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公開番号2025140667
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-29
出願番号2024040199
出願日2024-03-14
発明の名称潤滑油組成物
出願人出光興産株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C10M 171/00 20060101AFI20250919BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】電動車両に好適に使用し得る、冷却性、絶縁性等の各種性能に優れた潤滑油組成物が求められている。
【解決手段】基油(A)、HLBが互いに異なる2種以上の界面活性剤(B)、及び潤滑油組成物の全量(100質量%)に対して5.0質量%未満の水(C)を含み、界面活性剤(B)のHLBの加重平均が7.70超9.70以下である、潤滑油組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
基油(A)、HLBが互いに異なる2種以上の界面活性剤(B)、及び潤滑油組成物の全量(100質量%)に対して5.0質量%未満の水(C)を含み、
界面活性剤(B)のHLBの加重平均が7.70超9.70以下である、潤滑油組成物。
続きを表示(約 810 文字)【請求項2】
HLBが加重平均以上の界面活性剤(Bx)のHLBと、界面活性剤(Bx)の合計含有量との積をX、
HLBが加重平均未満の界面活性剤(By)のHLBと、界面活性剤(By)の合計含有量との積をY、としたとき、
X-Yの絶対値が5.00以上である、請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項3】
界面活性剤(B)が、非イオン性界面活性剤を含む、請求項1又は2に記載の潤滑油組成物。
【請求項4】
界面活性剤(B)が、HLBが高い界面活性剤(B1)、及びHLBが界面活性剤(B1)より低い界面活性剤(B2)を含み、界面活性剤(B1)のHLBが、7.0超20.0以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の潤滑油組成物。
【請求項5】
界面活性剤(B2)のHLBが、0超7.0以下である、請求項4に記載の潤滑油組成物。
【請求項6】
界面活性剤(B)の合計含有量が、潤滑油組成物の全量(100質量%)に対して0.1~10質量%である、請求項1~5のいずれか一項に記載の潤滑油組成物。
【請求項7】
水(C)の含有量が、潤滑油組成物の全量(100質量%)に対して3.0質量%以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載の潤滑油組成物。
【請求項8】
モーターと減速機が一体となった機械装置の潤滑に用いられる、請求項1~7のいずれか一項に記載の潤滑油組成物。
【請求項9】
前記機械装置が、油圧装置、定置変速装置、自動車変速装置、または、モーター及びバッテリーの冷却装置である、請求項8に記載の潤滑油組成物。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の潤滑油組成物を充填してなる、モーターと減速機が一体となった機械装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、潤滑油組成物、当該潤滑油組成物を備える機械装置及び当該潤滑油組成物の使用方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、地球環境保護の観点から二酸化炭素削減が強く求められており、そのため自動車の分野では省燃費技術の開発に力が注がれている。省燃費化の自動車にはハイブリッド車や電気自動車が挙げられ、これらの車は今後急速に普及すると予測されている。ハイブリッド車や電気自動車は電動モーターや発電機、減速機、インバータ、蓄電池などを備え、電動モーターの力を利用して走行する。このような電動車両に使用し得る潤滑油組成物は、優れた冷却性と絶縁性を兼ね備えることが必要とされる。
【0003】
また、電動車両に使用し得る潤滑油組成物が種々開発されている。例えば、特許文献1および2には、潤滑性ベース油、金属清浄剤、分散剤、ジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZDDP)耐摩耗剤、ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン(MoDTC)、粘度変性剤、及び他の潤滑油添加剤をそれぞれ所定の含有量で含み、特定の電気伝導率及び100℃動粘度を有する潤滑油が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表2019-529675号
特表2019-532151号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような状況下、電動車両に好適に使用し得る、冷却性、絶縁性等の各種性能に優れた潤滑油組成物が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記態様[1]~[11]を提供する。
[1]
基油(A)、HLBが互いに異なる2種以上の界面活性剤(B)、及び潤滑油組成物の全量(100質量%)に対して5.0質量%未満の水(C)を含み、
界面活性剤(B)のHLBの加重平均が7.70超9.70以下である、潤滑油組成物。
[2]
HLBが加重平均以上の界面活性剤(Bx)のHLBと、界面活性剤(Bx)の合計含有量との積をX、
HLBが加重平均未満の界面活性剤(By)のHLBと、界面活性剤(By)の合計含有量との積をY、としたとき、
X-Yの絶対値が5.00以上である、[1]に記載の潤滑油組成物。
[3]
界面活性剤(B)が、非イオン性界面活性剤を含む、請求項1又は2に記載の潤滑油組成物。
[4]
界面活性剤(B)が、HLBが高い界面活性剤(B1)、及びHLBが界面活性剤(B1)より低い界面活性剤(B2)を含み、界面活性剤(B1)のHLBが、7.0超20.0以下である、[1]~[3]のいずれか一項に記載の潤滑油組成物。
[5]
界面活性剤(B2)のHLBが、0超7.0以下である、[4]に記載の潤滑油組成物。
[6]
界面活性剤(B)の合計含有量が、潤滑油組成物の全量(100質量%)に対して0.1~10質量%である、[1]~[5]のいずれか一項のいずれか一項に記載の潤滑油組成物。
[7]
水(C)の含有量が、潤滑油組成物の全量(100質量%)に対して3.0質量%以下である、[1]~[6]のいずれか一項のいずれか一項に記載の潤滑油組成物。
[8]
モーターと減速機が一体となった機械装置の潤滑に用いられる、[1]~[7]のいずれか一項に記載の潤滑油組成物。
[9]
前記機械装置が、油圧装置、定置変速装置、自動車変速装置、または、モーター及びバッテリーの冷却装置である、[8]に記載の潤滑油組成物。
[10]
[1]~[9]のいずれか一項に記載の潤滑油組成物を充填してなる、モーターと減速機が一体となった機械装置。
[11]
[1]~[9]のいずれか一項に記載の潤滑油組成物をモーターと減速機が一体となった機械装置に適用する、潤滑油組成物の使用方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明の好適な一態様の潤滑油組成物は、優れた冷却性を有する。また、本発明の好適な一態様の潤滑油組成物は、優れた絶縁性を有する。また、本発明の好適な一態様の潤滑油組成物は、電動車両に好適なその他各種性能(例えば、水分散性)を有している。
本発明の好適な一態様の潤滑油組成物は、冷却性、絶縁性等の各種性能に優れることから、モーターと減速機が一体となった電動車両ユニット等の機械装置の潤滑に好適に使用し得る。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書に記載された数値範囲については、上限値及び下限値を任意に組み合わせることができる。例えば、数値範囲として「好ましくは30~100、より好ましくは40~80」と記載されている場合、「30~80」との範囲や「40~100」との範囲も、本明細書に記載された数値範囲に含まれる。また、例えば、数値範囲として「好ましくは30以上、より好ましくは40以上であり、また、好ましくは100以下、より好ましくは80以下である」と記載されている場合、「30~80」との範囲や「40~100」との範囲も、本明細書に記載された数値範囲に含まれる。
加えて、本明細書に記載された数値範囲として、例えば「60~100」との記載は、「60以上(60もしくは60超)、100以下(100もしくは100未満)」という範囲であることを意味する。
さらに、本明細書に記載された上限値及び下限値の規定において、それぞれの選択肢の中から適宜選択して、任意に組み合わせて、下限値~上限値の数値範囲を規定することができる。
加えて、本明細書に記載された好ましい態様として記載の各種要件は複数組み合わせることができる。
【0009】
〔潤滑油組成物の構成〕
本発明の一態様は、基油(A)(以下、「成分(A)」ともいう)、HLBが互いに異なる2種以上の界面活性剤(B)(以下、「成分(B)」ともいう)、及び潤滑油組成物の全量(100質量%)に対して5.0質量%未満の水(C)(以下、「成分(C)」ともいう)を含み、界面活性剤(B)のHLBの加重平均が7.70超9.70以下である、潤滑油組成物を提供する。
上述のように、電動車両に使用し得る潤滑油組成物は、優れた冷却性と絶縁性を兼ね備えることが必要とされ、様々な検討がされている。本発明では、通常意図的に配合しない水を敢えて所定の範囲で配合させることで、冷却性の向上を図っている。
しかしながら、基油が主成分の潤滑油組成物に、水を配合すると、水が潤滑油組成物中に分散されず、優れた冷却性が発揮されない可能性がある。そのため、本発明の潤滑油組成物においては、界面活性剤を配合するが、界面活性剤の存在に起因した潤滑油組成物の絶縁性の低下が問題となる。
このような問題に対し、本発明者らは、所定の範囲の水と共に、さらにHLBが互いに異なる2種以上の界面活性剤を含有する潤滑油組成物とすることで、優れた水分散性、冷却性および絶縁性をバランス良く向上させた潤滑油組成物となり得ることを見出した。本発明は、このような知見に基づいて完成されたものである。
なお、本発明の一態様の潤滑油組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、成分(B)以外の他の潤滑油用添加剤をさらに含有してもよい。
【0010】
本発明の一態様の潤滑油組成物において、成分(A)~(C)の合計含有量は、当該潤滑油組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、更に好ましくは98質量%以上であり、また、好ましくは100質量%未満、より好ましくは99.9質量%以下、更に好ましくは99.5質量%以下である。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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