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公開番号2025140901
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-29
出願番号2024040542
出願日2024-03-14
発明の名称アデノ随伴ウイルスセロタイプ9に対するアプタマー及びその使用
出願人国立大学法人 東京大学,株式会社リボミック
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C12N 15/115 20100101AFI20250919BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】アデノ随伴ウイルスセロタイプ9(AAV9)の検出や精製、ウイルスの効果的薬剤送達などに利用可能な、AAV9に特異的に結合するアプタマーを提供する。
【解決手段】
以下の(a)又は(b):
(a)配列番号1:
5’-GUGCGUACAUUUGUUGUAAUACACAAAUGCCACC-3’
で表されるヌクレオチド配列(但し、ウラシル(U)はチミン(T)であってもよい)
(b)上記(a)のヌクレオチド配列において、1ないし数個のヌクレオチドが置換、欠失、挿入及び/又は付加されたヌクレオチド配列
を含む、AAV9に対するアプタマー。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
以下の(a)又は(b):
(a)配列番号1:
5’-GUGCGUACAUUUGUUGUAAUACACAAAUGCCACC-3’
で表されるヌクレオチド配列(但し、ウラシル(U)はチミン(T)であってもよい)。
(b)上記(a)のヌクレオチド配列において、1ないし数個のヌクレオチドが置換、欠失、挿入及び/又は付加されたヌクレオチド配列
を含む、アデノ随伴ウイルスセロタイプ9(AAV9)に対するアプタマー。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記(a)又は(b)のヌクレオチド配列が、下記式で表される請求項1に記載のアプタマー。
5’-GUGYGUACAUUUGUUGUAAUACRC

ARRA

UGC




1
N-3’(配列番号23)
(式中、YはC又はU、Y

はC又はU又は存在せず、各Rは独立してA又はG、R

はA又はG又は存在せず、A

はA又は存在せず、各C

は独立してC又は存在せず、NはA、G、C又はUを示す。)(但し、ウラシル(U)はチミン(T)であってもよい)。
【請求項3】
以下の(a)又は(b):
(a)配列番号2~19のいずれかで表されるヌクレオチド配列(但し、ウラシル(U)はチミン(T)であってもよい)
(b)上記(a)のヌクレオチド配列において、1ないし数個のヌクレオチドが置換、欠失、挿入及び/又は付加されたヌクレオチド配列(但し、ウラシル(U)はチミン(T)であってもよい)
を含む、AAV9に対するアプタマー。
【請求項4】
ヌクレオチドの長さが65ヌクレオチド以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載のアプタマー。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のアプタマーと、親和性物質、標識用物質、酵素、薬物送達媒体及び薬物からなる群より選択される機能性物質とを含む、複合体。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか1項に記載のアプタマー又は請求項5に記載の複合体を含む、AAV9の検出又は精製用試薬。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか1項に記載のアプタマー又は請求項5に記載の複合体を用いることを特徴とする、AAV9の検出又は精製方法。
【請求項8】
薬物送達媒体を含む請求項5に記載の複合体と、AAV9とを含む、医薬組成物。
【請求項9】
薬物送達媒体が標的細胞の表面分子に対するアプタマーである、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記表面分子が血液脳関門の通過に関与する、請求項9に記載の医薬組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アデノ随伴ウイルスセロタイプ9(AAV9)に特異的に結合するアプタマー及びその用途に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
アデノ随伴ウイルスセロタイプ9(AAV9)は、非病原性のアデノ随伴ウイルスの一種であり、低い免疫原性など安全性が高いことから、研究ツールに加え、医療応用が進むウイルスベクターの1つである。実際に、脊髄性筋萎縮症を対象とした遺伝子治療薬ゾルゲンスマが2019年に日本でも承認されたことで、他の遺伝子疾患への応用にも期待が高まっている。
【0003】
AAV9の幅広い医療応用を実現するためには、その検出や精製、発現部位へのウイルスの効果的な送達などに利用可能なAAV9の結合分子の開発が重要である。AAVベクターのアフィニティー精製には、結合能が高く熱や酸に安定なラクダ科動物由来のVHH抗体が広く用いられている。しかし、AAV9に特異的かつ強固に結合しつつ、温和な条件でウイルス粒子を溶出することを可能にするアフィニティーリガンドや、抗体に代わる免疫原性が低く特異性の高いAAV9送達分子の開発は遅れている。
【0004】
アプタマーは、固有の二次構造を形成することにより標的分子に対して高い親和性と優れた特異性で結合する一本鎖核酸である。比較的低分子で、化学合成・化学修飾が可能であり、熱安定性が高く、免疫原性が低い等の利点がある。さらに、細胞膜上の受容体に対するアプタマーの中には、エンドサイトーシス等を介して細胞内に取り込まれるものも存在し、膜透過性のない薬剤の細胞内送達や血液脳関門(BBB)の通過への応用も行われている(例えば、非特許文献1、2)。
【0005】
ウイルスベクターに対するアプタマーとしては、アデノウイルスセロタイプ2(AdV2)に対するDNAアプタマーが報告されているが(特許文献1)、AAV9に対するアプタマーについては知られていない(尚、本発明者らは、前記AdV2アプタマーがAAV9とは結合しないことを確認している)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2020/126435号
【非特許文献】
【0007】
Xie, S. et al., J. Am. Chem. Soc. 2023, 145, 7677-7691
Bukari, B. et al., Biomedicines 2020, 8, 120; doi:10.3390/biomedicines8050120
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の第1の課題は、AAV9に特異的かつ強固に結合しつつ、温和な条件でAAV9粒子を溶出することを可能にする新規な結合分子を提供することであり、該結合分子を用いて、AAV9を効率よく検出又は精製する手段を提供することである。
また、本発明の第2の課題は、抗体に代わる薬剤送達分子として、免疫原性が低く、かつAAV9に対して親和性及び特異性が高いAAV9結合分子を含む、標的細胞指向性分子を提供することであり、当該分子を用いて、標的細胞内にAAV9及びそれに内包された治療物質を送達・発現させる手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、SELEX法を用いて、AAV9に対して高い結合親和性を示す類似のヌクレオチド配列を有するアプタマー群を選抜し、コンセンサスな一次構造を決定することに成功した。また、それらのアプタマーの二次構造を予測し、AAV9との結合に寄与すると推定される共通の部分的二次構造を決定した。最も高頻度に見出されたアプタマー配列をもとに当該部分的二次構造を保持し得るように段階的に短鎖化を行い、35ヌクレオチド長で高い結合親和性を有するアプタマーを取得することに成功した。
【0010】
当該アプタマーをセンサーチップ上に固定化し、AAV9との結合及び該ウイルス粒子溶出を表面プラズモン共鳴(SPR)法により評価したところ、AAV9を固相化担体上に捕捉することができ、生化学的に温和な溶離液を用いて該担体から溶出させることができた。このAAV9の結合と溶出は繰り返し行うことができた。さらに、他のセロタイプのAAVとの結合を調べたところ、該アプタマーはいずれのセロタイプとも結合せず、AAV9に特異的に結合することが明らかとなった。
(【0011】以降は省略されています)

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