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公開番号
2025133533
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-11
出願番号
2024031544
出願日
2024-03-01
発明の名称
ポリカーボネート樹脂のアルコリシス用触媒、ポリカーボネート樹脂の分解方法、及びジオールの製造方法。
出願人
三井化学株式会社
,
国立大学法人 東京大学
代理人
弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類
C08J
11/10 20060101AFI20250904BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】ポリカーボネート樹脂のアルコリシスを、より温和な反応条件で進行させ、かつ、反応生成物であるジオール化合物を効率よく得るポリカーボネート樹脂のアルコリシス用触媒、ポリカーボネート樹脂の分解方法、及びジオールの製造方法を提供する。
【解決手段】希土類金属(A)と配位子(B)とを含む希土類錯体を含み、配位子(B)は、特定の一般式で表される少なくとも1種の基を含む、ポリカーボネート樹脂のアルコリシス用触媒、ポリカーボネート樹脂のアルコリシス用触媒を用いたポリカーボネート樹脂の分解方法、及びジオールの製造方法による。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
希土類金属(A)と配位子(B)とを含む希土類錯体を含み、
前記配位子(B)が、下記一般式(1)~一般式(3)からなる群より選択される少なくとも1種を含む、ポリカーボネート樹脂(C)のアルコリシス用触媒。
JPEG
2025133533000014.jpg
105
77
[一般式(1)~一般式(3)中、
R
1
は、炭素原子数6~10の置換もしくは無置換のアリール基、又は炭素原子数4~8の置換もしくは無置換の芳香族複素環基であり、
R
2
は、炭素原子数1~10の置換もしくは無置換のアルキル基、又は炭素原子数6~10の置換もしくは無置換のアリール基であり、
R
3
及びR
4
は、互いに独立して、水素原子、炭素原子数1~3の置換又は無置換のアルキル基であり、
R
5
及びR
6
は、互いに独立して、下記一般式(4)で表される基であり、
R
7
及びR
8
は、互いに独立して、水素原子、炭素原子数1~3の置換又は無置換のアルキル基であり、
R
9
及びR
10
は、互いに独立して、炭素原子数1~2の置換又は無置換のアルキル基であり、
R
11
及びR
12
は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~5の置換又は無置換のアルキル基である。
ただし、アリール基に芳香族複素環基は含まれない。また、R
9
及びR
10
が、いずれも無置換のメチル基の場合、R
11
及びR
12
の少なくとも一方は、ハロゲン原子、炭素原子数1~5の置換又は無置換のアルキル基である。また、R
9
、R
10
、R
11
及びR
12
は、環状構造を形成しない。]
JPEG
2025133533000015.jpg
27
62
[一般式(4)中、Xは、炭素原子数1~5の置換又は無置換のアルキル基である。]
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記一般式(1)において、
R
1
は、炭素原子数6~8の置換もしくは無置換のベンゼン環、炭素原子数4~6の置換もしくは無置換の2-チエニル基、又は炭素原子数4~6の置換もしくは無置換の2-フリル基であり、
R
2
は、炭素原子数1~3の置換アルキル基、又は炭素原子数6~8の置換もしくは無置換のベンゼン環であり、
R
3
及びR
4
は、水素原子である、請求項1に記載のポリカーボネート樹脂のアルコリシス用触媒。
【請求項3】
前記一般式(2)において、
R
7
及びR
8
は、水素原子であり、
Xは、炭素原子数1~3の無置換のアルキル基である、請求項1に記載のポリカーボネート樹脂のアルコリシス用触媒。
【請求項4】
前記希土類金属(A)が、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、及びルテチウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属を有する、請求項1に記載のポリカーボネート樹脂のアルコリシス用触媒。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂のアルコリシス用触媒の存在下、前記ポリカーボネート樹脂(C)と炭素数1~10の脂肪族アルコールとを反応させる、ポリカーボネート樹脂の分解方法。
【請求項6】
前記ポリカーボネート樹脂(C)と炭素数1~3の脂肪族アルコールとを、前記脂肪族アルコールの沸点以下の温度で反応させる、請求項5に記載のポリカーボネート樹脂の分解方法。
【請求項7】
前記ポリカーボネート樹脂(C)と炭素数1の脂肪族アルコールとを、前記脂肪族アルコールの沸点以下の温度で反応させる、請求項5に記載のポリカーボネート樹脂の分解方法。
【請求項8】
前記ポリカーボネート樹脂(C)が、芳香族ポリカーボネート(C-1)及び脂肪族ポリカーボネート(C-2)からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項5に記載のポリカーボネート樹脂の分解方法。
【請求項9】
前記ポリカーボネート樹脂(C)が、芳香族ポリカーボネート(C-1)を含む、請求項5に記載のポリカーボネート樹脂の分解方法。
【請求項10】
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂のアルコリシス用触媒の存在下、前記ポリカーボネート樹脂(C)と脂肪族アルコールとを反応させる、ジオールの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、ポリカーボネート樹脂のアルコリシス用触媒、ポリカーボネート樹脂の分解方法、及びジオールの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
プラスチックは手軽で耐久性に富み、安価であることから我が国のみならず世界中で大量に生産されている。そのプラスチックの多くは「使い捨て」として用いられるため、適切に処理されず、環境中に流出するものもある。具体的には、プラスチックごみは河川から海へと流れ込み、その過程で波や紫外線で劣化して5mm以下となる。このような小さなプラスチックゴミは、マイクロプラスチックと呼ばれる。このマイクロプラスチックを、動物や魚が誤飲してしまう。このように、プラスチックゴミは生態系に甚大な影響を与え、近年、海洋プラスチック問題として世界中で問題視されている。
ポリカーボネート樹脂は、透明性、機械物性、難燃性、寸法安定性、電気特性により幅広い分野で用いられているが、このポリカーボネート樹脂も例外ではない。
【0003】
ポリカーボネート樹脂のリサイクル方法の1つとして、ポリカーボネート樹脂を化学的に分解しビスフェノールまで戻して再利用するケミカルリサイクルがあり、ポリカーボネート樹脂の分解方法の1つとして、アルコリシスが知られている。
例えば、非特許文献1には、ランタン触媒(La(acac)
3
)存在下、メタノール中でポリ(ビスフェノールAカーボネート)を反応させてビスフェノールAを得る方法が開示されている。
また、ランタン触媒(La(acac)
3
)について、非特許文献2には、ランタン触媒(La(acac)
3
)存在下、ポリブチレンサクシネート等のポリエステルに対し、メタノールを用いてトランスエステル分解させる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
日本化学会,第103春季年会(2023),要旨,K404-4pm-09
R.Abe,N.Komine,K.Nomura,M.Hirano,Chem.Commun,2022,58,p8141-p8144.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1に開示の発明では、ポリカーボネート樹脂のアルコリシスに用いるメタノール溶媒の沸点以上となる135℃という過激な反応条件が必要であるため、適用するには加圧装置が必要となり、結果的に、エネルギー的観点で工業化への展開が難しいという問題があった。
非特許文献2に開示の発明は、ポリエステルの分解について記載され、ポリカーボネートについては記載がなく不明であった。
【0006】
本開示の一態様の課題は、ポリカーボネート樹脂のアルコリシスを、より温和な反応条件で進行させ、かつ、反応生成物であるジオール化合物を効率よく得るポリカーボネート樹脂のアルコリシス用触媒、ポリカーボネート樹脂の分解方法、及びジオールの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 希土類金属(A)と配位子(B)とを含む希土類錯体を含み、配位子(B)が、下記一般式(1)~一般式(3)からなる群より選択される少なくとも1種を含む、ポリカーボネート樹脂(C)のアルコリシス用触媒。
【0008】
JPEG
2025133533000001.jpg
113
82
【0009】
[一般式(1)~一般式(3)中、R
1
は、炭素原子数6~10の置換もしくは無置換のアリール基、又は炭素原子数4~8の置換もしくは無置換の芳香族複素環基であり、R
2
は、炭素原子数1~10の置換もしくは無置換のアルキル基、又は炭素原子数6~10の置換もしくは無置換のアリール基であり、R
3
及びR
4
は、互いに独立して、水素原子、炭素原子数1~3の置換又は無置換のアルキル基であり、R
5
及びR
6
は、互いに独立して、下記一般式(4)で表される基であり、R
7
及びR
8
は、互いに独立して、水素原子、炭素原子数1~3の置換又は無置換のアルキル基であり、R
9
及びR
10
は、互いに独立して、炭素原子数1~2の置換又は無置換のアルキル基であり、R
11
及びR
12
は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~5の置換又は無置換のアルキル基である。
ただし、アリール基に芳香族複素環基は含まれない。また、R
9
及びR
10
が、いずれも無置換のメチル基の場合、R
11
及びR
12
の少なくとも一方は、ハロゲン原子、炭素原子数1~5の置換又は無置換のアルキル基である。また、R
9
、R
10
、R
11
及びR
12
は、環状構造を形成しない。]
【0010】
JPEG
2025133533000002.jpg
29
66
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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