TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025161476
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-24
出願番号2024064686
出願日2024-04-12
発明の名称無農薬ハウス栽培方法および無農薬栽培機能付きハウス
出願人KS.EP株式会社
代理人個人,個人
主分類A01G 9/24 20060101AFI20251017BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】太陽光を利用したハウス栽培における現実的かつ総合的な無農薬化を実現するための無農薬ハウス栽培方法、無農薬ハウス栽培に適した栽培ハウスを提供すること。
【解決手段】ハウス1によるイチゴ栽培では、空気出入り口23に風防・除虫室21を設け、網目の細かな防虫ネット26A、26Bで覆っている。天井換気扇31L、31Rを用いた強制換気により防虫ネットを介して外部から空気を取り込む。さらに、環境制御装置20の制御の下で、次亜塩素酸水・温水を用いた定期洗浄(洗浄農法)、次亜塩素酸水のミストを用いた飽差管理を行う。必要に応じて、門型噴霧機80を用いた次亜塩素酸水のミスト散布による洗浄を行う。これらの相乗効果により、化学農薬を使わない実用的なハウス栽培を実現できる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
太陽光を利用した植物の無農薬ハウス栽培方法であって、
無農薬栽培ハウスのハウス外周壁面に形成した空気出入り口を所定の網目サイズの防虫ネットで覆い、前記空気出入り口を含むハウス外周壁面部分に風防・除虫室を設けて、前記空気出入り口からハウス内部への病原菌、害虫の侵入を防止あるいは抑制し、
前記防虫ネットで覆われて通気抵抗が高くなった前記空気出入り口を介して行われるハウス内部の換気を確保するために、ハウス屋根面に取り付けた天井換気扇を用いた強制換気を行い、
前記ハウス内部において、栽培対象の植物および当該植物の生産設備を、当該植物の生育段階に応じた頻度で、次亜塩素酸水あるいは温水を用いて洗浄する定期洗浄を行って、前記ハウス内部に侵入した病害虫を排除し、
前記無農薬栽培ハウスの内部環境を目標飽差範囲内の状態にするために、低温誘導が必要になったことが検出されると、前記ハウス内部において次亜塩素酸水のミストを散布するミスト冷却工程を行い、散布したミストにより前記ハウス内部に侵入した病害虫を排除し、
前記ハウス内部に設置した殺虫灯を用いて前記ハウス内部に侵入した害虫を排除することを特徴とする太陽光を利用した植物の無農薬ハウス栽培方法。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
請求項1において、
前記次亜塩素酸水として、原水によって希釈された次亜塩素酸ナトリウムの希釈水溶液と、前記原水によって希釈された希釈塩素とを撹拌混合して生成されたものを用いる無農薬ハウス栽培方法。
【請求項3】
請求項1において、
必要に応じて、門型噴霧機を用いて前記植物の洗浄を行い、
当該洗浄においては、
前記門型噴霧機を洗浄対象の植物体の列を跨ぐ状態に配置し、当該門型噴霧機の門型枠体の内側に位置する植物体の株元に対して、直接に洗浄液の噴霧が当たるように、前記門型枠体に取り付けた株元噴霧ノズルの噴口の位置あるいは向きを設定し、
前記門型噴霧機を、前記植物の列に沿って移動させながら、前記門型枠体の左右に搭載した左噴霧ノズルおよび右噴霧ノズル、および前記株元噴霧ノズルから、温水または次亜塩素酸水のミストを散布する無農薬ハウス栽培方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のうちのいずれかの項に記載の無農薬ハウス栽培方法により植物の無農薬栽培を行うために用いる無農薬栽培機能付きハウスであって、
ハウス外周壁面に形成したハウス外部空間とハウス内部空間との間を連通する空気出入口を覆う出入口シートと、
前記空気出入口を覆う前記出入口シートを巻き上げて前記空気出入口を開放する側面巻き上げ機と、
前記出入口シートの外側に配置された所定の網目サイズの負極側防虫ネットおよび正極側防虫ネットと、
前記空気出入り口を含むハウス外周壁面部分のハウス外側に設置した風防・除虫室と、
前記空気出入り口を介して外気を前記ハウス内部空間に取り込む強制換気を行うために、ハウス屋根面に取り付けた天井換気扇と、
前記ハウス内部に設置され、栽培対象の植物を照らす殺虫灯と、
前記ハウス内部において、前記植物および当該植物の生産設備に、温水または次亜塩素酸水のミストを散布する散布機構と、
コンピュータを中心に構成される環境制御装置と、
を備えており、
前記環境制御装置は、
前記天井換気扇および前記殺虫灯の駆動制御機能、
前記無農薬栽培ハウスの内部環境を目標飽差範囲内の状態にするために、低温誘導が必要になったことが検出されると、前記ハウス内部において次亜塩素酸水のミストを散布するミスト冷却工程を行い、散布したミストにより前記ハウス内部に侵入した病害虫を排除する飽差管理機能、および、
前記ハウス内部において、栽培対象の植物および当該植物の生産設備を、当該植物の生育段階に応じた頻度で、前記散布機構により散布される温水または次亜塩素酸水のミストを用いて洗浄する定期洗浄を行って、前記ハウス内部に侵入した病害虫を排除する定期洗浄機能
を備えていることを特徴とする無農薬栽培機能付きハウス。
【請求項5】
請求項4において、
前記次亜塩素酸水を生成する次亜塩素酸水生成器を備えており、
当該次亜塩素酸水生成器は、原水によって希釈された次亜塩素酸ナトリウムの希釈水溶液と、前記原水によって希釈された希釈塩素とを撹拌混合して、前記次亜塩素酸水を生成する無農薬栽培機能付きハウス。
【請求項6】
請求項4または5において、
前記ハウス内部において列状に植えられている前記植物を、次亜塩素酸水あるいは温水により洗浄する門型噴霧機を備えており、
前記門型噴霧機は、前後方向および下方に開口した自立式の門型枠体と、前記門型枠体の左右の側壁に取り付けた左噴霧ノズルおよび右噴霧ノズルと、前記門型枠体に取り付けた株元噴霧ノズルとを備えており、
前記門型噴霧機を洗浄対象の植物体の列を跨ぐ状態に配置し、前記門型枠体の内側に位置する植物体の株元に対して、直接に洗浄液の噴霧が当たるように、前記株元噴霧ノズルの噴口の位置あるいは向きを設定可能である無農薬栽培機能付きハウス。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光を利用したイチゴ等の植物のハウス栽培に関するものであり、更に詳しくは、植物の無農薬ハウス栽培方法および無農薬栽培機能付きハウスに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
日本の農業はSDGsの世界的流れの中で、みどりの食料システム戦略の法律により、2050年の数値目標として、CO2の削減(化石燃料=0)、化学農薬の50%削減、化学肥料の30%削減が打ち出されている。このような観点から、植物のハウス栽培の分野においては無農薬栽培が着目されている。
【0003】
本発明者は、太陽光を利用した植物のハウス栽培、例えばイチゴ等の植物のハウス栽培に適した引張構造の栽培ハウスを提案している(特許文献1)。また、このような栽培ハウスでの栽培方法として殺虫剤等を用いない洗浄農法(特許文献2)、洗浄農法における洗浄液として用いるのに適した二液混合型の次亜塩素酸水の生成器(特許文献3)を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6865467号公報
特許第5866147号公報
特許第6667845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、植物のハウス栽培の無農薬化は、人工光の植物工場的施設(閉鎖型施設)においても難しいのが現状である。ハウス栽培において無農薬化の大きな障害となっているのが、ハウスの出入口からの病害虫の侵入である。栽培ハウスの主な出入口として
(1)空気の出入り口(窓、通路など)
(2)資材(苗を含む)の出入り口
(3)人の出入口
がある。これらの各出入口からの病害虫の侵入を防止する対策が必要である。
【0006】
しかしながら、太陽光を利用したハウス栽培においては、人工光を利用した植物工場等の閉鎖型(密閉型)の施設栽培の場合とは異なり、栽培ハウスの出入口を密閉状態に維持することは困難である。また、従来においては、ハウス栽培において、出入り口を介しての病害虫の侵入を含め、総合的な無農薬化対策については何ら提案されていない。
【0007】
本発明の目的は、これらの点に鑑みてなされたものであり、太陽光を利用したハウス栽培における現実的かつ総合的な無農薬化を実現するための無農薬ハウス栽培方法、無農薬ハウス栽培に適した無農薬栽培機能付きハウスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の太陽光を利用した植物の無農薬機能付きハウス栽培方法は、
無農薬栽培ハウスのハウス外周壁面に形成した空気出入り口を所定の網目サイズの防虫ネットで覆うと共に、空気出入り口を含むハウス外周壁面部分に風防・除虫室を設けて、空気出入口からハウス内部への病原菌、害虫の侵入を防止あるいは抑制し、
防虫ネットで覆われて通気抵抗が高くなった空気出入り口を介して行われるハウス内部の換気を確保するために、ハウス屋根面に取り付けた天井換気扇を用いた強制換気を行い、
従来実現できなかった、小さな害虫、及び埃等の侵入を防ぐことが出来るようにし、
ハウス内部において、栽培対象の植物および当該植物の生産設備を、当該植物の生育段階に応じた頻度で洗浄液を用いて洗浄する定期洗浄を行って、ハウス内部に侵入した病害虫を排除し、ハウス内部に設置した殺虫灯を用いて、ハウス内部に侵入した害虫を排除することを特徴としている。
【0009】
定期洗浄に用いる洗浄液として、温水あるいは次亜塩素酸水を使用することができる。次亜塩素酸水として、原水によって希釈された次亜塩素酸ナトリウムの希釈水溶液と、前記原水によって希釈された希釈塩素とを撹拌混合して生成されたものを用いることができる。
【0010】
ここで、一般的に使用されている農薬、消毒液は、農作物に散布した場合にその効果が所定の期間に亘って継続する残留効果があり、残留効果を前提として散布量、散布間隔などが管理される。
本発明では、このように残留効果を前提としている「農薬」を用いる代わりに、残留効果が無く、農作物から流れ落ちた後においても土壌などに悪影響を及ぼすことのない「洗浄液」を用いて栽培を行っている。
すなわち、本明細書において、「無農薬」あるいは「無農薬栽培」とは、このような残留効果が無く、農作物から流れ落ちた後においても土壌などに悪影響を及ぼすことのない「洗浄液」を用いること、このような「洗浄液」を用いた栽培を意味している。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

KS.EP株式会社
無農薬ハウス栽培方法および無農薬栽培機能付きハウス
5日前
個人
蠅捕獲器
8日前
個人
草刈り鋏
12日前
個人
刈込鋏保持具
26日前
個人
草刈機用回転刃
8日前
個人
種子の製造方法
5日前
個人
昆虫捕集器
5日前
井関農機株式会社
作業車両
20日前
井関農機株式会社
作業車両
20日前
個人
四足動物用装着具
13日前
大栄工業株式会社
捕獲器
20日前
井関農機株式会社
作業車両
13日前
井関農機株式会社
作業車両
26日前
井関農機株式会社
作業車両
8日前
株式会社オーツボ
海苔箱船
12日前
みのる産業株式会社
茎葉処理装置
14日前
株式会社小川農具製作所
穴明け装置
21日前
株式会社デンソー
農業用装置
22日前
株式会社三生
足括り罠
1日前
グローブライド株式会社
釣竿
21日前
グローブライド株式会社
釣竿
20日前
株式会社スズテック
播種装置
12日前
アイミット株式会社
爪とぎ器具
5日前
株式会社クボタ
移植機
13日前
株式会社クボタ
移植機
13日前
グローブライド株式会社
釣用のルアー
22日前
グローブライド株式会社
魚釣用リール
19日前
サンリット・シードリングス株式会社
栽培方法
12日前
株式会社クロノコーポレーション
留め具
12日前
株式会社クボタ
コンバイン
21日前
株式会社クボタ
コンバイン
21日前
株式会社笑農和
制御装置および送水装置
26日前
株式会社トクイテン
青果物収穫装置
12日前
花王株式会社
硬質表面用拭浄シート
15日前
個人
塩ビパイプでつくる両側入口のネズミ捕獲器
26日前
株式会社シマノ
ルアー
6日前
続きを見る