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公開番号2025167799
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-07
出願番号2024072722
出願日2024-04-26
発明の名称車両用駆動装置
出願人株式会社アイシン
代理人弁理士法人R&C
主分類B60K 1/00 20060101AFI20251030BHJP(車両一般)
要約【課題】車両用駆動装置を中核として車両における熱マネジメントシステムを適切に構成すると共に、車両用駆動装置を小型に構成する。
【解決手段】車両用駆動装置1は、ロータ軸心A1上に同軸配置された回転電機2及び出力部材と、ロータ軸心A1に対して前後方向第1側Y1に位置するオフセット軸心A2上に配置されたオフセットギヤ機構3を備えた動力伝達機構GTと、インバータモジュール5とを備える。インバータモジュール5が、回転電機2及び動力伝達機構GTよりも上側Z1であって、上下方向Z視で回転電機2及び動力伝達機構GTの少なくとも一方と重複する位置に配置され、熱交換回路部品13、15が、回転電機2に対して前後方向第1側Y1であって、前後方向Y視で回転電機2と重複すると共に、軸方向L視でオフセットギヤ機構3と重複する位置に配置されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ロータを備えた回転電機と、
車輪に駆動連結される出力部材と、
前記回転電機と前記出力部材との間で駆動力を伝達する動力伝達機構と、
前記回転電機を駆動制御するためのインバータモジュールと、
車載エアコンディショナ用の冷媒を循環させる冷媒回路の部品である冷媒回路部品、及び、冷却水を循環させる冷却水回路の部品である冷却水回路部品の少なくとも一方である熱交換回路部品と、を備え、
前記ロータの回転軸心であるロータ軸心に沿う方向を軸方向とし、上下方向視で前記ロータ軸心に直交する方向を前後方向とし、前記前後方向の一方側を前後方向第1側として、
前記出力部材の回転軸心は、前記ロータ軸心と同軸上に配置され、
前記動力伝達機構は、前記ロータ軸心に対して前記前後方向第1側に位置するオフセット軸心上に配置されたオフセットギヤ機構を備え、
前記インバータモジュールは、前記回転電機及び前記動力伝達機構よりも上側であって、前記上下方向視で前記回転電機及び前記動力伝達機構の少なくとも一方と重複する位置に配置され、
前記熱交換回路部品は、前記回転電機に対して前記前後方向第1側であって、前記前後方向に沿う前後方向視で前記回転電機と重複すると共に、前記軸方向に沿う軸方向視で前記オフセットギヤ機構と重複する位置に配置されている、車両用駆動装置。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記出力部材は、それぞれが異なる前記車輪に駆動連結される第1出力部材と第2出力部材とを備え、
前記動力伝達機構は、
前記ロータと一体的に回転する第1ギヤと、
前記第1ギヤに噛み合う第2ギヤ、及び、前記第2ギヤと一体的に回転する第3ギヤを備えた前記オフセットギヤ機構と、
前記第3ギヤに噛み合う第4ギヤを備え、前記第4ギヤの回転を前記第1出力部材及び前記第2出力部材に分配する差動歯車機構と、
パーキングロック機構と、を備え、
前記差動歯車機構は前記ロータ軸心と同軸上に配置され、
前記第1ギヤ及び前記第2ギヤは、前記軸方向における前記回転電機と前記差動歯車機構との間に配置され、
前記パーキングロック機構は、前記第1ギヤと一体的に回転するパーキングギヤと、前記パーキングギヤに係合する係合機構と、を備え、
前記係合機構の少なくとも一部が、前記軸方向における前記回転電機と前記差動歯車機構との間であって、前記軸方向視で前記回転電機及び前記差動歯車機構の少なくとも一方と重複する位置に配置されている、請求項1に記載の車両用駆動装置。
【請求項3】
前記インバータモジュールを介して前記回転電機に電気的に接続される車載バッテリに電気的に接続される電源モジュールと、
ケースと、をさらに備え、
前記電源モジュールは、前記車載バッテリの電圧変換を行う電圧変換回路、外部電源から前記車載バッテリへの充電を行うための充電回路、及び、前記車載バッテリから外部への給電を行うための給電回路の少なくとも1つを備え、
前記ケースは、前記回転電機及び前記動力伝達機構を収容する第1収容室と、前記インバータモジュール及び前記電源モジュールを収容する第2収容室とを備え、
前記回転電機、前記動力伝達機構、及び、前記熱交換回路部品は、前記上下方向視で前記第2収容室と重複するように配置されている、請求項1又は2に記載の車両用駆動装置。
【請求項4】
前記軸方向の一方側を軸方向第1側として、
前記動力伝達機構は、前記回転電機に対して前記軸方向第1側に配置され、
前記電源モジュールは、前記インバータモジュールよりも前記軸方向第1側において前記インバータモジュールよりも下側に突出するように配置された突出部品を備え、
前記インバータモジュールと前記回転電機との上下方向の間であって、前記上下方向視で前記インバータモジュール及び前記回転電機と重複する位置に、前記車載バッテリと少なくとも外部直流電源との電気的接続を中継する中継部品が配置されている、請求項3に記載の車両用駆動装置。
【請求項5】
前記回転電機、前記動力伝達機構、及び、前記インバータモジュールを収容するケースを備え、
前記熱交換回路部品は、
前記冷媒と空気との熱交換を行う第1熱交換器に接続される冷媒用接続部材と、
前記冷却水回路部品の少なくとも1つであって前記ケース内を循環する油と前記冷却水との熱交換を行う第2熱交換器と、を含む、請求項1又は2に記載の車両用駆動装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用駆動装置に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
特開2019-170077号公報には、車輪(803,804)の駆動力源となる回転電機(ロータ(20)、ステータ(30))と、この回転電機を駆動制御する駆動制御装置(131)と、駆動制御装置(131)を介して回転電機に接続されるバッテリ(805)を外部電源(900)から供給される電力によって充電する充電器(136)と、回転電機、駆動制御装置(131)、充電器(136)を収容するケース(10)とを備えた車両用駆動装置(1)が開示されている(背景技術において括弧内の符号は参照する文献のもの。)。ケース(10)には、車両用駆動装置(1)が車両に搭載された車載姿勢での上下方向(Z)における下側に回転電機が収容される第1の収容室が形成され、上側に駆動制御装置(131)及び充電器(136)が収容される第2の収容室が形成されている。第1の収容室は、ケース(10)における円筒状の周壁部(10b)の内側に形成されている。第2の収容室は、周壁部(10b)の径方向外側において、周壁部(10b)の上下方向(Z)の上側に隣接した角筒状の角筒部(10e)の内側に、矩形箱状の空間として形成されている。周壁部(10b)には、さらに、周壁部(10b)に沿って冷媒が流れる冷却流路が形成された冷却部(60)が形成されている。
【0003】
周壁部(10b)に沿って形成された冷却流路は、角筒部(10e)の側に、冷媒が流入する流入口(16)と、冷媒が流出する流出口(17)とを有している。冷媒の流路において流入口(16)に近い側、即ち冷媒の流路の上流側には、駆動制御装置(131)が配置され、冷媒の流路において流出口(17)に近い側、即ち冷媒の流路の下流側には、充電器(136)が配置されている。これにより、回転電機を駆動する際に発熱する駆動制御装置(131)を冷たい冷媒によって効率的に冷やすことができる。外部電源(900)によるバッテリ(805)の充電は車両が停車中に行われるため、駆動制御装置(131)との熱交換によって冷媒の温度が上がりにくく、充電器(136)は冷媒の流路の下流側に配置されていても適切に冷却される。その他、電力系の力率の改善や電圧の安定化のために用いられるリアクトル(140)や平滑コンデンサ(141)も、冷媒の流路に沿って配置され、冷媒によって適切に冷却される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-170077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の通り、上記の文献に開示された車両用駆動装置は、複数の冷却対象を効率的に冷却することができる冷却構造を備えている。しかし、車両には、エアコンディショナなど、熱管理の対象となる装置が他にも存在する。車両の重量が軽いほど車両のエネルギー効率を高くし易く、また適切な熱利用及び廃熱管理も車両におけるエネルギー効率の向上に寄与する。従って、車載装置の中で重量の占める割合が比較的大きい車両用駆動装置を小型に構成すると共に、車両用駆動装置を利用してより総合的に車載装置の熱マネジメントが実施されることが好ましい。
【0006】
上記背景に鑑みて、車両用駆動装置を中核として車両における熱マネジメントシステムを適切に構成すると共に、車両用駆動装置を小型に構成する技術の提供が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記に鑑みた車両用駆動装置は、ロータを備えた回転電機と、車輪に駆動連結される出力部材と、前記回転電機と前記出力部材との間で駆動力を伝達する動力伝達機構と、前記回転電機を駆動制御するためのインバータモジュールと、車載エアコンディショナ用の冷媒を循環させる冷媒回路の部品である冷媒回路部品、及び、冷却水を循環させる冷却水回路の部品である冷却水回路部品の少なくとも一方である熱交換回路部品と、を備え、前記ロータの回転軸心であるロータ軸心に沿う方向を軸方向とし、上下方向視で前記ロータ軸心に直交する方向を前後方向とし、前記前後方向の一方側を前後方向第1側として、前記出力部材の回転軸心は、前記ロータ軸心と同軸上に配置され、前記動力伝達機構は、前記ロータ軸心に対して前記前後方向第1側に位置するオフセット軸心上に配置されたオフセットギヤ機構を備え、前記インバータモジュールは、前記回転電機及び前記動力伝達機構よりも上側であって、前記上下方向視で前記回転電機及び前記動力伝達機構の少なくとも一方と重複する位置に配置され、前記熱交換回路部品は、前記回転電機に対して前記前後方向第1側であって、前記前後方向に沿う前後方向視で前記回転電機と重複すると共に、前記軸方向に沿う軸方向視で前記オフセットギヤ機構と重複する位置に配置されている。
【0008】
インバータモジュール、回転電機、動力伝達機構が上記のように配置された車両用駆動装置では、回転電機に対して前後方向第1側であって、前後方向視で回転電機と重複すると共に軸方向視でオフセットギヤ機構と重複する位置にデッドスペースになり易いスペースが形成され易い。オフセットギヤ機構は簡潔に構成し易く、オフセットギヤ機構を介してロータと出力部材との間で動力を伝達すると、例えば遊星歯車機構等を用いた動力伝達機構と比べて伝達効率を高め易い。但し、構造上、少なくとも2つの回転軸心を有するため、上記のようなデッドスペースが形成され易い。本構成によれば、当該デッドスペースとなるスペースを有効に利用して、熱交換回路部品が配置されている。従って、車両における熱マネジメントシステムも含めて、車載部品の搭載に際して、空間利用効率を高め易い。即ち、本構成によれば、車両用駆動装置を中核として車両における熱マネジメントシステムを適切に構成すると共に、車両用駆動装置を小型に構成することができる。
【0009】
車両用駆動装置のさらなる特徴と利点は、図面を参照して説明する例示的且つ非限定的な実施形態についての以下の記載から明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
車両用駆動装置の分解斜視図
車両用駆動装置のスケルトン図
車両用駆動装置の模式的な回路ブロック図
車両用駆動装置の前後方向視の軸方向断面図
車両用駆動装置の上下方向視の軸方向断面図
冷媒回路及び冷却水回路の模式的回路図
冷媒回路及び冷却水回路における中核装置と車両用駆動装置との配置関係の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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