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公開番号
2025176430
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-12-04
出願番号
2024082592
出願日
2024-05-21
発明の名称
塩化物イオン濃度測定装置及び塩化物イオン濃度測定方法
出願人
株式会社IHI
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
G01N
21/359 20140101AFI20251127BHJP(測定;試験)
要約
【課題】近赤外光を用いることで簡易で迅速に塩化物イオン濃度を測定することが可能な塩化物イオン濃度測定装置及び塩化物イオン濃度測定方法を提供する。
【解決手段】塩化物イオン濃度測定装置1は、コンクリート構造物100を被覆し、ヒドロキシ基を有する樹脂を含む塗膜110の表面111に近赤外光L1を照射する光源11と、塗膜110の表面111で反射した近赤外光L1の反射光L2を測定する測光部14と、測光部14で測定した反射光L2のヒドロキシ基の吸収スペクトルに基づいて塗膜110の表面111に存在する塩化物イオン濃度を演算する演算装置21と、塩化物イオン濃度を出力する出力装置22とを備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
コンクリート構造物を被覆し、ヒドロキシ基を有する樹脂を含む塗膜の表面に近赤外光を照射する光源と、
前記塗膜の表面で反射した前記近赤外光の反射光を測定する測光部と、
前記測光部で測定した前記反射光の前記ヒドロキシ基の吸収スペクトルに基づいて前記塗膜の表面に存在する塩化物イオン濃度を演算する演算装置と、
前記塩化物イオン濃度を出力する出力装置と、
を備える、塩化物イオン濃度測定装置。
続きを表示(約 920 文字)
【請求項2】
前記演算装置は、1350nm~1500nmの波長領域を含む前記吸収スペクトルを用い、前記塩化物イオン濃度を演算する、請求項1に記載の塩化物イオン濃度測定装置。
【請求項3】
前記演算装置は、前記塗膜の表面の前記ヒドロキシ基に起因するピークである第1ピークと、水に起因するピークである第2ピークとを含む吸収スペクトルに基づいて塩化物イオン濃度を演算する、請求項1又は2に記載の塩化物イオン濃度測定装置。
【請求項4】
前記演算装置は、波長1.39μmを有する第1ピークと、波長1.42μmを有する第2ピークとを含む前記吸収スペクトルに基づいて前記塩化物イオン濃度を演算する、請求項1又は2に記載の塩化物イオン濃度測定装置。
【請求項5】
前記演算装置は、波長1350nm以上1420nm未満の範囲内に存在する第1ピークと、波長1420nm以上1500nm以下の範囲内に存在する第2ピークとを含む吸収スペクトルに基づいて塩化物イオン濃度を演算する、請求項1又は2に記載の塩化物イオン濃度測定装置。
【請求項6】
前記演算装置は前記塩化物イオン濃度をケモメトリックスによって演算する、請求項1又は2に記載の塩化物イオン濃度測定装置。
【請求項7】
前記演算装置は、前記塗膜の表面に水分が付着した状態における単位濃度の吸収スペクトル及び前記塗膜の表面が乾燥した状態における単位濃度の吸収スペクトルに基づいて塩化物イオン濃度を演算する、請求項1又は2に記載の塩化物イオン濃度測定装置。
【請求項8】
コンクリート構造物を被覆し、ヒドロキシ基を有する樹脂を含む塗膜の表面に光源から近赤外光を照射する工程と、
前記塗膜の表面で反射した前記近赤外光の反射光を測光部で測定する工程と、
前記測光部で測定した前記反射光の前記ヒドロキシ基の吸収スペクトルに基づいて前記塗膜の表面に存在する塩化物イオン濃度を演算装置で演算する工程と、
前記塩化物イオン濃度を出力装置から出力する工程と、
を含む、塩化物イオン濃度測定方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、塩化物イオン濃度測定装置及び塩化物イオン濃度測定方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)
【背景技術】
【0002】
コンクリート構造物の劣化の原因のひとつに塩害がある。塩害とは、海からの飛来塩分又は凍結防止剤及び融雪剤などに含まれる塩分が、コンクリートに浸透することによって鋼材腐食を引き起こす劣化現象である。コンクリート構造物のどの範囲に塩分が多く付着し、どの部分が劣化しやすいのか又は劣化しているのかを、立地、環境条件及び構造形式に応じて把握することが、コンクリート構造物を効率的に維持管理する上で好ましい。
【0003】
従来、コンクリート構造物の表面に付着した塩分量を定量的に測定する方法として、特許文献1に記載のようなガーゼ拭き取り法が知られている。ガーゼ拭き取り法は、測定範囲が定められたコンクリート構造物の表面をガーゼで拭き取り、拭き取ったガーゼを規定量の水に浸漬し、塩分濃度を滴定又は電導度などによって求めるものである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
「ガーゼ拭き取り法によるコンクリート橋梁の付着塩分量に関する調査研究」,土木学会第68回年次学術講演会講演概要集,2013年9月1日,V-495,p.989-990
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、海からの飛来塩分が多い海岸線近く、並びに、凍結防止剤及び融雪剤などが用いられる寒冷地などの地域では、塩害を抑制するためにコンクリート構造物に塗装を施して樹脂の塗膜が形成される。しかしながら、このような塗膜を形成した場合であっても、経年劣化により塗膜に傷及びクラックが入り、コンクリート構造物に塩分が浸透するおそれがある。そのため、コンクリート構造物を効率的に維持管理する上で、コンクリート構造物の塗膜表面の塩分濃度も把握することが好ましい。
【0006】
しかしながら、ガーゼ拭き取り法は、塩分濃度を測定するための準備及び手順が多く、拭き取ったガーゼを持ち帰って分析する必要もある。そのため、ガーゼ拭き取り法では、広い範囲を測定するのに時間と手間を要する。
【0007】
そこで、本開示は、近赤外光を用いることで簡易で迅速に塩化物イオン濃度を測定することが可能な塩化物イオン濃度測定装置及び塩化物イオン濃度測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る塩化物イオン濃度測定装置は、コンクリート構造物を被覆し、ヒドロキシ基を有する樹脂を含む塗膜の表面に近赤外光を照射する光源を備えている。塩化物イオン濃度測定装置は、塗膜の表面で反射した近赤外光の反射光を測定する測光部を備えている。塩化物イオン濃度測定装置は、測光部で測定した反射光のヒドロキシ基の吸収スペクトルに基づいて塗膜の表面に存在する塩化物イオン濃度を演算する演算装置を備えている。塩化物イオン濃度測定装置は、塩化物イオン濃度を出力する出力装置を備えている。
【0009】
演算装置は、1350nm~1500nmの波長領域を含む吸収スペクトルを用い、塩化物イオン濃度を演算してもよい。
【0010】
演算装置は、塗膜の表面のヒドロキシ基に起因するピークである第1ピークと、水に起因するピークである第2ピークとを含む吸収スペクトルに基づいて塩化物イオン濃度を演算してもよい。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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