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公開番号2025154416
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024057409
出願日2024-03-29
発明の名称防振ゴム部材
出願人住友理工株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C08L 7/00 20060101AFI20251002BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】耐久性に優れる防振ゴム部材を提供する。
【解決手段】
ジエン系ゴムおよびフィラーを含有するゴム組成物の加硫体からなる防振ゴム部材であって、前記加硫体を撮影した画像に対するパーシステントホモロジー解析から得られたパーシステントダイアグラム情報に含まれるbirth-death pairの全個数(Nt)に対する下記birth-death pairの個数(Nn)の割合(Nn/Nt×100[%])が1.7%以上である、防振ゴム部材。
birth-death pairの個数(Nn):ジエン系ゴムおよびフィラーを含有するゴム組成物の加硫体の耐久性を示す物性値を目的変数とし、前記加硫体を撮影した画像に対するパーシステントホモロジー解析から得られたパーシステントダイアグラム情報を説明変数とする回帰解析を行い、前記回帰解析から得られた回帰式の係数に基づいて抽出された正相関を示すbirth-death pairの個数。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ジエン系ゴムおよびフィラーを含有するゴム組成物の加硫体からなる防振ゴム部材であって、前記加硫体を撮影した画像に対するパーシステントホモロジー解析から得られたパーシステントダイアグラム情報に含まれるbirth-death pairの全個数(Nt)に対する下記birth-death pairの個数(Nn)の割合(Nn/Nt×100[%])が1.7%以上である、防振ゴム部材。
birth-death pairの個数(Nn):ジエン系ゴムおよびフィラーを含有するゴム組成物の加硫体の耐久性を示す物性値を目的変数とし、前記加硫体を撮影した画像に対するパーシステントホモロジー解析から得られたパーシステントダイアグラム情報を説明変数とする回帰解析を行い、前記回帰解析から得られた回帰式の係数に基づいて抽出された正相関を示すbirth-death pairの個数。
続きを表示(約 260 文字)【請求項2】
前記加硫体の耐久性に関する物性値が、厚み2mmのJIS3号ダンベル形状の加硫体を用い、JIS K 6260:2017に準じて伸縮疲労試験を行って測定した耐久回数である、請求項1記載の防振ゴム部材。
【請求項3】
前記ジエン系ゴムが天然ゴムであり、前記フィラーがシリカである、請求項1または2記載の防振ゴム部材。
【請求項4】
前記birth-death pairの個数(Nn)の割合(Nn/Nt×100[%])が5%以下である、請求項1または2記載の防振ゴム部材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車、電車等の車両等における防振用途に用いられるゴム組成物の加硫体からなる防振ゴム部材に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
一般に、自動車や電車には、振動や騒音の低減を目的として、防振ゴム部材が用いられている。かかる防振ゴム部材には高度な耐久性等が要求されており、これまでも耐久性を高める手法がいくつか提案されている(特許文献1~3等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第3838154号公報
特開2017-8161号公報
特開2006-199899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
防振ゴム部材における耐久性に影響する要因としては、例えば、ゴム組成物中に配合されるフィラーの含有量、粒子径、分散性、およびポリマーとの相互作用等が考えられるが、本発明者らは、フィラーの分散形態に着目して研究を重ねた。そして、防振ゴム部材の耐久性とフィラーの分散形態との関連性について鋭意研究を重ねる過程において、パーシステントホモロジー解析から得られたパーシステントダイアグラム情報を制御することを着想した。本発明者らは、かかる観点から更なる研究を重ねた結果、パーシステントホモロジー解析から得られた特定のbirth-death pairの個数の割合を制御することによって、高度な耐久性を備える防振ゴム部材を提供し得ることを突き止めた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の[1]~[4]を、その要旨とする。
[1]
ジエン系ゴムおよびフィラーを含有するゴム組成物の加硫体からなる防振ゴム部材であって、前記加硫体を撮影した画像に対するパーシステントホモロジー解析から得られたパーシステントダイアグラム情報に含まれるbirth-death pairの全個数(Nt)に対する下記birth-death pairの個数(Nn)の割合(Nn/Nt×100[%])が1.7%以上である、防振ゴム部材。
birth-death pairの個数(Nn):ジエン系ゴムおよびフィラーを含有するゴム組成物の加硫体の耐久性を示す物性値を目的変数とし、前記加硫体を撮影した画像に対するパーシステントホモロジー解析から得られたパーシステントダイアグラム情報を説明変数とする回帰解析を行い、前記回帰解析から得られた回帰式の係数に基づいて抽出された正相関を示すbirth-death pairの個数。
[2]
前記加硫体の耐久性に関する物性値が、厚み2mmのJIS3号ダンベル形状の加硫体を用い、JIS K 6260:2017に準じて伸縮疲労試験を行って測定した耐久回数である、[1]記載の防振ゴム部材。
[3]
前記ジエン系ゴムが天然ゴムであり、前記フィラーがシリカである、[1]または[2]記載の防振ゴム部材。
[4]
前記birth-death pairの個数(Nn)の割合(Nn/Nt×100[%])が5%以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の防振ゴム部材。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、耐久性に優れる防振ゴムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の一実施形態に係る画像処理、およびパーシステントホモロジー解析を説明するための図である。
本発明の一実施形態に係るパーシステントホモロジー解析を説明するための図である。
本発明の一実施形態に係るパーシステントホモロジー解析を説明するための図である。
実施例1の画像(未伸長状態)の一例を示す図である。
実施例1の画像(伸長状態)の一例を示す図である。
比較例1の画像(未伸長状態)の一例を示す図である。
比較例1の画像(伸長状態)の一例を示す図である。
比較例2の画像(未伸長状態)の一例を示す図である。
比較例2の画像(伸長状態)の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態に説明するが、本発明は以下に限定されるものではない。
本発明の一実施形態に係る防振ゴム部材(以下「本防振ゴム部材」という場合がある)は、例えば、ジエン系ゴムおよびフィラーを含有するゴム組成物の加硫体からなる防振ゴム部材であって、前記加硫体を撮影した画像に対するパーシステントホモロジー解析から得られたパーシステントダイアグラム情報に含まれるbirth-death pairの全個数(Nt)に対する下記birth-death pairの個数(Nn)の割合(Nn/Nt×100[%])が1.7%以上である。
birth-death pairの個数(Nn):ジエン系ゴムおよびフィラーを含有するゴム組成物の加硫体の耐久性を示す物性値を目的変数とし、前記加硫体を撮影した画像に対するパーシステントホモロジー解析から得られたパーシステントダイアグラム情報を説明変数とする回帰解析を行い、前記回帰解析から得られた回帰式の係数に基づいて抽出された正相関を示すbirth-death pairの個数。
【0009】
前述のとおり、本発明者らの検討の結果、birth-death pairの個数(Nn)が特定割合以上である場合に、防振ゴム部材の耐久性が特に高まることが明らかとなった。具体的には、本発明者らの各種考察の結果、前記birth-death pairの個数(Nn)はゴム(ポリマー)およびフィラーの強固な界面結合やフィラー同士の強固な結合等に実現するための主要な要因であり、かかるbirth-death pairの個数(Nn)の割合が所定値よりも小さい場合には凝集塊同士等の連結が脆弱であり、亀裂(クラック)が生じやすい傾向があることが判明した。従来、防振ゴム部材の技術分野において、防振ゴム部材の耐久性とパーシステントホモロジー解析結果との関連性に関する検証結果は未だ報告されておらず、また、防振ゴム部材の耐久性を高める観点から、特定のbirth-death pairの個数の割合を制御することは全く知られていない。
【0010】
なお、パーシステントホモロジー解析(PH)は、端的にいえば、入力データである画像データに存在する図形の繋がり方を数値化するものである。PHでは、図形を徐々に膨らませていき、その際に発生する「穴」に着目する。図形を膨らませていくと、図形同士が繋がり、穴が「発生」する。さらに図形を膨らませていくと穴が「消失」する。また、もともと存在する穴については、図形を萎ませていくと、穴が途切れるタイミングがある。つまりその直後にその穴は「発生」したことが分かる。「発生」するタイミングを「birth Time」、「消失」するタイミングを「death Time」として記録して、パーシステントダイアグラム情報(PD)を作成する。パーシステントダイアグラム情報は、birth-death pairの散布図として得られ、横軸と縦軸がそれぞれbirthとdeathのピクセル値、birth-death点の密度の大小を色で表される。パーシステントホモロジー解析(PH)の利点の一つとしては、回帰した係数をパーシステントダイアグラム情報と同じ形で表現できるという点がある。これにより、パーシステントダイアグラムのどのペア(いつ発生して、いつ消失した構造か)が目的変数に寄与しているかを解析することができる。本件では、ジエン系ゴムおよびフィラーを含有するゴム組成物の加硫体を撮影した画像に対するパーシステントホモロジー解析を行い、耐久性に有利な構造(特定のbirth-death pair)を元のパーシステントダイアグラム(PD図とも呼ばれる)にプロットし、その数を計測している。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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