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公開番号2025150983
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-09
出願番号2024052176
出願日2024-03-27
発明の名称潤滑油組成物
出願人出光興産株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類C10M 169/04 20060101AFI20251002BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】本発明は、モリブデンジチオカーバメートの溶解性が高く、摩擦低減性に優れ、かつ酸化安定性及び低蒸発性に優れた潤滑油組成物を提供する。
【解決手段】基油(A)と、ポリオールエステル(B)と、モリブデンジチオカーバメート(C)とを含有する潤滑油組成物であって、前記基油(A)が、米国石油協会の基油分類におけるグループIIIの基油及びグループIVの基油から選択される1種以上であり、前記ポリオールエステル(B)が、炭素数10以上の飽和脂肪酸とネオペンチルグリコールとのエステルを含み、モリブデン原子含有量が、前記潤滑油組成物の全量基準で、150~1800質量ppmである、潤滑油組成物とした。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
基油(A)と、ポリオールエステル(B)と、モリブデンジチオカーバメート(C)とを含有する潤滑油組成物であって、
前記基油(A)が、米国石油協会の基油分類におけるグループIIIの基油及びグループIVの基油から選択される1種以上であり、
前記ポリオールエステル(B)が、炭素数10以上の飽和脂肪酸とネオペンチルグリコールとのエステルを含み、
モリブデン原子含有量が、前記潤滑油組成物の全量基準で、150~1800質量ppmである、潤滑油組成物。
続きを表示(約 360 文字)【請求項2】
前記飽和脂肪酸の炭素数が、10~30である、請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項3】
炭素数10以上の飽和脂肪酸とネオペンチルグリコールとの前記エステル以外のエステルの含有量が、前記ポリオールエステル(B)の全量基準で、5質量%以下である、請求項1又は2に記載の潤滑油組成物。
【請求項4】
前記ポリオールエステル(B)の含有量が、前記潤滑油組成物の全量基準で、30質量%以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
【請求項5】
さらに、粘度指数向上剤を含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
【請求項6】
内燃機油として用いられる、請求項1~5のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、潤滑油組成物に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年の環境規制の強化に伴い、自動車等の車両の内燃機関に用いられる潤滑油組成物(内燃機油)には、高い省燃費性が要求されている。かかる要求に応える方法の一つとして、潤滑油組成物に摩擦調整剤を配合して摩擦係数を低減する方法が各種検討されている。
例えば、潤滑油組成物中に摩擦調整剤として特定のエーテル化合物を配合して、摩擦係数を低減する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平9-176668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前述の摩擦調整剤としては、有機モリブデン化合物も知られている。
また、環境への配慮から、近年では内燃機油の長寿命化に対するニーズも高まっている。例えば、酸化安定性及び低蒸発性に優れる、米国石油協会(API:American Petroleum Institute)の基油分類におけるグループIIIやIVに分類される基油を主成分として用いることで、内燃機油を長寿命化する方法が検討されてきた。
しかしながら、前述の有機モリブデン化合物の中でも、特にモリブデンジチオカーバメートは、摩擦低減性に優れるものの、前述のグループIIIやIVに分類される基油に対する溶解性が極めて低い。
したがって、潤滑油組成物の摩擦低減性の向上と長寿命化を両立させるために、グループIIIやIVに分類される基油にモリブデンジチオカーバメートを添加した場合、長期貯蔵に際しモリブデンジチオカーバメートが沈殿しやすく、貯蔵安定性が低いという問題があった。
特許文献1では、合成基油に対する溶解性が高い摩擦調整剤として、特定の構造を有する(ポリ)グリセリンエーテルが開示されているが、基油に対するモリブデンジチオカーバメートの溶解性については何ら検討されていない。
内燃機油の各種性能を向上させるためには、モリブデンジチオカーバメートとグループIIIやIVに分類される基油を組み合わせることが必要である。しかし、グループIIIやIVに分類される基油に対するモリブデンジチオカーバメートの溶解性についての検討は未だ十分ではない。
【0005】
本発明は、モリブデンジチオカーバメートの溶解性が高く、摩擦低減性に優れ、かつ酸化安定性及び低蒸発性に優れた潤滑油組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた。
その結果、基油(A)が、米国石油協会の基油分類におけるグループIIIの基油及びグループIVの基油から選択される1種以上であり、ポリオールエステルを含有し、ポリオールエステルが、炭素数10以上の飽和脂肪酸とネオペンチルグリコールとのエステルを含み、かつモリブデンジチオカーバメートの含有量を特定の範囲に調整した潤滑油組成物が、上記課題を解決し得ることを見出した。
本発明者は、上記知見に基づき、更に種々検討を重ね、本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明によれば、下記[1]が提供される。
[1] 基油(A)と、ポリオールエステル(B)と、モリブデンジチオカーバメート(C)とを含有する潤滑油組成物であって、
前記基油(A)が、米国石油協会の基油分類におけるグループIIIの基油及びグループIVの基油から選択される1種以上であり、
前記ポリオールエステル(B)が、炭素数10以上の飽和脂肪酸とネオペンチルグリコールとのエステルを含み、
モリブデン原子含有量が、前記潤滑油組成物の全量基準で、150~1800質量ppmである、潤滑油組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、モリブデンジチオカーバメートの溶解性が高く、摩擦低減性に優れ、かつ酸化安定性及び低蒸発性に優れた潤滑油組成物を提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書に記載された数値範囲の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。例えば、数値範囲として「A~B」及び「C~D」が記載されている場合、「A~D」及び「C~B」の数値範囲も、本発明の範囲に含まれる。
また、本明細書に記載された数値範囲「下限値~上限値」は、特に断りのない限り、下限値以上、上限値以下であることを意味する。
また、本明細書において、実施例の数値は、上限値又は下限値として用いられ得る数値である。
【0010】
[潤滑油組成物の態様]
本実施形態の潤滑油組成物は、基油(A)、ポリオールエステル(B)、及びモリブデンジチオカーバメート(C)を含有し、基油(A)が、米国石油協会の基油分類におけるグループIIIの基油及びグループIVの基油から選択される1種以上であり、ポリオールエステル(B)が、炭素数10以上の飽和脂肪酸とネオペンチルグリコールとのエステルを含み、モリブデン原子含有量が、潤滑油組成物の全量基準で、150~1800質量ppmである。
(【0011】以降は省略されています)

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