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公開番号2025165402
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-04
出願番号2025069731
出願日2025-04-21
発明の名称軟磁性材料およびその製造方法
出願人日亜化学工業株式会社
代理人弁理士法人WisePlus
主分類H01F 1/20 20060101AFI20251027BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】平均粒径が小さく、円形度が高く、さらにネッキング度が小さく、それゆえ鉄損が小さい軟磁性材料とその製造方法を提供する。
【解決手段】FeとX(XはTi、Mn、Ni、Co、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Cu、ZnおよびSiから選択される1種以上の元素である)を含むスラリーを噴霧乾燥し、平均粒径20μm以上200μm以下の造粒物を得る噴霧乾燥工程、および、前記造粒物を、還元性ガス中800℃以上1200℃以下で熱処理し、熱処理物を得る熱処理工程を含む軟磁性材料の製造方法に関する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
FeとX(XはTi、Mn、Ni、Co、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Cu、ZnおよびSiから選択される1種以上の元素である)を含むスラリーを噴霧乾燥し、平均粒径20μm以上200μm以下の造粒物を得る噴霧乾燥工程、および、
前記造粒物を、還元性ガス中800℃以上1200℃以下で熱処理し、熱処理物を得る熱処理工程
を含む軟磁性材料の製造方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
さらに、FeとX(XはTi、Mn、Ni、Co、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Cu、ZnおよびSiから選択される1種以上の元素である)を含む酸性溶液とともに、塩基性のpH調整液を、撹拌羽根を有する撹拌槽に撹拌しながら滴下してフェライトナノ粒子を生成させてスラリーを得るスラリー作製工程であって、滴下時間T(s)が
T≧375000VD
2/3
(ここで、V(m

)は前記攪拌槽の体積を示し、D(m)は前記攪拌羽根の直径を示す)
を満足するスラリー作製工程を含む請求項1に記載の軟磁性材料の製造方法。
【請求項3】
さらに、前記熱処理物を分級して分級物を得る分級工程を含む請求項1または2に記載の軟磁性材料の製造方法。
【請求項4】
さらに、前記分級物と、リン酸化合物および希土類化合物を含む水溶液とを混合し、前記分級物の表面に、希土類金属元素を含むリン化合物を含有する被膜を形成する被覆工程を含む請求項3に記載の軟磁性材料の製造方法。
【請求項5】
FeとX(XはTi、Mn、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Cu、ZnおよびSiから選択される1種以上の元素)を含むbcc構造の結晶を有する第1相および第2相を有し、
両相に含まれるXの1種の元素について、前記第2相中の前記元素の含有量が、前記第1相中の前記元素の含有量に対して2倍以上10

倍以下であり、
円形度の平均値が0.55以上で、平均粒径が160μm以下である軟磁性材料。
【請求項6】
前記XがMnを含む請求項5に記載の軟磁性材料。
【請求項7】
FeとX(XはNiおよびCoから選択される1種以上の遷移金属である)を含むbcc構造の結晶を有する第1相および第2相を有し、
両相に含まれるXの1種の元素について、前記第2相中の前記元素の含有量が、前記第1相中の前記元素の含有量に対して1倍より大きく10

倍以下であり、
円形度の平均値が0.55以上で、平均粒径が160μm以下である軟磁性材料。
【請求項8】
平均粒径が130μm以下である請求項5~7のいずれかに記載の軟磁性材料。
【請求項9】
ネッキング度が4以下である請求項5~7のいずれかに記載の軟磁性材料。
【請求項10】
円形度が0.8以上である粒子の個数基準での割合が30%以上である請求項5~7のいずれかに記載の軟磁性材料。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、軟磁性材料およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
モータ、トランスなどの電気機器の磁心材料として、軟磁性材料が知られている(特許文献1および2参照)。特に高周波、例えば2kHz以上のアキシャル型モータ開発のための高周波特性に優れた軟磁性粉体が求められている。従来の軟磁性粉体では、該軟磁性粉体から作製した磁性体、即ち磁性を有する成形体において、粒子間の導電により部品全体に渦電流が生じ、鉄損が大きいという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開2017/164376号明細書
国際公開2018/155608号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、平均粒径が小さく、円形度が高く、さらにネッキング度が小さく、それゆえ鉄損が小さい軟磁性材料とその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る軟磁性材料の製造方法は、FeとX(XはTi、Mn、Ni、Co、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Cu、ZnおよびSiから選択される1種以上の元素である)を含むスラリーを噴霧乾燥し、平均粒径20μm以上200μm以下の造粒物を得る噴霧乾燥工程、および、前記造粒物を、還元性ガス中800℃以上1200℃以下で熱処理し、熱処理物を得る熱処理工程を含む。
【0006】
本開示の一態様に係る軟磁性材料は、FeとX(XはTi、Mn、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Cu、ZnおよびSiから選択される1種以上の元素である)を含むbcc構造の結晶を有する第1相および第2相を有し、両相に含まれるXの1種の元素について、前記第2相中の前記元素の含有量が、前記第1相中の前記元素の含有量に対して2倍以上10

倍以下であり、円形度の平均値が0.55以上で、平均粒径が160μm以下である。
【0007】
また、本開示の一態様に係る軟磁性材料は、FeとX(XはNiおよびCoから選択される1種以上の遷移金属である)を含むbcc構造の結晶を有する第1相および第2相を有し、両相に含まれるXの1種の元素について、前記第2相中の前記元素の含有量が、前記第1相中の前記元素の含有量に対して1倍より大きく10

倍以下であり、円形度の平均値が0.55以上で、平均粒径が160μm以下である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、平均粒径が小さく、円形度が高く、さらにネッキング度が小さい軟磁性材料とその製造方法を提供することができ、高周波においても鉄損の小さい磁性材料を作製することができる。特に、Fe-X軟磁性材料のような、磁化、磁束密度や透磁率の高い金属系軟磁性材料に関する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施例4で作製した磁性粉体のSEM(走査型電子顕微鏡)像を示す。
実施例4で作製した磁性粉体のSEM像およびEDX(エネルギー分散型蛍光X線分析)で定量した各点のNi濃度を示す。
実施例4で作製した磁性粉体のSEM像およびEDXで定量した各点のMn濃度を示す。
実施例4で作製した磁性粉体のXRD(X線回折)パターンを示す。
実施例7で作製した磁性粉体のSEM像を示す。
実施例7で作製した磁性粉体のSEM像およびEDXで定量した各点のNi濃度を示す。
実施例7で作製した磁性粉体のSEM像およびEDXで定量した各点のMn濃度を示す。
実施例7で作製した磁性粉体のXRDパターンを示す。
実施例7で作製した磁性粉体断面のSTEM(走査透過電子顕微鏡)-HAADF(環状暗視野)像およびSTEM-EDXマッピング像を示す。
図5A中のラインにおけるNi,Mn濃度プロファイルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態について詳述する。ただし、以下に示す実施形態は、本開示の技術思想を具体化するための一例であり、本開示を以下のものに限定するものではない。なお、本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。また「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を示す。
(【0011】以降は省略されています)

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