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公開番号2025160237
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-22
出願番号2025117051,2023135380
出願日2025-07-11,2018-01-19
発明の名称ヒドロキシステロイド17-βデヒドロゲナーゼ13(HSD17B13)バリアント及びその使用
出願人リジェネロン・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド,REGENERON PHARMACEUTICALS, INC.
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C12Q 1/6869 20180101AFI20251015BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】対象が肝疾患を発症する感受性の判断方法、または肝疾患である対象の診断方法を提供する。
【解決手段】ヒト対象におけるバリアントHSD17B13遺伝子の検出方法であって、前記ヒト対象から採取した生体試料に対してアッセイを行うことを含むかまたはそのことからなり、前記アッセイによって、野生型HSD17B13遺伝子の特定の配列の12665位と12666位に対応する位置の間にチミンが挿入されているか、またはバリアントHSD17B13遺伝子の別の特定の配列の12666位に対応する位置にチミンが存在するか判断し、前記チミンの存在によって、バリアントHSD17B13遺伝子が示される検出方法が提供される。
【選択図】図1A-1
特許請求の範囲【請求項1】
ヒト対象におけるバリアントHSD17B13遺伝子の検出方法であって、前記ヒト対象から採取した生体試料に対してアッセイを行うことを含むかまたはそのことからなり、前記アッセイによって、野生型HSD17B13遺伝子の配列番号1の12665位と12666位に対応する位置の間にチミンが挿入されているか、またはバリアントHSD17B13遺伝子の配列番号2の12666位に対応する位置にチミンが存在するか判断し、前記チミンの存在によって、バリアントHSD17B13遺伝子が示される前記方法。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記アッセイが、HSD17B13遺伝子の部分のうち、配列番号1の12665位と12666位に対応する位置を含むか、もしくは配列番号2の12666位に対応する位置を含む部分をシークエンシングすることを含むか、またはそのことからなる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アッセイが、
i)HSD17B13遺伝子の領域であって、HSD17B13遺伝子の位置のうち、配列番号1の12665位と12666位に対応する位置の50ヌクレオチド以内であるか、もしくはHSD17B13遺伝子の位置のうち、配列番号2の12666位に対応する位置の50ヌクレオチド以内である領域にハイブリダイズするプライマーと、前記生体試料とを接触させることと、
ii)HSD17B13遺伝子の位置のうち、配列番号1の12665位と12666位に対応する位置、もしくは配列番号2の12666位に対応する位置を少なくとも通るように、前記プライマーを伸長させることと、
iii)前記プライマーの伸長産物において、野生型HSD17B13遺伝子の配列番号1の12665位と12666位に対応する位置の間にチミンが挿入されているか、もしくはバリアントHSD17B13遺伝子の配列番号2の12666位に対応する位置にチミンが存在するか判断することと、
を含むか、またはそれらからなる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ヒト対象が、前記バリアントHSD17B13遺伝子においてホモ型であるか判断することをさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
ヒト対象におけるHSD17B13転写産物Dの存在の検出方法であって、前記対象から採取した生体試料に対してアッセイを行うことを含むかまたはそのことからなり、前記アッセイによって、前記生体試料におけるHSD17B13転写産物Dの存在を判断する前記方法。
【請求項6】
前記アッセイが、HSD17B13転写産物Dの核酸配列もしくはその相補体に特異的にハイブリダイズする1つ以上のプライマーもしくはプローブと、前記生体試料とを接触させることと、ハイブリダイズが行われたか判断することを含むか、またはそれらからなる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
i)配列番号6、15、24もしくは33のヌクレオチド配列と少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%もしくは100%同一であるヌクレオチド配列、またはその相補体、
ii)転写産物Dのエキソン2に特異的にハイブリダイズする核酸分子及び/または
iii)転写産物Dのエキソン3とエキソン4を架橋する領域に特異的にハイブリダイズする核酸分子を含むかまたはそれらからなる約5ヌクレオチドから最大で約50ヌクレオチドを含むかまたはそれらからなる核酸分子を用いることによって、転写産物Dを特異的に検出すること、
をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記HSD17B13転写産物Dが、配列番号6、15、24もしくは33と少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%もしくは100%同一であるヌクレオチド配列を含むか、またはその配列からなる、請求項5~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ以上のプライマーまたはプローブが、配列番号6、配列番号15、配列番号24及び/または配列番号33に特異的にハイブリダイズする、請求項6~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記アッセイが、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)を含む、請求項5~9のいずれか1項に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本願には、2018年1月18日に作成した18923800802SEQという名称の147キロバイトのサイズのテキストファイルとして電子的に提出した配列表が含まれる。この配列表は、参照により、本明細書に援用される。
続きを表示(約 3,200 文字)【0002】
本開示は広くは、遺伝学の分野に関するものである。さらに詳細には、本開示は、例えば肝疾患と関連のあるヒドロキシステロイド17-βデヒドロゲナーゼ13(HSD17B13)における遺伝子の改変とポリペプチドバリアントに関するものである。
【背景技術】
【0003】
本明細書全体を通じて、様々な参照文献(特許、特許出願、アクセッション番号、技術論文及び学術論文を含む)が引用されている。各参照文献は、参照により、その全体が、あらゆる目的で、本明細書に援用される。
【0004】
慢性肝疾患と肝硬変は、米国において主要な罹患原因及び死因であり、2014年における死亡数は38,170件に及んでいる(総死亡数の1.5%)(非特許文献1)。米国において、肝硬変の病因として特に多いのは、アルコール性肝疾患、慢性C型肝炎及び非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)であり、2004~2013年では、肝移植を待っている患者の約80%をこれらの3つが占めていた(非特許文献2)。米国におけるNAFLDの推定存在率は19~46パーセントであり(非特許文献3~5)、おそらくは、NAFLDの主な危険因子である肥満率の上昇と連動して(非特許文献6)、時間の経過とともに上昇している(非特許文献7)。C型肝炎の治療は大きく進歩しているが(非特許文献8~9)、現時点では、アルコール性または非アルコール性肝疾患及び肝硬変に対するエビデンスベースの治療は存在しない。
【0005】
過去のゲノムワイド関連性解析(GWAS)によって、慢性肝疾患と関連のある遺伝子とバリアントが限られた数、同定されている。これまでで最も明確に立証された遺伝的関連性は、パタチン様ホスホリパーゼドメイン含有3遺伝子における共通のミスセンスバリアントに対するものであり(PNPLA3 p.Ile148Met、rs738409)、このバリアントはまず、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)リスクの上昇と関連することが分かり(非特許文献10~11)、その後、疾患重症度(非特許文献12~13)と進行(非特許文献14)と関連のあることが分かった。トランスメンブレン6スーパーファミリーメンバー2(TM6SF2)遺伝子の変化も、NAFLDリスクを上昇させることが示されている(非特許文献15~17)。これらの2つのタンパク質の正常な機能は、充分には分かっていないが、両方とも、肝細胞脂質の代謝に関与することが提議されている。PNPLA3とTM6SF2のバリアントが、肝疾患リスクの上昇に寄与する仕組みは、まだ明らかになっていない。GWASによって、臨床で頻繁に測定する肝細胞傷害と肝脂肪蓄積の量的マーカーである血清中アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)及びアスパルテートアミノトランスフェラーゼ(AST)と関連のあるいくつかの遺伝因子も特定されている(非特許文献18~19)。これまで、慢性肝疾患に対する保護的な遺伝的バリアントが示されたことはない。他の状態における保護的な遺伝的バリアント(心血管疾患リスクを軽減する、PCSK9の機能欠損バリアントなど)が、新たな種類の治療剤の開発につながってきた。
【0006】
慢性肝疾患の発症と進行の根底にある遺伝因子を明らかにすれば、リスクの層別化を進めて、新規治療策の土台を築くことができる。肝疾患に関して、リスクの層別化を進めて、新規療法を生み出すには、根底にある遺伝因子への理解を深める必要がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
Kochanek et al.,Natl.Vital Stat.Rep.,2016,65,1-122
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Browning et al.,Hepatology,2004,40,1387-1395
Lazo et al.,Am.J.Epidemiol.,2013,178,38-45
Williams et al.,Gastroenterology,2011,140,124-131
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Sookoian et al.,Hepatology,2015,61,515-525
Chambers et al.,Nat.Genet.,2011,43,1131-1138
Yuan et al.,Am.J.Hum.Genet.,2008,83,520-528
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、HSD17B13の生物学的現象の理解を助けるとともに、肝疾患の対象の診断と治療を容易にすることになる新規HSD17B13バリアントを提供する。
本開示は、バリアントHSD17B13 rs72613567遺伝子、バリアントHSD17B13転写産物及びバリアントHSD17B13タンパク質アイソフォームに関連する核酸分子、ポリペプチド、プローブ、プライマー、組成物及び方法を提供する。
【0009】
本開示は、バリアントHSD17B13タンパク質アイソフォームをコードする核酸分子も提供する。いくつかの実施形態では、その核酸分子は、バリアントHSD17B13タンパク質のアイソフォームC、アイソフォームD、アイソフォームF、アイソフォームGまたはアイソフォームHをコードする。いくつかの実施形態では、その核酸分子は、バリアントHSD17B13タンパク質アイソフォームDをコードする。
【0010】
本開示は、HSD17B13遺伝子の少なくとも15個の連続するヌクレオチドを含むかまたはそれらからなる核酸分子であって、その連続するヌクレオチドが、配列番号2における対応配列と少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%同一であり、配列番号2の12666位に対応する位置にチミンを有する核酸分子も提供する。
(【0011】以降は省略されています)

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