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公開番号2025111403
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-30
出願番号2025005485
出願日2025-01-15
発明の名称揮発性有機化合物の分離取得方法および揮発性有機化合物含有材料の製造方法
出願人国立大学法人岩手大学
代理人個人
主分類C07C 37/76 20060101AFI20250723BHJP(有機化学)
要約【課題】溶媒の損失を抑制することができ、かつ、簡便な操作で木質材料から揮発性有機化合物を得ることができる、揮発性有機化合物の分離取得方法を提供すること。
【解決手段】揮発性有機化合物の分離取得方法は、以下の工程:木質材料の乾燥処理により得られるタール様物質に、不揮発性溶媒を添加して混合液を得る混合工程;および、所定温度に加温した前記混合液に水蒸気を通気し、排出された水蒸気を冷却して留出物を得る蒸留工程を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
木質材料から所望の揮発性有機化合物を分離取得する方法であって、以下の工程:
前記木質材料の乾燥処理により得られるタール様物質に、不揮発性溶媒を添加して混合液を得る混合工程;および
所定温度に加温した前記混合液に水蒸気を通気し、排出された水蒸気を冷却して目的とする前記揮発性有機化合物を含む留出物を得る蒸留工程
を含む、
揮発性有機化合物の分離取得方法。
続きを表示(約 590 文字)【請求項2】
前記不揮発性溶媒は、ポリエチレングリコールまたはシリコーンオイルである、
請求項1の揮発性有機化合物の分離取得方法。
【請求項3】
前記ポリエチレングリコールの分子量が200~9300である、
請求項2の揮発性有機化合物の分離取得方法。
【請求項4】
前記揮発性有機化合物がフェルギノールである、
請求項1の揮発性有機化合物の分離取得方法。
【請求項5】
前記蒸留工程における前記混合液の加温温度は、100℃~250℃である、
請求項1の揮発性有機化合物の分離取得方法。
【請求項6】
前記蒸留工程は2回以上繰り返し行われ、前記蒸留工程の回数を重ねるごとに、前記混合液の加温温度を上昇させる、
請求項1の揮発性有機化合物の分離取得方法。
【請求項7】
木質材料を原料とした揮発性有機化合物含有材料の製造方法であって、以下の工程: 前記木質材料の乾燥処理により得られるタール様物質に、不揮発性溶媒を添加して混合液を得る混合工程;および
所定温度に加温した前記混合液に水蒸気を通気し、排出された水蒸気を冷却して目的とする前記揮発性有機化合物を含む留出物を得る蒸留工程
を含む、
揮発性有機化合物含有材料の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、揮発性有機化合物の分離取得方法および揮発性有機化合物含有材料の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、木質材料に含まれる揮発性有機化合物は様々な生理活性を有することが知られている。具体的には、本発明者らは、揮発性有機化合物(ジテルペン)の一種であるフェルギノールは、実用レベルの抗菌活性および抗酸化活性を有していること(非特許文献1)、また、抗アルツハイマー病活性(アミロイドβ毒性緩和作用)を有していること(特許文献1)などを報告している。
【0003】
また、本発明者らは、スギ材から得られるタール様物質からフェルギノールなどのテルペン類を高選択的かつ効率よく分離取得する方法についても提案している(特許文献2)。具体的には、この方法では、スギ材からのタール様物質またはスギ材木片に、水と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどの高沸点溶媒との混合溶液を加えて蒸留を行うこと(加溶媒蒸留)によって、溶媒画分からフェルギノールなどのテルペン類を分離取得することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第7007705号
特開2015-71747号公報
【非特許文献】
【0005】
小藤田久義(2023) 樹皮の構成成分とその機能を活かした利用法の開発 生物資源 16(4): 14-28.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2の方法においては、溶媒の留出画分を得るのに伴って溶媒の損失が避けられないため、コストを抑制することが必ずしも容易でないことが改善すべき点として考えられた。さらに、特許文献2の方法においては、留出画分から溶媒を除去する操作などが必要であり、操作が煩雑であることが改善すべき点として考えられた。
【0007】
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、溶媒の損失を抑制することができ、かつ、簡便な操作で木質材料から揮発性有機化合物を得ることができる、揮発性有機化合物の分離取得方法および揮発性有機化合物含有材料の製造方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、以下の揮発性有機化合物の分離取得方法が提供される。[1]木質材料から所望の揮発性有機化合物を分離取得する方法であって、以下の工程: 前記木質材料の乾燥処理により得られるタール様物質に、不揮発性溶媒を添加して混合液を得る混合工程;
所定温度に加温した前記混合液に水蒸気を通気し、排出された水蒸気を冷却して目的とする前記揮発性有機化合物を含む留出物を得る蒸留工程;
を含む、
揮発性有機化合物の分離取得方法。
[2]前記不揮発性溶媒は、ポリエチレングリコールまたはシリコーンオイルである、前記[1]の揮発性有機化合物の分離取得方法。
[3]前記ポリエチレングリコールの分子量が200~9300である、
前記[2]の揮発性有機化合物の分離取得方法。
[4]前記揮発性有機化合物がフェルギノールである、
前記[1]から[3]の揮発性有機化合物の分離取得方法。
[5]前記蒸留工程における前記混合液の加温温度は、100℃~250℃である、
前記[1]から[4]の揮発性有機化合物の分離取得方法。
[6]前記蒸留工程は2回以上繰り返し行われ、前記蒸留工程の回数を重ねるごとに、前記混合液の加温温度を上昇させる、
前記[1]から[5]の揮発性有機化合物の分離取得方法。
【0009】
上記の課題を解決するため、以下の揮発性有機化合物含有材料の製造方法が提供される。
[7]木質材料を原料とした揮発性有機化合物含有材料の製造方法であって、以下の工程:
前記木質材料の乾燥処理により得られるタール様物質に、不揮発性溶媒を添加して混合液を得る混合工程;
所定温度に加温した前記混合液に水蒸気を通気し、排出された水蒸気を冷却して目的とする前記揮発性有機化合物を含む留出物を得る蒸留工程;
を含む、
揮発性有機化合物含有材料の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明の揮発性有機化合物の分離取得方法および揮発性有機化合物含有材料の製造方法によれば、溶媒の損失を抑制することができ、かつ、簡便な操作で木質材料から揮発性有機化合物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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