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公開番号2025132862
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-10
出願番号2024030706
出願日2024-02-29
発明の名称水溶性金属加工油剤及びクーラント
出願人大同化学株式会社
代理人
主分類C10M 173/02 20060101AFI20250903BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】 クーラントにおけるスライム状のカビの繁茂を抑制出来、更に多価金属イオンの多い状況でもクーラント寿命を延長出来る水溶性金属加工油剤組成物及びこれを用いたクーラントを提供すること。
【解決手段】 オクチルジエタノールアミン、3-アミノ-4-オクタノール、ジベンジルアミンからなる群から選択される少なくとも1種の油溶性アミンと特定のエーテルカルボン酸を少なくとも1種とポリオキシアルキレングリコールブロックポリマーであり、プルロニックまたは/および逆プルロニック構造の非イオン界面活性剤を含有していることを特徴とする水溶性金属加工油剤組成物及びクーラント。
【選択図】なし

特許請求の範囲【請求項1】
(A)オクチルジエタノールアミン、3-アミノ-4-オクタノール、ジベンジルアミンからなる群から選択される少なくとも1種の油溶性アミン
(B)一般式1で示される少なくとも1種のエーテルカルボン酸
(C)ポリオキシアルキレングリコールブロックポリマーであり、プルロニックまたは/および逆プルロニック構造の非イオン界面活性剤、を含有していることを特徴とする水溶性金属加工油剤組成物。
一般式1 RO(CH

CH

O)nCH

COOH
(一般式1中、R=炭素数6~18の飽和もしくは不飽和炭化水素基、n=2~11の整数を示す)
続きを表示(約 250 文字)【請求項2】
水溶性金属加工油剤組成物全量を100重量%とした場合に、(A)成分の含有量が0.3~10.0重量%、(B)成分の含有量が0.3~10.0重量%、(C)成分の含有量が0.5~50.0重量%であり、(C)成分のエチレンオキサイド(EO)とプロピレンオキサイド(PO)の含有比率がEO:PO=10:90~30:70である請求項1に記載の水溶性金属加工油剤組成物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の水溶性金属加工油剤組成物を水により希釈してなるクーラント。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、様々な金属部品を加工する際に用いられる水溶性金属加工油剤及びクーラントに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
金属を加工する際に使用される水溶性加工油剤には、ソリューション型・ソリュブル型・エマルション型等がある。これらはいずれも水・アルカリ物質(無機アルカリ・有機アルカリ化合物等)・鉱物油・油脂・合成油・有機酸・極圧添加剤・界面活性剤・消泡剤・金属防食剤・防腐剤・防黴剤・殺菌剤等の成分を含んでいる。これらの添加剤は加工対象被加工物・加工条件・その他の条件に応じて適宜配合して製造される。一般に水溶性加工油剤は、これを原液として通常水で1~50重量%程度に希釈して使用される。以下、この水希釈された状態の液を、クーラントと言う。
【0003】
クーラントでは、油剤成分中に含まれている有機物(窒素化合物を含む)や加工用機械から混入してくる作動油・摺動面潤滑油等を、細菌類・真菌類が栄養源とすることで、悪臭を発生し周囲の作業環境を悪化させるという問題がある。
また、クーラントタンク壁面や配管内にカビがスライム状に繁茂するとノズル詰まり・フィルター詰まりが生じる、切屑に絡み付き機械・タンク汚れの原因となる、電気系統にカビが付着すると短絡を引き起こす。このようなカビの発生は機械誤作動等の原因となる為、タンク・配管内のカビの除去や電気系統の修理が必要となり作業を中断せざるを得ないため、生産性の低下が生じている。
更に、クーラントは通常循環使用されるため、希釈水中の多価金属イオンの蓄積、被加工物やその切屑から溶出した多価金属イオンの蓄積、および作動油・摺動面潤滑油等の混入影響により、クーラントの乳化力が低下し、乳化不良や油分分離状態になることがある。
乳化不良や油分分離およびカビの悪影響の程度によっては、クーラントの全量入替が必要となる。これは、省資源化・省エネルギー化の観点から好ましくないため、長期間安定して使用出来る油剤の開発が求められている。
【0004】
タンク・配管等におけるスライム状のカビの繁茂を防ぐ観点から、水溶性金属加工油剤およびクーラントには、防黴剤・アミンの添加やその他成分や量の調整によって防黴処理されてきた。特に、カビなどの真菌類については、ジシクロヘキシルアミンなどの油溶性アミンやイソチアゾリン系防黴剤を配合することで対応がなされてきた。しかし、ジシクロヘキシルアミンは劇物となりその取扱いには厳格な管理が必要となり、イソチアゾリン系防黴剤は非常に高価である。
オクチルジエタノールアミンを含有する先行技術文献は、特許文献1があるが、ジシクロヘキシルアミンとの併用がなされている。特許文献2では、エーテルカルボン酸を含有する水溶性金属加工油剤の記載があるが、オクチルジエタノールアミンや3-アミノ-4-オクタノール、ジベンジルアミンとの併用は記載されておらず、泡立ちが問題となるとの記載がある。特許文献3にもエーテルカルボン酸の記載があるが、同様に泡立ちが問題になるとの記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第5255835号
特開2008-214510
特許第3917676号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記問題を解決するためになされたものであり、スライム状のカビが引き起こす機械誤作動等対応のための生産性低下を防止し、被加工物やその切屑からの多価金属の溶出、希釈水中の多価金属の蓄積による影響等からクーラントが乳化不安定な状態になることを防止するものである。クーラントのカビの繁茂を抑制でき、更にクーラント寿命を延長出来る水溶性金属加工油剤及びクーラントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
オクチルジエタノールアミンや3-アミノ-4-オクタノール、ジベンジルアミンは防黴性に優れているが、水溶性金属加工油剤に配合した場合、通常、水溶性金属加工油剤に含有されている有機酸とこれらの塩は油溶性が強いため、クーラント状態においてはミセルが壊れやすく、特に多価金属イオンの多い状況では乳化が不安定になるという欠点がある。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、上記アミン化合物がカビの繁茂を抑制し、エーテルカルボン酸を併用することでクーラントの乳化安定性を向上し、クーラント寿命を延長する。更には、特定の非イオン界面活性剤を添加することでエーテルカルボン酸の欠点である発泡を抑制すると共にクーラントの安定性を向上することにより、上記目的を達成し得ることを見出し、これに基づいて更に種々検討して、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明は、以下に示す、水溶性金属加工油剤及びクーラントを提供するものである。
【0009】
1. 下記、(A)(B)(C)成分を含有していることを特徴とする水溶性金属加工油剤組成物。
(A)オクチルジエタノールアミン、3-アミノ-4-オクタノール、ジベンジルアミンからなる群から選択される少なくとも1種の油溶性アミン
(B)一般式1で示される少なくとも1種のエーテルカルボン酸
(C)ポリオキシアルキレングリコールブロックポリマーであり、プルロニックまたは/および逆プルロニック構造の非イオン界面活性剤
一般式1 RO(CH

CH

O)nCH

COOH
(一般式1中、R=炭素数6~18の飽和もしくは不飽和炭化水素基、n=2~11の整数を示す)
【0010】
2. 水溶性金属加工油剤組成物全量を100重量%とした場合に、(A)成分の含有量が0.3~10.0重量%、(B)成分の含有量が0.3~10.0重量%、(C)成分の含有量が0.5~50.0重量%であり、(C)成分のエチレンオキサイド(EO)とプロピレンオキサイド(PO)の含有比率がEO:PO=10:90~30:70である項1に記載の水溶性金属加工油剤組成物。
(【0011】以降は省略されています)

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