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公開番号
2025152610
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-10
出願番号
2024054582
出願日
2024-03-28
発明の名称
リグニン改質物の製造方法
出願人
出光興産株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C08H
8/00 20100101AFI20251002BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】リグニン改質物を回収する際の溶媒への可溶化率の高いリグニン改質物の製造方法を提供すること。
【解決手段】リグノセルロース系バイオマス材料を、酸を含む溶媒中で、以下のA~Cの条件下で加水分解処理してリグニン含有前処理物を得る前処理工程と、
条件A:前記リグノセルロース系バイオマス材料に対する前記酸を含む溶媒の割合が質量基準で1以上25以下である。
条件B:前記加水分解処理の温度が120℃以上250℃以下である。
条件C:前記加水分解処理の時間が0.1時間以上5時間以下である。
前記リグニン含有前処理物を、有機溶媒中で反応させて、リグニン改質物を生成する生成工程と、
を含む、リグニン改質物の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
リグノセルロース系バイオマス材料を、酸を含む溶媒中で、以下のA~Cの条件下で加水分解処理してリグニン含有前処理物を得る前処理工程と、
条件A:前記リグノセルロース系バイオマス材料に対する前記酸を含む溶媒の割合が質量基準で1以上25以下である。
条件B:前記加水分解処理の温度が120℃以上250℃以下である。
条件C:前記加水分解処理の時間が0.1時間以上5時間以下である。
前記リグニン含有前処理物を、有機溶媒中で反応させて、リグニン改質物を生成する生成工程と、
を含む、リグニン改質物の製造方法。
続きを表示(約 790 文字)
【請求項2】
前記生成工程において、前記有機溶媒に対する前記リグニン含有前処理物の割合が1質量%以上50質量%以下である請求項1に記載のリグニン改質物の製造方法。
【請求項3】
前記生成工程において、反応温度が100℃以上350℃以下である請求項1又は2に記載のリグニン改質物の製造方法。
【請求項4】
前記生成工程において、反応時間が0.1時間以上10時間以下である請求項1~3のいずれか一項にリグニン改質物の製造方法。
【請求項5】
前記前処理工程は、前記加水分解処理により得られた加水分解処理物を固液分離する固液分離工程を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のリグニン改質物の製造方法。
【請求項6】
前記固液分離工程において、得られる固相が前記リグニン含有前処理物を含む請求項5記載のリグニン改質物の製造方法。
【請求項7】
前記生成工程は、前記リグニン含有前処理物を前記有機溶媒中で反応させて得られた反応混合物から、リグニン改質物が含まれる液相を分液回収し、回収した前記液相に残存する前記有機溶媒を留去する精製工程を含む、請求項1~6のいずれか一項記載のリグニン改質物の製造方法。
【請求項8】
前記前処理工程における酸が硫酸である、請求項1~7のいずれか一項に記載のリグニン改質物の製造方法。
【請求項9】
前記前処理工程における酸の含有量が、前記溶媒の全量に対して、1質量%以上20質量%である、請求項1~8のいずれか一項に記載のリグニン改質物の製造方法。
【請求項10】
前記リグニン改質物は、可溶化率が70質量%以上である、請求項1~9のいずれか一項に記載のリグニン改質物の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、リグニン改質物の製造方法およびその製造方法によって得られるリグニン改質物に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
リグニンは植物細胞壁中に存在する芳香族ポリマーであり、地球上でもっとも豊富な再生可能資源の一つとして、プラスチック材料をはじめとした様々な工業的用途への利用が期待されている。一方で、リグニンはセルロースやヘミセルロースのような他のバイオマス成分とは異なり、不均一性で複雑な構造を持つため、リグニンの利活用は未だ不十分である。このような問題に対して、バイオマス原料からリグニンを抽出及び改質し、リグニンの工業的利用を促進する技術の検討がなされている。
特許文献1には、バイオマスをフェノール存在下、高温高圧条件で反応させる製法により得られたリグニン誘導体について記載されている。
特許文献2には、木質系バイオマスを濃酸で加水分解することでリグニンを分離し、分離したリグニンをフェノール存在下で反応させる製法により得られる低分子リグニン誘導体について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2009-84320号公報
特表2016-523842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献に記載されたリグニン誘導体の製造方法では、リグニン改質物を回収する際の溶媒への可溶化率が十分ではなく、リグニン改質物の収率の向上が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは鋭意検討した結果、リグノセルロース系バイオマス材料を、酸を含む溶媒中で加水分解処理する際に、その条件(材料の割合、温度、時間)を最適化することで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
リグノセルロース系バイオマス材料を、酸を含む溶媒中で、以下のA~Cの条件下で加水分解処理してリグニン含有前処理物を得る前処理工程と、
条件A:前記リグノセルロース系バイオマス材料に対する前記酸を含む溶媒の割合が質量基準で1以上25以下である。
条件B:前記加水分解処理の温度が120℃以上250℃以下である。
条件C:前記加水分解処理の時間が0.1時間以上5時間以下である。
前記リグニン含有前処理物を、有機溶媒中で反応させて、リグニン改質物を生成する生成工程と、
を含む、リグニン改質物の製造方法。
[2]
前記生成工程において、前記有機溶媒に対する前記リグニン含有前処理物の割合が1質量%以上50質量%以下である上記[1]に記載のリグニン改質物の製造方法。
[3]
前記生成工程において、反応温度が100℃以上350℃以下である上記[1]又は[2]に記載のリグニン改質物の製造方法。
[4]
前記生成工程において、反応時間が0.1時間以上10時間以下である上記[1]~[3]のいずれかにリグニン改質物の製造方法。
[5]
前記前処理工程は、前記加水分解処理により得られた加水分解処理物を固液分離する固液分離工程を含む、上記[1]~[4]のいずれかに記載のリグニン改質物の製造方法。
[6]
前記固液分離工程において、得られる固相が前記リグニン含有前処理物を含む上記[5]記載のリグニン改質物の製造方法。
[7]
前記生成工程は、前記リグニン含有前処理物を前記有機溶媒中で反応させて得られた反応混合物から、リグニン改質物が含まれる液相を分液回収し、回収した前記液相に残存する前記有機溶媒を留去する精製工程を含む、上記[1]~[6]のいずれか記載のリグニン改質物の製造方法。
[8]
前記前処理工程における酸が硫酸である、上記[1]~[7]のいずれかに記載のリグニン改質物の製造方法。
[9]
前記前処理工程における酸の含有量が、前記溶媒の全量に対して、1質量%以上20質量%である、上記[1]~[8]のいずれかに記載のリグニン改質物の製造方法。
[10]
前記リグニン改質物は、可溶化率が70質量%以上である、上記[1]~[9]のいずれかに記載のリグニン改質物の製造方法。
[11]
前記リグニン改質物は、重量平均分子量(Mw)が1,000以上6,000以下である、上記[1]~[10]のいずれかに記載のリグニン改質物の製造方法。
[12]
前記リグニン改質物は、分子量分布(Mw/Mn)が1.0以上6.0以下である、上記[1]~[11]のいずれかに記載のリグニン改質物の製造方法。
[13]
前記リグニン改質物は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した分子量LogM2.84における積分分布値が15%以上50%以下である、上記[1]~[12]のいずれかに記載のリグニン改質物の製造方法。
[14]
前記リグニン改質物は、軟化点が100℃以上250℃未満である、上記[1]~[13]のいずれかに記載のリグニン改質物の製造方法。
[15]
上記[1]~[14]のいずれかに記載のリグニン改質物の製造方法によって得られるリグニン改質物。
【発明の効果】
【0007】
本発明のリグニン改質物の製造方法は、リグニン改質物を回収する際の溶媒への可溶化率を高めることができ、その結果、リグニン改質物の収率を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」ともいう。)について詳細に説明する。なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
【0009】
本実施形態のリグニン改質物の製造方法は、
リグノセルロース系バイオマス材料を、酸を含む溶媒中で、以下のA~Cの条件下で加水分解処理してリグニン含有前処理物を得る前処理工程と、
条件A:前記リグノセルロース系バイオマス材料に対する前記酸を含む溶媒の割合が質量基準で1以上25以下である。
条件B:前記加水分解処理の温度が120℃以上250℃以下である。
条件C:前記加水分解処理の時間が0.1時間以上5時間以下である。
前記リグニン含有前処理物を、有機溶媒中で反応させて、リグニン改質物を生成する生成工程と、
を含む。
【0010】
[前処理工程]
前処理工程は、グノセルロース系バイオマス材料を、酸を含む溶媒中で、以下のA~Cの条件下で加水分解処理してリグニン含有前処理物を得る工程である。
条件A:前記リグノセルロース系バイオマス材料に対する前記酸を含む溶媒の割合が質量基準で1以上25以下である。
条件B:前記加水分解処理の温度が120℃以上250℃以下である。
条件C:前記加水分解処理の時間が0.1時間以上5時間以下である。
本発明者らは、リグニン改質物を生成するためのリグニン含有原料をバイオマス材料から取得する際に、酸を用いてバイオマス材料を特定の条件下で加水分解処理することで、リグニン改質物の可溶化率を高め、最終的に得られるリグニン改質物の収率を向上させることが可能であることを見出した。このメカニズムとしては、バイオマス中のリグニン含有割合が向上することで、抽出時における溶媒との接触頻度が増大することが考えられる。但し、メカニズムとしては上記に限定されることはない。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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