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公開番号2025170563
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-19
出願番号2024075237
出願日2024-05-07
発明の名称接続方法
出願人鹿島建設株式会社
代理人個人
主分類E02D 27/12 20060101AFI20251112BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】プレキャスト上部工の孔を細径化しつつ、水平力に対しても効果的に抵抗でき、且つ施工も容易に行うことのできる斜杭とプレキャスト上部工の接続方法等を提供する。
【解決手段】本発明の接続方法は、管状の斜杭4とコンクリート製のプレキャスト上部工2とを接続するものである。プレキャスト上部工2には、斜杭4に沿った傾斜を有する孔24が設けられる。斜杭4とプレキャスト上部工2とを接続する際は、斜杭4の上にプレキャスト上部工2を配置する工程(a)と、孔24および斜杭4の上端部の内側に、斜杭4に沿った傾斜を有する接続管13を挿入する工程(b)と、孔24および斜杭4の上端部の内側に、充填材を充填する工程(c)と、を実施する。工程(b)において、板材53を用いて接続管13をガイドすることで、接続管13を斜杭4の傾斜に合わせて傾斜した状態で下降させ、孔24および斜杭4の上端部の内側に挿入する。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
管状の斜杭とコンクリート製のプレキャスト上部工との接続方法であって、
前記プレキャスト上部工に、前記斜杭に沿った傾斜を有する孔が設けられ、
前記斜杭の上に前記プレキャスト上部工を配置する工程(a)と、
前記孔および前記斜杭の上端部の内側に、前記斜杭に沿った傾斜を有する接続管を挿入する工程(b)と、
前記孔および前記斜杭の上端部の内側に、充填材を充填する工程(c)と、
を有し、
前記工程(b)において、ガイド材を用いて前記接続管をガイドすることで、前記接続管を前記斜杭の傾斜に合わせて傾斜した状態で下降させ、前記孔および前記斜杭の上端部の内側に挿入することを特徴とする接続方法。
続きを表示(約 430 文字)【請求項2】
前記ガイド材は、前記プレキャスト上部工の上に配置された架台に鉛直面内で回転可能に設けられる板材であり、
前記接続管は、前記ガイド材に沿って傾倒した状態で挿入されることを特徴とする請求項1記載の接続方法。
【請求項3】
前記ガイド材は、前記プレキャスト上部工の上に配置された架台に設けられ、鉛直面内で回転する上下のローラであり、
前記斜杭の傾斜に合わせて傾斜した前記接続管が、上下の前記ローラに当接することを特徴とする請求項1記載の接続方法。
【請求項4】
前記ガイド材は、上方から張られる線材であり、
前記接続管は、前記接続管の内部に前記線材が通された状態で挿入されることを特徴とする請求項1記載の接続方法。
【請求項5】
前記斜杭と前記プレキャスト上部工は、港湾の桟橋における斜杭とプレキャスト上部工であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の接続方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、斜杭とプレキャスト上部工の接続方法等に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
船舶の係留等に利用される桟橋は、上部工を杭によって支持する構造となっている。この杭として斜杭を用いることで、水平力に対して効果的に抵抗させることができ、ブレース等による杭の補強を省略することができる。
【0003】
上部工はコンクリートの現場打設によって構築することもできるが、潮位や波浪等の気象・海象条件の影響を強く受けるため、工程遅延のリスクや、品質および環境面への影響リスクがある。また、操業中の民間施設における桟橋更新では工事期間が長くなることで、操業活動に支障が出る恐れがある。そのため、工期短縮、施工の合理化、品質向上や安全性確保を図る観点から、特許文献1のようにコンクリート製のプレキャスト上部工が用いられることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-152089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
プレキャスト上部工による桟橋の施工時には、先行打設した杭の上からプレキャスト上部工を鉛直下方に吊り降ろし、プレキャスト上部工と杭とを接続するが、この際問題となるのが、斜杭とプレキャスト上部工の接続部である。通常、プレキャスト上部工には、杭を挿入するため、杭径に施工誤差を加えた程度の大きさの孔が設けられるが、斜杭の場合、杭が斜めになっている分、杭挿入用の孔を大きくする必要があり、孔が大きくなったことによる補強等の後施工で時間を要する。
【0006】
一方、特許文献1では、屈曲形状の接合用部材を用いて斜杭とプレキャスト上部工の接続を行っており、接合用部材の傾斜部分を斜杭の杭頭部に挿入して固定した上で、プレキャスト上部工の孔に接合用部材の鉛直部分を挿入し、当該孔に充填材を充填した構造としている。これにより、斜杭とプレキャスト上部工の接続部においても、プレキャスト上部工の孔の径を小さくできる。
【0007】
しかしながら、特許文献1では、斜杭および接合用部材の傾斜部分が、プレキャスト上部工の下面近傍から下方に延びる構成となっている。斜杭の効果は、斜杭とプレキャスト上部工が成すトラス構造により実現される部分が大きいが、斜杭および接合用部材の傾斜部分がプレキャスト上部工の厚さ方向の中心から遠いと、完全なトラス構造とみなすことが難しく、水平力に対し杭頭部に余分な曲げモーメントが発生するなどして斜杭を設けた効果が低減する。
【0008】
また、接合用部材の傾斜部分を斜杭内に挿入するためには、接合用部材を斜め方向に下降させる必要があるが、接合用部材と斜杭との接触(衝突)防止や、接合用部材の精度良い設置のために施工手間を要する。
【0009】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、プレキャスト上部工の孔を細径化しつつ、水平力に対しても効果的に抵抗でき、且つ施工も容易に行うことのできる斜杭とプレキャスト上部工の接続方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した課題を解決するための本発明は、管状の斜杭とコンクリート製のプレキャスト上部工との接続方法であって、前記プレキャスト上部工に、前記斜杭に沿った傾斜を有する孔が設けられ、前記斜杭の上に前記プレキャスト上部工を配置する工程(a)と、前記孔および前記斜杭の上端部の内側に、前記斜杭に沿った傾斜を有する接続管を挿入する工程(b)と、前記孔および前記斜杭の上端部の内側に、充填材を充填する工程(c)と、を有し、前記工程(b)において、ガイド材を用いて前記接続管をガイドすることで、前記接続管を前記斜杭の傾斜に合わせて傾斜した状態で下降させ、前記孔および前記斜杭の上端部の内側に挿入することを特徴とする接続方法である。
(【0011】以降は省略されています)

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