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公開番号2025178855
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-09
出願番号2024085703
出願日2024-05-27
発明の名称整流壁の設置構造、整流壁の製造方法、及び整流壁の設置方法
出願人鹿島建設株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類E03B 1/00 20060101AFI20251202BHJP(上水;下水)
要約【課題】コストの増大を抑制しつつ施工性の向上を図ることができる整流壁の設置構造、整流壁の製造方法、及び整流壁の設置方法を提供する。
【解決手段】整流壁の設置構造100は、水流を整えるために水を通す貫通孔3cを有する整流壁1を浄水施設Sの水路S1に設置する構造である。整流壁の設置構造100は、水路S1の一対の側壁2を結ぶように延在する複数の整流壁本体3と、整流壁本体3と側壁2とを接合する接合部10と、を備える。接合部10は、整流壁本体3の端面3dから突出する第1ループ鉄筋11と、側壁2から突出する第2ループ鉄筋12と、第1ループ鉄筋11及び第2ループ鉄筋12を埋め込んで打設される間詰め材13と、を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
水流を整えるために水を通す貫通孔を有する整流壁を浄水施設の水路に設置する整流壁の設置構造であって、
前記水路の一対の側壁を結ぶように延在する複数の整流壁本体と、
前記整流壁本体と前記側壁とを接合する接合部と、を備え、
前記接合部は、前記整流壁本体の側端部から突出する第１ループ鉄筋と、前記側壁から突出する第２ループ鉄筋と、前記第１ループ鉄筋及び前記第２ループ鉄筋を埋め込んで打設される間詰め材と、を有する、整流壁の設置構造。
続きを表示（約 1,300 文字）【請求項２】
前記第１ループ鉄筋及び前記第２ループ鉄筋は、鉛直面に沿って延びる仮想的なループ面を形成している、請求項１に記載の整流壁の設置構造。
【請求項３】
前記第１ループ鉄筋及び前記第２ループ鉄筋は、水平面に沿って延びる仮想的なループ面を形成している、請求項１に記載の整流壁の設置構造。
【請求項４】
前記第１ループ鉄筋及び前記第２ループ鉄筋は、仮想的なループ面を形成し、
前記ループ面の法線方向から見て、隣り合う前記第１ループ鉄筋及び前記第２ループ鉄筋は、前記接合部において互いに重複している、請求項１又は２に記載の整流壁の設置構造。
【請求項５】
前記第１ループ鉄筋及び前記第２ループ鉄筋は、仮想的なループ面を形成し、
前記ループ面の法線方向から見て、隣り合う前記第１ループ鉄筋及び前記第２ループ鉄筋は、前記接合部において互いに重複しておらず、
前記接合部は、前記ループ面の法線方向から見て、隣り合う前記第１ループ鉄筋及び前記第２ループ鉄筋の双方に重複する第３ループ鉄筋を有する、請求項１又は２に記載の整流壁の設置構造。
【請求項６】
前記第１ループ鉄筋及び前記第２ループ鉄筋は、仮想的なループ面を形成し、
前記接合部は、前記ループ面に交差するように前記第１ループ鉄筋及び前記第２ループ鉄筋の内側に配置された補強材を有する、請求項１又は２に記載の整流壁の設置構造。
【請求項７】
浄水施設の水路に設置され、水流を整えるために水を通す貫通孔を有する整流壁を製造する整流壁の製造方法であって、
前記水路の一対の側壁を結ぶように延在し、側端部が接合部によって一対の前記側壁とそれぞれ接合されることで前記整流壁を構成する複数の整流壁本体を製造する工程を備え、
前記整流壁本体を製造する工程は、
前記整流壁本体の外形を規定する型枠を配置する工程と、
前記外形のうち前記側端部となる部分に第１ループ鉄筋を配筋する工程と、
前記第１ループ鉄筋が前記側端部から突出するように前記型枠内にコンクリートを打設する工程と、を含み、
前記第１ループ鉄筋を配筋する工程では、前記第１ループ鉄筋として溶接閉鎖型鉄筋を用いる、整流壁の製造方法。
【請求項８】
水流を整えるために水を通す貫通孔を有する整流壁を浄水施設の水路に設置する整流壁の設置方法であって、
前記水路の一対の側壁を結ぶように複数の整流壁本体を延在させる配置工程と、
前記整流壁本体の側端部と一対の前記側壁とをそれぞれ接合する接合工程と、を備え、
前記配置工程では、前記整流壁本体の前記側端部から第１ループ鉄筋を突出させ、前記側壁から第２ループ鉄筋を突出させた状態で、前記整流壁本体を配置し、
前記接合工程では、
前記第１ループ鉄筋及び前記第２ループ鉄筋を埋め込む間詰め材を打設し、
前記間詰め材の打設では、複数の前記整流壁本体のうちの一部を対象にした前記打設を段階的に複数回行う、整流壁の設置方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、整流壁の設置構造、整流壁の製造方法、及び整流壁の設置方法に関する。
続きを表示（約 1,700 文字）【背景技術】
【０００２】
特許文献１には、プレキャスト化された複数の水平部材を積み上げて構成される整流壁を備える水処理用沈殿池が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２０００－０５１６１０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
上記従来技術では、沈殿池の流入口の近くに支柱及び角落としが設けられ、支柱の両側の凹溝及び角落としの凹溝に整流壁が挿入されて支持される。この構造の場合、凹溝を設ける対象によっては、例えば側壁の厚さに限りがある浄水施設の水路等、十分な差込み深さ（凹溝の深さ）を確保することが難しいことがある。更に、側壁が鉄筋コンクリートの場合、凹部を設けた側壁の鉄筋に継手等を設置する必要が生じ、その設置が難しいことがある。このように、整流壁の設置の施工性に改良の余地がある。
【０００５】
また、側壁に凹溝を設けることに代えて、側壁に山形鋼等の形鋼を一対取付け、一対の形鋼の間に整流壁を落とし込む構造が考えられる。この場合、側壁に凹溝を設ける加工に伴う上記問題点は回避される一方で、浄水施設での使用に伴う鋼材の腐食対策を考慮するとステンレス鋼等の耐食性を有する形鋼が要され、コストの増大を招くおそれがある。
【０００６】
本発明は、コストの増大を抑制しつつ施工性の向上を図ることができる整流壁の設置構造、整流壁の製造方法、及び整流壁の設置方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
（１）本発明の一態様は、水流を整えるために水を通す貫通孔を有する整流壁を浄水施設の水路に設置する整流壁の設置構造であって、水路の一対の側壁を結ぶように延在する複数の整流壁本体と、整流壁本体と側壁とを接合する接合部と、を備え、接合部は、整流壁本体の側端部から突出する第１ループ鉄筋と、側壁から突出する第２ループ鉄筋と、第１ループ鉄筋及び第２ループ鉄筋を埋め込んで打設される間詰め材と、を有する。
【０００８】
本発明の一態様に係る整流壁の設置構造では、複数の整流壁本体が水路の一対の側壁を結ぶように延在させられて、複数の整流壁本体と側壁とが接合部によって接合されることで、整流壁が設置される。接合部では、第１ループ鉄筋及び第２ループ鉄筋を埋め込むように間詰め材が打設される。予め整流壁本体の側端部と側壁とからそれぞれ突出させておいた第１ループ鉄筋及び第２ループ鉄筋を間詰め材で埋めて固めることで、接合部を組み立てることができる。この構造によれば、側壁への凹溝加工が不要となり、鉄筋同士を繋ぐ継手等の高価な定着体が不要となる。また、接合部において整流壁本体の設置の施工誤差を吸収できるため、例えば高い精度で整流壁本体を設置することが不要となり、施工性の低下を抑制できる。したがって、本発明の一態様に係る整流壁の設置構造によれば、コストの増大を抑制しつつ施工性の向上を図ることができる。
【０００９】
（２）上記（１）において、第１ループ鉄筋及び第２ループ鉄筋は、鉛直面に沿って延びる仮想的なループ面を形成していてもよい。この場合、鉛直面に沿って整流壁本体を動かして順次積み重ねることにより、第１ループ鉄筋と第２ループ鉄筋との干渉を抑制しつつ複数の整流壁本体を設置することができる。また、水平方向の揺れに対しては、第１ループ鉄筋及び第２ループ鉄筋が互いに干渉するため、別途の仮設材を用いることなく、設置途中での整流壁本体の落下リスクを低減することができる。
【００１０】
（３）上記（１）において、第１ループ鉄筋及び第２ループ鉄筋は、水平面に沿って延びる仮想的なループ面を形成していてもよい。この場合、水平面に沿って整流壁本体を動かして順次積み重ねることにより、第１ループ鉄筋と第２ループ鉄筋との干渉を抑制しつつ複数の整流壁本体を設置することができる。
（【００１１】以降は省略されています）

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