於ける質量数10のホウ素同位体の濃縮度が50%以上である請求項1に記載の中性子遮蔽材。
【請求項3】
前記ホウ素化合物の含有量が、前記中性子遮蔽材の全質量に対し、ホウ素原子換算で0.001質量%以上、30質量%以下である請求項1に記載の中性子遮蔽材。
【請求項4】
前記ホウ素化合物が、酸化ホウ素、ホウ酸、ボラン、ボロキシン、ボロントリハライド、無機ホウ酸塩、ホウフッ化物、ホウ化物、水素化ホウ素化合物、ヘテロ化合物、ボロン酸、有機ホウ酸塩、ホウ酸エステル、ボリン酸エステル、ボロン酸エステル、有機ボラン、カルボラン、カルボラン酸、及びホウ素含有錯体化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の中性子遮蔽材。
【請求項5】
前記光透過性材料が、ガラス状物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又はエラストマー樹脂の何れかである請求項1に記載の中性子遮蔽材。
【請求項6】
前記光透過性材料が、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリオレフィン樹脂及びケイ素含有高分子化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項5に記載の中性子遮蔽材。
【請求項7】
光透過性を有する成形物からなる中性子遮蔽材の製造方法であって、
光透過性材料と、質量数10のホウ素同位体に濃縮されたホウ素化合物とを混合させる混合工程と、
前記光透過性材料と前記ホウ素化合物との混合物を固化させる固化工程とを含む中性子遮蔽材の製造方法。
【請求項8】
前記ホウ素化合物に於ける質量数10のホウ素同位体の濃縮度が50%以上である請求項7に記載の中性子遮蔽材の製造方法。
【請求項9】
前記ホウ素化合物の含有量が、前記中性子遮蔽材の全質量に対し、ホウ素原子換算で0.001質量%以上、30質量%以下である請求項7に記載の中性子遮蔽材の製造方法。
【請求項10】
前記ホウ素化合物が、ボラン、ボロキシン、ボロントリハライド、無機ホウ酸塩、ホウフッ化物、ホウ化物、水素化ホウ素化合物、ヘテロ化合物、ボロン酸、有機ホウ酸塩、ホウ酸エステル、ボリン酸エステル、ボロン酸エステル、有機ボラン、カルボラン、カルボラン酸、及びホウ素含有錯体化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項7に記載の中性子遮蔽材の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、中性子遮蔽材及びその製造方法に関し、より詳細には良好な光透過性を有し、かつ、熱中性子線に対する遮蔽性能に優れた中性子遮蔽材及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
中性子線は線量換算係数のエネルギー依存性が非常に大きいため、エネルギーの高い高速中性子線は人体の外部被ばくに非常に大きな影響を与える。そのため、原子炉や高速増殖炉等の原子力施設・核融合施設、及び患部医療用中性子線治療施設等では、中性子線を適切に遮蔽し、作業員等の保護を図ることが重要な課題となる。
【0003】
特に、遠隔操作等で必要となる監視部(のぞき窓)、作業員の安全管理面用具及びカメラ(例えば、緊急事態発生時等に於ける作業員、緊急救援施設及び車両等、並びに患部医療用中性子線治療施設における治療中の患者の様子を観察するためのもの)等に対し、中性子線に対する遮蔽性能に優れ、かつ視認性に優れた光透過性を有する成形防護品の開発が望まれている。
【0004】
一般に、高速中性子線を遮蔽するためには、水素原子の様な質量が軽い原子と弾性散乱させ、これにより高速中性子線を減速させることが有効であり、かつ知られている。そのため、安価で取り扱いが容易な高水素含有材料が中性子遮蔽材として利用されている。高水素含有材料としては水素数が比較的多い炭化水素系化合物、より具体的には、例えば、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂及びパラフィン類等が用いられている。
【0005】
さらに、中性子遮蔽材によって減速された熱中性子線を遮蔽するためには、中性子捕獲断面積が大きい元素で熱中性子線を吸収することが有効である。中性子捕獲断面積の大きい元素としては
3
He、
6
Li及び
10
B等が挙げられる。
【0006】
ここで、特許文献1には、エポキシ樹脂とアミン系硬化剤とを必須成分とする透明な中性子遮蔽材用樹脂組成物が開示されている。そして、特許文献1では、エポキシ樹脂として脂環骨格を有するエポキシ樹脂を用い、アミン系硬化剤として脂環式ジアミン硬化剤を用いることで、水素原子個数密度を6.78×10
22
原子/cm
3
以上にし、高速中性子線に対する遮蔽性能を向上させている。しかし、特許文献1に開示の中性子遮蔽材用樹脂組成物は、高速中性子線の減速には一定の効果を示すものの、減速された熱中性子線を効率よく吸収する元素が含まれていないため、熱中性子線の遮蔽性能が十分とはいえない。
【0007】
また、特許文献2には、エポキシ樹脂、ポリエチレン及び無機ホウ素化合物を含む混合物を、アミン系硬化剤により硬化してなる中性子遮蔽材が開示されている。しかしこの中性子遮蔽材では光透過性が不十分であるため視認性に劣る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
WO2017/213265号公報
特公平4-67160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記問題点に鑑みなされたものであり、良好な光透過性を有し、かつ熱中性子線に対する遮蔽性能に優れた中性子遮蔽材及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る中性子遮蔽材は、前記の課題を解決するために、光透過性材料と、質量数10のホウ素同位体に濃縮されたホウ素化合物とを含み、光透過性を有する成形物からなることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)
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