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公開番号2025159461
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-21
出願番号2024062023
出願日2024-04-08
発明の名称リサイクル発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法
出願人株式会社カネカ
代理人
主分類C08J 9/18 20060101AFI20251014BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】発泡性スチレン系樹脂粒子の規格外粒子を使用して懸濁重合を行うことで、発泡性スチレン系樹脂粒子を収率良く提供する。
【解決手段】スチレン系単量体に発泡性スチレン系樹脂粒子を溶解させた溶解液を作成する工程と、溶解液を水に臭素系難燃剤及び難燃助剤を仕込んだ水性媒体中に分散させて懸濁液とし重合を開始する工程と、懸濁液の油滴中のポリマー成分比率が30重量%以上50重量%以下の時点で分散剤を添加してリサイクルスチレン系樹脂粒子を得る工程と、リサイクルスチレン系樹脂粒子に発泡剤を含浸させる工程とを備え、スチレン系単量体に溶解させる発泡性スチレン系樹脂粒子の配合量はスチレン系単量体との合計に対して15重量%以下であり、水性媒体中に臭素系難燃剤及び難燃助剤を所定量仕込む、リサイクル発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
リサイクル発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法において、
スチレン系単量体に発泡性スチレン系樹脂粒子を溶解させた溶解液を作成する工程と、
前記溶解液を、水に臭素系難燃剤及び難燃助剤を仕込んだ水性媒体中に分散させて懸濁液とし、重合を開始する工程と、
前記懸濁液の油滴中のポリマー成分比率が、３０重量％以上５０重量％以下の時点で分散剤を添加して、リサイクルスチレン系樹脂粒子を得る工程と、
前記リサイクルスチレン系樹脂粒子に、発泡剤を含浸させる工程と、
を備え、
スチレン系単量体に溶解させる前記発泡性スチレン系樹脂粒子の配合量は、スチレン系単量体との合計に対して１５重量％以下であり、
前記水性媒体中に仕込む前記臭素系難燃剤は、リサイクル発泡性スチレン系樹脂粒子１００重量部に対して、０．７重量部以上であり、
前記水性媒体中に仕込む前記難燃助剤は、リサイクル発泡性スチレン系樹脂粒子１００重量部に対して、０．４重量部以上である、リサイクル発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
続きを表示（約 480 文字）【請求項２】
スチレン系単量体に溶解させる前記発泡性スチレン系樹脂粒子は、前記発泡性スチレン系樹脂粒子の基材樹脂１００重量部に対して臭素系難燃剤を０．７重量部以上含有する、
請求項１に記載のリサイクル発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
【請求項３】
前記水性媒体は、増粘剤を含み、
前記増粘剤の水に対する濃度は、４ｐｐｍ以上９ｐｐｍ以下である、
請求項１又は２に記載のリサイクル発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
【請求項４】
前記水性媒体は、高分子ノニオン系界面活性剤を含み、
前記高分子ノニオン系界面活性剤の水に対する濃度は、１５ｐｐｍ以上３０ｐｐｍ以下である、
請求項１又は２記載のリサイクル発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
【請求項５】
スチレン系単量体に溶解させる前記発泡性スチレン系樹脂粒子中の１時間半減期温度１２０℃以下の過酸化物の含有量が１００ｐｐｍ以下である、
請求項１又は２に記載のリサイクル発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、リサイクル発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法に関するものである。
続きを表示（約 2,200 文字）【背景技術】
【０００２】
発泡性スチレン系樹脂粒子は比較的安価で、特殊な方法を用いずに蒸気等で発泡成形ができ、高い緩衝・断熱の効果が得られる為、幅広く使用されている。近年、スチレン系樹脂のリサイクル活用が進んでおり、例えば、特許文献１、２のように、スチレン系樹脂をスチレン系単量体に溶解した溶液を水性媒体中で分散させて懸濁重合したり、スチレン系樹脂をスチレン系単量体の水性媒体に溶解して懸濁重合したりすることで得たスチレン系樹脂粒子に発泡剤を含有させて、発泡性スチレン系樹脂粒子を製造する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２００３－８９７２８号公報
特開２００６－１９３５５０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、難燃性を有する発泡性スチレン系樹脂粒子を得ようとした場合、上述のような従来技術には、生産性の観点から改善の余地があった。
【０００５】
以上のような状況に鑑み、本発明の目的は、生産性が良好となるリサイクル発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明者らは、上記従来技術の問題点を改善することを目的とし、重合条件について鋭意研究を行った結果、本発明を完成するに至った。
【０００７】
即ち、本発明の一実施形態は、以下の構成を含む。
［１］リサイクル発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法において、スチレン系単量体に発泡性スチレン系樹脂粒子を溶解させた溶解液を作成する工程と、前記溶解液を、水に臭素系難燃剤及び難燃助剤を仕込んだ水性媒体中に分散させて懸濁液とし、重合を開始する工程と、前記懸濁液の油滴中のポリマー成分比率が、３０重量％以上５０重量％以下の時点で分散剤を添加して、リサイクルスチレン系樹脂粒子を得る工程と、前記リサイクルスチレン系樹脂粒子に、発泡剤を含浸させる工程と、を備え、スチレン系単量体に溶解させる前記発泡性スチレン系樹脂粒子の配合量は、スチレン系単量体との合計に対して１５重量％以下であり、前記水性媒体中に仕込む前記臭素系難燃剤は、リサイクル発泡性スチレン系樹脂粒子１００重量部に対して、０．７重量部以上であり、前記水性媒体中に仕込む前記難燃助剤は、リサイクル発泡性スチレン系樹脂粒子１００重量部に対して、０．４重量部以上である、リサイクル発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
［２］スチレン系単量体に溶解させる前記発泡性スチレン系樹脂粒子は、前記発泡性スチレン系樹脂粒子の基材樹脂１００重量部に対して臭素系難燃剤を０．７重量部以上含有する、［１］に記載のリサイクル発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
［３］前記水性媒体は、増粘剤を含み、前記増粘剤の水に対する濃度は、４ｐｐｍ以上９ｐｐｍ以下である、［１］又は［２］に記載のリサイクル発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
［４］前記水性媒体は、高分子ノニオン系界面活性剤を含み、前記高分子ノニオン系界面活性剤の水に対する濃度は、１５ｐｐｍ以上３０ｐｐｍ以下である、［１］から［３］のいずれかに記載のリサイクル発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
［５］スチレン系単量体に溶解させる前記発泡性スチレン系樹脂粒子中の１時間半減期温度１２０℃以下の過酸化物の含有量が１００ｐｐｍ以下である、［１］から［４］のいずれかに記載のリサイクル発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
【発明の効果】
【０００８】
本発明の一実施形態により、難燃性を有するリサイクル発泡性スチレン系樹脂粒子の収率が向上するため、生産性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
本発明の一実施形態について以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能である。また、異なる実施形態または実施例にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせて得られる実施形態または実施例についても、本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。なお、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考文献として援用される。また、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「Ａ～Ｂ」は、「Ａ以上（Ａを含みかつＡより大きい）Ｂ以下（Ｂを含みかつＢより小さい）」を意図する。
【００１０】
本明細書において、リサイクル発泡性スチレン系樹脂粒子とは、リサイクルスチレン系樹脂粒子に、発泡剤を含浸させたものである。リサイクルスチレン系樹脂粒子とは、発泡性スチレン系樹脂粒子をスチレン系単量体に溶解した溶解液を、水性媒体中に分散させて重合することで得られた樹脂粒子である。なお、前記溶解液に溶解する発泡性スチレン系樹脂粒子は、リサイクル発泡性スチレン系樹脂粒子であってもよい。
（【００１１】以降は省略されています）

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