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公開番号
2025134832
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-17
出願番号
2025101443,2023517882
出願日
2025-06-17,2021-09-17
発明の名称
標的化された脱アミノ酵素およびそれを用いた塩基編集
出願人
インスティチュート フォー ベーシック サイエンス
,
INSTITUTE FOR BASIC SCIENCE
代理人
個人
主分類
C12N
15/09 20060101AFI20250909BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】塩基編集用組成物を提供する。
【解決手段】(i)プログラム可能なDNA結合タンパク質及びシトシン脱アミノ酵素の非毒性全長変異体を含む融合タンパク質;又は(ii)前記融合タンパク質をコードする核酸;を含む、塩基編集用組成物が提供される。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
(i) DNA結合タンパク質;及び
(ii) シトシン脱アミノ酵素(deaminase)またはその変異体由来の第1の分割体及び第2の分割体を含む融合タンパク質であって、
前記第1の分割体および第2の分割体は、それぞれ前記DNA結合タンパク質に結合する形態である、融合タンパク質。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
(i) DNA結合タンパク質;及び
(ii) シトシン脱アミノ酵素またはその変異体由来の非毒性全長シトシン脱アミノ酵素を含む、融合タンパク質。
【請求項3】
前記第1の分割体と第2の分割体のそれぞれは、シトシン脱アミノ酵素活性がないことを特徴とする、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項4】
前記第1の分割体は、配列番号1の配列のうちN-末端からG33、G44、A54、N68、G82、N98、G108からなる群より選ばれる1つ以上までの配列を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項5】
前記シトシン脱アミノ酵素は、二本鎖DNAに作用する脱アミノ酵素(DddA)またはそのオソログ(orthologue)に由来したことを特徴とする、請求項1又は2に記載の融合タンパク質。
【請求項6】
前記第2の分割体は、配列番号1の配列のうちG34、P45、G55、N69、T83、A99、A109からなる群より選ばれる1つ以上からC-末端までの配列を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項7】
前記シトシン脱アミノ酵素の変異体は、配列番号1の配列のうちN-末端からG44までの配列を含む第1の分割体のうち、3、5、10、11、13、14、15、16、17、18、19、28、30および31位からなる群より選ばれる1つ以上のアミノ酸が他のアミノ酸に置換された、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項8】
前記シトシン脱アミノ酵素の変異体は、配列番号1の配列のうちP45からC-末端までの配列を含む第2の分割体のうち13、16、17、20、21、28、29、30、31、32、33、56、57、58および60位からなる群より選ばれる1つ以上のアミノ酸が他のアミノ酸に置換された、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項9】
前記シトシン脱アミノ酵素の変異体は、配列番号1の配列のうちN-末端からG108までの配列を含む第1の分割体のうち、87、88、91、92、95、100、101、102および103位からなる群より選ばれる1つ以上のアミノ酸が他のアミノ酸に置換された、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項10】
前記シトシン脱アミノ酵素の変異体は、配列番号1の配列のうち、A109からC-末端までの配列を含む第2の分割体のうち、13、14、15、及び16位からなる群より選ばれる1つ以上のアミノ酸が他のアミノ酸に置換された、請求項1に記載の融合タンパク質。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、分離された形態のシトシンまたはアデニン脱アミノ酵素またはその変異体、非毒性全長シトシン脱アミノ酵素またはその変異体、それを含む融合タンパク質、塩基編集用組成物およびそれを用いて塩基を編集する方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
DNA結合タンパク質と脱アミノ酵素が連結された融合タンパク質は、DNA二本鎖切断(DSBs)を生成せずに遺伝体で標的化されたヌクレオチド置換または塩基編集(base editing)、遺伝的障害を誘発する点突然変異を編集するか、原核細胞、ヒトおよび他の真核細胞に目的とする単一のヌクレオチド変異を導入するように標的化された方式(targeted manner)で単一のヌクレオチド転換を可能にする。
【0003】
標的部位への小さな挿入または欠失(indels)を誘導するCRISPR-Cas9のようなヌクレアーゼとは異なり、標的部位における数個のヌクレオチド(window of several nucleotides)内で一塩基を変換させる。したがって、培養細胞、動物および植物において遺伝疾患を誘発する点突然変異を編集するか、一塩基多型(SNP)を生成することができる。
【0004】
DNA結合タンパク質と脱アミノ酵素が連結された融合タンパク質として、1) S.pyogenesに由来する触媒的に欠損したCas9(catalytically-deficient Cas9; dCas9)またはD10A Cas9ニッカーゼ(nCas9)と、ラットのシトシン脱アミノ酵素であるrAPOBEC1を含むベースエディタ(Base editors; BEs); 2) dCas9またはnCas9と、ウミヤツメ(sea lamprey)のAID(activation-induced cytidine deaminase)orthologであるPmCDA1またはヒトAIDを含むTarget-AID; 3) MS2-結合タンパク質に融合した過活性化されたAID変異体を募集するためにMS2 RNAヘアピンに連結されたsgRNAsとdCas9を含むCRISPR-Xなどが挙げられる。
【0005】
このように、ZFN(zinc finger Nuclease)、TALEN(transcription activator-like effector nuclease)、CRISPR(clustered regularly interspaced short palindromic repeat)システム及び核酸分解効率のないクリスパー連関タンパク質9(Cas9)変異体と塩基脱アミノ酵素タンパク質の塩基編集技術などのプログラム(設定)遺伝体編集道具は、塩基配列の変化を通じて植物の遺伝的研究と作物形質改善において発展してきた。しかし、かかる道具は、ミトコンドリアと葉緑体を含む植物細胞器官のDNA配列を編集するには適してないが、その主な理由は、ガイドRNAを小器官に伝達するか、2つの化合物を小器官で同時に発現することが難しいからである。植物小器官は、光合成および呼吸に必要な多数の必須的な遺伝子を暗号化している。かかる小器官の遺伝子を編集する方法や道具は、このような遺伝子の機能研究や作物の生産性と形質改善に非常に必要である。例えば、ミトコンドリアatp6遺伝子の標的突然変異は繁殖に有用な特性である雄性不妊を引き起こす可能性があり、葉緑体ゲノムの16S rRNA遺伝子の特定の点突然変異は抗生剤耐性を引き起こす可能性がある。
【0006】
バクテリア毒素DddA
tox
は、Burkholderia cenocepaciaに由来するバクテリア毒素の酵素機能を担う部分であって、二重らせんDNAのシトシンを脱アミノ化することができる。脱アミノ酵素の例として、DddA
tox
は細胞に毒性があるため、宿主細胞での毒性を避けるために、DddA
tox
は2つの不活性化された分割体(split)に分けて使用するが、各々の半体は、DNAに結合できるように考案されたDNA結合タンパク質に連結して機能を備えたDdCBE対として使用できる。
【0007】
原理的には、かかる脱アミノ化の酵素反応は、2つの不活性化された半体がDNA結合タンパク質によって目標DNAの上に近く存在してからこそ活性化されるようになる。したがって、シトシンからチミンへの塩基編集は、2つのDNA結合タンパク質の結合部位の中間で行われるようになる。DNA結合タンパク質を用いてTALE(transcription activator-like effector)アレイ(array)に結合した2つの不活性形態は、TALEによって標的DNAの近所で結合するときに機能を有する。シトシンからチミンへの塩基変換は、2つのTALE結合部位間の14~18個の塩基間の領域で誘導される。かかる2つに分けた分割形態のDddA
tox
は、実験に多くの制約が伴われる。
【0008】
全長DddA
tox
は、毒性のために一般的な大腸菌を用いたクローニングは不可であり、毒性を妨げる免疫(immunity)遺伝子を共に発現する大腸菌を用いてクローニングする。
【0009】
一方、ミトコンドリアDNAは、細胞呼吸に非常に重要な役割を果たすが、ミトコンドリアの酸化的リン酸化(OXPHOS)メカニズムを通じて行われる。OXPHOSメカニズムは生存に必須なので、ミトコンドリアDNAの突然変異は、多くのエネルギーを求める組織のような様々な臓器や筋肉に深刻な機能不全を引き起こす可能性がある。主にヒトのミトコンドリア疾患において、正常のミトコンドリアDNAと一塩基突然変異を有するミトコンドリアDNAは共存するが、これは、ミトコンドリアDNAの数的なヘテロ状態(ヘテロプラスミ)を引き起こす。突然変異と正常のミトコンドリアDNAのバランスが臨床的な症状のあるミトコンドリア疾患の発達を決定する。インビトロ及びインビボにおいて、プログラミング可能な核酸加水分解酵素を、突然変異ミトコンドリアDNAは切断し、正常のミトコンドリアDNAを除去しない方式で使用していた。しかし、かかる核酸加水分解酵素は、特定の突然変異をミトコンドリアに導入するか引き戻すことはできないが、ミトコンドリアにおいて、DNAの二本鎖切断が核のように非相同末端結合や相同組換えを通じて効率的に復旧されないからである。
【0010】
ミトコンドリア塩基編集を通じて、これまで試みることができなかった多様な疾患に対するモデルを作るか、それを治療する治療剤を製作することに役立つことができる。かかる側面から、高効率のミトコンドリア塩基編集酵素の開発の必要性が増大しつつある。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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