特許ウォッチ

公開番号2025177991
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-05
出願番号2024085195
出願日2024-05-24
発明の名称深度測定装置、深度測定方法及び深度測定プログラム
出願人株式会社トヨタプロダクションエンジニアリング
代理人弁理士法人白坂
主分類G01B 15/00 20060101AFI20251128BHJP(測定;試験)
要約【課題】放射線源の位置を変えて取得した複数の撮像画像の再構築に起因する深度の測定精度の低下を抑制することができる深度測定装置を提供。
【解決手段】深度測定装置は、放射線源と、放射線源に正対の検出面を備え検出面と放射線源の間の距離を固定距離に保つ検出器を備え、奥行き方向の放射線源からの距離が第1距離であり、検出面に沿う方向の放射線源からの距離が第2距離である第1位置に存在する対象物が、奥行き方向の距離が第1距離であり、検出面に沿う方向が第3距離の第2位置に至るまでの間、露光を続ける検出器によって対象物を撮像した撮像画像を取得し、撮像画像に含まれる対象物の像の検出面に沿う方向の端部間の距離に基づいて、対象物が第1位置から第2位置に至るまでの間の対象物の像のずれ量を特定し、固定距離と、第2距離と第3距離との差分と、ずれ量と、に基づいて第1距離を算出する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項１】
放射線を放射する放射線源と、
前記放射線源に正対して前記放射線源が放射した放射線を検出する検出面を備え、前記検出面と前記放射線源との間の距離を固定された固定距離に保つ検出器と、
前記放射線源から前記検出面に向かう奥行き方向における前記放射線源からの距離が第１距離であって、前記検出面に沿う方向における前記放射線源からの距離が第２距離である第１位置に存在する対象物が、前記奥行き方向の距離が前記第１距離であって、前記検出面に沿う方向が前記第２距離とは異なる第３距離である第２位置に至るまでの間、前記対象物に対して前記放射線源に放射線の照射を続けさせて、前記第１位置から前記第２位置に移動する前記対象物を撮像し１枚の撮像画像として取得する取得部と、
前記撮像画像に含まれる前記対象物の像の前記検出面に沿う方向における端部間の距離に基づいて、前記対象物が前記第１位置から前記第２位置に至るまでの間の前記検出面に投影される前記対象物の像の位置のずれ量を特定する特定部と、
前記固定距離と、前記第２距離と前記第３距離との差分と、前記ずれ量と、に基づいて前記第１距離を算出する算出部と、
を備えることを特徴とする深度測定装置。
続きを表示（約 1,500 文字）【請求項２】
前記放射線源と前記検出面との間に前記対象物を静止させて、前記放射線源と前記検出面との間の距離を前記固定距離に保ったまま前記放射線源と前記検出面とを前記検出面に沿う方向であって同方向に同じ距離移動させる移動機構を備え、
前記差分は、前記検出面の露光を開始したときから終了したときまでの間の前記放射線源の移動距離であることを特徴とする請求項１に記載の深度測定装置。
【請求項３】
前記放射線源と前記検出面とを静止させて、前記放射線源と前記検出面との間を前記検出面に沿う方向に前記対象物を移動させる移動機構を備え、
前記差分は、前記検出面の露光を開始したときから終了したときまでの間の前記対象物の移動距離であることを特徴とする請求項１に記載の深度測定装置。
【請求項４】
前記検出面と前記対象物とを静止させて、前記放射線源と前記検出面との間の距離を前記固定距離に保ったまま、前記放射線源のみ前記検出面に沿う方向に移動させる移動機構を備え、
前記差分は、前記検出面の露光を開始したときから終了したときまでの間の前記放射線源の移動距離であることを特徴とする請求項１に記載の深度測定装置。
【請求項５】
前記移動機構は、ロボットアームであることを特徴とする請求項２乃至４の何れか一項に記載の深度測定装置。
【請求項６】
前記算出部は、前記差分を前記ずれ量で除し、前記固定距離を乗じて前記第１距離を算出することを特徴とする請求項２又は３に記載の深度測定装置。
【請求項７】
前記算出部は、前記差分を、前記ずれ量と前記差分との和で除し、前記固定距離を乗じて前記第１距離を算出することを特徴とする請求項４に記載の深度測定装置。
【請求項８】
前記特定部は、前記撮像画像に含まれる前記対象物の像の輝度が前記検出面に沿う方向において一定である距離に、前記対象物の像の輝度が前記検出面に沿う方向において変化している部分の距離の２分した距離を加算した値を、前記ずれ量として特定することを特徴とする請求項１に記載の深度測定装置。
【請求項９】
前記第１距離を出力する出力部を備えることを特徴とする請求項１に記載の深度測定装置。
【請求項１０】
放射線を放射する放射線源、及び、前記放射線源に正対して前記放射線源が放射した放射線を検出する検出面を備え、前記検出面と前記放射線源との間の距離を固定された固定距離に保つ検出器それぞれとの間で通信が可能なコンピュータが、
前記放射線源から前記検出面に向かう奥行き方向における前記放射線源からの距離が第１距離であって、前記検出面に沿う方向における前記放射線源からの距離が第２距離である第１位置に存在する対象物が、前記奥行き方向の距離が前記第１距離であって、前記検出面に沿う方向が前記第２距離とは異なる第３距離である第２位置に至るまでの間、前記対象物に対して前記放射線源に放射線の照射を続けさせて、前記第１位置から前記第２位置に移動する前記対象物を撮像し１枚の撮像画像として取得する取得ステップと、
前記撮像画像に含まれる前記対象物の像の前記検出面に沿う方向における端部間の距離に基づいて、前記対象物が前記第１位置から前記第２位置に至るまでの間の前記検出面に投影される前記対象物の像の位置のずれ量を特定する特定ステップと、
前記固定距離と、前記第２距離と前記第３距離との差分と、前記ずれ量と、に基づいて前記第１距離を算出する算出ステップと、
を実行することを特徴とする深度測定方法。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本開示は、深度測定装置、深度測定方法、及び深度測定プログラムに関し、特に放射線でもって測定する深度測定装置、深度測定方法、及び深度測定プログラムに関する。
続きを表示（約 1,500 文字）【背景技術】
【０００２】
従来、放射線を利用して物体の内部情報を画像でもって取得する技術が利用されてきた。中でもトモシンセシス技術の利用が普及しつつある。トモシンセシス技術とは、放射線源の位置を変化させて放射線を被検体に照射して取得した複数の撮像画像を再構築することにより、被検体の内部情報を高精度に取得する技術のことをいう。
【０００３】
例えば、特許文献１に開示の断層画像生成装置は、放射線源を検出器の検出面に対して相対的に移動させ、複数の放射線源の位置において被検体に放射線を照射するトモシンセシス撮影を行う。特許文献１に開示の断層画像生成装置は、被検体の高画質の断層画像を取得できるとしている。
【０００４】
放射線は放射状に広がるので、放射線を被検体に照射する場合に、放射線源の位置が変わると被検体への放射線の入射角が変わり、異なる放射線源の位置ごとで得られる撮像画像に写る被検体の像の形状は変化する。
【０００５】
このため、放射線の被検体への照射角度を変化させて取得した複数の撮像画像を再構築して被検体の内部情報を取得する上で、複数の撮像画像において被検体の像の形状の不一致が被検体の内部情報の精度の低下の要因になると懸念された。
【０００６】
特許文献１に開示の断層画像生成装置は、放射線源を検出器の検出面に対して相対的に移動させて取得した複数の撮像画像を再構築するため、複数の撮像画像において被検体の像の形状の不一致が被検体の断層画像の画質の劣化の要因となるおそれが有った。
【０００７】
そして、トモシンセシス技術を用いて被検体内部の対象物の深度を測定する深度測定装置においても、放射線源の位置を変えて取得した複数の撮像画像を再構築するこれまでのやり方では、特許文献１に開示の断層画像生成装置と同様に、測定される深度の精度の低下を招くおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００８】
再表２０２０－０６７４７５号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
そこで本発明は、放射線源の位置を変えて取得した複数の撮像画像の再構築に起因する深度の測定精度の低下を抑制する深度測定装置、深度測定方法、及び深度測定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
すなわち、第１の態様に係る深度測定装置は、放射線を放射する放射線源と、放射線源に正対して放射線源が放射した放射線を検出する検出面を備え、検出面と放射線源との間の距離を固定された固定距離に保つ検出器と、放射線源から検出面に向かう奥行き方向における放射線源からの距離が第１距離であって、検出面に沿う方向における放射線源からの距離が第２距離である第１位置に存在する対象物が、奥行き方向の距離が第１距離であって、検出面に沿う方向が第２距離とは異なる第３距離である第２位置に至るまでの間、対象物に対して放射線源に放射線の照射を続けさせて、第１位置から第２位置に移動する対象物を撮像し１枚の撮像画像として取得する取得部と、撮像画像に含まれる対象物の像の検出面に沿う方向における端部間の距離に基づいて、対象物が第１位置から第２位置に至るまでの間の検出面に投影される対象物の像の位置のずれ量を特定する特定部と、固定距離と、第２距離と第３距離との差分と、ずれ量と、に基づいて第１距離を算出する算出部と、を備えることを特徴とする。
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許