TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2025128532
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-03
出願番号
2024025241
出願日
2024-02-22
発明の名称
タイムストレッチ分光装置及びタイムストレッチ分光法
出願人
国立大学法人 東京大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
G01J
3/12 20060101AFI20250827BHJP(測定;試験)
要約
【課題】時間的に隣合うパルスが延伸後にオーバーラップしても、高速の変調系や受信系を用いることなく元のスペクトルを復元することができるタイムストレッチ分光装置等を提供すること。
【解決手段】タイムストレッチ分光装置100は、光透過率又は反射率に関して特性を有する測定対象に対して一群のパルス光を照射することで得られる一群の計測パルス光BPに対して、パルス単位で強度変調を行う光変調器20と、一群の計測パルス光BPをタイムストレッチするパルスストレッチャ30と、各計測パルス光EPがデータとしてスパースであるとの前提で、タイムストレッチ後に時間的な重なりが生じるように合成された重畳信号SSから、一群の計測パルス光BPを個別にタイムストレッチした各伸長パルス光EPに対応する各パルス信号波長成分PSを推定する再構成を行う信号処理装置とを備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
光透過率又は反射率に関して特性を有する測定対象に対して一群のパルス光を照射することで得られる一群の計測パルス光に対して、パルス単位で強度変調を行う光変調器と、
前記一群の計測パルス光をタイムストレッチするパルスストレッチャと、
各計測パルス光がデータとしてスパースであるとの前提で、タイムストレッチ後に時間的な重なりが生じるように合成された重畳信号から、前記一群の計測パルス光を個別にタイムストレッチした各伸長パルス光に対応する各パルス信号波長成分を推定する再構成を行う信号処理装置と
を備えるタイムストレッチ分光装置。
続きを表示(約 920 文字)
【請求項2】
前記パルスストレッチャは、強度変調後の前記一群の計測パルス光をタイムストレッチする、請求項1に記載のタイムストレッチ分光装置。
【請求項3】
前記パルスストレッチャは、波長分散を有する光ファイバである、請求項1に記載のタイムストレッチ分光装置。
【請求項4】
前記光変調器は、音響光学素子及び電気光学素子のいずれかである、請求項1に記載のタイムストレッチ分光装置。
【請求項5】
前記信号処理装置は、機械学習モデルを用いて、前記重畳信号から前記各パルス信号波長成分を推定する、請求項1に記載のタイムストレッチ分光装置。
【請求項6】
前記信号処理装置は、各計測パルス光の信号成分のL
n
ノルムを含む損失関数を最小にする、請求項1に記載のタイムストレッチ分光装置。
【請求項7】
測定対象に照射される前記一群のパルス光を射出することによって前記測定対象に前記一群の計測パルス光を生成させるパルス光源を備える請求項1に記載のタイムストレッチ分光装置。
【請求項8】
前記一群の計測パルス光を第1波長域から第2波長域に波長変換する波長変換器
を備える請求項1に記載のタイムストレッチ分光装置。
【請求項9】
前記光変調器は、前記一群の計測パルス光をパルス単位でランダムに振幅変調する、請求項1に記載のタイムストレッチ分光装置。
【請求項10】
光吸収率又は反射率に関して特性を有する測定対象に対して一群のパルス光を照射することで得られる一群の計測パルス光に対して、パルス単位で強度変調を行うステップと、
前記一群の計測パルス光をタイムストレッチするステップと、
各計測パルス光がデータとしてスパースであるとの前提で、タイムストレッチ後に時間的な重なりが生じるように合成された重畳信号から、前記一群の計測パルス光を個別にタイムストレッチした各伸長パルス光に対応する各パルス信号波長成分を推定する再構成を行うステップと
を備えるタイムストレッチ分光法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、計測したパルス光を時間的に延伸し波長と時間との間に対応関係を持たせるタイムストレッチ分光法を基礎として、圧縮センシングの手法を用いることによって重畳したパルスを分解するタイムストレッチ分光装置及びタイムストレッチ分光法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
マイクロ秒等の短い時間スケールで光吸収率あるいは反射率が変動する対象を測定する手法として、タイムストレッチ分光法が存在する。タイムストレッチ分光法では、計測によって得られた光パルスに大きな2次分散を付与することでパルスを時間的に延伸された状態にし、そのような伸長パルスの時間波形を検出する。伸長パルスの時間波形は、時間-波長の1対1対応関係を有しており、かかる時間波形から波長(又は周波数)スペクトルを得ることができる。タイムストレッチ分光法では、パルスの繰り返し周波数が取得レートに対応しているので、例えば10MHz級の超高取得レートで分光が可能である。また、他手法であるフーリエ変換分光法と比較し、信号対雑音比に優れる利点もある。
【0003】
旧来のタイムストレッチ分光法では、時間的に隣合うパルスが延伸後にオーバーラップしないように、パルス伸長量やパルス繰り返し周波数(計測間隔の逆数)を調整している。伸長パルスがオーバーラップしない条件の元で、1スペクトルあたり測定点数をN、スペクトル取得時間間隔をδτとして、受信系の電気帯域を考慮した受信系のアナログデジタル変換器の実効サンプリングレートfRは、N/δτ(N=Δν/δν、ここで、Δνは周波数帯域であり、δν周波数分解能である)より大きくする必要がある。例えば、測定点数N、スペクトル取得時間間隔δτとして、12.5ns程度を仮定すると、fRは、6.4GHz程度より大きくする必要がある。しかしながら、fR=5GHz以上のアナログデジタル変換器は、高コストのため、実用化の大きな障害となる。
【0004】
アナログデジタル変換器の帯域に関する問題を緩和する先行技術として、時間伸長されたパルスを既知の変調パターンを用いて強度変調し、低速の受信系を用いて受信したあと、変調パターンと計測波形とを用いてスペクトルを復元する手法がある(非特許文献1参照)。この手法は、変調系において、本来受信系に必要だった帯域と同程度(約5GHz)に高速な光強度変調器やデジタルアナログ変換器が必要になるため、コスト改善効果が低い。
【0005】
なお、圧縮センシング(CS)という技術をタイムストレッチイメージングに適用し、重複するタイムストレッチパルスの分解を試みた研究がある(非特許文献2参照)。この研究の方法は、イメージング専用に設計された固定空間マスクに依存するものであるため、他分野のタイムストレッチ分光には適していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
R. Li, et al. ACS Photonics 2023, 10, 7, 2399-2406
C. Lei, et al. IEEE Photon. J. 9, 1 (2017).
【発明の概要】
【0007】
本発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、時間的に隣合うパルスが延伸後にオーバーラップしても、高速の変調系や受信系を用いることなく元のスペクトルを復元することができるタイムストレッチ分光装置及びタイムストレッチ分光法を提供することを目的とする。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係るタイムストレッチ分光装置は、光透過率又は反射率に関して特性を有する測定対象に対して一群のパルス光を照射することで得られる一群の計測パルス光に対して、パルス単位で強度変調を行う光変調器と、一群の計測パルス光をタイムストレッチするパルスストレッチャと、各計測パルス光がデータとしてスパースであるとの前提で、タイムストレッチ後に時間的な重なりが生じるように合成された重畳信号から、一群の計測パルス光を個別にタイムストレッチした各伸長パルス光に対応する各パルス信号波長成分を推定する再構成を行う信号処理装置とを備える。
【0009】
上記タイムストレッチ分光装置では、信号処理装置が、各計測パルス光がデータとしてスパースであるとの前提で、タイムストレッチ後に時間的な重なりが生じるように合成された重畳信号から、一群の計測パルス光を個別にタイムストレッチした各伸長パルス光に対応する各パルス信号波長成分を推定する再構成を行うので、タイムストレッチ後の一群の計測パルス光に含まれる各伸長パルス光をデータとして分離することができる。つまり、高速の変調系や受信系を用いることなく各計測パルス光に対して重畳を許容するタイムストレッチを行いつつ、タイムストレッチ後の一群の計測パルス光に含まれる個々のスペクトル情報をパルス信号波長成分として復元することができる。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係るタイムストレッチ分光法は、光透過率又は反射率に関して特性を有する測定対象に対して一群のパルス光を照射することで得られる一群の計測パルス光に対して、パルス単位で強度変調を行うステップと、一群の計測パルス光をタイムストレッチするステップと、各計測パルス光がタイムストレッチ後にデータとしてスパースであるとの前提で、タイムストレッチ後に時間的な重なりが生じるように合成された重畳信号から、一群の計測パルス光を個別にタイムストレッチした各伸長パルス光に対応する各パルス信号波長成分を推定する再構成を行うステップとを備える。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
特許ウォッチbot のツイートを見る
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
関連特許
国立大学法人 東京大学
プロペラ
4か月前
国立大学法人 東京大学
せん妄判定方法
19日前
国立大学法人 東京大学
腸管壁保持装置
5か月前
国立大学法人 東京大学
化学センサ用基材
3か月前
国立大学法人東京農工大学
タンクモジュール
5か月前
国立大学法人 東京大学
微粒子分離システム
3か月前
国立大学法人 東京大学
てんかんの検出方法
5か月前
国立大学法人 東京大学
ソフトエクソスーツ
3か月前
国立大学法人 東京大学
振動変換器及び噴霧器
3か月前
国立大学法人 東京大学
超音波モータシステム
10日前
国立大学法人 東京大学
超音波モータシステム
10日前
国立大学法人 東京大学
超音波モータシステム
10日前
国立大学法人 東京大学
光学装置及びレーザー
1か月前
AGC株式会社
組成物
2か月前
国立大学法人 東京大学
結晶、及びその製造方法
1か月前
国立大学法人 東京大学
粘性の測定装置及び方法
5か月前
国立大学法人 東京大学
生分解性ポリマー複合材料
4か月前
国立大学法人 東京大学
テラヘルツ帯同期検波回路
9日前
国立大学法人 東京大学
制御装置、および制御方法
5か月前
国立大学法人 東京大学
テラヘルツ波帯位相変調回路
9日前
国立大学法人 東京大学
消化管幹細胞活性化用組成物
4か月前
国立大学法人 東京大学
嗅覚受容体の応答感度増強剤
1か月前
国立大学法人 東京大学
炭酸カルシウム結晶の製造方法
4か月前
国立大学法人 東京大学
情報処理装置、及びプログラム
3日前
住友化学株式会社
原子力電池
2か月前
国立大学法人 東京大学
血糖制御能力の推定方法及び装置
5か月前
国立大学法人 東京大学
搬送トレイおよびワーク作業装置
5か月前
国立大学法人 東京大学
スピーカー及びオーディオシステム
4か月前
株式会社アイシン
有機酸除去方法
2か月前
国立大学法人 東京大学
光デバイス及びコヒーレント受信器
4日前
古河電気工業株式会社
超電導モータ
11日前
国立大学法人 東京大学
ホウ素含有化合物及びそれを含む医薬
24日前
ダイキン工業株式会社
層及び構造体
2か月前
国立大学法人 東京大学
皮膚微生物叢を制御するための溶菌剤
2か月前
国立大学法人 東京大学
静電容量式センサ及びロボットシステム
15日前
日本特殊陶業株式会社
超音波発生装置
3か月前
続きを見る
他の特許を見る