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公開番号
2025159109
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-17
出願番号
2025134009,2022510604
出願日
2025-08-12,2021-03-24
発明の名称
改変チャネルロドプシン
出願人
国立大学法人岩手大学
代理人
個人
主分類
C07K
14/405 20060101AFI20251009BHJP(有機化学)
要約
【課題】 イオン透過性(光反応性)が高い改変チャネルロドプシンを提供すること。
【解決手段】 ボルボックス由来のチャネルロドプシンが有する3つの細胞外ドメインのN末端側から数えて3つめの細胞外ドメインを、クラミドモナス・レインハルトチイ由来のチャネルロドプシン-2の対応する細胞外ドメインに置換する。
【選択図】 図2
特許請求の範囲
【請求項1】
ボルボックス由来のチャネルロドプシンが有する3つの細胞外ドメインのN末端側から数えて3つめの細胞外ドメインが、クラミドモナス・レインハルトチイ由来のチャネルロドプシン-2の対応する細胞外ドメインに置換されてなるポリペプチドであって、以下の(a)または(b)のポリペプチドで構成される改変チャネルロドプシン。
(a)配列番号6に示すアミノ酸配列からなるポリペプチド
(b)配列番号6に示すアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつチャネルロドプシン機能を有するポリペプチド
続きを表示(約 870 文字)
【請求項2】
配列番号6に示すアミノ酸配列からなるポリペプチドの172番目のHisが他のアミノ酸に置換されてなるポリペプチドで構成される請求項1記載の改変チャネルロドプシン。
【請求項3】
配列番号9~12のいずれかに示すアミノ酸配列からなるポリペプチドで構成される請求項2記載の改変チャネルロドプシン。
【請求項4】
ボルボックス由来のチャネルロドプシンが有する3つの細胞外ドメインのN末端側から数えて3つめの細胞外ドメインが、クラミドモナス・レインハルトチイ由来のチャネルロドプシン-2の対応する細胞外ドメインに置換されてなるポリペプチドであって、以下の(a)または(b)のポリペプチドで構成される改変チャネルロドプシン。
(a)配列番号7に示すアミノ酸配列からなるポリペプチド
(b)配列番号7に示すアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつチャネルロドプシン機能を有するポリペプチド
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の改変チャネルロドプシンを構成するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
【請求項6】
プロモーターと機能的に連結された請求項5記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
【請求項7】
請求項1~4のいずれかに記載の改変チャネルロドプシンを構成するポリペプチドを発現する細胞。
【請求項8】
細胞が神経細胞である請求項7記載の細胞。
【請求項9】
網膜外層の障害を患う被検体を治療するための医薬の製造における、請求項1~4のいずれかに記載の改変チャネルロドプシンを構成するポリペプチド、請求項5記載のポリヌクレオチド、請求項6記載の発現ベクターのいずれかの使用。
【請求項10】
網膜外層の障害が、網膜色素変性症、加齢黄斑変性症、網膜はく離のいずれかである請求項9記載の使用。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、改変チャネルロドプシンに関する。より詳細には、イオン透過性(光反応性)が高い改変チャネルロドプシンに関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
遺伝子導入によって光応答性タンパク(チャネルロドプシン)を発現させた神経細胞に、光を当てることで細胞応答を制御するオプトジェネティックス(Optogenetics:光遺伝学)により、視機能の再建を図る研究が世界的に行われていることは周知の通りであり、本発明者らも、ボルボックス(Volvox carteri)由来のチャネルロドプシンのN末端領域を、クラミドモナス・レインハルトチイ(Chlamydomonas reinhardtii)由来のチャネルロドプシン-1のN末端領域に置換することで、細胞膜上での発現効率が改善された改変チャネルロドプシンを特許文献1において報告している。この改変チャネルロドプシンは、光を当てることでイオンチャネルを開いて興奮を誘起することができるものであり、失明に至ったラットの網膜にその遺伝子を導入することによって視力を回復させることに本発明者らは成功している。
【0003】
しかしながら、これまでに報告されている改変チャネルロドプシンよりも、イオン透過性が高い改変チャネルロドプシンが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第5322067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明は、イオン透過性が高い改変チャネルロドプシンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記の点に鑑みて鋭意検討を行った結果、ボルボックス由来のチャネルロドプシンが有する3つの細胞外ドメインのN末端側から数えて3つめの細胞外ドメインを、クラミドモナス・レインハルトチイ由来のチャネルロドプシン-2の対応する細胞外ドメインに置換することで、イオン透過性が高いチャネルロドプシンが得られることを見出した。
【0007】
上記の知見に基づいてなされた本発明の改変チャネルロドプシンは、請求項1記載の通り、ボルボックス由来のチャネルロドプシンが有する3つの細胞外ドメインのN末端側から数えて3つめの細胞外ドメインが、クラミドモナス・レインハルトチイ由来のチャネルロドプシン-2の対応する細胞外ドメインに置換されてなるポリペプチドであって、以下の(a)または(b)のポリペプチドで構成される。
(a)配列番号6に示すアミノ酸配列からなるポリペプチド
(b)配列番号6に示すアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつチャネルロドプシン機能を有するポリペプチド
また、請求項2記載の改変チャネルロドプシンは、請求項1記載の改変チャネルロドプシンにおいて、配列番号6に示すアミノ酸配列からなるポリペプチドの172番目のHisが他のアミノ酸に置換されてなるポリペプチドで構成される。
また、請求項3記載の改変チャネルロドプシンは、請求項2記載の改変チャネルロドプシンにおいて、配列番号9~12のいずれかに示すアミノ酸配列からなるポリペプチドで構成される。
また、本発明の改変チャネルロドプシンは、請求項4記載の通り、ボルボックス由来のチャネルロドプシンが有する3つの細胞外ドメインのN末端側から数えて3つめの細胞外ドメインが、クラミドモナス・レインハルトチイ由来のチャネルロドプシン-2の対応する細胞外ドメインに置換されてなるポリペプチドであって、以下の(a)または(b)のポリペプチドで構成される。
(a)配列番号7に示すアミノ酸配列からなるポリペプチド
(b)配列番号7に示すアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつチャネルロドプシン機能を有するポリペプチド
また、本発明のポリヌクレオチドは、請求項5記載の通り、請求項1~4のいずれかに記載の改変チャネルロドプシンを構成するポリペプチドをコードする。
また、本発明の発現ベクターは、請求項6記載の通り、プロモーターと機能的に連結された請求項5記載のポリヌクレオチドを含む。
また、本発明の細胞は、請求項7記載の通り、請求項1~4のいずれかに記載の改変チャネルロドプシンを構成するポリペプチドを発現する。
また、請求項8記載の細胞は、請求項7記載の細胞において、細胞が神経細胞である。
また、本発明は、請求項9記載の通り、網膜外層の障害を患う被検体を治療するための医薬の製造における、請求項1~4のいずれかに記載の改変チャネルロドプシンを構成するポリペプチド、請求項5記載のポリヌクレオチド、請求項6記載の発現ベクターのいずれかの使用である。
また、請求項10記載の使用は、請求項9記載の使用において、網膜外層の障害が、網膜色素変性症、加齢黄斑変性症、網膜はく離のいずれかである。
また、本発明の網膜外層の障害を治療するための医薬組成物は、請求項11記載の通り、請求項1~4のいずれかに記載の改変チャネルロドプシンを構成するポリペプチド又は請求項6記載の発現ベクターのいずれかを有効成分として含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、イオン透過性が高い改変チャネルロドプシンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施例1における、p525発現アデノ随伴ウイルスベクター作製用プラスミドの構成である。
試験例1において、p525、p548、p550が、mVChR1よりもイオン透過性が高いことを示すグラフである。
試験例4における、p578、p579、p580、p581のイオン透過性を示すグラフである。
試験例5において、p579がp548よりもτonが短いことを示すグラフである。
同、p579がp548よりもτoffが短いことを示すグラフである。
試験例6において、p548遺伝子を網膜に導入することで視覚誘発電位を記録することができることを示すグラフである。
同、蛍光顕微鏡下で網膜伸展標本を観察するとp548の発現を神経網膜の全体において確認することができることを示す写真である。
同、蛍光顕微鏡下で網膜切片標本を観察するとp548の発現を主として網膜神経節細胞層において確認することができることを示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の改変チャネルロドプシンは、ボルボックス由来のチャネルロドプシンが有する3つの細胞外ドメインのN末端側から数えて3つめの細胞外ドメインが、クラミドモナス・レインハルトチイ由来のチャネルロドプシン-2の対応する細胞外ドメインに置換されてなるポリペプチドである。
(【0011】以降は省略されています)
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