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公開番号2025152964
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024055172
出願日2024-03-29
発明の名称舌運動状態評価装置、食品評価方法、食品評価装置
出願人国立大学法人岩手大学
代理人個人,個人
主分類A61B 5/11 20060101AFI20251002BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】咀嚼中における舌運動状態を評価することができる舌運動状態評価装置、食品の咀嚼容易性を評価することができる食品評価方法及び食品評価装置を提供すること。
【解決手段】少なくとも、舌骨上筋群用筋電センサ11と、咬筋用筋電センサ12又は側頭筋用筋電センサ13とを有し、情報処理手段20では、咀嚼中における、舌骨上筋群用筋電センサ11と、咬筋用筋電センサ12又は側頭筋用筋電センサ13とからの時系列生体信号を用いて筋シナジー解析を行い、3つ以上の咀嚼中の筋シナジーを抽出し、咀嚼中における下顎を開く動作に伴う開口筋シナジー、及び咀嚼中における下顎を閉じる動作に伴う閉口筋シナジーを除外することで、複数の筋シナジーの中から咀嚼中における舌運動に伴う舌運動筋シナジーを特定し、特定した舌運動筋シナジーの活性度(時間パターン)によって舌運動状態を評価する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
咀嚼中における舌運動状態を評価する舌運動状態評価装置であって、
少なくとも、開口、咬合、舌運動に関与する舌骨上筋群生体信号を検出する舌骨上筋群用筋電センサと、閉口(咬合含む)に関与する咬筋生体信号を検出する咬筋用筋電センサ又は側頭筋生体信号を検出する側頭筋用筋電センサとを有し、
情報処理手段では、
前記咀嚼中における、前記舌骨上筋群用筋電センサと、前記咬筋用筋電センサ又は前記側頭筋用筋電センサとからの時系列生体信号を用いて筋シナジー解析を行い、3つ以上の前記咀嚼中の筋シナジーを抽出し、
前記咀嚼中における下顎を開く動作に伴う開口筋シナジー、及び前記咀嚼中における前記下顎を閉じる動作に伴う閉口筋シナジーを除外することで、複数の前記筋シナジーの中から前記咀嚼中における舌運動に伴う舌運動筋シナジーを特定し、
特定した前記舌運動筋シナジーの活性度(時間パターン)によって前記舌運動状態を評価する
ことを特徴とする舌運動状態評価装置。
続きを表示(約 960 文字)【請求項2】
前記筋シナジー解析によって、3つの前記咀嚼中の前記筋シナジーを抽出し、
前記開口筋シナジー及び前記閉口筋シナジーを除外することで、前記舌運動筋シナジーを特定する
ことを特徴とする請求項1に記載の舌運動状態評価装置。
【請求項3】
前記筋シナジー解析によって、4つの前記咀嚼中の前記筋シナジーを抽出し、
前記開口筋シナジー、前記閉口筋シナジー、及び前記咀嚼中における噛みしめ動作(咬合動作)に伴う噛みしめ筋シナジーを除外することで、前記舌運動筋シナジーを特定する
ことを特徴とする請求項1に記載の舌運動状態評価装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の舌運動状態評価装置によって特定される、前記開口筋シナジー、前記閉口筋シナジー、及び前記舌運動筋シナジーを用いて、食品における食塊形成時の特徴を評価する
ことを特徴とする食品評価方法。
【請求項5】
前記食品における前記食塊形成時の前記特徴を、咀嚼容易性とした
ことを特徴とする請求項4に記載の食品評価方法。
【請求項6】
食品の咀嚼容易性を評価する食品評価装置であって、
少なくとも、開口、咬合、舌運動に関与する舌骨上筋群生体信号を検出する舌骨上筋群用筋電センサと、閉口(咬合含む)に関与する咬筋生体信号を検出する咬筋用筋電センサ又は側頭筋生体信号を検出する側頭筋用筋電センサとを有し、
情報処理手段では、
咀嚼中における、前記舌骨上筋群用筋電センサと、前記咬筋用筋電センサ又は前記側頭筋用筋電センサとからの時系列生体信号を用いて筋シナジー解析を行い、3つ以上で5つ以下の前記咀嚼中の筋シナジーを抽出し、
前記咀嚼中における下顎を開く動作に伴う開口筋シナジー、及び前記咀嚼中における前記下顎を閉じる動作に伴う閉口筋シナジーを除外することで、複数の前記筋シナジーの中から前記咀嚼中における舌運動に伴う舌運動筋シナジーを特定し、
前記開口筋シナジー、前記閉口筋シナジー、及び前記舌運動筋シナジーを用いて、前記食品の前記咀嚼容易性を評価する
ことを特徴とする食品評価装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、咀嚼中における舌運動状態を評価する舌運動状態評価装置、舌運動状態評価装置によって特定されるシナジーを用いる食品評価方法、食品の咀嚼容易性を評価する食品評価装置に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
摂食嚥下においる咀嚼フェーズでは、食塊形成のための下顎と舌の協調が重要である。下顎運動について、様々な計測方法が提案されており、計測は容易である。しかし、咀嚼時(食塊形成中)の口腔内の舌運動については、放射線被曝等の侵襲性を伴う嚥下造影検査以外には十分な評価技術がなく、舌機能や咀嚼機能(食塊形成能力)の低下、疾患の有無や機能不全の検出、ならびに、咀嚼容易性(食塊形成の容易さ)という生体から見た視点での食品評価を、非侵襲かつ安全な手法を用いて行えるような技術は十分に開発されていない。
特許文献1は、放射線被曝等のリスクがなく、ベッドサイドや在宅医療でも評価でき、かつ少ない嚥下回数で摂食嚥下の際にどの部分がどう動き、摂食嚥下のどのステージでどの筋肉がどの程度の活動度、タイミング、時間で協調的に動いているかを知ることで摂食嚥下機能評価を向上させることができる摂食嚥下機能評価方法を提案している。
そして、特許文献1では、非負値行列因子分解(Nonnegative Matrix Factorization:NMF)による筋シナジーを用いて評価している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-142087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、摂食嚥下開始から摂食嚥下終了までの摂食嚥下機能を評価するものであり、咀嚼中における舌運動状態を評価するものではない。
【0005】
本発明は、咀嚼中における舌運動状態を評価することができる舌運動状態評価装置、食品の咀嚼容易性を評価することができる食品評価方法及び食品評価装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明の舌運動状態評価装置は、咀嚼中における舌運動状態を評価する舌運動状態評価装置であって、少なくとも、開口、咬合、舌運動に関与する舌骨上筋群生体信号を検出する舌骨上筋群用筋電センサ11と、閉口(咬合含む)に関与する咬筋生体信号を検出する咬筋用筋電センサ12又は側頭筋生体信号を検出する側頭筋用筋電センサ13とを有し、情報処理手段20では、前記咀嚼中における、前記舌骨上筋群用筋電センサ11と、前記咬筋用筋電センサ12又は前記側頭筋用筋電センサ13とからの時系列生体信号を用いて筋シナジー解析を行い、3つ以上の前記咀嚼中の筋シナジーを抽出し、前記咀嚼中における下顎を開く動作に伴う開口筋シナジー、及び前記咀嚼中における前記下顎を閉じる動作に伴う閉口筋シナジーを除外することで、複数の前記筋シナジーの中から前記咀嚼中における前記舌運動に伴う舌運動筋シナジーを特定し、特定した前記舌運動筋シナジーの活性度(時間パターン)によって前記舌運動状態を評価することを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の舌運動状態評価装置において、前記筋シナジー解析によって、3つの前記咀嚼中の前記筋シナジーを抽出し、前記開口筋シナジー及び前記閉口筋シナジーを除外することで、前記舌運動筋シナジーを特定することを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1に記載の舌運動状態評価装置において、前記筋シナジー解析によって、4つの前記咀嚼中の前記筋シナジーを抽出し、前記開口筋シナジー、前記閉口筋シナジー、及び前記咀嚼中における噛みしめ動作(咬合動作)に伴う噛みしめ筋シナジーを除外することで、前記舌運動筋シナジーを特定することを特徴とする。
請求項4記載の本発明の食品評価方法は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の舌運動状態評価装置によって特定される、前記開口筋シナジー、前記閉口筋シナジー、及び前記舌運動筋シナジーを用いて、食品における食塊形成時の特徴を評価することを特徴とする。
請求項5記載の食品評価方法本発明は、請求項4に記載の舌運動状態評価装置において、前記食品における前記食塊形成時の前記特徴を、咀嚼容易性としたことを特徴とする。
請求項6記載の本発明の食品評価装置は、食品の咀嚼容易性を評価する食品評価装置であって、少なくとも、開口、咬合、舌運動に関与する舌骨上筋群生体信号を検出する舌骨上筋群用筋電センサ11と、閉口(咬合含む)に関与する咬筋生体信号を検出する咬筋用筋電センサ12又は側頭筋生体信号を検出する側頭筋用筋電センサ13とを有し、情報処理手段20では、咀嚼中における、前記舌骨上筋群用筋電センサ11と、前記咬筋用筋電センサ12又は前記側頭筋用筋電センサ13とからの時系列生体信号を用いて筋シナジー解析を行い、3つ以上で5つ以下の前記咀嚼中の筋シナジーを抽出し、前記咀嚼中における下顎を開く動作に伴う開口筋シナジー、及び前記咀嚼中における前記下顎を閉じる動作に伴う閉口筋シナジーを除外することで、複数の前記筋シナジーの中から前記咀嚼中における前記舌運動に伴う舌運動筋シナジーを特定し、前記開口筋シナジー、前記閉口筋シナジー、及び前記舌運動筋シナジーを用いて、前記食品の前記咀嚼容易性を評価することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、下顎の動作を含む生体信号の中から咀嚼中における舌運動に伴う舌運動筋シナジーを特定し、舌運動筋シナジーの活性度によって舌運動状態を評価することで、咀嚼中における舌運動状態を定量的に評価することができる。
また、本発明によれば、下顎の動作を含む生体信号の中から咀嚼中における舌運動に伴う舌運動筋シナジーを特定し、舌運動筋シナジーの活性度によって舌運動状態を評価することで、食品における食塊形成時の特徴を評価できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の一実施例における舌運動状態評価装置の構成図
筋シナジー解析を示す図
筋電センサの装着場所を示す図
計測におけるsEMG信号とそれに伴う下顎の軌跡及びオプティカルフローによる舌運動の大きさの変化を示す図
シナジー解析による3つの筋シナジーを示す図
シナジー解析による4つの筋シナジーを示す図
スルメ咀嚼時の筋シナジーのグラフ
クッキー咀嚼時の筋シナジーのグラフ
さつまいも咀嚼時の筋シナジーのグラフ
ミートボール咀嚼時の筋シナジーのグラフ
ピーナッツ咀嚼時の筋シナジーのグラフ
異なる食品についての咀嚼時における舌運動量を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の実施の形態による舌運動状態評価装置は、少なくとも、開口、咬合、舌運動に関与する舌骨上筋群生体信号を検出する舌骨上筋群用筋電センサと、閉口(咬合含む)に関与する咬筋生体信号を検出する咬筋用筋電センサ又は側頭筋生体信号を検出する側頭筋用筋電センサとを有し、情報処理手段では、咀嚼中における、舌骨上筋群用筋電センサと、咬筋用筋電センサ又は側頭筋用筋電センサとからの時系列生体信号を用いて筋シナジー解析を行い、3つ以上の咀嚼中の筋シナジーを抽出し、咀嚼中における下顎を開く動作に伴う開口筋シナジー、及び咀嚼中における下顎を閉じる動作に伴う閉口筋シナジーを除外することで、複数の筋シナジーの中から咀嚼中における舌運動に伴う舌運動筋シナジーを特定し、特定した舌運動筋シナジーの活性度(時間パターン)によって舌運動状態を評価するものである。本実施の形態によれば、下顎の動作を含む生体信号の中から咀嚼中における舌運動に伴う舌運動筋シナジーを特定し、舌運動筋シナジーの活性度によって舌運動状態を評価することで、咀嚼中における舌運動状態を定量的に評価することができる。
【0010】
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による舌運動状態評価装置において、筋シナジー解析によって、3つの咀嚼中の筋シナジーを抽出し、開口筋シナジー及び閉口筋シナジーを除外することで、舌運動筋シナジーを特定するものである。本実施の形態によれば、舌運動筋シナジーを容易に特定でき、咀嚼中における舌運動状態を定量的に評価することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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