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公開番号
2025162974
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-28
出願番号
2025039957
出願日
2025-03-13
発明の名称
鋼板およびその製造方法
出願人
JFEスチール株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C22C
38/00 20060101AFI20251021BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】鋼板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の鋼板は、質量%で、C:0.02%以上0.15%以下、Si:0.01%以上0.50%以下、Mn:0.05%以上2.50%以下、Ni:0.50%以上5.0%未満、P:0.03%以下、S:0.0050%以下、およびN:0.0080%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、板厚の1/4深さ位置のミクロ組織は、面積率で、フェライトが5%以上90%以下、島状マルテンサイトが1%以上5%未満、残部が焼戻しマルテンサイトおよび/またはベイナイトであり、島状マルテンサイトの面積率が炭化物の面積率以下であり、結晶方位差が15°以上の大角粒界で囲まれた領域を1結晶粒としたときの結晶粒の平均厚さが30μm以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
質量%で、
C:0.02%以上0.15%以下、
Si:0.01%以上0.50%以下、
Mn:0.05%以上2.50%以下、
Ni:0.50%以上5.0%未満、
P:0.03%以下、
S:0.0050%以下、および
N:0.0080%以下
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、
鋼板の表面から板厚方向に板厚の1/4の深さ位置におけるミクロ組織は、
面積率で、フェライトが5%以上90%以下、島状マルテンサイトが1%以上5%未満、残部が焼戻しマルテンサイトおよび/またはベイナイトであり、
円相当径が0.5μm未満の島状組織を炭化物としたとき、前記島状マルテンサイトの面積率が該炭化物の面積率以下であり、
結晶方位差が15°以上の大角粒界で囲まれた領域を1結晶粒としたときの結晶粒の平均厚さが30μm以下である、鋼板。
続きを表示(約 880 文字)
【請求項2】
前記成分組成は、さらに、質量%で、
Al:0.100%以下、
Nb:0.1%以下、
Cr:2.00%以下、
Mo:1.0%以下、
Cu:2.00%以下、
V:0.1%以下、
Ti:0.03%以下、
B:0.0050%以下、
Ca:0.0070%以下、
REM:0.010%以下、
Mg:0.0070%以下、および
Zr:0.0050%以下
から選択される1種または2種以上を含有する、請求項1に記載の鋼板。
【請求項3】
請求項1または2に記載の鋼板の製造方法であって、
前記成分組成を有する鋼素材を熱間圧延して熱延鋼板とし、
前記熱延鋼板を、板厚中央の温度でAc
1
点以上Ac
3
点未満の2相域温度域に加熱保持し、その後、板厚の1/4の深さ位置の温度で700℃以下500℃以上の温度域における平均冷却速度が3℃/s以上、および、冷却終了温度が板厚の1/4の深さ位置の温度で300℃未満となる条件で2相域焼入れ工程を行い、
次いで、焼戻し温度が板厚中央の温度で300℃以上500℃未満、および、式(1)で表す焼戻しパラメータT.P.が15.50以下となる条件で焼戻し工程を行う、鋼板の製造方法。
T.P.=T×(log(t)+20)/1000 …(1)
ここで、式(1)に示す、Tは前記焼戻し温度(K)、tは均熱保持時間(hour)とする。
【請求項4】
前記2相域焼入れ工程の前に、
前記熱延鋼板を、板厚中央の温度でAc
3
点以上1000℃未満の加熱温度で加熱保持し、その後、板厚の1/4の深さ位置の温度で700℃以下500℃以上の温度域における平均冷却速度が3℃/s以上、および、冷却終了温度が板厚の1/4の深さ位置の温度で300℃未満となる条件でγ域焼入れ工程を行う、請求項3に記載の鋼板の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた強度、靭性および低降伏比を安定的に確保できる、低温下での用途に適する鋼板およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
船舶用液化ガス貯蔵タンクであって独立型Type-Cタンクかつ設計温度が-10℃より低い場合、その鋼材として炭素鋼や炭素マンガン鋼を用いる際には、鋼材を溶接した後の応力除去が必要となる。この応力除去は、通常、PWHT(Post Weld Heat Treatment;溶接後熱処理)により実施される。しかしながら、タンクが大型化すると、PWHTの施工が困難となる。一方で、鋼材の降伏比が0.8以下の場合、あるいは降伏比が0.8をわずかに超える材料でも高延性材料である場合には、機械的に応力除去することも可能である。このことから、機械的な応力除去が可能である低降伏比や高延性の材料をタンクの鋼材に用いることが望まれる。例えば、液化CO
2
の大型貯蔵用タンクに炭素鋼が使用される場合には、-50℃の低温下において優れた靱性を確保しつつ、引張強さ(以下、「TS」とも記す)が770MPa以上の高強度鋼であることが望まれる。すなわち、低降伏比や高延性であり、また高強度であり、更には低温下での靭性にも優れる鋼材の提供が要求されている。
【0003】
低降伏比かつ低温下での靭性に優れる鋼板として、例えば、特許文献1には、-75℃での衝撃靭性が150J以上、降伏比が0.8以下、引張強さが530MPa以上である鋼板が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表2016-507649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の鋼板は、引張強さ(TS)が最高でも620MPaであり、TSが690MPa以上の鋼板を提供するには到っていない。このように、従来より、低降伏比を有し、低温下での靭性に優れ、降伏応力(以下、「YS」とも記す)が580MPa以上、TSが690MPa以上の高強度を有する炭素鋼は提供されていない。このことから、例えば9%Ni鋼のような、高価なニッケル鋼を使わざるを得ず、材料コストが高くなるという問題がある。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、YS≧580MPa、TS≧690MPaの高強度鋼における、優れた低温下での靭性と低降伏比とを実現する鋼板およびその製造方法について提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために、高強度鋼を前提とし、かつ低温下での優れた靭性(以下、単に「靭性」とも記す)と低降伏比とを達成する成分組成およびミクロ組織に関して鋭意研究を行ったところ、特にミクロ組織について、以下の知見を得た。
【0008】
具体的には、鋼板の表面から板厚方向に板厚の1/4の深さ位置におけるミクロ組織を、面積率で、フェライトが5%以上90%以下、島状マルテンサイトが1%以上5%未満、残部が焼戻しマルテンサイトおよび/またはベイナイトとし、かつ、島状マルテンサイト面積率≦セメンタイト面積率であることが、所期した特性の向上に有効であることを新たに知見した。
【0009】
詳細は後述するが、上記の島状マルテンサイトとは、円相当径が0.5μm以上の島状組織を指し、上記のセメンタイト(以降、「炭化物」とも記す)とは、円相当径が0.5μm未満の島状組織を指す。また、上記のフェライトとは、マルテンサイトやベイナイトをAc
1
点以上の温度に熱処理しても逆変態せずに残存し、元のラス状組織を引き継いだBCC構造のことを指す。
【0010】
本発明者らは、2相域焼入れを適切に行うことにより、この比較的軟質なフェライト相の面積率を5~90%とし、また、焼戻し条件を適切に制御することにより、島状マルテンサイトの面積率を1%以上5%未満、かつ、島状マルテンサイト面積率≦炭化物面積率とすることを見出した。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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