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公開番号2025137154
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024036200
出願日2024-03-08
発明の名称培養基材及び幹細胞を拡大培養する方法
出願人田中貴金属工業株式会社,個人
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類C12M 3/00 20060101AFI20250911BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】本発明は、安全に幹細胞のミトコンドリア活性を低く保ったまま拡大培養可能な培養基材を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、基材上に金属膜を備えた培養基材であって、前記培養基材の表面の、前記金属膜を備えたRMS粗さが250nm以下であり、前記金属膜は25℃、1気圧下での標準電極電位が0.35E0/V以上の金属を含む、培養基材に関する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
基材上に金属膜を備えた培養基材であって、
前記培養基材の、前記金属膜を備えた表面のRMS粗さが250nm以下であり、
前記金属膜は25℃、1気圧下での標準電極電位が0.35E

/V以上の金属を含む、
培養基材。
続きを表示(約 360 文字)【請求項2】
前記金属が、Au、Ag、Pt、Pd、Rh、Ru、及びIrからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属である、請求項1に記載の培養基材。
【請求項3】
前記RMS粗さが200nm以下である、請求項1に記載の培養基材。
【請求項4】
前記金属膜の膜厚が5~200nmである、請求項1に記載の培養基材。
【請求項5】
前記基材はポリスチレン、ガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、及びポリカーボネートからなる群から選択される少なくとも一種を含む、請求項1に記載の培養基材。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の培養基材に幹細胞を播種して前記幹細胞を拡大培養する方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、培養基材及び幹細胞を拡大培養する方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、幹細胞を移植細胞種とする再生医療の研究が盛んに行われている。現在の細胞移植による再生医療で最も用いられている細胞種の一つである幹細胞は、患者から採取した後、移植に十分な数まで増殖させる必要がある。しかし、幹細胞を患者や動物から採取して増殖させていく過程で、不適切な環境で培養されることでミトコンドリア活性が大きくなり、幹細胞が未分化性を失っていくという問題がある。
これに対して、遺伝子改変でマイトファジーを誘導してミトコンドリア活性を下げる研究(非特許文献1)や、培地への薬剤添加でミトコンドリア活性を下げる研究(非特許文献2)等がなされてきている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
Lin et al.Stem Cell Res Ther(2021)12:452
Sepideh et al.Front.Cell Dev. Biol.,14 October 2021,Sec.Cellular Biochemistry Volume 9-2021
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記の方法では、遺伝子改変や、培地へのWnt阻害剤等の薬剤添加を行うことになるため、遺伝子操作を行った細胞を体内に戻し生着することに対する安全性面での問題、薬剤添加の煩雑さ、コストへの影響などの問題が多分に存在する。
【0005】
そこで本発明は、安全に幹細胞のミトコンドリア活性を低く保ったまま拡大培養可能な培養基材、および、当該培養基材を用いて幹細胞を拡大培養する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、基材上に金属膜を備えた培養基材であって、培養基材の表面粗さを特定範囲とし、金属膜が特定の金属を含む培養基材によれば、安全に幹細胞のミトコンドリア活性を低く保ったまま拡大培養できることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち本発明は以下の通りである。
1.基材上に金属膜を備えた培養基材であって、
前記培養基材の、前記金属膜を備えた表面のRMS粗さが250nm以下であり、
前記金属膜は25℃、1気圧下での標準電極電位が0.35E

/V以上の金属を含む、
培養基材。
2.前記金属が、Au、Ag、Pt、Pd、Rh、Ru、及びIrからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属である、上記1に記載の培養基材。
3.前記RMS粗さが200nm以下である、上記1に記載の培養基材。
4.前記金属膜の膜厚が5~200nmである、上記1に記載の培養基材。
5.前記基材はポリスチレン、ガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、及びポリカーボネートからなる群から選択される少なくとも一種を含む、上記1に記載の培養基材。
6.上記1~5のいずれか一に記載の培養基材に幹細胞を播種して前記幹細胞を拡大培養する方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態の培養基材によれば、安全に幹細胞のミトコンドリア活性を低く保ったまま拡大培養できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、本実施形態の培養基材10の断面図である。
図2は、Au培養基材の表面のRMS粗さとAu膜厚との関係を示したグラフである。
図3は、Au培養基材表面の原子間力顕微鏡像である。図3(a)はAu膜厚0nmのAu培養基材表面の原子間力顕微鏡像であり、図3(b)はAu膜厚20nmのAu培養基材表面の原子間力顕微鏡像であり、図3(c)はAu膜厚50nmのAu培養基材表面の原子間力顕微鏡像であり、図3(d)はAu膜厚100nmのAu培養基材表面の原子間力顕微鏡像であり、図3(e)はAu膜厚200nmのAu培養基材表面の原子間力顕微鏡像である。
図4は、比較例1、実施例1~5の培養基材を用いて細胞培養した際の細胞数を示すグラフである。
図5は、比較例1、実施例2、実施例6、及び実施例7の培養基材を用いて細胞培養した際の細胞数を示すグラフである。
図6は、比較例1、実施例1~5の培養基材を用いて細胞培養した際の1細胞当たりのMTT活性を示すグラフである。
図7は、比較例1、実施例2、実施例6、及び実施例7の培養基材を用いて細胞培養した際の1細胞当たりのMTT活性を示すグラフである。
図8は、実施例2、6、7の培養基材を用いた細胞培養2日目の細胞の顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施できる。
本明細書において、数値範囲を示す「~」とは、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
(【0011】以降は省略されています)

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