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公開番号2025179829
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-10
出願番号2025087877
出願日2025-05-27
発明の名称バイオマーカー、スクリーニング方法、バイオマーカーの検出方法および脱髄疾患の診断を補助する方法
出願人学校法人国際医療福祉大学
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類G01N 33/53 20060101AFI20251203BHJP(測定;試験)
要約【課題】非典型的なCNS脱髄疾患及び重症化しやすいPMSにおける新たなCNSノド抗体を見出し、従来診断の困難であった非典型的なCNS脱髄疾患及びPMSの診断と治療方針の決定に有用なバイオマーカー、スクリーニング方法、バイオマーカーの検出方法および脱髄疾患の診断を補助する方法を提供する。
【解決手段】抗ATP1A2抗体または抗ATP1A3抗体を含む、脱髄疾患の診断または治療効果の判定のためのバイオマーカーである。また、マウス視神経の組織に対して、脱髄疾患の患者より得られた抗体との交差を検出し、脱髄疾患に関する抗原を見出す、スクリーニング方法である。また、前記抗体を用いたバイオマーカーの検出方法および脱髄疾患の診断を補助する方法である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
抗ATP1A2抗体または抗ATP1A3抗体を含む、脱髄疾患の診断または治療効果の判定のためのバイオマーカー。
続きを表示(約 860 文字)【請求項2】
前記脱髄疾患が中枢神経(CNS)を侵す脱髄疾患およびCNSと末梢神経(PNS)の両者を侵す脱髄疾患である、請求項1に記載のバイオマーカー。
【請求項3】
マウス視神経の組織に対して、脱髄疾患の患者より得られた抗体との交差を検出し、脱髄疾患に関する抗原を見出す、スクリーニング方法。
【請求項4】
前記脱髄疾患に関する抗原に対する抗体を、脱髄疾患の診断または治療効果の判定のためのバイオマーカーとする、請求項3に記載のスクリーニング方法。
【請求項5】
in vivoで、マウス視神経に対して、前記脱髄疾患の患者より得られた血清を注入し、組織免疫染色(TBA)法により前記交差を検出する工程を含む、請求項3に記載のスクリーニング方法。
【請求項6】
in vitroで、マウス視神経の組織の抽出物に対して、前記交差をウェスタンブロット法により検出する工程を含む、請求項3に記載のスクリーニング方法。
【請求項7】
前記ウェスタンブロット法は、前記マウス視神経の組織の抽出物を二次元電気泳動した後、ついで二次元ウェスタンブロットを行う、請求項6に記載のスクリーニング方法。
【請求項8】
ヒト神経芽細胞由来の細胞にATP1A2またはATP1A3を発現させ、培養した前記細胞に対して、被験者に由来する検体を添加して前記ATP1A2または前記ATP1A3との交差を検出するcell-based assay(CBA)法によって、前記検体が抗ATP1A3抗体を含むかを判断する、バイオマーカーの検出方法。
【請求項9】
前記細胞がSKN細胞(人神経芽細胞腫由来細胞)である、請求項8に記載のバイオマーカーの検出方法。
【請求項10】
前記検体が前記被験者から得られた血清またはその抽出物である、請求項8に記載のバイオマーカーの検出方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、脱髄疾患の診断や病態解明に関連するスクリーニング方法、バイオマーカーの検出方法および脱髄疾患の診断を補助する方法に関する。
本願は、2024年5月28日に米国に仮出願された米国特許出願番号63/652,184号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
多発性硬化症(multiple sclerosis、MS)または中枢神経脱髄は、中枢神経(central nervous system、CNS)髄鞘に対する自己免疫とされるが、特異抗体や責任抗原は発見されていない。
日本でも8種類の疾患修飾薬が導入され、再発寛解型(relapsing remitting MS、RRMS)の再発は比較的抑えられるようになった。しかし、既存薬を用いても、RRMSの半数が移行する二次進行型(secondary progressive MS、SPMS)や発病時から緩徐進行性の経過をとる一次性進行型(primary progressive MS、PPMS)等の慢性進行型MS(progressive MS、PMS)については、ほとんど障害進行の防止はできない。
【0003】
PMSではオクレリズマブやオファツムマブなどの抗CD20モノクローナル抗体やシポニモドが20%程度進行を遅らせる。しかし、再発によらない障害の慢性的な進行(progression independent of relapse activity、PIRA)を臨床的に検出することは極めて難しいため、RRMSからSPMSへの移行の診断は3年程度遅れるとされている。それがSPMSの治療薬への切り替えの遅れにつながっている。またPPMSは診断自体が難しい。
したがって、PMSを早期に診断でき、病態解明につながるバイオマーカーの開発が喫緊の課題となっている。
【0004】
一方、MSの類縁疾患である視神経脊髄炎スペクトラム障害(neuromyelitis optica spectrum disorder、NMOSD)では、抗aquaporin 4(AQP4)抗体陽性例では、エクリズマブなどのモノクローナル抗体療法で再発はよく抑えられるようになった。しかし、抗体陰性NMOSDでは、これらのモノクローナル抗体製剤は無効で、ステロイドや免疫抑制薬では再発を抑えることが難しく、病態解明が強く求められている。
【0005】
これらの症例のうち一部では、抗myelin oligodendrocyte glycoprotein(MOG)抗体が陽性である。一方では、抗AQP抗体陰性・抗MOG抗体陰性で視神経・脊髄障害の強い、MSとしては非典型的な症例も多く存在し、これらの症例については、MOG抗体等では検出することができない。このため、病態解明につながる診断バイオマーカーの開発が強く望まれている。
【0006】
本発明者らは、これまでに末梢神経(peripheral nervous system、PNS)の脱髄疾患である慢性炎症性脱髄性多発神経炎(chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy、CIDP)やCNSとPNSの両者に脱髄をきたす中枢末梢連合脱髄症(combined central and peripheral demyelination、CCPD)において、neurofascin 155(NF155)やleucine rich repeat LGI family member 4(LGI4)などの、ランビエ絞輪部に局在するノド蛋白に対する抗体を発見している。本発明者らは、これらの抗体陽性者は特異な病像を示すことを明らかにしており、現在、これらのPNSノド抗体陽性例は自己免疫性ノドパチーと称されるようになっている。
【0007】
抗NF155抗体に関して、本発明者らの特許文献1では、検体中に含まれる、IgG4が主体である抗NF155抗体を測定し、抗NF155抗体陽性又は陰性を判定する工程を含み、抗NF155抗体陽性の場合に、抗NF155抗体陰性の場合と比較して、末梢神経遠位部及び神経根における神経伝導速度が遅く、近位末梢神経及び神経根の肥厚が大きく、かつ髄液蛋白値が高いと判定する、慢性炎症性脱髄性多発神経炎の診断を補助する方法、それを用いたキット、バイオマーカーを開示している。この技術は、前記抗体によりCIDPを診断する方法、特にCIDPの中から特定の病態生理を有する一群を特異的に診断するための診断方法、その診断に使用するためのキット及びバイオマーカーを提供しようとするものである。
【0008】
抗LGI4抗体に関して、本発明者らの特許文献2では、抗LGI4抗体を含む、炎症性脱髄性多発神経炎の診断または治療効果の判定のための、または、その炎症性脱髄性多発神経炎が、自己免疫性ノドパチーであるバイオマーカー、それを含む診断用キットおよびそれを用いた診断を補助する方法を開示している。この技術は、自己抗体が未知の急性及び慢性の炎症性脱髄性末梢神経疾患において、特定の病態生理を有する一群を、特異的に診断するためのバイオマーカー、診断用キットおよび診断を補助する方法を提供しようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特許第6751025号公報
特開2025-21769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述のように、抗AQP4抗体陰性・抗MOG抗体陰性のMS/NMOSD/CCPD等のCNS脱髄疾患での解明、診断に用いることができるCNSノド抗体は強く望まれている。MSでも初期病巣からランビエ絞輪部が伸長するノドパチーがみられるとする剖検例の病理報告が多くみられる。ランビエ絞輪の軸索蛋白であるNF186やTAG1に対する自己抗体がMSでみられるとする報告も10年以上前になされたが、以後、それを肯定する他施設からの報告はなく、確立したCNSノド抗体はない。
(【0011】以降は省略されています)

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