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公開番号2025161710
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-24
出願番号2024191812
出願日2024-10-31
発明の名称抗菌抗ウイルス剤及び家畜伝染病防疫用消毒剤
出願人有限会社クリーンケア
代理人弁理士法人お茶の水内外特許事務所
主分類A01N 25/08 20060101AFI20251017BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】「待ち受け消毒」に使用する防疫用消石灰に、消毒効果の即効性と持続性を付与する薬剤や、当該薬剤と防疫用消石灰を併用する新たな防疫用消毒剤を提供する。
【解決手段】無機多孔質体に亜塩素酸塩を担持させた亜塩素酸塩担持無機多孔質体(A)及び、ラウリル硫酸塩(B)を含有する抗菌抗ウイルス剤。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
無機多孔質体に亜塩素酸塩を担持させた亜塩素酸塩担持無機多孔質体（Ａ）及び、
ラウリル硫酸塩（Ｂ）を含有する
抗菌抗ウイルス剤。
続きを表示（約 250 文字）【請求項２】
さらに、乾燥剤（Ｃ）を含有する、請求項１に記載の抗菌抗ウイルス剤。
【請求項３】
請求項１に記載の抗菌抗ウイルス剤を含有する、防疫用消石灰への添加剤。
【請求項４】
請求項１または２に記載の抗菌抗ウイルス剤と、防疫用消石灰を含有する、
家畜伝染病防疫用消毒剤。
【請求項５】
請求項４に記載の家畜伝染病防疫用消毒剤を、
畜舎内及び／又は畜舎周辺に散布または塗布することを特徴とする、家畜伝染病防疫のための消毒方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、抗菌抗ウイルス剤、防疫用消石灰への添加剤、家畜伝染病防疫用消毒剤、及び家畜伝染病防疫のための消毒方法に関する。
続きを表示（約 2,800 文字）【背景技術】
【０００２】
近年、口蹄疫、鳥インフルエンザ、豚熱など、家畜伝染病による甚大な被害が世界中で発生している。日本では、家畜伝染病防疫のため、粉末消石灰を農場の入り口や畜舎の内外に散布する「待ち受け消毒」が実施されている。
消石灰は水の存在により高アルカリ性となり、高ｐＨによる細胞膜の損傷や、タンパク質のイオン結合の切断、変性、失活などにより、ウイルスや細菌など幅広い病原体に対して消毒効果を発揮する。また、粉末や粒状の消石灰は、土壌表面や舗装表面などの地面に直接散布できるため、消毒槽が不要であり、農場入り口や畜舎の内外への散布が容易であるほか、消石灰は、最終的には環境中の二酸化炭素と反応して、安全な炭酸カルシウムに変化するため、他の消毒剤と比較して環境に与える負荷が小さいという、様々な利点を有している。
【０００３】
「待ち受け消毒」に用いる消石灰は、大気中や雨水中の二酸化炭素と反応して炭酸カルシウムに変化するが、この炭酸カルシウム化によりｐＨが低下する。そのため炭酸カルシウム化したものは消毒効果が大きく減衰するが、その劣化は目視確認では判断が難しいという問題がある。
また、消石灰は、乾燥した状態では微生物に対する消毒効果を発揮しないため、散布後の消石灰がどの程度の消毒効果を発揮するか、こちらも目視確認では判断ができないという問題もある。
これらの問題に対して、消石灰を含有する造粒物とすることにより、消毒効果の低下を抑制する方法や、さらに、チモールブルー等のｐＨに応じて色が変化する薬剤を添加することにより、消毒効果の低下を目視確認する方法が提案されている（特許文献１等）。しかしながら、消石灰の消毒効果が使用環境に大きく依存するという本質的な問題の解決には至っておらず、消毒効果の低下抑制について満足できる提案はなされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開２０１８－０３９７６７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
本発明は、「待ち受け消毒」に使用する防疫用消石灰に、消毒効果の即効性と持続性を付与する薬剤や、当該薬剤と防疫用消石灰を併用する新たな防疫用消毒剤の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、亜塩素酸塩担持無機多孔質体と、特定のアニオン界面活性剤を組み合わせたものが、ウイルスや細菌などに対して、それぞれ単体では奏し得ない相加効果以上の相乗効果の抗菌抗ウイルス活性を発揮することを見出し、さらに、当該組み合わせからなる抗菌抗ウイルス剤を、防疫用消石灰に添加することにより、防疫用消石灰の消毒効果の即効性と持続性を実現し得ることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【０００７】
本発明は、詳しくは以下の事項を要旨とする。
１．無機多孔質体に亜塩素酸塩を担持させた亜塩素酸塩担持無機多孔質体（Ａ）及び、
ラウリル硫酸塩（Ｂ）を含有する
抗菌抗ウイルス剤。
２．さらに、乾燥剤（Ｃ）を含有する、１．に記載の抗菌抗ウイルス剤。
３．１．に記載の抗菌抗ウイルス剤を含有する、防疫用消石灰への添加剤。
４．１．または２．に記載の抗菌抗ウイルス剤と、防疫用消石灰を含有する、
家畜伝染病防疫用消毒剤。
５．４．に記載の家畜伝染病防疫用消毒剤を、
畜舎内及び／又は畜舎周辺に散布または塗布することを特徴とする、家畜伝染病防疫のための消毒方法。
【発明の効果】
【０００８】
亜塩素酸塩担持無機多孔質体と、特定のアニオン界面活性剤の組み合わせによる本発明の抗菌抗ウイルス剤は、ウイルスや細菌などに対して、それぞれ単体では奏し得ない相加効果以上の相乗効果の抗菌抗ウイルス活性を発揮するという、優れた効果を奏するものである。
さらに、当該抗菌抗ウイルス剤を防疫用消石灰に添加することにより、防疫用消石灰に消毒効果の即効性を付与し、消毒効果の持続性を大きく向上させるため、「待ち受け消毒」に使用する防疫用消石灰の散布／塗布回数を減らすことができるほか、防疫用消石灰の使用量を大きく低減することが可能となり、家畜伝染病防疫には非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
実施例における「家畜伝染病防疫用消毒剤のｐＨに依存しない抗菌効果確認試験」の「試験１：屋内載置＋散水なし」の結果として、載置日、載置から３、６、８週間後それぞれの抗菌率（％）と、載置日、載置から３、４、６、８週間後それぞれのｐＨ値を示すグラフである。
実施例における「家畜伝染病防疫用消毒剤のｐＨに依存しない抗菌効果確認試験」の「試験３：室内載置＋散水あり」の結果として、載置日、載置から９、１２、１５、１８日後それぞれの抗菌率（％）と、ｐＨ値を示すグラフである。
実施例における「家畜伝染病防疫用消毒剤の高病原性鳥インフルエンザウイルス不活化確認試験」の「試験１：屋内載置＋散水なし」の結果として、試験サンプルａとネガティブコントロールのＴＣＩＤ５０／ｍＬを示すグラフである。
実施例における「家畜伝染病防疫用消毒剤の高病原性鳥インフルエンザウイルス不活化確認試験」の「試験２：屋内載置＋散水なし、養豚場の屋外載置」の結果として、試験サンプルｂ、ｃとネガティブコントロールのＴＣＩＤ５０／ｍＬを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
以下、本発明について詳細に説明する。
＜成分（Ａ）＞
本発明の抗菌抗ウイルス剤剤は、成分（Ａ）として無機多孔質体に亜塩素酸塩を担持させた亜塩素酸塩担持無機多孔質体を有するものである。
亜塩素酸ナトリウムなどの亜塩素酸塩類は、その性質上衝撃などにより発火するなどの危険性が知られており、国際的にも酸化性物質として登録されている。本発明における無機多孔質体は、無機多孔質体に亜塩素酸塩を担持させることにより、発火などの危険性が低減し、酸化性固体として扱う必要がなくなり、物質としての取扱が容易となる。また、亜塩素酸塩には潮解性があり、外気の水分を吸湿して潮解するため外気に晒される環境下で長期間使用することが困難であったが、無機多孔質体に亜塩素酸塩を担持させて成分（Ａ）とすることで外気環境下での使用が可能となる。
（【００１１】以降は省略されています）

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