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公開番号2025118032
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-13
出願番号2024013087
出願日2024-01-31
発明の名称乳酸菌乾燥物の製造方法
出願人個人,個人,個人
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類C12N 1/20 20060101AFI20250805BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】より簡易な製造設備で、より菌数の多い乳酸菌乾燥物を製造可能な技術を提供する。
【解決手段】ラクトバチルスファーメンタムの純粋培養工程と、ラクトバチルスファーメンタムの純粋培養溶液に、トレハロース、タピオカ、きな粉、オリゴ糖、グルコース、酵素、ペプトン、デキストリン、及びNaCLを加えて副資材とする、混合工程と、副資材に精製水を加えた混合物を、撹拌して練り状とする撹拌工程と、撹拌工程にて撹拌した混合物を、所定の第1温度に所定の第1時間保温することで、前記ラクトバチルスファーメンタムを増殖させる増殖工程と、ラクトバチルスファーメンタムを増殖させた後の混合物を、乾燥機で所定の第2温度に所定の第2時間保温することで乾燥させる乾燥工程と、乾燥工程において乾燥させた混合物をすり潰して粉末にする粉末化工程と、を有する。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
ラクトバチルスファーメンタムの純粋培養工程と、
前記ラクトバチルスファーメンタムの純粋培養溶液に、トレハロース、タピオカ、きな粉、オリゴ糖、グルコース、酵素、ペプトン、デキストリン、及びNaCLを加えて副資材とする、混合工程と、
前記副資材に精製水を加えた混合物を、撹拌して練り状とする撹拌工程と、
前記撹拌工程にて撹拌した前記混合物を、所定の第1温度に所定の第1時間保温することで、前記ラクトバチルスファーメンタムを増殖させる増殖工程と、
前記ラクトバチルスファーメンタムを増殖させた後の前記混合物を、乾燥機内で所定の第2温度に所定の第2時間保温することで乾燥させる乾燥工程と、
前記乾燥工程において乾燥させた前記混合物をすり潰して粉末にする粉末化工程と、
を有することを特徴とする、乳酸菌乾燥物の製造方法。
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
前記増殖工程において、前記ラクトバチルスファーメンタムを増殖させた後の前記混合物のPHは、3.0以上3.4以下であることを特徴とする、請求項1に記載の乳酸菌乾燥物の製造方法。
【請求項3】
前記混合工程における前記副資材は、前記ラクトバチルスファーメンタムの純粋培養溶液100%に、トレハロース60%、タピオカ15%、きな粉10%、オリゴ糖4%、グルコース5%、酵素1%、ペプトン2%、デキストリン2%、NaCL1%、を加えたものであることを特徴とする、請求項1に記載の乳酸菌乾燥物の製造方法。
【請求項4】
前記撹拌工程においては、前記副資材20%、精製水80%の比率で、前記副資材に精製水を加えて100%とし、撹拌して練り状とし、
前記増殖工程における、前記第1温度を、35℃以上40℃以下の温度とするとともに、前記第1時間を45時間以上50時間以下とし、
前記乾燥工程における第2温度を、35℃以上40℃以下の温度とするとともに、前記第2時間を70時間以上75時間以下とすることを特徴とする、請求項3に記載の乳酸菌乾燥物の製造方法。
【請求項5】
前記粉末化工程においては、ミルによって、乾燥させた前記混合物をすり潰して粉末化し、ミルのメッシュを4μmに設定することを特徴とする、請求項4に記載の乳酸菌乾燥物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、より確実に、より高い菌数の乳酸菌を含む乳酸菌乾燥物の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、例えば健康食品や家畜の飼料等に使用される、高純度の乳酸菌を含む粉体の乾燥物(乳酸菌乾燥物)が知られている。そのような乳酸菌乾燥物の製造方法に関して、一例として、ラクトバチルスファーメンタム(Lactobacillus fermentum)の純粋培養液1.5%、スキムミルク4%、天然塩0.5%~1.5%、糖蜜1%、グルタミン酸ソーダ0.5%、片栗粉2%~6%、脱脂大豆粉3%~9%を、精製水100%に対して攪拌混合し、所定時間の増殖工程の後に、150℃~180℃の入口温度であって75℃~87℃の出口温度に設定したスプレードライヤーにて噴霧乾燥して、ラクトバチルスファーメンタムの生菌数が1.1×10

cfu/g~1.2×10
10
cfu/gであると共に平均粒径が1μm~9μmの粉体状の乳酸菌乾燥物を得る乳酸菌乾燥物製造方法が提案されていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記のような乳酸菌乾燥物製造方法においては、ラクトバチルスファーメンタムの純粋培養液への添加物が最適化されているとは言えず、また、噴霧乾燥時に乾燥ムラが生じ易い不都合があった。結果として、粉体とする際の死菌数が比較的多く、生菌数が最適化されているとは言えなかった。また、スプレードライヤーの使用を前提としているため、設備が高額になる場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第4067474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、より簡易な製造設備で、より生菌数の多い乳酸菌乾燥物を製造可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するための本発明は、ラクトバチルスファーメンタムの純粋培養工程と、
前記ラクトバチルスファーメンタムの純粋培養溶液に、トレハロース、タピオカ、きな粉、オリゴ糖、グルコース、酵素、ペプトン、デキストリン、及びNaCLを加えて副資材とする、混合工程と、
前記副資材に精製水を加えた混合物を、撹拌して練り状とする撹拌工程と、
前記撹拌工程にて撹拌した前記混合物を、所定の第1温度に所定の第1時間保温することで、前記ラクトバチルスファーメンタムを増殖させる増殖工程と、
前記ラクトバチルスファーメンタムを増殖させた後の前記混合物を、乾燥機内で所定の第2温度に所定の第2時間保温することで乾燥させる乾燥工程と、
前記乾燥工程において乾燥させた前記混合物をすり潰して粉末にする粉末化工程と、
を有することを特徴とする、乳酸菌乾燥物の製造方法である。
【0007】
ここで、乳酸菌乾燥物の製造方法において、ラクトバチルスファーメンタムの純粋培養液に、スキムミルク、天然塩、糖蜜、グルタミン酸ソーダ、片栗粉、脱脂大豆粉を加えて
副資材とした場合では、なお死菌が多く、効率的に生菌を培養することが困難であった。それに対し、発明者らの鋭意研究により、ラクトバチルスファーメンタムの純粋培養溶液に、トレハロース、タピオカ、きな粉、オリゴ糖、グルコース、酵素、ペプトン、デキストリン、及びNaCLを加えて副資材とすることで、死菌を減少させ、より確実に生菌を増殖させることが可能なことが分かった。従って、上記の副資材により、より多い生菌を含む乳酸菌乾燥物を得ることが可能となる。
【0008】
また、本発明の乾燥工程においては、ラクトバチルスファーメンタムを増殖させた後の混合物を、乾燥機内で所定の第2温度に所定の第2時間保温することで乾燥させる。これにより、ラクトバチルスファーメンタムを増殖させた後の混合物をムラなく乾燥することができ、より多い生菌を含む乳酸菌乾燥物を得ることが可能となる。また、一般にスプレードライヤーと比較して、単純に保温機能を有する乾燥機は安価であることから、設備費用を低減させることが可能である。
【0009】
また、本発明においては、増殖工程において、ラクトバチルスファーメンタムを増殖させた後の混合物のPHは、3.0以上3.4以下としてもよい。ここで、乳酸菌は乳酸を出すため、混合物における生菌数が多ければPHの値は小さくなる傾向がある。従って、本発明においては、増殖工程において、時間の経過とPHの値との関係を管理し、混合物のPHが3.0以上3.4以下なるようにすることで、より確実に、増殖工程においてラクトバチルスファーメンタムを増殖させた後の混合物における、生菌数を充分な値とすることが可能である。
【0010】
なお、より望ましくは、本発明においては、増殖工程において、時間の経過とPHの値との関係を管理し、ラクトバチルスファーメンタムを増殖させた後の混合物のPHを3.2としてもよい。これにより生菌数について最大の安定値を得ることが可能である。従来の方法においては、乳酸酸を増殖させた後のPHは3.9~4.2とされており、強酸でない為に腐乱環境によって死菌が多くなり生菌の活躍が損なわれていた。本発明によれば、より確実に生菌を増殖させることが可能となる。
(【0011】以降は省略されています)

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