TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025136254
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024034598
出願日2024-03-07
発明の名称潤滑油組成物
出願人出光興産株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C10M 169/04 20060101AFI20250911BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】せん断安定性に優れるとともに低粘度を有する潤滑油組成物を提供する。
【解決手段】基油(A)と、ジチオカルバミン酸モリブデン(MoDTC)(B)と、粘度指数向上剤(C)と、を配合してなる、潤滑油組成物であって、
モリブデン原子の含有量が、前記潤滑油組成物の全量基準で、0.03~0.10重量%であり、
リン原子の含有量が、前記潤滑油組成物の全量基準で、0.06~0.08重量%であり、
NOACK蒸発量が15重量%以下であり、
下記式で表される粘度低下パラメータXが、1.00以下である、潤滑油組成物である。
【数6】
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2025136254000009.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">11</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">49</com:WidthMeasure> </com:Image> (式中、KCは、潤滑油組成物の100℃での動粘度(mm2/s)を表し、
KAは、潤滑油組成物に含まれる基油(A)の100℃での動粘度(mm2/s)を表し、
CVMは、潤滑油組成物中の粘度指数向上剤(C)の含有量(重量%)を表す)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
基油(A)と、ジチオカルバミン酸モリブデン(MoDTC)(B)と、粘度指数向上剤(C)と、を配合してなる、潤滑油組成物であって、
モリブデン原子の含有量が、前記潤滑油組成物の全量基準で、0.03~0.10重量%であり、
リン原子の含有量が、前記潤滑油組成物の全量基準で、0.06~0.08重量%であり、
NOACK蒸発量が15重量%以下であり、
下記式で表される粘度低下パラメータX:
TIFF
2025136254000008.tif
10
49
(式中、K

は、潤滑油組成物の100℃での動粘度(mm

/s)を表し、


は、潤滑油組成物に含まれる基油(A)の100℃での動粘度(mm

/s)を表し、

VM
は、潤滑油組成物中の粘度指数向上剤(C)の含有量(重量%)を表す)
が、1.00以下である、潤滑油組成物。
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
前記基油(A)の100℃での動粘度が、2.0~6.0mm

/sである、請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項3】
前記潤滑油組成物の100℃における動粘度が、5.0~12.0mm

/sである、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記粘度指数向上剤(C)の含有量が、前記潤滑油組成物の全量基準で、0.5~10重量%である、請求項1~3のいずれか一項に記載の潤滑油組成物。
【請求項5】
前記粘度指数向上剤(C)は、SSIが25以下のオレフィン系共重合体である、請求項1~4のいずれか一項に記載の潤滑油組成物。
【請求項6】
粘度低下パラメータXが、0.50~0.95の範囲である、請求項1~5のいずれか一項に記載の潤滑油組成物。
【請求項7】
潤滑油組成物の粘度グレードが、SAE J300:2015による分類で、16または20である、請求項1~6のいずれか一項に記載の潤滑油組成物。
【請求項8】
流動点降下剤をさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の潤滑油組成物。
【請求項9】
二輪車用内燃機関に用いられる、請求項1~8のいずれか一項に記載の潤滑油組成物。
【請求項10】
内燃機関の摩耗低減方法であって、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物を用いて内燃機関を作動させることを含む、方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関用潤滑油組成物に関する。
続きを表示(約 4,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、環境保護の観点から、自動車等の低燃費化が重要課題となっており、自動車等の内燃機関用潤滑油に対しても省燃費性が求められている。一般に、内燃機関用潤滑油は、摺動面の間に潤滑油膜を形成することにより、摺動面どうしの直接接触を防止し、潤滑性を付与する。潤滑油の粘度が低いほど摺動抵抗が減少し、低燃費化につながることから、燃費向上を目的として、内燃機関用潤滑油の低粘度化が進んでいる。
しかし、潤滑油の粘度が低いほど摺動面に形成される潤滑油膜が薄くなる傾向があるため、単純に潤滑油を低粘度化させるだけでは、摺動部での摩耗が増大し、耐摩耗性が悪化するなどの弊害が生じる場合がある。内燃機関用潤滑油の低粘度化と耐摩耗性は両立が難しい特性であり、両立を図るべく検討が行われている。
例えば、特許文献1には、特定の金属系清浄剤、有機モリブデン化合物、及びポリアルキル(メタ)アクリレートを配合した、低粘度の内燃機関用潤滑油組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開WO2014/021350号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
省燃費化の要求の高まりを受けて、さらなる低粘度化が進められている。一方、二輪車のように高い回転数下で運転される環境では、高速のせん断がかかって粘度の急激な低下が生じることにより潤滑油膜が切れやすいという問題がある。このような高せん断下においても低粘度化および耐摩耗性の両立を図るべく、低粘度化した場合であっても優れたせん断安定性を有する潤滑油組成物が求められている。
このような状況のもと、本発明は、せん断安定性に優れるとともに低粘度を有する潤滑油組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、例えば下記の実施形態を含む。
[1] 基油(A)と、ジチオカルバミン酸モリブデン(MoDTC)(B)と、粘度指数向上剤(C)と、を配合してなる、潤滑油組成物であって、
モリブデン原子の含有量が、前記潤滑油組成物の全量基準で、0.03~0.10重量%であり、
リン原子の含有量が、前記潤滑油組成物の全量基準で、0.06~0.08重量%であり、
NOACK蒸発量が15重量%以下であり、
下記式で表される粘度低下パラメータX:
TIFF
2025136254000001.tif
9
50
(式中、K

は、潤滑油組成物の100℃での動粘度(mm

/s)を表し、


は、潤滑油組成物に含まれる基油(A)の100℃での動粘度(mm

/s)を表し、

VM
は、潤滑油組成物中の粘度指数向上剤(C)の含有量(重量%)を表す)
が、1.00以下である、潤滑油組成物。
[2] 前記基油(A)の100℃での動粘度が、2.0~6.0mm

/sである、[1]に記載の潤滑油組成物。
[3] 前記潤滑油組成物の100℃における動粘度が、6.1mm

/s以上~9.3mm

/s未満である[1]または[2]に記載の組成物。
[4] 前記粘度指数向上剤(C)の含有量が、前記潤滑油組成物の全量基準で、0.5~10重量%である、[1]~[3]のいずれかに記載の潤滑油組成物。
[5] 前記粘度指数向上剤(C)は、SSIが25以下のオレフィン系共重合体である、[1]~[4]のいずれかに記載の潤滑油組成物。
[6] 粘度低下パラメータXが、0.50~0.95の範囲である、[1]~[5]のいずれかに記載の潤滑油組成物。
[7] 潤滑油組成物の粘度グレードが、SAE J300:2015による分類で、16または20である、[1]~[6]のいずれかに記載の潤滑油組成物。
[8] 流動点降下剤をさらに含む、[1]~[7]のいずれかに記載の潤滑油組成物。
[9] 二輪車用内燃機関に用いられる、[1]~[8]のいずれかに記載の潤滑油組成物。
[10] 内燃機関の摩耗低減方法であって、[1]~[9]のいずれかに記載の組成物を用いて内燃機関を作動させることを含む、方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、低粘度および優れたせん断安定性を有する潤滑油組成物が提供される。本発明の潤滑油組成物は、低粘度性およびせん断安定性に優れることから、優れた省燃費性および耐摩耗性を発揮し得、内燃機関用潤滑油として好適に使用され得る。特に、本形態の潤滑油組成物は、省燃費性に優れた二輪車用内燃機関用潤滑油(エンジン油)として好適に使用することができ、高回転の二輪車用エンジンオイルとして使用する場合においても高速せん断下における粘度低下を抑制できる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施することができる。
本明細書に記載された数値範囲の上限値および下限値は任意に組み合わせることができる。例えば、「A~B」および「C~D」が記載されている場合、「A~D」および「C~B」の範囲も数値範囲として、本発明に範囲に含まれる。また、本明細書に記載された数値範囲「下限値~上限値」は下限値以上、上限値以下であることを意味する。
【0008】
[潤滑油組成物]
本発明の一形態は潤滑油組成物に関する。該潤滑油組成物は、基油(A)と、ジチオカルバミン酸モリブデン(MoDTC)(B)と、粘度指数向上剤(C)と、ならびに必要に応じて、(D)その他の成分とを配合してなる。本明細書において、成分(例えば、(A)~(C)成分)を配合してなるとは、成分((A)~(C)成分)を配合することにより、潤滑油組成物が、これら成分((A)~(C)成分)を含むものであってもよく、配合した成分((A)~(C)成分)の少なくとも一部が反応しているものでもよく、(A)~(C)成分のいずれか一種以上とこれら成分((A)~(C)成分)以外の任意の配合成分の一部が反応しているものでもよい。したがって、潤滑油組成物は、場合によって、配合された成分の少なくとも一部が変性または反応等することで生じる別の化合物を含有していてもよく、このような形態も本発明の潤滑油組成物に包含されるものとする。
【0009】
(粘度低下パラメータX)
本形態の潤滑油組成物は、下記式で表される粘度低下パラメータXが、1.00以下となるものである。
TIFF
2025136254000002.tif
9
50
式中、K

は、潤滑油組成物の100℃での動粘度(mm

/s)を表す。


は、潤滑油組成物に含まれる基油(A)の100℃での動粘度(mm

/s)を表す。K

は、潤滑油組成物に含まれる基油が複数種類存在する場合、混合基油の100℃での動粘度(mm

/s)を指す。

VM
は、潤滑油組成物(100重量%)中の粘度指数向上剤(C)の含有量(重量%)を表す。
上記粘度低下パラメータXは、せん断による粘度低下の指標とすることができるパラメータであり、パラメータの値が大きいほどせん断下において潤滑油組成物の粘度が低下しやすいことを示す。
すなわち、「K

-K

」は粘度指数向上剤(C)により増加する粘度(α)と相関しており、αが大きいほど粘度指数向上剤による粘度増加量が大きいであることを示す。
パラメータ(X)、すなわち、「α/C
VM
」は粘度指数向上剤(C)1重量%あたりで増加する粘度と相関しており、βが大きいほど粘度指数向上剤1重量%当たりの粘度増加量が大きいことを示す。
本発明では、パラメータXが1.00以下である場合、高いせん断速度における粘度低下を抑制し、高回転の二輪エンジン環境下において好適に使用し得ることを見出した。
パラメータXは、せん断安定性および低粘度の観点で、0.30~1.00の範囲が好ましく、0.50~0.95の範囲がより好ましい。
パラメータXの値は、例えば、粘度指数向上剤の種類や含有量などを調整することで上記範囲に調整することができる。例えば、粘度指数向上剤(C)のSSIが小さいものを用いるほどパラメータXは減少する傾向がある。また、粘度指数向上剤の重量平均分子量(Mw)が小さいほど、パラメータXは減少する傾向がある。
【0010】
(NOACK蒸発量)
本形態の潤滑油組成物は、NOACK蒸発量が、15重量%以下である。NOACK蒸発量が15重量%より大きくなると、高温酸化安定性が悪化して、潤滑油組成物の増粘等が起こりやすくなる。NOACK蒸発量は、低燃費性向上のためには8重量%以上であることが好ましく、9.重量%以上であることがより好ましく、9.5重量%以上であることがさらに好ましい。本明細書において、「NOACK蒸発量」は、250℃、1時間の条件にて、JPI-5S-41-2004に準拠して測定した値である。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

出光興産株式会社
潤滑剤
29日前
出光興産株式会社
熱処理油
1か月前
出光興産株式会社
熱処理油
1か月前
出光興産株式会社
潤滑油組成物
1日前
出光興産株式会社
燃料油組成物
1か月前
出光興産株式会社
潤滑油組成物
12日前
出光興産株式会社
潤滑油組成物
18日前
日油株式会社
船舶燃料油組成物
22日前
出光興産株式会社
バーナノズル、バーナおよび加熱炉
22日前
出光興産株式会社
潤滑油用添加剤組成物及び潤滑油組成物
11日前
出光興産株式会社
グリース製造システムおよびグリースの製造方法
1か月前
出光興産株式会社
有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器
1か月前
出光興産株式会社
有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器
1か月前
出光興産株式会社
有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器
2か月前
出光興産株式会社
触媒、触媒の製造方法及びプロピレンの製造方法
26日前
出光興産株式会社
有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器
10日前
出光興産株式会社
有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器
10日前
出光興産株式会社
芳香族ポリエーテル樹脂組成物、複合材料、及び成形体
29日前
出光興産株式会社
樹脂組成物、成形体及び成形体の製造方法、マスターバッチ
1か月前
出光興産株式会社
有機エレクトロルミネッセンス素子、化合物、及び電子機器
10日前
出光興産株式会社
グリース組成物、グリース組成物の製造方法、及び車軸の潤滑方法
29日前
出光興産株式会社
化合物、発光素子材料、有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器
10日前
出光興産株式会社
硫化物固体電解質の製造方法
16日前
出光興産株式会社
タブリードの製造方法、タブリード、電気化学デバイス、電池及びキャパシタ
1か月前
出光興産株式会社
化合物、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器
1か月前
出光興産株式会社
化合物、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器
1か月前
出光興産株式会社
化合物、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、有機エレクトロルミネッセンス素子、及び電子機器
1か月前
出光興産株式会社
潤滑油用添加剤組成物、潤滑油用添加剤組成物の製造方法、潤滑油組成物、及び潤滑油組成物の製造方法
9日前
出光興産株式会社
化合物、有機エレクトロルミネッセンス素子、及び電子機器
11日前
出光興産株式会社
水素化石油樹脂ペレット及び水素化石油樹脂ペレットの製造方法
1か月前
出光興産株式会社
有機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンス装置、電子機器、発光体、太陽電池及び光センサー
2日前
出光興産株式会社
ポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体及び該共重合体を含む樹脂組成物
2か月前
CYC株式会社
工業用炉
1か月前
東ソー株式会社
芳香族化合物の製造方法
1日前
株式会社ロゴスコーポレーション
成形炭
1か月前
個人
炭化油化装置
1日前
続きを見る