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公開番号2025152804
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024054897
出願日2024-03-28
発明の名称反射材硬化物
出願人株式会社タムラ製作所
代理人弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類C08L 101/00 20060101AFI20251002BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】可視光の反射効率に優れ、変色抑制に優れる反射材硬化物を提供すること。
【解決手段】硬化性樹脂を主成分とする樹脂成分および白色無機フィラーを含有する樹脂組成物を硬化させた反射材硬化物である。前記反射材硬化物の表面を走査型電子顕微鏡で撮像して得られる反射電子像を観察し、前記樹脂成分からなる第1相と、前記白色無機フィラーからなる第2相に分類した場合に、前記第2相の平均径が、0.13μm以上0.3μm以下であり、前記第2相の絶対最大長が、0.3μm以上0.5μm以下にピークを有し、前記第2相の占有面積率が、前記第1相および前記第2相の合計100面積%に対して、10面積%以上50面積%以下である。前記絶対最大長は、前記第2相の重心を母点としてボロノイ分割を行って得られるボロノイ図における各ボロノイ領域の絶対最大長である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
硬化性樹脂を主成分とする樹脂成分および白色無機フィラーを含有する樹脂組成物を硬化させた反射材硬化物であって、
前記反射材硬化物の表面を走査型電子顕微鏡で撮像して得られる反射電子像を観察し、前記樹脂成分からなる第1相と、前記白色無機フィラーからなる第2相に分類した場合に、
前記第2相の平均径が、0.13μm以上0.3μm以下であり、
前記第2相の絶対最大長が、0.3μm以上0.5μm以下にピークを有し、
前記第2相の占有面積率が、前記第1相および前記第2相の合計100面積%に対して、10面積%以上50面積%以下であり、
前記絶対最大長は、前記第2相の重心を母点としてボロノイ分割を行って得られるボロノイ図における各ボロノイ領域の絶対最大長であり、
前記ボロノイ図は、前記反射電子像において、前記第2相を抽出し、前記反射電子像の二値化処理後の画像中に設定される4.5μm×6.0μmの矩形の測定視野を設定し、前記測定視野において、抽出された前記第2相の重心を母点としてボロノイ分割を行って、全ての前記母点のボロノイ領域を算出することにより得られる、
反射材硬化物。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
請求項1に記載の反射材硬化物において、
前記絶対最大長の標準偏差が、0.13μm以下である、
反射材硬化物。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の反射材硬化物において、
前記白色無機フィラーが、チタニア、ジルコニア、イットリア安定化ジルコニア、アルミナ、およびシリカからなる群から選択される少なくとも1つの金属酸化物を含有する、
反射材硬化物。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の反射材硬化物において、
前記白色無機フィラーが、コア層とシェル層とを備えるコアシェル型のフィラーであり、
前記コア層が、チタニアからなり、
前記シェル層が、ジルコニア、アルミナ、およびシリカからなる群から選択される少なくとも1つの金属酸化物からなる、
反射材硬化物。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の反射材硬化物において、
前記白色無機フィラーが、有機系表面処理が施されたものである、
反射材硬化物。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の反射材硬化物において、
前記反射材硬化物の厚みを30μmとした場合に、
前記反射材硬化物の450nmの波長の反射率が、SCI(Specular Component Include:正反射光を含む)方式で、92%以上であり、
窒素雰囲気下(酸素濃度:2000ppm)にて、ピーク温度260℃以上で6秒間、及び溶融温度240℃以上で60秒間の条件でリフロー処理した後の反射材硬化物の450nmの波長の反射率が、SCI方式で、91.5%以上である、
反射材硬化物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、反射材硬化物に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、LED(発光ダイオード)などの光半導体素子は、高効率で発光するとともに、駆動特性または点灯繰り返し特性に優れる。そのため、光半導体素子は、インジケーターまたは光源として幅広く利用されている。特に、白色LEDは、表示装置のバックライトまたはカメラのフラッシュとして広く応用されており、更には、次世代の照明装置としても期待されている。このような照明装置には、照射方向の可視光の取り出し効率を高めるため、発せられた可視光を反射する反射材が設けられている。また、白色LEDの小型化または軽量化に伴い、薄膜での高反射化が求められている。現在、反射材に用いる材料として、アクリル樹脂またはエポキシ樹脂といった光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂に、白色の無機フィラーを併用した組成物が幅広く利用されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2006-140207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の反射材においては、可視光の反射効率を高めるために、大量の白色の無機フィラーを併用したり、硬化膜を厚くしなければならなかった。そのため、塗膜の剥離、または機械強度低下の問題、或いは、硬化膜が厚くなることに伴う微細加工の寸法精度の問題、或いは、軽量化または小型化などに対する問題を生じ、特許文献1に記載の反射材を、近年の高出力発光素子に適用することは困難であった。
【0005】
本発明は、可視光の反射効率に優れ、変色抑制に優れる反射材硬化物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、以下に示す反射材硬化物が提供される。
[1] 硬化性樹脂を主成分とする樹脂成分および白色無機フィラーを含有する樹脂組成物を硬化させた反射材硬化物であって、
前記反射材硬化物の表面を走査型電子顕微鏡で撮像して得られる反射電子像を観察し、前記樹脂成分からなる第1相と、前記白色無機フィラーからなる第2相に分類した場合に、
前記第2相の平均径が、0.13μm以上0.3μm以下であり、
前記第2相の絶対最大長が、0.3μm以上0.5μm以下にピークを有し、
前記第2相の占有面積率が、前記第1相および前記第2相の合計100面積%に対して、10面積%以上50面積%以下であり、
前記絶対最大長は、前記第2相の重心を母点としてボロノイ分割を行って得られるボロノイ図における各ボロノイ領域の絶対最大長であり、
前記ボロノイ図は、前記反射電子像において、前記第2相を抽出し、前記反射電子像の二値化処理後の画像中に設定される4.5μm×6.0μmの矩形の測定視野を設定し、前記測定視野において、抽出された前記第2相の重心を母点としてボロノイ分割を行って、全ての前記母点のボロノイ領域を算出することにより得られる、
反射材硬化物。
[2] [1]に記載の反射材硬化物において、
前記絶対最大長の標準偏差が、0.13μm以下である、
反射材硬化物。
[3] [1]または[2]に記載の反射材硬化物において、
前記白色無機フィラーが、チタニア、ジルコニア、イットリア安定化ジルコニア、アルミナ、およびシリカからなる群から選択される少なくとも1つの金属酸化物を含有する、
反射材硬化物。
[4] [1]から[3]のいずれかに記載の反射材硬化物において、
前記白色無機フィラーが、コア層とシェル層とを備えるコアシェル型のフィラーであり、
前記コア層が、チタニアからなり、
前記シェル層が、ジルコニア、アルミナ、およびシリカからなる群から選択される少なくとも1つの金属酸化物からなる、
反射材硬化物。
[5] [1]から[4]のいずれかに記載の反射材硬化物において、
前記白色無機フィラーが、有機系表面処理が施されたものである、
反射材硬化物。
[6] [1]から[5]のいずれかの反射材硬化物において、
前記反射材硬化物の厚みを30μmとした場合に、
前記反射材硬化物の450nmの波長の反射率が、SCI(Specular Component Include:正反射光を含む)方式で、92%以上であり、
窒素雰囲気下(酸素濃度:2000ppm)にて、ピーク温度260℃以上で6秒間、及び溶融温度240℃以上で60秒間の条件でリフロー処理した後の反射材硬化物の450nmの波長の反射率が、SCI方式で、91.5%以上である、
反射材硬化物。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、可視光の反射効率に優れ、変色抑制に優れる反射材硬化物を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施例1および比較例1で得られた反射材硬化物の表面を走査型電子顕微鏡で撮像して得られる反射電子像である。
実施例1および比較例1で得られた反射材硬化物の表面を走査型電子顕微鏡で撮像して得られる反射電子像から、ボロノイ分割を行って得られるボロノイ図である。
実施例1および比較例1で得られた反射材硬化物における、第2相の絶対最大長と、その含有率との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施形態に係る反射材硬化物は、硬化性樹脂を主成分とする樹脂成分および白色無機フィラーを含有する樹脂組成物を硬化させた反射材硬化物である。そして、この反射材硬化物の表面を走査型電子顕微鏡で撮像して得られる反射電子像を観察し、樹脂成分からなる第1相と、白色無機フィラーからなる第2相に分類した場合に、第2相の平均径が、0.13μm以上0.3μm以下であり、第2相の絶対最大長が、0.3μm以上0.5μm以下にピークを有し、第2相の占有面積率が、第1相および第2相の合計100面積%に対して、10面積%以上50面積%以下である。
【0010】
第2相の平均径は、0.13μm以上0.3μm以下であることが必要である。第2相の平均径が前記範囲外である場合には、可視光の反射効率が不十分となる。同様の観点から、第2相の平均径は、0.16μm以上0.25μm以下であることが好ましい。
なお、第2相の平均径を前記範囲に調整する方法としては、以下のような方法が挙げられる。例えば、第2相の平均径は、白色無機フィラーの平均粒子径を変更することで調整できる。
(【0011】以降は省略されています)

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