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公開番号
2025120930
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-18
出願番号
2025009630
出願日
2025-01-23
発明の名称
合成石英ガラス粉の製造方法及びシリカガラス粉の製造方法並びに石英ガラス製品の製造方法
出願人
信越石英株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C03B
20/00 20060101AFI20250808BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約
【課題】石英ガラス製品の製造の際の溶融時における泡の発生を抑制することができる合成石英ガラス粉を製造する方法を提供する。
【解決手段】合成石英ガラス塊を準備する第1工程と、これを粉砕して原料合成石英ガラス粉とする第2工程と、これを分級する第3工程と、これを酸洗浄する第4工程とを有し、少なくとも第2工程及び第4工程により、原料合成石英ガラス粉の平均内部OH基濃度を増加させ、さらに、酸洗浄を経た原料合成石英ガラス粉の平均内部OH基濃度を減少させる第5工程を有する、内部に内部OH基を含有する合成石英ガラス粉の製造方法であって、第1工程の合成石英ガラス塊の平均内部OH基濃度A、第4工程で得られた原料合成石英ガラス粉の平均内部OH基濃度B、及び第5工程で得られた合成石英ガラス粉の平均内部OH基濃度Cが、特定の式で表される関係を満たすことを特徴とする合成石英ガラス粉の製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
原料となる合成石英ガラス塊を準備する第1工程と、
前記合成石英ガラス塊を粉砕して原料合成石英ガラス粉とする第2工程と、
前記原料合成石英ガラス粉を分級する第3工程と、
前記分級した原料合成石英ガラス粉を酸洗浄する第4工程と
を有し、少なくとも前記第2工程及び第4工程により、前記原料合成石英ガラス粉の平均内部OH基濃度を増加させ、
さらに、前記酸洗浄を経た原料合成石英ガラス粉の平均内部OH基濃度を減少させ、合成石英ガラス粉とする第5工程を有する、内部に内部OH基を含有する合成石英ガラス粉の製造方法であって、
前記第1工程で準備した合成石英ガラス塊の平均内部OH基濃度A、前記第4工程で得られた原料合成石英ガラス粉の平均内部OH基濃度B、前記第5工程で得られた合成石英ガラス粉の平均内部OH基濃度Cが下記式(1)又は下記式(2)の関係を満たすことを特徴とする合成石英ガラス粉の製造方法。
A≧Cの場合、(A-C)/B≦60% ・・・式(1)
C≧Aの場合、(C-A)/B≦60% ・・・式(2)
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
原料となる合成石英ガラス塊を準備する第1工程と、
前記合成石英ガラス塊を粉砕して原料合成石英ガラス粉とする第2工程と、
前記原料合成石英ガラス粉を酸洗浄する第4工程と、
前記酸洗浄を行った原料合成石英ガラス粉を分級する第3工程と、
を有し、少なくとも前記第2工程及び第4工程により、前記原料合成石英ガラス粉の平均内部OH基濃度を増加させ、
さらに、前記分級を経た原料合成石英ガラス粉の平均内部OH基濃度を減少させ、合成石英ガラス粉とする第5工程を有する、内部に内部OH基を含有する合成石英ガラス粉の製造方法であって、
前記第1工程で準備した合成石英ガラス塊の平均内部OH基濃度A、前記第1工程、前記第2工程、前記第4工程及び前記第3工程の全てを経て得られた原料合成石英ガラス粉の平均内部OH基濃度B、前記第5工程で得られた合成石英ガラス粉の平均内部OH基濃度Cが下記式(1)又は下記式(2)の関係を満たすことを特徴とする合成石英ガラス粉の製造方法。
A≧Cの場合、(A-C)/B≦60% ・・・式(1)
C≧Aの場合、(C-A)/B≦60% ・・・式(2)
【請求項3】
前記第5工程を、実質的に水分を含まない乾燥した雰囲気又は真空雰囲気で熱処理することにより行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の合成石英ガラス粉の製造方法。
【請求項4】
前記合成石英ガラス粉の全体に占める、粒径150μm超355μm以下の合成石英ガラス粉の重量が40%以上である粒度分布を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の合成石英ガラス粉の製造方法。
【請求項5】
前記合成石英ガラス粉の全体に占める粒径425μm超の合成石英ガラス粉の重量が10%以下である粒度分布を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の合成石英ガラス粉の製造方法。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に記載の合成石英ガラス粉の製造方法で製造された合成石英ガラス粉を原料として用いて、石英ガラス製品を製造することを特徴とする石英ガラス製品の製造方法。
【請求項7】
原料となるシリカガラス塊を準備する第1工程と、
前記シリカガラス塊を粉砕して原料シリカガラス粉とする第2工程と、
前記原料シリカガラス粉を分級する第3工程と、
前記原料シリカガラス粉を酸洗浄する第4工程と
を有し、少なくとも前記第2工程及び第4工程により、前記原料シリカガラス粉の平均内部OH基濃度を増加させ、
さらに、前記第1工程から前記第4工程の全てを経た前記原料シリカガラス粉の平均内部OH基濃度を減少させ、シリカガラス粉とする第5工程を有する、内部に内部OH基を含有するシリカガラス粉の製造方法であって、
前記第1工程で準備したシリカガラス塊の平均内部OH基濃度A、前記第1工程から前記第4工程の全てを経て得られた原料シリカガラス粉の平均内部OH基濃度B、前記第5工程で得られたシリカガラス粉の平均内部OH基濃度Cが下記式(1)又は下記式(2)の関係を満たすことを特徴とするシリカガラス粉の製造方法。
A≧Cの場合、(A-C)/B≦60% ・・・式(1)
C≧Aの場合、(C-A)/B≦60% ・・・式(2)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成石英ガラス粉の製造方法及びシリカガラス粉の製造方法並びに石英ガラス製品の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
光通信分野や半導体分野等に用いられる石英ガラス製品は高純度であることが求められる。このような石英ガラス製品を製造する方法として、ゾルゲル法やガラス塊粉砕法などで作製された合成石英ガラス粉を溶融して所望の製品を得る方法が知られている。石英ガラス製品の製造の際、溶融時に泡(気泡)が発生すると問題となるのであるが、その泡の発生源の1つとして合成石英ガラス粉に含まれる内部OH(シラノール)基の存在がある。
【0003】
合成石英ガラス粉の製造方法の1つであるゾルゲル法とは、金属アルコキシドを加水分解し得られたシリカゲルを乾燥し、これを焼成して、例えば、シリコン単結晶引上げ用るつぼに用いられる合成石英ガラス粉を得る方法である。しかしながら、このゾルゲル法の場合、加水分解・ゲル化時に有していたOH(シラノール)基が、焼成後も粒子中に残留内部OH基として残るため、高い内部OH基量を有するといった問題点を抱えている。そこで、特許文献1に示すような水蒸気分圧の低い雰囲気で焼成を行い、内部OH基濃度を下げる方法などが知られている。
【0004】
ところが、特許文献2に記載の通り、実際にシリカゲル粉末を容器に入れて焼成すると、得られる合成石英ガラス粉の内部OH基濃度は、焼成時の容器内での位置により大きなバラつきが発生するということが知られている。この方法において、具体的には、50~80ppm程度と、30ppm程度もバラつく。これを防ぐため、耐熱容器内に、熱伝導性の良好な耐熱性の構造物を該シリカゲル粉末内に挿入して焼成することで、内部OH基濃度の位置によるバラつきを抑制している。
【0005】
その他の方法として、特許文献3では耐熱容器に充填したシリカゲル粉末の内部に露点-30℃以下の脱湿ガスを導入しながら焼成したり、特許文献4では、シリカゲル粉末を焼成して合成石英ガラス粉末を製造するに際し、シリカゲル粉末を焼成後、得られた合成石英ガラス粉末を、内部OH基濃度の測定値バラつきが±5%以内になるまで混合したりすることで、内部OH基濃度の容器内バラつきを低減している。ところが、これらのような方法により、上記容器内バラつきを低減させてもなお、未だ石英ガラス製品の製造の際、溶融時に泡が発生していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平2-289416号公報
特開平8-175821号公報
特開平8-26741号公報
特開平10-182140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように、石英ガラス製品の製造の際、溶融時に泡が発生する問題が生じていた。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、石英ガラス製品の製造の際の溶融時における泡の発生を抑制することができる合成石英ガラス粉を製造する方法及びシリカガラス粉を製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、原料となる合成石英ガラス塊を準備する第1工程と、前記合成石英ガラス塊を粉砕して原料合成石英ガラス粉とする第2工程と、前記原料合成石英ガラス粉を分級する第3工程と、前記分級した原料合成石英ガラス粉を酸洗浄する第4工程とを有し、少なくとも前記第2工程及び第4工程により、前記原料合成石英ガラス粉の平均内部OH基濃度を増加させ、さらに、前記酸洗浄を経た原料合成石英ガラス粉の平均内部OH基濃度を減少させ、合成石英ガラス粉とする第5工程を有する、内部に内部OH基を含有する合成石英ガラス粉の製造方法であって、前記第1工程で準備した合成石英ガラス塊の平均内部OH基濃度A、前記第4工程で得られた原料合成石英ガラス粉の平均内部OH基濃度B、前記第5工程で得られた合成石英ガラス粉の平均内部OH基濃度Cが下記式(1)又は下記式(2)の関係を満たすことを特徴とする合成石英ガラス粉の製造方法を提供する。
A≧Cの場合、(A-C)/B≦60% ・・・式(1)
C≧Aの場合、(C-A)/B≦60% ・・・式(2)
【0010】
このような合成石英ガラス粉の製造方法は、各工程における合成石英ガラス粉の平均内部OH基濃度をコントロールすることができる。これにより、粉の粒径間の内部OH基濃度差を狭い範囲に収められるようになる。これにより、石英ガラス製品の製造の際の溶融において、内部OH基濃度の違いによる溶融ムラの発生を抑制できる。その結果、石英ガラス製品における泡(気泡)の発生を抑制することができる合成石英ガラス粉を得ることができる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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