TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025176410
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-12-04
出願番号
2024082554
出願日
2024-05-21
発明の名称
強化樹脂複合材の強度評価方法
出願人
日本電気硝子株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
G01N
33/44 20060101AFI20251127BHJP(測定;試験)
要約
【課題】湿熱処理後の強化樹脂複合材の強度を直接測定することなく、簡単な方法で推定する。
【解決手段】湿熱処理後の合成樹脂単体の強度A’と、強化樹脂複合材における合成樹脂の混合率Vとに基づいて、湿熱処理後の強化樹脂複合材における合成樹脂の寄与強度B1’を算出する工程S1と、湿熱処理前の強化樹脂複合材におけるガラス組成物の寄与強度B2と、湿熱処理前の強化樹脂複合材におけるガラス組成物に対する合成樹脂の接着率rと、湿熱処理後の強化樹脂複合材におけるガラス組成物に対する合成樹脂の接着率r’とに基づいて、湿熱処理後の強化樹脂複合材におけるガラス組成物の寄与強度B2’を算出する工程S2と、湿熱処理後の合成樹脂の寄与強度B1’と、湿熱処理後のガラス組成物の寄与強度B2’とに基づいて、湿熱処理後の強化樹脂複合材の強度B’を推定する工程S3と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
合成樹脂とガラス組成物とを含む強化樹脂複合材の湿熱処理後の強度を推定する強度評価方法であって、
前記湿熱処理後の前記合成樹脂単体の強度と、前記強化樹脂複合材における前記合成樹脂の混合率とに基づいて、前記湿熱処理後の前記強化樹脂複合材における前記合成樹脂の寄与強度を算出する工程と、
前記湿熱処理前の前記強化樹脂複合材における前記ガラス組成物の寄与強度と、前記湿熱処理前の前記強化樹脂複合材における前記ガラス組成物に対する前記合成樹脂の接着率と、前記湿熱処理後の前記強化樹脂複合材における前記ガラス組成物に対する前記合成樹脂の接着率とに基づいて、前記湿熱処理後の前記強化樹脂複合材における前記ガラス組成物の寄与強度を算出する工程と、
前記湿熱処理後の前記合成樹脂の寄与強度と、前記湿熱処理後の前記ガラス組成物の寄与強度とに基づいて、前記湿熱処理後の前記強化樹脂複合材の強度を推定する工程と、を備えることを特徴とする強化樹脂複合材の強度評価方法。
続きを表示(約 1,800 文字)
【請求項2】
前記湿熱処理前の前記合成樹脂単体の強度と、前記強化樹脂複合材における前記合成樹脂の混合率とに基づいて、前記湿熱処理前の前記強化樹脂複合材における前記合成樹脂の寄与強度を算出する工程と、
前記湿熱処理前の前記強化樹脂複合材の強度と、前記湿熱処理前の前記合成樹脂の寄与強度とに基づいて、前記湿熱処理前の前記ガラス組成物の寄与強度を算出する工程と、をさらに備える請求項1に記載の強化樹脂複合材の強度評価方法。
【請求項3】
前記湿熱処理後の前記強化樹脂複合材の強度を推定する工程では、
前記湿熱処理後の前記合成樹脂の寄与強度をB1’[MPa]、
前記湿熱処理後の前記ガラス組成物の寄与強度をB2’[MPa]、
係数をαとした場合に、
前記湿熱処理後の前記強化樹脂複合材の強度B’を下式により求める請求項1又は2に記載の強化樹脂複合材の強度評価方法。
B’=(B1’+B2’)×α
【請求項4】
前記湿熱処理後の前記合成樹脂の寄与強度を算出する工程では、
前記湿熱処理後の前記合成樹脂単体の強度をA’[MPa]、
前記強化樹脂複合材における前記合成樹脂の混合率をV[%]とした場合に、
前記湿熱処理後の前記合成樹脂の寄与強度B1’[MPa]を、下式により求める請求項3に記載の強化樹脂複合材の強度評価方法。
B1’=A’×(V/100)
【請求項5】
前記湿熱処理後の前記ガラス組成物の寄与強度を算出する工程では、
前記湿熱処理前の前記合成樹脂単体の強度をA[MPa]、
前記湿熱処理前の前記強化樹脂複合材の強度をB[MPa]、
前記湿熱処理前の前記接着率をr[%]、
前記湿熱処理後の前記接着率をr’[%]、
前記強化樹脂複合材における前記合成樹脂の混合率をV[%]とした場合に、
前記湿熱処理後の前記ガラス組成物の寄与強度B2’[MPa]を、下式により求める請求項3又は4に記載の強化樹脂複合材の強度評価方法。
B2’=[B-{A×(V/100)}]×(r’/r)
【請求項6】
補正用ガラス組成物と補正用合成樹脂とを含む補正用樹脂複合材を用いて、前記係数αを算出する工程をさらに備え、
前記係数αを算出する工程では、
前記湿熱処理後の前記補正用樹脂複合材の強度Bt’[MPa]を測定すると共に、
前記湿熱処理後の前記補正用樹脂複合材における、前記補正用合成樹脂の寄与強度Bt1’[MPa]および前記補正用ガラス組成物の寄与強度Bt2’[MPa]をそれぞれ算出し、
前記係数αを下式により求める請求項3に記載の強化樹脂複合材の強度評価方法。
α=Bt’/(Bt1’+Bt2’)
【請求項7】
前記接着率は、前記合成樹脂中に埋没した複数のガラス組成物を含む断面における前記ガラス組成物の輪郭長さに対する、前記ガラス組成物および前記合成樹脂の接着部の長さの比率の平均値を算出することにより求める請求項1又は2に記載の強化樹脂複合材の強度評価方法。
【請求項8】
前記強化樹脂複合材は、質量%で、ガラス組成物を10~90%、合成樹脂を90~10%含む請求項1又は2に記載の強化樹脂複合材の強度評価方法。
【請求項9】
前記ガラス組成物は、ガラス繊維であり、ガラス組成として、質量%で、SiO
2
50~80%、Al
2
O
3
0~30%、B
2
O
3
0~30%、MgO+CaO+SrO+BaO 1~30%、Li
2
O+Na
2
O+K
2
O 0~2%を含む請求項8に記載の強化樹脂複合材の強度評価方法。
【請求項10】
前記合成樹脂が、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、およびポリフェニレンサルファイド樹脂からなる群から選択される一種以上の樹脂を含む請求項8に記載の強化樹脂複合材の強度評価方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、強化樹脂複合材の強度評価方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
合成樹脂とガラス組成物とを含む強化樹脂複合材は、自動車の構造部品、容器等の材質として広く利用されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
このような強化樹脂複合材は、金属と異なり錆びることはないが、水や空気中の水分との接触による加水分解等によって徐々に劣化が進行し、機械的強度が低下し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2023-074133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような強化樹脂複合材については、加水分解等による劣化に対する耐久性を評価するために、加速劣化試験として湿熱処理を行った後に、機械的強度を測定する場合がある。機械的強度の測定としては、例えば、引張強度を測定するための引張試験や、曲げ強度を測定するための曲げ試験などがある。
【0006】
しかしながら、湿熱処理後の強化樹脂複合材の機械的強度を直接測定する場合には、規格で定められた寸法条件等を満たす複数の測定試料を予め準備することに加え、各測定試料に湿熱処理を行った上で、引張試験や曲げ試験等により機械的強度を実測する必要がある。そのため、湿熱処理後の強化樹脂複合材の機械的強度を直接測定する場合には、非常に多くの工数を要することになる。また、機械的強度を直接測定する方法は基本的に破壊試験であるため、十分な量のガラス組成物を準備できない場合は、湿熱処理後の強化樹脂複合材の機械的強度を直接測定すること自体が困難になる場合もある。
【0007】
本発明は、湿熱処理後の強化樹脂複合材の強度を直接測定することなく、簡単な方法で推定することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 上記課題を解決するために創案された本発明は、合成樹脂とガラス組成物とを含む強化樹脂複合材の湿熱処理後の強度を推定する強度評価方法であって、湿熱処理後の合成樹脂単体の強度と、強化樹脂複合材における合成樹脂の混合率とに基づいて、湿熱処理後の強化樹脂複合材における合成樹脂の寄与強度を算出する工程と、湿熱処理前の強化樹脂複合材におけるガラス組成物の寄与強度と、湿熱処理前の強化樹脂複合材におけるガラス組成物に対する合成樹脂の接着率と、湿熱処理後の強化樹脂複合材におけるガラス組成物に対する合成樹脂の接着率とに基づいて、湿熱処理後の強化樹脂複合材におけるガラス組成物の寄与強度を算出する工程と、湿熱処理後の合成樹脂の寄与強度と、湿熱処理後のガラス組成物の寄与強度とに基づいて、湿熱処理後の強化樹脂複合材の強度を推定する工程と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明者等は鋭意研究の結果、(a)湿熱処理後の合成樹脂の寄与強度は、強化樹脂複合材における合成樹脂の混合率に大きな影響を受け、(b)湿熱処理後のガラス組成物の寄与強度は、湿熱処理前後のガラス組成物に対する合成樹脂の接着率(接着率の変化率)に大きな影響を受けることを知見するに至った。具体的には、(c)湿熱処理後の合成樹脂の寄与強度は、湿熱処理後の合成樹脂単体の強度と、強化樹脂複合材における合成樹脂の混合率とに基づいて算出でき、(d)湿熱処理後のガラス組成物の寄与強度は、湿熱処理前のガラス組成物の寄与強度と、湿熱処理前後のそれぞれにおけるガラス組成物に対する合成樹脂の接着率とに基づいて算出できることを知見するに至った。したがって、これらの知見に基づいて、湿熱処理後の合成樹脂の寄与強度と、湿熱処理後のガラス組成物の寄与強度とを算出すれば、湿熱処理後の強化樹脂複合材の強度を直接測定しなくても、湿熱処理後の強化樹脂複合材の強度を推定することができる。
【0010】
(2) 上記(1)の構成において、湿熱処理前の合成樹脂単体の強度と、強化樹脂複合材における合成樹脂の混合率とに基づいて、湿熱処理前の強化樹脂複合材における合成樹脂の寄与強度を算出する工程と、湿熱処理前の強化樹脂複合材の強度と、湿熱処理前の合成樹脂の寄与強度とに基づいて、湿熱処理前のガラス組成物の寄与強度を算出する工程と、をさらに備えることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
関連特許
日本電気硝子株式会社
強化樹脂複合材の強度評価方法
4日前
日本電気硝子株式会社
ガラス物品の製造方法およびガラス物品
18日前
日本電気硝子株式会社
積層体の製造方法、及び積層体製造用物品
10日前
日本電気硝子株式会社
赤外線透過ガラス
12日前
個人
視触覚センサ
3日前
個人
計量機能付き容器
28日前
日本精機株式会社
発光表示装置
11日前
株式会社カクマル
境界杭
18日前
ユニパルス株式会社
トルク変換器
3日前
ユニパルス株式会社
トルク変換器
3日前
株式会社トプコン
測量装置
10日前
ユニパルス株式会社
トルク変換器
3日前
大成建設株式会社
風洞実験装置
28日前
日本特殊陶業株式会社
ガスセンサ
10日前
日本特殊陶業株式会社
ガスセンサ
3日前
日本特殊陶業株式会社
ガスセンサ
4日前
個人
計量具及び計量機能付き容器
28日前
日本特殊陶業株式会社
ガスセンサ
26日前
日置電機株式会社
絶縁抵抗測定装置
3日前
日本特殊陶業株式会社
センサ
12日前
キーコム株式会社
画像作成システム
18日前
株式会社タイガーカワシマ
揚穀装置
10日前
個人
液位検視及び品質監視システム
26日前
本陣水越株式会社
車載式計測標的物
5日前
株式会社エルメックス
希釈液収容容器
28日前
理研計器株式会社
ガス検知装置
18日前
スズキ株式会社
タイヤ径算出システム
4日前
ユニパルス株式会社
トルク変換器、調整部材
3日前
シブヤ精機株式会社
食品検査装置
3日前
CKD株式会社
シート情報確認システム
4日前
株式会社不二越
X線測定システム
3日前
合同会社画像技術研究所
カラーチャート
24日前
東レ株式会社
異物検査装置および異物検査方法
3日前
株式会社川島製作所
海苔の異物検査装置
24日前
国立研究開発法人物質・材料研究機構
校正方法
3日前
株式会社アイシン
回転角検出装置
18日前
続きを見る
他の特許を見る