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公開番号
2025178179
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-12-05
出願番号
2025084691
出願日
2025-05-21
発明の名称
リチウムイオン電池の熱伝導率の試験装置及び試験方法
出願人
中汽研新能源汽車検験中心(天津)有限公司
,
CATARC New Energy Vehicle Test Center (Tianjin) Co.,Ltd.
代理人
個人
主分類
G01N
25/18 20060101AFI20251128BHJP(測定;試験)
要約
【課題】電池試験分野に関し、具体的には、リチウムイオン電池の熱伝導率の試験装置及び試験方法に関する。
【解決手段】試験方法は、電池の準定常状態に加熱されてから準定常状態になった後の設定された時間間隔内の第1熱電対及び第2熱電対によって収集された試験温度を取得することと、シミュレーションモデルを構築することと、シミュレーションモデルに複数組の電池熱伝導率を入力し、シミュレーションモデルの出力する複数組のシミュレーション温度を取得することと、第2熱電対によって収集された試験温度及び複数組の前記シミュレーション温度に基づいて、電池熱伝導率を決定することとを含む。本発明は、熱伝導率の正確で、迅速で、安全な測定を実現することができる。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
リチウムイオン電池の熱伝導率の試験方法であって、
前記試験方法は、リチウムイオン電池の熱伝導率の試験装置を用いて試験を行い、
前記試験装置は、平行に設けられた第1電池及び第2電池を備え、前記第1電池と前記第2電池との間に加熱フィルムが設けられ、前記加熱フィルムの面積は、前記第1電池と前記第2電池との接触面積よりも小さく、
前記加熱フィルムの中心位置に第1熱電対が配置され、前記第1熱電対は、前記加熱フィルムの通電後に、前記中心位置の温度を収集するために用いられ、
前記第1電池の上面及び前記第2電池の下面にそれぞれ、少なくとも2つの第2熱電対が設けられ、前記第2熱電対は、前記加熱フィルムの通電後に、前記第1電池と前記第2電池の各位置の温度を収集するために用いられ、
前記試験方法は、
電池が加熱により準定常状態に到達してから、設定された時間内に第1熱電対及び第2熱電対によって収集された試験温度を取得することと、
シミュレーションモデルを構築することと、
前記シミュレーションモデルに複数組の電池熱伝導率を入力し、前記シミュレーションモデルの出力する複数組のシミュレーション温度を取得することと、
前記第2熱電対によって収集された試験温度及び複数組の前記シミュレーション温度に基づいて、電池熱伝導率を決定することとを含み、
前記シミュレーションモデルを構築することは、
電池の温度依存の比熱容量、電池密度、加熱フィルム密度、加熱フィルムの比熱容量及び加熱フィルムの熱伝導率に基づいて、初期シミュレーションモデルを構築することと、ただし、前記電池の温度依存の比熱容量は、前記電池が前記準定常状態に到達してから、前記設定された時間内の比熱容量であり、
前記初期シミュレーションモデルに複数の予め設定された加熱エネルギー密度を入力し、前記初期シミュレーションモデルの出力する複数の第1シミュレーション温度を取得することと、ただし、前記第1シミュレーション温度は、前記加熱フィルムの中心位置のシミュレーション温度であり、
前記第1熱電対によって収集された試験温度及び複数の前記第1シミュレーション温度に基づいて、前記シミュレーションモデルを決定すること、とを含み、ただし、前記シミュレーションモデルは、シミュレーションされた加熱エネルギー密度を含み、前記シミュレーションされた加熱エネルギー密度は、前記第1シミュレーション温度と前記第1熱電対によって収集された試験温度との一致性が最も高い予め設定された加熱エネルギー密度である、
ことを特徴とするリチウムイオン電池の熱伝導率の試験方法。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
電池が加熱により準定常状態に到達してから、設定された時間内に第1熱電対及び第2熱電対によって収集された試験温度を取得することの前に、さらに、前記装置を断熱熱量計内に配置することを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池の熱伝導率の試験方法。
【請求項3】
前記加熱フィルムの通電後に、第1点位置及び第2点位置の温度がいずれも第1固定値であるか又は前記第1固定値の設定された偏差内にある場合、或いは、第1点位置と前記加熱フィルムの中心位置との温度差、及び第2点位置と前記加熱フィルムの中心位置との温度差がいずれも第2固定値であり且つ設定された時間維持された場合、或いは、2つの前記温度差がいずれも、第2固定値であるか又は前記第2固定値の設定された偏差内にある場合、前記準定常状態に到達したと判断する、ことを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池の熱伝導率の試験方法。
【請求項4】
前記第2熱電対によって収集された試験温度及び複数組の前記シミュレーション温度に基づいて、電池熱伝導率を決定することは、
前記第2熱電対によって収集された試験温度に対してデータ処理を行い、前記データ処理が、第1電池及び第2電池における対称点位置の試験温度の平均値を試験特徴温度とし、前記試験特徴温度が複数あることと、
前記試験特徴温度と複数組の前記シミュレーション温度を比較し、前記試験特徴温度との一致性が最も高いシミュレーション温度に対応する熱伝導率を前記電池熱伝導率として決定することとを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池の熱伝導率の試験方法。
【請求項5】
前記第1電池の上面における第2熱電対は、第1点位置、及び、前記第1点位置と一定の距離を隔てた他の点位置に設けられ、
前記第2電池の下面における第2熱電対は、第2点位置、及び、前記第2点位置と一定の距離を隔てた他の点位置に設けられ、
前記第1点位置は、前記第1電池の上面における前記中心位置に最も近い点が所在する位置であり、前記第2点位置は、前記第2電池の下面における前記中心位置に最も近い点が所在する位置であり、前記第1電池の上面における第2熱電対と前記第2電池の下面における第2熱電対は、前記加熱フィルムが位置する平面を対称面として対称に設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池の熱伝導率の試験方法。
【請求項6】
前記第1電池の上面における第2熱電対は、第1点位置と、前記第1電池の長さ方向に沿って配列された第3点位置、第5点位置及び第7点位置と、前記第1電池の幅方向に沿って配列された第9点位置及び第11点位置とに設けられ、
前記第2電池の下面における第2熱電対は、第2点位置と、前記第2電池の長さ方向に沿って配列された第4点位置、第6点位置及び第8点位置と、前記第2電池の幅方向に沿って配列された第10点位置及び第12点位置とに設けられている、ことを特徴とする請求項5に記載のリチウムイオン電池の熱伝導率の試験方法。
【請求項7】
第1点位置、第3点位置、第5点位置及び第7点位置は、順に10~30mmの間隔で配置され、
第1点位置、第9点位置及び第11点位置は、順に10~30mmの間隔で配置されている、ことを特徴とする請求項6に記載のリチウムイオン電池の熱伝導率の試験方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池試験分野に関し、具体的には、リチウムイオン電池の熱伝導率の試験装置及び試験方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
熱伝導率は、リチウムイオン電池の重要な指標であるため、熱伝導率を正確に測定することは、非常に重要である。現在、リチウムイオン電池の熱伝導率を測定する方法には、主に以下のいくつかの方法があり、1つ目の方法は、リチウムイオン電池に直並列に接続された材料の熱伝導率を用いて電池全体の熱伝導率を取得する方法である。当該方法は、電池の内部の材料の接触熱抵抗の不確実性を考慮せず、得られた熱伝導率は、正確ではない。2つ目の方法は、標準プログラム法(定常状態法)又は改良標準プログラム法を用いて熱伝導率の試験を行う方法であり、当該一連の方法は、フーリエの法則を基礎とし、モデルに対して一次元熱伝導の仮定を行う必要があり、単一の方向の熱伝導率しか測定することができず、且つリチウムイオン電池の外形形態の制限を受け、特定の電池のある方向に対して定常状態法で測定することができず、さらに、電池が定常状態に達するために必要な加熱時間が長く、長時間の加熱は、電池の熱暴走を引き起こし、安全問題を引き起こす。従って、等価異方性熱伝導率を高精度で迅速に測定する方法が緊急に必要とされている。
これに鑑み、特に本発明を提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、リチウムイオン電池の異方性熱伝導率を正確に、迅速に、安全に測定できない問題を解決できるリチウムイオン電池の熱伝導率の試験装置及び試験方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を実現するために、本発明は、以下の技術的手段を用いる。
第1態様として、本発明は、リチウムイオン電池の熱伝導率の試験装置を提供し、当該試験装置は、平行に設けられた第1電池及び第2電池を備え、前記第1電池と前記第2電池との間に加熱フィルムが設けられ、前記加熱フィルムの面積は、前記第1電池と前記第2電池との接触面積よりも小さく、
前記加熱フィルムの中心位置に第1熱電対が配置され、前記第1熱電対は、前記加熱フィルムの通電後に、前記中心位置の温度を収集するために用いられ、
前記第1電池の上面及び前記第2電池の下面にそれぞれ、少なくとも2つの第2熱電対が設けられ、前記第2熱電対は、前記加熱フィルムの通電後に、前記第1電池と前記第2電池の各位置の温度を収集するために用いられる。
【0005】
第2態様として、本発明は、リチウムイオン電池の熱伝導率の試験方法を提供し、当該試験方法は、上記リチウムイオン電池の熱伝導率の試験装置を用いて試験を行い、
当該試験方法は、
電池が準定常状態に加熱されてから、設定された時間内に第1熱電対及び第2熱電対によって収集された試験温度を取得することと、
シミュレーションモデルを構築することと、
前記シミュレーションモデルに複数組の電池熱伝導率を入力し、シミュレーションモデルの出力する複数組のシミュレーション温度を取得することと、
前記第2熱電対によって収集された試験温度及び複数組の前記シミュレーション温度に基づいて、電池熱伝導率を決定することとを含む。
【0006】
従来技術に比べて、本発明の奏する有益な効果は、以下の通りである。
本発明の提供するリチウムイオン電池の熱伝導率の試験装置は、第1電池と第2電池が平行に設けられ、それらの間に加熱フィルムが設けられ、加熱フィルムは、電池を加熱するために用いられる。加熱過程において、第1熱電対及び第2熱電対によって、加熱フィルムの中心位置及び電池の表面の特定位置の温度を収集することができ、収集された温度は、さらに電池熱伝導率の計算に用いることができる。当該装置は、従来のフーリエの法則に基づく無限大平板モデルと異なり、電池の各方向における熱伝導率を試験することができ、且つ電池の形態(ソフトパック電池の厚さが小さく、加熱シートなどを配置することができない等)による影響を受けず、ソフトパック、角型及び円柱型電池の熱伝導率を試験することができる。
【0007】
本発明の提供するリチウムイオン電池の熱伝導率の試験方法は、シミュレーションモデルを構築することにより、上記試験装置によって収集された試験温度と合わせて、電池熱伝導率を決定し、熱伝導率の正確で、迅速で、安全な測定を実現することができる。
【0008】
さらに、試験時に当該装置を断熱熱量計内に配置し、断熱環境を構築し、試験結果がより正確になり、且つ電池が準定常状態により容易に入りやすく、必要な加熱時間が短く、効率が高く、さらに熱暴走の発生を避け、試験の安全性を向上させることができる。
【0009】
さらに、シミュレーションモデルを構築する際には、シミュレーションされた加熱エネルギー密度を十分に考慮し、予め設定された加熱エネルギー密度を変更することにより複数の第1シミュレーション温度を取得し、第1シミュレーション温度と第1熱電対によって収集された試験温度との一致性が最も高い場合、対応する予め設定された加熱エネルギー密度は、シミュレーションされた加熱エネルギー密度であり、これは実際の試験時の加熱エネルギー密度をシミュレーションモデルの入力条件として直接使用することに比べて、より正確である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の具体的な実施形態又は従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下では、具体的な実施形態又は従来技術の説明に使用する必要がある図面を簡単に説明し、明らかなように、以下の説明における図面は、本発明のいくつかの実施形態であり、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、さらにこれらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
実施例1のリチウムイオン電池の熱伝導率の試験装置の構成模式図である。
実施例2のリチウムイオン電池の熱伝導率の試験方法のフローチャートの模式図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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