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公開番号2025176009
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-03
出願番号2025128308,2023148314
出願日2025-07-31,2006-10-18
発明の名称配列特異性およびDNA-結合親和度が変更された、合理設計メガヌクレアーゼ
出願人デューク大学
代理人弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
主分類A61K 48/00 20060101AFI20251126BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】病原体感染の治療のための、ならびに診断学および研究におけるインビトロ応用のための遺伝子治療法を提供する。
【解決手段】野生型I-CREIメガヌクレアーゼと比べ、少なくとも一つの認識配列半分部位に対する特異性が変更された組み換えメガヌクレアーゼを用いて、真核細胞において遺伝子治療によりヒトの疾患を治療する方法であって、前記組み換えメガヌクレアーゼは、特定の配列のI-CREIメガヌクレアーゼの残基2-153に対し少なくとも85%の配列類似性を有するポリペプチドを含み、かつ、特定の配列から成る群より選ばれるI-CREIメガヌクレアーゼ認識配列内の半分部位と、少なくとも1塩基対異なる認識配列半分部位に対して特異性を有し、排外的修飾ではない少なくとも一つの修飾を含む、方法である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
野生型I-CREIメガヌクレアーゼと比べ、少なくとも一つの認識配列半分部位に対
する特異性が変更された組み換えメガヌクレアーゼであって、
配列番号1のI-CREIメガヌクレアーゼの残基2-153に対し少なくとも85%
の配列類似性を有するポリペプチドを含み、かつ、
配列番号2、配列番号3、配列番号4及び配列番号5から成る群より選ばれるI-CR
EIメガヌクレアーゼ認識配列内の半分部位と、少なくとも1塩基対異なる認識配列半分
部位に対して特異性を有し、
排外的修飾ではない表5の少なくとも一つの修飾を含む、組み換えメガヌクレアーゼ。
続きを表示(約 7,400 文字)【請求項2】
野生型I-MSOIメガヌクレアーゼと比べ、少なくとも一つの認識配列半分部位に対
する特異性が変更された組み換えメガヌクレアーゼであって、
配列番号6のI-MSOIメガヌクレアーゼの残基6-160に対し少なくとも85%
の配列類似性を有するポリペプチドを含み、かつ、
配列番号7及び配列番号8から成る群より選ばれるI-MSOIメガヌクレアーゼ認識
配列内の半分部位と、少なくとも1塩基対異なる認識配列半分部位に対して特異性を有し

排外的修飾ではない表7の少なくとも一つの修飾を含む、組み換えメガヌクレアーゼ。
【請求項3】
野生型I-SCEIメガヌクレアーゼと比べ、認識配列に対する特異性が変更された組
み換えメガヌクレアーゼであって、
配列番号9のI-SCEIメガヌクレアーゼの残基3-186に対し少なくとも85%
の配列類似性を有するポリペプチドを含み、かつ、
配列番号10及び配列番号11から成る群より選ばれるI-SCEIメガヌクレアーゼ
認識配列と、少なくとも1塩基対異なる認識配列に対して特異性を有し、
排外的修飾ではない表9の少なくとも一つの修飾を含む、組み換えメガヌクレアーゼ。
【請求項4】
野生型I-CEUIメガヌクレアーゼと比べ、少なくとも一つの認識配列半分部位に対
する特異性が変更された組み換えメガヌクレアーゼであって、
配列番号12のI-CEUIメガヌクレアーゼの残基5-211に対し少なくとも85
%の配列類似性を有するポリペプチドを含み、かつ、
配列番号13及び配列番号14から成る群より選ばれるI-CEUIメガヌクレアーゼ
認識配列内の半分部位と、少なくとも1塩基対異なる認識配列半分部位に対して特異性を
有し、
排外的修飾ではない表11の少なくとも一つの修飾を含む、組み換えメガヌクレアーゼ

【請求項5】
野生型I-CREIメガヌクレアーゼと比べ、少なくとも一つの認識配列半分部位に対
する特異性が変更された組み換えメガヌクレアーゼであって、
配列番号1のI-CREIメガヌクレアーゼの残基2-153に対し少なくとも85%
の配列類似性を有するポリペプチドを含み、かつ、
配列番号2、配列番号3、配列番号4及び配列番号5から成る群より選ばれるI-CR
EIメガヌクレアーゼ認識配列内の半分部位と、少なくとも1塩基対異なる認識配列半分
部位に対して特異性を有し、
(1)位置-1における特異性が、
(A)Q70、C70、L70、Y75、Q75、H75、H139、Q46及びH
46から成る群より選ばれる修飾によって、センス鎖においてTに変更され;
(B)Y75、L75、C75、Y139、C46及びA46から成る群より選ばれ
る修飾によって、センス鎖においてAに変更され;
(C)K70、E70、E75、E46及びD46から成る群より選ばれる修飾によ
って、センス鎖においてGに変更され、
(D)H75、R75、H46、K46及びR46から成る群より選ばれる修飾によ
って、センス鎖においてCに変更され、又は、
(E)G70、A70、S70及びG46から成る群より選ばれる修飾によって、セ
ンス鎖において任意の塩基に変更され;
及び/又は
(2)位置-2における特異性が、
(A)Q70、T44、A44、V44、I44、L44及びN44から成る群より
選ばれる修飾によって、センス鎖においてAに変更され;
(B)E70、D70、K44及びR44から成る群より選ばれる修飾によって、セ
ンス鎖においてCに変更され;
(C)H70、D44及びE44から成る群より選ばれる修飾によって、センス鎖に
おいてGに変更され;又は、
(D)C44を含む修飾によって、センス鎖においてA又はTに変更され;
及び/又は、
(3)位置-3における特異性が、
(A)Q68及びC24から成る群より選ばれる修飾によって、センス鎖においてA
に変更され;
(B)E68、F68、K24及びR24から成る群より選ばれる修飾によって、セ
ンス鎖においてCに変更され;
(C)M68、C68、L68及びF68から成る群より選ばれる修飾によって、セ
ンス鎖においてTに変更され;
(D)H68を含む修飾によってセンス鎖においてA又はCに変更され;
(E)Y68を含む修飾によってセンス鎖においてC又はTに変更され;
(F)K68を含む修飾によってセンス鎖においてG又はTに変更され;
及び/又は、
(4)位置-4における特異性が、
(A)E77及びK26から成る群より選ばれる修飾によって、センス鎖においてC
に変更され;
(B)E26及びR77から成る群より選ばれる修飾によって、センス鎖においてG
に変更され;
(C)S77を含む修飾によってセンス鎖においてC又はTに変更され;又は、
(D)S26を含む修飾によってセンス鎖において任意の塩基に変更され;
及び/又は、
(5)位置-5における特異性が、
(A)E42を含む修飾によってセンス鎖においてCに変更され;
(B)R42を含む修飾によってセンス鎖においてGに変更され;
【請求項6】
野生型I-MSOIメガヌクレアーゼと比べ、少なくとも一つの認識配列半分部位に対
する特異性が変更された組み換えメガヌクレアーゼであって、
配列番号6のI-MSOIメガヌクレアーゼの残基6-160に対し少なくとも85%
の配列類似性を有するポリペプチドを含み、かつ、
配列番号7及び配列番号8から成る群より選ばれるI-MSOIメガヌクレアーゼ認識
配列内の半分部位と、少なくとも1塩基対異なる認識配列半分部位に対して特異性を有し

(1)位置-1における特異性が、
(A)K75、Q77、A49、C49及びK79から成る群より選ばれる修飾によ
って、センス鎖においてAに変更され;
(B)C77、L77及びQ79から成る群より選ばれる修飾によって、センス鎖に
おいてTに変更され;
(C)K77、R77、E49及びE79から成る群より選ばれる修飾によって、セ
ンス鎖においてGに変更され;
及び/又は、
(2)位置-2における特異性が、
(A)Q75、K81、C47、I47及びL47から成る群より選ばれる修飾によ
って、センス鎖においてAに変更され;
(B)E75、D75、R47、K47、K81及びR81から成る群より選ばれる
修飾によって、センス鎖においてCに変更され;
(C)K75、E47及びE81から成る群より選ばれる修飾によって、センス鎖に
おいてGに変更され;
及び/又は、
(3)位置-3における特異性が、
(A)Q72、C26、L26、V26、A26及びI26から成る群より選ばれる
修飾によって、センス鎖においてAに変更され;
(B)E72、Y72、H26、K26及びR26から成る群より選ばれる修飾によ
って、センス鎖においてCに変更され;
(C)K72、Y72及びH26から成る群より選ばれる修飾によって、センス鎖に
おいてTに変更され;
及び/又は、
(4)位置-4における特異性が、
(A)K28、K83及びQ28から成る群より選ばれる修飾によって、センス鎖に
おいてTに変更され;
(B)R83及びK83から成る群より選ばれる修飾によって、センス鎖においてG
に変更され;
(C)K28及びQ83から成る群より選ばれる修飾によって、センス鎖においてA
に変更され;
及び/又は、
(5)位置-5における特異性が、
(A)R45及びE28から成る群より選ばれる修飾によって、センス鎖においてG
に変更され;
(B)Q28を含む修飾によってセンス鎖においてTに変更され;
(C)R28を含む修飾によってセンス鎖においてCに変更され;
及び/又は、
(6)位置-6における特異性が、
(A)K43、V85、L85及びQ30から成る群より選ばれる修飾によって、セ
ンス鎖においてTに変更され;
(B)E43、E85、K30及びR30から成る群より選ばれる修飾によって、セ
ンス鎖においてCに変更され;または、
【請求項7】
野生型I-SCEIメガヌクレアーゼと比べ、認識配列に対する特異性が変更された組
み換えメガヌクレアーゼであって、
配列番号9のI-SCEIメガヌクレアーゼの残基3-186に対し少なくとも85%
の配列類似性を有するポリペプチドを含み、かつ、
配列番号10及び配列番号11のI-SCEIメガヌクレアーゼと、少なくとも1塩基
対異なる認識配列に対して特異性を有し、
(1)位置4における特異性が、
(A)K50を含む修飾によってセンス鎖においてAに変更され;
(B)K57、M57及びQ50から成る群より選ばれる修飾によって、センス鎖に
おいてTに変更され;
(C)E50、R57及びK57から成る群より選ばれる修飾によって、センス鎖に
おいてGに変更され;及び/又は、
(2)位置5における特異性が、
(A)K48、Q102から成る群より選ばれる修飾によって、センス鎖においてA
に変更され;
(B)E48、K102及びR102から成る群より選ばれる修飾によって、センス
鎖においてGに変更され;
(C)Q48、C102、L102及びV102から成る群より選ばれる修飾によっ
て、センス鎖においてTに変更され;
及び/又は、
(3)位置6における特異性が、
(A)K59を含む修飾によってセンス鎖においてAに変更され;
(B)R59及びK59から成る群より選ばれる修飾によって、センス鎖においてC
に変更され;
(B)K84及びE59から成る群より選ばれる修飾によって、センス鎖においてG
に変更され;
及び/又は、
(4)位置7における特異性が、
(A)R46、K46及びE86から成る群より選ばれる修飾によって、センス鎖に
おいてCに変更され;
(B)K86、R86及びE46から成る群より選ばれる修飾によって、センス鎖に
おいてGに変更され;
(C)C46、L46及びV46から成る群より選ばれる修飾によって、センス鎖に
おいてAに変更され;
及び/又は、
(5)位置8における特異性が、
(A)E88、R61及びH61から成る群より選ばれる修飾によって、センス鎖に
おいてCに変更され;
(B)K88、Q61及びH61から成る群より選ばれる修飾によって、センス鎖に
おいてTに変更され;
(C)K61、S61、V61、A61及びL61から成る群より選ばれる修飾によ
って、センス鎖においてAに変更され;
及び/又は、
(6)位置9における特異性が、
(A)C98、V98及びL98から成る群より選ばれる修飾によって、センス鎖に
おいてAに変更され;
(B)R98及びK98から成る群より選ばれる修飾によって、センス鎖においてC
に変更され;又は、
(C)E98及びD98から成る群より選ばれる修飾によって、センス鎖においてG
に変更され;
【請求項8】
野生型I-CEUIメガヌクレアーゼと比べ、少なくとも一つの認識配列半分部位に対
する特異性が変更された組み換えメガヌクレアーゼであって、
配列番号12のI-CEUIメガヌクレアーゼの残基5-211に対し少なくとも85
%の配列類似性を有するポリペプチドを含み、かつ、
配列番号13及び配列番号14から成る群より選ばれるI-CEUIメガヌクレアーゼ
認識配列内の半分部位と、少なくとも1塩基対異なる認識配列半分部位に対して特異性を
有し、
(1)位置-1における特異性が、
(A)C92、A92及びV92から成る群より選ばれる修飾によって、センス鎖に
おいてAに変更され;
(B)Q116及びQ92から成る群より選ばれる修飾によって、センス鎖において
Tに変更され;
(C)E116及びE92から成る群より選ばれる修飾によって、センス鎖において
Gに変更され;
及び/又は、
(2)位置-2における特異性が、
(A)Q117、C90、L90及びV90から成る群より選ばれる修飾によって、
センス鎖においてAに変更され;
(B)K117、R124、K124、E124、E90及びD90から成る群から
選ばれる修飾によって、センス鎖においてGに変更され;
(C)E117、D117、R174、K124、K90及びK68から成る群から
選ばれる修飾によって、センス鎖においてCに変更され;
及び/又は、
(3)位置-3における特異性が、
(A)C70、V70、T70、L70及びK70から成る群より選ばれる修飾によ
って、センス鎖においてAに変更され;
(B)Q70を含む修飾によってセンス鎖においてTに変更され;
(B)K70を含む修飾によってセンス鎖においてCに変更され;
及び/又は、
(4)位置-4における特異性が、
(A)E126、D126、R88、K88及びK72から成る群より選ばれる修飾
によって、センス鎖においてCに変更され;
(B)K126、L126及びQ88から成る群より選ばれる修飾によって、センス
鎖においてTに変更され;
(C)Q126、N126、K88、L88、C72、L72及びV72から成る群
より選ばれる修飾によって、センス鎖においてAに変更され;
及び/又は、
(5)位置-5における特異性が、
(A)E74、K128、R128及びE128から成る群より選ばれる修飾によっ
て、センス鎖においてGに変更され;
(B)C128、L128、V128及びT128から成る群から選ばれる修飾によ
って、センス鎖においてTに変更され;又は、
(C)C74、L74、V74及びT74から成る群より選ばれる修飾によって、セ
ンス鎖においてAに変更され;
及び/又は、
(6)位置-6における特異性が、
(A)K86、C86及びL86から成る群より選ばれる修飾によって、センス鎖に
おいてTに変更され;
(B)D86、E86、R84及びK84から成る群より選ばれる修飾によって、セ
ンス鎖においてCに変更され;又は、
【請求項9】
野生型I-CREIメガヌクレアーゼと比べ、2本鎖DNAに対する結合親和度が変更
された組み換えメガヌクレアーゼであって、
配列番号1のI-CREIメガヌクレアーゼの残基2-153に対して少なくとも85
%の配列類似性を有するポリペプチドを含み;
DNA結合親和度が、
(A)H、N、Q、S、T、K又はRによるE80、D137、I81、L112、P
29、V64又はY66の置換;
又は、
(B)K又はRによるT46、T140又はT143の置換、
から成る群より選ばれる一つの置換に対応する少なくとも一つの修飾によって上昇する
ことを特徴とする、組み換えメガヌクレアーゼ。
【請求項10】
野生型I-CREIメガヌクレアーゼと比べ、2本鎖DNAに対する結合親和度が変更
された組み換えメガヌクレアーゼであって、
配列番号1のI-CREIメガヌクレアーゼの残基2-153に対して少なくとも85
%の配列類似性を有するポリペプチドを含み;
DNA結合親和度が、
(A)H、N、Q、S、T、D又はEによるK34、K48、R51、K82、K11
6、またはK139の置換;
又は、
(B)D又はEによるI81、L112、P29、V64、Y66、T46、T140
又はT143の置換から成る群より選ばれる一つの置換に対応する少なくとも一つの修飾
によって低下することを特徴とする、組み換えメガヌクレアーゼ。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、分子生物学および組み換え核酸工学の分野に関する。特に、本発明は、DN
A認識配列特異性及び/又は親和度が変更された、合理的に設計された、非天然のメガヌ
クレアーゼに関する。さらに、本発明は、そのようなメガヌクレアーゼの生産法、および
、そのようなメガヌクレアーゼによる、組み換え核酸および生物の生産法に関する。
続きを表示(約 5,000 文字)【背景技術】
【0002】
(関連出願)本出願は、2005年10月18日出願の米国特許仮出願第60/727
,512号の優先権の利益を主張する。なお、この引用出願の全開示を、参照することに
より本出願に含める。
【0003】
(政府援助)本発明は、アメリカ合衆国国立衛生研究所、国立医科学研究所からの研究補
助金2R01-GM-0498712、5F32-GM072322、および5 DP1
OD000122によって一部援助された。したがって、米国政府も、本発明において
若干の権利を保有する場合がある。
【0004】
ゲノム工学は、あるゲノムの内部に、特定の遺伝子配列を、挿入し、欠失し、置換し、
および、その他のやり方で操作することを可能とする能力を要求するが、多くの治療的お
よび生物工学的応用を有する。ゲノム修飾のための効果的手段の開発は、これまでずっと
、遺伝子治療、農工学、および合成生物学における主要目標となっている(PORTEU
S ET AL.(2005),NAT.BIOTECHNOL.23;967-73;
TZFIRA ET AL.(2005),TRENDS BIOTECHNOL.23
:567-9;MCDANIEL ET AL.(2005),CURR.OPIN.B
IOTECHNOL.16:476-83)。DNA配列を挿入又は修飾するための一般
的方法は、ゲノム標的に対して相同な配列によって側接される、トランスジェニックDN
A配列を導入すること、および、所望の相同組み換え事象を選択またはスクリーニングす
ることを含む。トランスジェニックDNAによる組み換えはめったに起こらないが、標的
部位のゲノムDNAにおける2本鎖切断によって刺激することが可能である。従来から、
DNA2本鎖切断部を作るために、例えば、放射線照射および化学的処理を含めた数多く
の方法が用いられている。これらの方法は、効率的に組み換えを刺激することが可能では
あるけれども、二本鎖切断部は、ゲノムの中にランダムに挿入され、それらは、突然変異
誘発性および毒性が高い可能性がある。現在、染色体バックグランドにある特定の部位に
対し遺伝子修飾を照準することはできていないため、思い通りのゲノム加工に対する大き
な障害となっている。
【0005】
この目標を達成するための一つの方法は、ゲノム内の単一部位にしか存在しないほど十
分に大きい配列に対し特異性を持つヌクレアーゼを用いて、標的配座に二本鎖切断部を設
けてその部位における相同組み換えを刺激することである(例えば、PORTEUS E
T AL.(2005),NAT.BIOTECHNOL.23:967-73を参照)
。この戦略の有効性は、FOKI制限酵素の、加工されたジンクフィンガーDNA-結合
ドメインと、非特異的ヌクレアーゼドメインとの間のキメラ融合を用いて、各種の生物体
において明らかにされている(PORTEUS(2006),MOL THER 13:
438-46;WRIGHT ET AL.(2005),PLANT J.44:69
3-705;URNOV ET AL.(2005),NATURE 435:646-
51)。これらの人工的ジンクフィンガーヌクレアーゼは、部位特異的組み換えを刺激す
るけれども、これらのヌクレアーゼは、ヌクレアーゼドメインの調整低調に由来する、非
特異的な、残留切断活性を保持するので、不要の部位を切断することがしばしばある(S
MITH ET AL.(2000),NUCLEIC ACIDS RES.28:3
361-9)。これらの不要な切断は、処置生物体において、突然変異および毒性を引き
起こす可能性がある(PORTEUS ET AL.(2005),NAT.BIOTE
CHNOL.23:967-73)。
【0006】
植物および菌類のゲノムの中に一般的に認められる、15-40塩基対切断部位を認識
する、1群の天然ヌクレアーゼは、比較的毒性の低い、ゲノム加工代替品を提供する可能
性がある。このような「メガヌクレアーゼ」または「ホーミング・エンドヌクレアーゼ」
は、多くの場合、寄生的DNA要素、例えば、グループ1自己スプライシングイントロン
およびインテインとコンタクトされる。これらのヌクレアーゼは、自然状態で、宿主ゲノ
ムの特異的位置における相同的組み換えまたは遺伝子挿入を促進する。これを、細胞のD
NA-修復機構を招集する、染色体において二本鎖切断を生産することによって行う(S
TODDARD(2006),REV.BIOPHYS.38:49-95)。一般に、
メガヌクレアーゼは、4つのファミリーに分けられる。すなわち、LAGLIDADGフ
ァミリー、GIY-YIGファミリー、HIS-CYSボックスファミリー、およびHN
Hファミリーである。これらのファミリーは、触媒活性および認識配列に影響を及ぼす、
構造的モチーフによって特徴づけられる。例えば、LAGLIDADGファミリーのメン
バーは、LAGLIDADG保存モチーフの、1または2コピーを持つことによって特徴
づけられる(CHEVALIER ET AL.(2001),NUCLEIC ACI
DS RES.29(18):3757-3774を参照)。LAGLIDADGモチー
フの単一コピーを持つLAGLIDADGメガヌクレアーゼは、ホモダイマーを形成する
が、一方、2コピーのLAGLIDADGモチーフを持つメンバーは、モノマーであるこ
とが判明した。同様に、GIY-YIGファミリーメンバーは、70-100残基長のG
IY-YIGモジュールを持ち、その内二つは活性のために必要な、四つの不変残基を持
つ、4から5個の保存配列モチーフを含む(VAN ROEY ET AL.(2002
),NATURE STRUCT.BIOL.9:806-811を参照)。HIS-C
YSボックス・メガヌクレアーゼは、数百のアミノ酸残基を含む領域に分散する、高度に
保存された、ヒスチジンおよびシステインの連続列によって特徴づけられる(CHEVA
LIER ET AL.(2001),NUCLEIC ACIDS RES.29(1
8):3757-3774を参照)。NHNファミリーの場合は、そのメンバーは、2対
の、アスパラギン残基によって囲まれる保存ヒスチジンを含むモチーフによって定義され
る(CHEVALIER ET AL.(2001),NUCLEIC ACIDS R
ES.29(18):3757-3774を参照)。メガヌクレアーゼのこの4ファミリ
ーは、構造保存部位に関してDNA認識配列の特異性及び触媒活性が互いに大きく異なっ
ている。
【0007】
主にLAGLIDADGファミリーから得られる、天然のメガヌクレアーゼは、これま
で、植物、酵母、ショウジョウバエ、哺乳類細胞及びマウスにおいて部位特異的なゲノム
修飾に有効に使用されているが、この方法は、このメガヌクレアーゼ認識配列を保存する
相同配列か(MONNAT ET AL.(1999),BIOCHEM.BIOPHY
S.RES.COMMUN.255:88-93)又は認識配列を導入したあらかじめ加
工されたゲノム(ROUET ET AL.(1994),MOL.CELL BIOL
.14:8096-106;CHILTON ET AL.(2003),PLANT
PHYSIOL.133:956-65;PUCHTA ET AL.(1996),P
ROC.NATL.ACAD.SCI.USA 93:5055-60;RONG ET
AL.(2002),GENES DEV.16:1568-81;GOUBLE E
T AL.(2006),J.GENE MED.8(5):616-622)の修飾に
限定される。
【0008】
ヌクレアーゼ刺激による遺伝子修飾の体系的実施は、ゲノムの既存部位に対する標的D
NA中断部に向けて照準させた特異性を持つ加工酵素の使用が必要となる。したがって、
医学的又は生物工学的関連部位において遺伝子修飾を促進するようにメガヌクレアーゼを
適応させることについては大きな関心が寄せられている(PORTEUS ET AL.
(2005),NAT.BIOTECHNOL.23:967-73;SUSSMAN
ET AL.(2004),J.MOL.BIOL.342:31-41;EPINAT
ET AL.(2003),NUCLEIC ACIDS RES.31:2952-
62)。
【0009】
CHLAMYDOMONASREINHARDTIIから得られたメガヌクレアーゼI
-CREIは、LAGLIDADGファミリーの一員であり、葉緑体染色体の中の22塩
基対認識配列を認識・切断し、かつ、メガヌクレアーゼ再設計の好個の標的となっている
。この野生型酵素は、各モノマーが、全体認識配列における9塩基対に対して直接接触す
る、ホモダイマーである。この認識配列の単一位置において(SUSSMAN ET A
L.(2004),J.MOL.BIOL.342:31-41;CHAMES ET
AL.(2005),NUCLEIC ACIDS RES.33:E178;SELI
GMAN ET AL.(2002),NUCLEIC ACIDS RES.30:3
870-9)、あるいは、比較的最近では、認識配列の中の3位置において(ARRNO
ULD ET AL.(2006),J.MOL.BIOL.355:443-58)、
塩基選択性を変えるI-CREIにおける突然変異を特定するために、遺伝子選択技術が
用いられている。I-CREIタンパク-DNAインターフェイスは、DNA塩基に直接
接触する9個のアミノ酸と、修飾されたインターフェイスにおいて接触を形成する可能性
のある、少なくともさらに5個の残基を含む。このインターフェイスのサイズは、切断部
位を大きく変更された酵素を選択するために構築された配列ライブラリーにおいても十分
に抽出されることがほとんどないと思われるほど複雑な組み合わせを提示する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ゲノムの正確な修飾を促進するヌクレアーゼについては、依然として需要がある。さら
に、特定の遺伝子座位における遺伝子配列の操作を可能とする、あらかじめ指定された、
合理的に設計された認識配列を有するヌクレアーゼを生成する技術、および、正確な配列
修飾を持つ生物体を遺伝学的に加工するために、そのようなヌクレアーゼを利用する技術
に対しては、依然として需要がある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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