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公開番号2025176119
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-03
出願番号2025145688,2021567489
出願日2025-09-02,2020-12-22
発明の名称ナノ結晶軟磁性合金
出願人株式会社アイシン,国立研究開発法人物質・材料研究機構
代理人個人,個人
主分類C22C 38/00 20060101AFI20251126BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】ナノ結晶軟磁性合金の提供
【解決手段】本発明は、Fe、B、PおよびCuを含み、非晶質相と前記非晶質相内に形成された複数の結晶相とを備え、合金全体における平均Fe濃度は79原子%以上であり、アトムプローブトモグラフィーにおける1辺が1.0nmの複数の領域のうちCu濃度が6.0原子%以上である領域をCuクラスタとしたときのCuクラスタの密度は0.20×10²⁴/m³以上である合金である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
Ｆｅ、Ｂ、ＰおよびＣｕを含み、
非晶質相と前記非晶質相内に形成された複数の結晶相とを備え
、
合
金全体における平均Ｆｅ濃度は８３原子％以上かつ８８原子％以下であり、
前記合金全体における平均Ｂ濃度は２．０原子％以上かつ１２原子％以下であり、
前記合金全体における平均Ｐ濃度は２．０原子％以上かつ１２原子％以下であり、
前記合金全体における平均Ｃｕ濃度は０．４原子％以上かつ１．４原子％以下であり、
前記合金全体における平均Ｓｉ濃度と平均Ｃ濃度との和は０原子％以上かつ３．０原子％以下であり、
前記合金全体におけるＦｅ、Ｂ、Ｐ、Ｃｕ、ＳｉおよびＣ以外の元素の平均原子濃度は０原子％以上かつ０．３原子％以下であり、
アトムプローブトモグラフィーにおける１辺が１．０ｎｍの複数の領域のうちＣｕ濃度が６．０原子％以上である領域をＣｕクラスタとしたときのＣｕクラスタの密度は０．２０×１０
２４
／ｍ
３
（１ｍ
３
当たりの個数）以上である合金。
続きを表示（約 1,200 文字）【請求項２】
アトムプローブトモグラフィーにおける１辺が１．０ｎｍの複数の領域のうちＦｅ濃度が８０原子％以下の領域における平均Ｆｅ濃度は７４．５原子％以下である、
請求項１に記載の合金。
【請求項３】
アトムプローブトモグラフィーにおける１辺が１．０ｎｍの複数の領域のうちＦｅ濃度が９０原子％以上の領域における平均Ｂ原子濃度を前記合金全体の平均Ｂ原子濃度の平方根で除した値は０．５６原子％
０．５
以上である、
請求項１に記載の合金。
【請求項４】
アトムプローブトモグラフィーにおける１辺が１．０ｎｍの複数の領域のうちＦｅ濃度が８０原子％以下の領域における平均Ｃｕ原子濃度を前記複数の領域のうちＦｅ濃度が９０原子％以上の領域における平均Ｃｕ原子濃度で除した値は１．８以上である、
請求項１に記載の合金。
【請求項５】
アトムプローブトモグラフィーにおける１辺が１．０ｎｍの複数の領域を用いたＦｅ濃度が８０原子％を境界とするプロキシグラムにおいて、前記結晶相に近づく方向を正としたとき前記境界から－２．０ｎｍの位置と前記境界から－４．０ｎｍの位置におけるＦｅ濃度の傾きは０．０３原子％／ｎｍ以上である、
請求項１に記載の合金。
【請求項６】
アトムプローブトモグラフィーにおける１辺が１．０ｎｍの複数の領域のうちＣｕ濃度が１．５原子％以上である領域をＣｕクラスタとしたときのＣｕクラスタの密度（１ｍ
３
当たりの個数）を前記複数の領域のうちＣｕ濃度が６．０原子％以上である領域をＣｕクラスタとしたときのＣｕクラスタの密度（１ｍ
３
当たりの個数）で除した値は１５以下である、
請求項１に記載の合金。
【請求項７】
アトムプローブトモグラフィーにおける１辺が１．０ｎｍの複数の領域のうちＦｅ濃度が８０原子％以下の領域において、前記複数の領域のうちＣｕ濃度が２．３原子％以上の領域をＣｕクラスタとしたときのＣｕクラスタの平均球相当径は３．０ｎｍ以上である、
請求項１に記載の合金。
【請求項８】
前記合金全体における平均Ｓｉ濃度と平均Ｃ濃度との和は０原子％以上かつ０．１原子％以下である請求項１から７のいずれか一項に記載の合金。
【請求項９】
前記合金全体における平均Ｂ原子濃度を平均Ｐ原子濃度で除した値は１．５以上かつ３．５以下である請求項１から８のいずれか一項に記載の合金。
【請求項１０】
前記複数の領域のうちＣｕ濃度が１．５原子％以上の領域をＣｕクラスタとしたときのＣｕクラスタの密度（１ｍ
３
当たりの個数）を前記合金全体における平均Ｃｕ原子濃度で除した値は３．０×１０
２４
／ｍ
３
／原子％以下である請求項１から９のいずれか一項に記載の合金。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、ナノ結晶軟磁性合金に関し、例えばＦｅ、Ｂ、ＰおよびＣｕを含むナノ結晶軟磁性合金に関する。
続きを表示（約 1,600 文字）【背景技術】
【０００２】
ナノ結晶合金は、非晶質相内に形成された複数のナノサイズの結晶相を備えており、このようなナノ結晶合金として飽和磁束密度が高く保磁力が低いＦｅ－Ｂ－Ｐ－Ｃｕ合金が知られている（例えば特許文献１から５）。このようなナノ結晶合金は、飽和磁束密度が高く保磁力が低い軟磁性体として用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
国際公開第２０１０／０２１１３０号
国際公開第２０１７／００６８６８号
国際公開第２０１１／１２２５８９号
特開２０１１－２５６４５３号公報
特開２０１３－１８５１６２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
結晶相は主にＢＣＣ（body-centered cubic）構造の鉄合金であり、結晶相のサイズが小さいと保磁力等の軟磁気特性が向上する。しかしながら、ナノ結晶軟磁性合金の軟磁気特性をより向上させることが求められている。
【０００５】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、合金の軟磁気特性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、Ｆｅ、Ｂ、ＰおよびＣｕを含み、非晶質相と前記非晶質相内に形成された複数の結晶相とを備え、合金全体における平均Ｆｅ濃度は７９原子％以上であり、アトムプローブトモグラフィーにおける１辺が１．０ｎｍの複数の領域のうちＣｕ濃度が６．０原子％以上である領域をＣｕクラスタとしたときのＣｕクラスタの密度は０．２０×１０
２４
／ｍ
３
以上である合金である。
【０００７】
本発明は、Ｆｅ、Ｂ、ＰおよびＣｕを含み、非晶質相と前記非晶質相内に形成された複数の結晶相とを備え、合金全体における平均Ｆｅ濃度は７９原子％以上であり、アトムプローブトモグラフィーにおける１辺が１．０ｎｍの複数の領域のうちＦｅ濃度が８０原子％以下の領域における平均Ｆｅ濃度は７４．５原子％以下である合金である。
【０００８】
本発明は、Ｆｅ、Ｂ、ＰおよびＣｕを含み、非晶質相と前記非晶質相内に形成された複数の結晶相とを備え、合金全体における平均Ｆｅ濃度は７９原子％以上であり、アトムプローブトモグラフィーにおける１辺が１．０ｎｍの複数の領域のうちＦｅ濃度が９０原子％以上の領域における平均Ｂ原子濃度を前記合金全体の平均Ｂ原子濃度の平方根で除した値は０．５６原子％
０．５
以上である合金である。
【０００９】
本発明は、Ｆｅ、Ｂ、ＰおよびＣｕを含み、非晶質相と前記非晶質相内に形成された複数の結晶相とを備え、合金全体における平均Ｆｅ濃度は７９原子％以上であり、アトムプローブトモグラフィーにおける１辺が１．０ｎｍの複数の領域のうちＦｅ濃度が８０原子％以下の領域における平均Ｃｕ原子濃度を前記複数の領域のうちＦｅ濃度が９０原子％以上の領域における平均Ｃｕ原子濃度で除した値は１．８以上である合金である。
【００１０】
本発明は、Ｆｅ、Ｂ、ＰおよびＣｕを含み、非晶質相と前記非晶質相内に形成された複数の結晶相とを備え、合金全体における平均Ｆｅ濃度は７９原子％以上であり、アトムプローブトモグラフィーにおける１辺が１．０ｎｍの複数の領域を用いたＦｅ濃度が８０原子％を境界とするプロキシグラムにおいて、前記結晶相に近づく方向を正としたとき前記境界から－２．０ｎｍの位置と前記境界から－４．０ｎｍの位置におけるＦｅ濃度の傾きは０．０３原子％／ｎｍ以上である合金である。
（【００１１】以降は省略されています）

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