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公開番号
2025144758
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-03
出願番号
2024044598
出願日
2024-03-21
発明の名称
魚類の冷凍方法
出願人
国立大学法人東京海洋大学
代理人
個人
,
個人
主分類
A23L
17/00 20160101AFI20250926BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約
【課題】本発明の目的は、ドリップの発生が抑制された高品質の冷凍魚を提供することである。
【解決手段】前記課題は、本発明の熟成により筋肉におけるミオシン重鎖のバンド強度が熟成前と比較し1~100%減少した魚類を冷凍する工程、を含む魚類の冷凍方法によって解決することができる。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
熟成により筋肉におけるミオシン重鎖のバンド強度が熟成前と比較し1~100%減少した魚類を冷凍する工程、を含む魚類の冷凍方法。
続きを表示(約 110 文字)
【請求項2】
熟成により筋肉におけるミオシン重鎖のバンド強度が熟成前と比較し1~100%減少した魚類を冷凍する工程、を含む冷凍魚の製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載の製造方法により得られる冷凍魚類。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚類の冷凍方法、冷凍魚の製造方法、及びそれによって製造された冷凍魚に関する。本発明によれば、高品質の冷凍魚を得ることができる。
続きを表示(約 3,800 文字)
【背景技術】
【0002】
魚類は、その鮮度を保つために通常、超低温(例えば、-40℃~-80℃)で冷凍される。(非特許文献1)
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
「日本水産学会誌」2016年(日本)第82巻、p.953-
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、-20℃程度の温度で冷凍することもある。本発明者らは、このような-20℃程度の冷凍においては、ドリップ等が発生し、冷凍魚の品質の低下が起こることに気が付いた。
従って、本発明の目的は、ドリップの発生が抑制された高品質の冷凍魚を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、ドリップの発生が抑制された高品質の冷凍魚について、鋭意研究した結果、驚くべきことに、ミオシンタンパク質の含有量が分解により減少した魚類を冷凍することにより、ドリップの発生が抑制された高品質の冷凍魚が得られることを見出した。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
従って、本発明は、
[1]熟成により筋肉におけるミオシン重鎖のバンド強度が熟成前と比較し1~100%減少した魚類を冷凍する工程、を含む魚類の冷凍方法、
[2]熟成により筋肉におけるミオシン重鎖のバンド強度が熟成前と比較し1~100%減少した魚類を冷凍する工程、を含む冷凍魚の製造方法、及び
[3][2]に記載の製造方法により得られる冷凍魚類、
に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の魚類の冷凍方法、及び冷凍魚の製造方法によれば、高品質の冷凍魚を得ることができる。特に、-20℃~-40℃程度の比較的高い冷凍温度であっても、高品質の冷凍魚を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
実施例1(1℃、5日熟成)、実施例3(1℃、14日熟成)、比較例1(1℃、0日熟成)、及び参考例1(1℃、1日熟成)で得られた冷凍カンパチの筋肉中のタンパク質のSDS-PAGEの写真である。
実施例4(30℃、2時間熟成)、及び比較例2(30℃、0日熟成)で得られた熟成カンパチの筋肉中のタンパク質のSDS-PAGEの写真である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[1]魚類の冷凍方法及び冷凍魚の製造方法
本発明の魚類の冷凍方法は、熟成により筋肉におけるミオシン重鎖のバンド強度が熟成前と比較し1~100%減少した魚類を冷凍する工程、を含む。本発明の冷凍魚の製造方法は、熟成により筋肉におけるミオシン重鎖のバンド強度が熟成前と比較し1~100%減少した魚類を冷凍する工程、を含む。(以下、本発明の「魚類の冷凍方法」及び「冷凍魚の製造方法」をまとめて、本発明の方法と称することがある。)
本明細書において、「筋肉におけるミオシン重鎖のバンド強度が熟成前と比較し1~100%減少した」とは、限定されるものではないが、魚類の筋肉がある程度熟成していることを意味する。ミオシン重鎖の減少率の下限は、限定されるものではないが、1%以上であり、好ましくは5%以上であり、より好ましくは10%以上であり、より好ましくは15%以上であり、より好ましくは20%以上であり、より好ましくは25%以上であり、より好ましくは30%以上である。ミオシン重鎖の減少率の上限も、限定されるものではないが、100%以下であり、好ましくは90%以下であり、より好ましくは80%以下であり、より好ましくは70%以下であり、より好ましくは60%以下であり、より好ましくは50%以下であり、より好ましくは40%以下である。前記、上限と下限とは適宜組み合わせることができる。
熟成された魚類の筋肉においては、ミオシン重鎖の含有量が減少していると考えられる。一方、アクチン重鎖は熟成によってほとんど減少しない。従って、熟成後のミオシン重鎖の減少率を、筋肉におけるミオシン重鎖のアクチン重鎖に対するバンド強度の比率によって示すこともできる。ミオシン重鎖のアクチン重鎖に対するバンド強度の比率の上限は、限定されるものではないが、200%以下であり、好ましくは190%以下であり、より好ましくは160%以下であり、より好ましくは150%以下であり、より好ましくは140%以下であり、より好ましくは130%以下である。ミオシン重鎖のアクチン重鎖に対する比率の下限も、限定されるものではないが、1%以上であり、好ましくは30%以上であり、より好ましくは50%以上であり、より好ましくは70%以上であり、より好ましくは90%以上である。前記、上限と下限とは、適宜組み合わせることができる。
熟成前の生の魚類において、同種の魚類であれば、ミオシン重鎖の含有量は同じである。従って、熟成前ミオシン含有量は、同種の魚類のSDS-PAGEにより判定することができる。その同種の魚類のSDS-PAGEのバンド強度と、冷凍魚のバンド強度とを比較することにより、「筋肉におけるミオシン重鎖のバンド強度が熟成前と比較した減少率」を計算することができる。
【0009】
《魚類》
本発明の方法に使用される魚類は、限定されるものではなく、筋肉内にミオシンタンパク質を有するすべての魚類を対象とすることができ、例えば海水魚又は淡水魚を使用することができる。魚体は、仮死状態又は麻痺状態の魚体を用いてもよいが、生きていない魚体を使用することもできる。水揚げされて、卸売市場等に搬入された魚類を使用しても、本発明の効果を得ることができる。
具体的な魚類としては、例えば、アイナメ、アカハタ、アカウオ、アジ、アトランティックサーモン、アナゴ、アユ、アンコウ、イサキ、イトヨリ、イワシ、イワナ、ウナギ、エイ、エソ、オコゼ、カイワリ、カサゴ、カジカ、カジキ、カツオ、カトラ、カマス、カレイ、カワハギ、カンパチ、キス、キンキ、キビナゴ、ギンザケ、グチ、コチ、コクレン、サケ、サバ、サメ、サンマ、サワラ、サヨリ、ソウギョ、ハクレン、パンガシウス、ヒラメ、ドジョウ、スズキ、タラ、タイ、タチウオ、トビウオ、ドジョウ、トラウトサーモン、ナイルテラピア、ナマズ、ニシン、ニジマス、ハゼ、ハタ、ハモ、ヒラメ、ヒラマサ、フグ、フナ、ブリ、(ハマチ、カンパチ、イナダ、メジロ等を含む)、ホッケ、ホキ、ムツ、マグロ、マゴイ、ミルクフィッシュ、メバル、ママカリ、ヤマトゴイ、ティラピア、又はロフーなどが挙げられる。
【0010】
《熟成工程》
前記「熟成により筋肉におけるミオシン重鎖のバンド強度が熟成前と比較し1~100%減少した魚類」は、限定されるものではないが、好ましくは熟成工程によって得られる魚類である。しかしながら、特に本発明の実施する者が熟成工程を実施しない場合であっても、「筋肉におけるミオシン重鎖のバンド強度が熟成前と比較し1~100%減少した魚類」を冷凍することによって、本発明の「魚類の冷凍方法」及び「冷凍魚の製造方法」を実施し、本発明の効果を得ることができる。
熟成を実施する場合において、「熟成により筋肉におけるミオシン重鎖のバンド強度が熟成前と比較し1~100%減少した魚類」が得られる限りにおいて、その操作は限定されるものではない。
熟成温度の上限としては、例えば50℃以下であり、ある態様では30℃以下であり、ある態様では20℃以下である。熟成温度の下限としては、-1℃以上であり、ある態様では0℃以上であり、ある態様では1℃以上である。
熟成時間の上限としては、例えば90日以下であり、ある態様では30日以下であり、ある態様では15日以下である。熟成時間の下限としては、例えば10分以上であり、ある態様では30分以上であり、ある態様では1時間以上であり、ある態様では5時間以上であり、ある態様では10時間以上であり、ある態様では1日以上であり、ある態様では3日以上であり、ある態様では4日以上である。
熟成温度及び熟成時間は、当業者が適宜調整することができ、「熟成により筋肉におけるミオシン重鎖のバンド強度が熟成前と比較し1~100%減少した魚類」を得ることができる。すなわち、熟成温度が低い場合は熟成時間を長くすることにより、目的の熟成度を得ることが可能であり、熟成温度が高い場合は熟成時間を短くすることによって、目的の熟成度を得ることが可能である。すなわち、前記熟成温度及び熟成時間を組み合わせて「熟成により筋肉におけるミオシン重鎖のバンド強度が熟成前と比較し1~100%減少した魚類」を得ることができる。
更に、例えば酵素を用いることにより、熟成を進行させることができる。すなわち、タンパク質分解酵素の溶液に魚類を浸漬して、熟成させることにより、同じ熟成温度及び熟成時間であっても、熟成を促進することができる。
更に、圧力を印加したり、超音波処理をすることにより、熟成を促進することができる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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