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公開番号2025130471
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-08
出願番号2024027660
出願日2024-02-27
発明の名称断熱材
出願人住友理工株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F16L 59/02 20060101AFI20250901BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】 断熱性に優れ、バッテリーセルに対する拘束荷重を調整可能な断熱材を提供する。
【解決手段】 断熱材1は、複数のバッテリーセルの積層体において、積層方向に隣り合う任意の一対の該バッテリーセル間に配置される。断熱材1は、断熱性を有する前駆体が予圧縮された予圧縮体11と、予圧縮体11を被覆して予圧縮体11の圧縮状態を保持する拘束部材12と、を有する予圧縮断熱層10を備える。また、断熱材を、積層方向に配置される第一断熱層と第二断熱層とを備えるよう構成し、該第一断熱層を該予圧縮断熱層としてもよい。この場合、該予圧縮断熱層の前駆体および該第二断熱層の少なくとも一方をエアロゲルを有するように構成する。
【選択図】 図3
特許請求の範囲【請求項1】
複数のバッテリーセルの積層体において、積層方向に隣り合う任意の一対の該バッテリーセル間に配置される断熱材であって、
断熱性を有する前駆体が予圧縮された予圧縮体と、該予圧縮体を被覆して該予圧縮体の圧縮状態を保持する拘束部材と、を有する予圧縮断熱層を備えることを特徴とする断熱材。
続きを表示(約 660 文字)【請求項2】
前記前駆体は、エアロゲルを有する請求項1に記載の断熱材。
【請求項3】
前記前駆体は、エアロゲルの粉末を有する組成物の成形体である請求項1に記載の断熱材。
【請求項4】
前記エアロゲルは、シリカエアロゲルである請求項2または請求項3に記載の断熱材。
【請求項5】
前記拘束部材は、樹脂フィルムおよび無機繊維製の布から選ばれる一種以上を有する請求項1に記載の断熱材。
【請求項6】
前記積層方向に配置される第一断熱層と第二断熱層とを備え、
該第一断熱層は、前記予圧縮断熱層であり、
該予圧縮断熱層の前記前駆体および該第二断熱層の少なくとも一方はエアロゲルを有する請求項1に記載の断熱材。
【請求項7】
前記予圧縮断熱層の前記前駆体は、エアロゲルの粉末を有する組成物の成形体である請求項6に記載の断熱材。
【請求項8】
前記成形体は、さらに赤外線遮蔽粒子、無機繊維、および前記エアロゲルの粉末の分散剤から選ばれる一種以上を有する請求項7に記載の断熱材。
【請求項9】
前記予圧縮断熱層の前記前駆体は、前記エアロゲルの粉末を有する組成物の成形体であり、
前記第二断熱層は、マイクロポーラス断熱材、エアロゲル担持繊維体、グラスウールから選ばれる一種からなる請求項6に記載の断熱材。
【請求項10】
前記エアロゲルは、シリカエアロゲルである請求項6に記載の断熱材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、複数のバッテリーセルが収容されるバッテリーパックにおいて、隣接するバッテリーセル間などに配置される断熱材であって、特にエアロゲルを用いた断熱材に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
ハイブリッド自動車や電気自動車には、複数のバッテリーセルを収容したバッテリーパックが搭載される。バッテリーパックにおいては、複数のバッテリーセルの積層体が、積層方向の両側から締結部材により固定された状態で筐体内に収容される。積層方向に隣り合うバッテリーセル間などには、バッテリーセルが異常に発熱した場合に熱の移動を抑制し、熱暴走を抑制するために、断熱材が配置される。
【0003】
例えば、特許文献1には、シリカエアロゲル、赤外線遮蔽粒子、および無機繊維を有する断熱層と、該断熱層を支持する基材と、を備える断熱材が記載されている。特許文献2には、無機粒子、無機繊維などから構成される二つの断熱層と、その間に配置される金属層と、を有する熱伝達抑制シートが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2023/181443号
特開2020-165483号公報
特開2021-136101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
バッテリーセル(以下、単に「セル」と称する場合がある。)間に配置される断熱材は、車両の走行時の振動などによるセルの位置ずれを抑制するために、断熱性に加えて、セルを固定するための付勢力を有することが望ましい。また、充放電に伴うセルの膨張、収縮を吸収するために、セルの膨張、収縮に追従して変形可能であることが望ましい。例えば、セルが充電され膨張した場合には、その圧縮力により断熱材の厚さが薄くなると同時に、ある値以上の反力を発生させてセルを付勢して、セルの位置ずれなどを回避することが必要になる。ここで、断熱材の厚さ方向のばね定数が比較的大きく柔軟性に乏しいと、断熱材がセルの膨張に追従して変形しにくく、セルに対する付勢力(拘束荷重)が大きくなる。これによりセルが過剰に圧縮され、セルの損傷、劣化を招くおそれがある。反対に、断熱材が柔軟すぎる場合には、セルを固定するために必要な付勢力が得られず、セルの位置ずれなどの不具合が生じるおそれがある。
【0006】
この点、上記特許文献1、2においては、断熱材におけるセルへの付勢力や、セルの変形に対する追従性などに関する検討はなされていない。特許文献2に記載されている熱伝達抑制シートにおいては、二つの断熱層の間に金属層を配置しているが、これにより、セルの膨張による押圧力に対するシートの機械的強度を向上させているに過ぎない。他方、特許文献3には、隣り合うセル間に弾性部材を配置したバッテリーモジュールが記載されている。しかしながら、特許文献3に記載されている弾性部材は、セル間の熱の移動を抑制するための断熱材ではない。段落[0010]などに記載されているように、同文献においては、比較的柔軟な弾性部材を配置して、セルの膨張時の拘束力を低減しているに過ぎない。
【0007】
本開示は、このような実状に鑑みてなされたものであり、バッテリーパックに用いられる断熱材であって、断熱性に優れ、バッテリーセルに対する拘束荷重を調整可能な断熱材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記課題を解決するため、本開示の断熱材は、複数のバッテリーセルの積層体において、積層方向に隣り合う任意の一対の該バッテリーセル間に配置される断熱材であって、断熱性を有する前駆体が予圧縮された予圧縮体と、該予圧縮体を被覆して該予圧縮体の圧縮状態を保持する拘束部材と、を有する予圧縮断熱層を備えることを特徴とする。
【0009】
本開示の断熱材においては、断熱性を有する前駆体を予め圧縮しておくことにより、断熱材の荷重特性を最適化している。図1に、予圧縮断熱層の荷重-変位曲線の模式図を示す。図1中、予圧縮断熱層の曲線を太い実線で示す。図1には、比較のため、予圧縮断熱層の前駆体と同じ材料が圧縮されていない状態の断熱層(非圧縮断熱層A)の曲線を太い一点鎖線で示し、非圧縮断熱層Aよりもばね定数が大きい断熱層(非圧縮断熱層B)の曲線を細い一点鎖線で示す。
【0010】
予圧縮断熱層においては、予め圧縮された分だけ荷重に対する変位が小さくなる。このため、図1に示すように、予圧縮断熱層の曲線は、ある荷重に達するまで変位は0である。よって、予圧縮断熱層によると、変位が比較的小さい領域でのばね定数を大きくすることができる。これにより、セルの組み付け時、放電による収縮時においても、比較的大きな荷重でセルを付勢することができる。他方、非圧縮断熱層Aよりもばね定数が大きい非圧縮断熱層Bにおいては、変位に対する荷重の立ち上がり(曲線の傾き)が大きく、変位が大きい領域での荷重値が大きくなりすぎる。これに対して、予圧縮断熱層の曲線の傾きは、非圧縮断熱層Aのそれと同じで緩やかである。よって、予圧縮断熱層によると、セルの膨張時のような変位が大きい領域においては、セルへの付勢力(拘束荷重)を小さくすることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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