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公開番号2023073193
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-25
出願番号2022104193
出願日2022-06-29
発明の名称清酒
出願人宝酒造株式会社
代理人個人,個人
主分類C12G 3/022 20190101AFI20230518BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】発泡性でありながらもバランスよく吟醸香を感じられる発泡性低アルコール清酒を提供する。
【解決手段】酢酸イソアミル含量が0.8mg/L以上20.0mg/L以下であり、カプロン酸エチル含量が0.2mg/L以上8.0mg/L以下であり、アセトアルデヒド含量が10mg/L以上50mg/L以下であり、アルコール濃度が4v/v%以上10v/v%以下であり、かつ発泡性を有することを特徴とする清酒が提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
酢酸イソアミル含量が0.8mg/L以上20.0mg/L以下であり、
カプロン酸エチル含量が0.2mg/L以上8.0mg/L以下であり、
アセトアルデヒド含量が10mg/L以上50mg/L以下であり、
アルコール濃度が4v/v%以上10v/v%以下であり、かつ
発泡性を有することを特徴とする清酒。
続きを表示(約 450 文字)【請求項2】
前記酢酸イソアミル含量が2mg/L以上10mg/L以下であることを特徴とする請求項1に記載の清酒。
【請求項3】
前記カプロン酸エチル含量が0.6mg/L以上3.5mg/L以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の清酒。
【請求項4】
前記アセトアルデヒド含量が10mg/L以上25mg/L以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の清酒。
【請求項5】
前記カプロン酸エチル含量が0.6mg/L以上3.5mg/L以下であり、
前記アセトアルデヒド含量が10mg/L以上25mg/L以下であることを特徴とする請求項1に記載の清酒。
【請求項6】
前記酢酸イソアミル含量が2mg/L以上10mg/L以下であり、
前記カプロン酸エチル含量が0.6mg/L以上3.5mg/L以下であり、
前記アセトアルデヒド含量が10mg/L以上25mg/L以下であることを特徴とする請求項1に記載の清酒。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は発泡性を有する清酒に関する。本発明の清酒は、香味良好な風味を有し、高品質のものである。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、消費者の嗜好の多様化に伴い、清酒において多岐にわたる製品が開発されている。その一例として、アルコール度数が高いことを忌避する消費者を主に対象とした、一般的な清酒よりもアルコール度数の低い「低アルコール清酒」が挙げられる。非特許文献1では、清酒メーカーにより様々な低アルコール清酒が開発されていることを指摘した上で、それらの分析値についてまとめている。また、特徴的な風味を備えた低アルコール清酒としては、特許文献1に記載の清酒が挙げられ、これは糖類や酸の組成を調節することで、味に新しさを見出したものである。
【0003】
また、同様に注目されている新しい清酒の様態として、「スパークリング清酒」とも呼ばれる、発泡性を持たせた清酒(発泡性清酒)が挙げられる。発泡性清酒に関わる発明の例として、特許文献2に記載のクエン酸濃度を特徴とする清酒や、特許文献3に記載の透明度を改善した清酒などがある。ただし、これらは味に関わる成分や製造工程に特徴を持たせた発明であり、特定の香気成分については触れられていない。
【0004】
一方、清酒の風味を構成する要素として味と並んで重要な役割を果たすのが、その香りである。特に近年重要視されているのが吟醸香と呼ばれるものであり、これをもたらす成分として、リンゴ様の香気のカプロン酸エチルや、バナナ様の酢酸イソアミル等といったエステル類が知られている。これら吟醸香を生成させるにあたっては、「吟醸造り」と呼ばれる、高精白(精米歩合60%以下)の原料米を用い、低温での発酵を行う方法が主に取られてきた。しかし、こうした方法では、原価が高くなる、発酵期間が長く必要になる等、製造に一定の制約が生ずる上、目的である吟醸香の生成も不安定である欠点があった。そこで、吟醸香を多く生成する酵母を様々な方法で選抜・分離して清酒製造に用いる方法が開発され、今では一般的になっている。
【0005】
酢酸イソアミルを高生成する酵母の取得方法としては、例えば、特許文献4に記載の技術が知られている。この技術によれば、ロイシンアナログであるトリフルオロロイシンや、ステロイドの一種であるプレグネノロンを含有する培地に生育する酵母を選抜することにより、酢酸イソアミル高生成株が取得できるとされる。また特許文献5には、オーレオバシジン耐性株を選抜することで、酢酸イソアミル高生成株を取得できる旨の記載がある。
また、カプロン酸エチルを高生成する酵母の取得方法としては、非特許文献2にも記載された、セルレニン耐性酵母を選抜する方法が広く知られている。
このような吟醸香生成酵母株を利用した取り組みは発泡性清酒の開発にも応用されている。例えば非特許文献3には、秋田酵母No.12の利用により酢酸イソアミルの、あるいはK1801株の利用によりカプロン酸エチルの特徴を付与した発泡性清酒を得る検討が報告されている。
【0006】
また、清酒の香りに寄与するのはエステル類だけではない。例えばアルデヒド成分もその一つであり、特にアセトアルデヒドが清酒の香りに寄与する成分として知られている。非特許文献4によれば、アセトアルデヒドは清酒中に50~110mg/L程度含まれる成分である。その官能について、非特許文献5では木香様臭と、非特許文献6では青リンゴ様と表現されている。
【0007】
ところで、発泡性を有する清酒では、一般的に吟醸香が感じられにくい、若しくはその香気が損ねられる。その理由として、封入された炭酸ガスの酸味に似た風味が、吟醸香の風味を打ち消してしまっていることが推測される。
【0008】
このように、酢酸イソアミルやカプロン酸エチルの香気に着目し、これらの成分を多く含んだ清酒を得るための取り組みが数多くなされてきたが、それらは一般的な形態の清酒を想定したものであり、低アルコール清酒、特にその香りを感じにくい発泡性清酒を対象としたものではなかった。また、アセトアルデヒドについては、積極的にその存在を風味に活かそうという取り組みはみられないほか、吟醸香を含むエステル系成分との相互作用についても十分な検討はされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2017-93341号公報
特開2006-333736号公報
特開2000-189148号公報
特開2002-191355号公報
特開2017-121204号公報
【非特許文献】
【0010】
佐藤圭吾ら、「市販低アルコール清酒の成分調査」、2002、日本醸造協会誌、第97巻、第5号、p.377-381
Eiji ICHIKAWA et al., "Breeding of a Sake Yeast with Improved Ethyl Caproate Productivity", Agricultural and Biological Chemistry, 55(8), 2153-2154, 1991
渡邉誠衛ら、「新規発泡性酒類の開発に関する研究」、2012、秋田県総合食品研究センター報告、第14号、p.8-17
日本醸造協会編、「醸造物の成分」日本醸造協会、平成11年12月10日、p.34
秋田 修ら、「清酒の木香様臭に関する調査結果について」、1980、日本醸造協会誌、第75巻、第7号、p.595-602
宇都宮 仁、「フレーバーホイール 専門パネルによる官能特性表現」、化学と生物、2012年、第50巻、第12号、p.897-903
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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