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公開番号2025115799
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-07
出願番号2024010449
出願日2024-01-26
発明の名称熱電材料および熱電材料の製造方法
出願人国立大学法人東北大学
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類H10N 10/857 20230101AFI20250731BHJP()
要約【課題】毒性が低く、安価であり、かつ、高温において優れた無次元性能指数zTを有するMg-Ge系熱電材料を提供する。
【解決手段】本実施形態に係る熱電材料は、Mgと、とGe、キャリアをドープするドープ元素Xと、を含有し、単一の結晶からなる単結晶体または異相の析出物が存在する単一の結晶からなる単結晶体であり、Mgの空孔欠陥の比率であるαが0%超、20.0%以下であり、刃状転位が存在する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
Mgと、
Geと、
キャリアをドープするドープ元素Xと、
を含有し、
単一の結晶からなる単結晶体または異相の析出物が存在する単一の結晶からなる単結晶体であり、
前記Mgの空孔欠陥の比率であるαが0%超、20.0%以下であり、
刃状転位を有する、熱電材料。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記Mgと前記Geと前記ドープ元素Xとのモル比(Mg:Ge:X)が下記(1)式または(2)式を満たし、かつ、下記(3)式を満たす、請求項1に記載の熱電材料。
Mg:Ge:X=2×(100-α)/100:1-a:a・・・・(1)
Mg:Ge:X=2×(100-α)/100-a:1:a・・・・(2)
0<a≦0.12・・・・(3)
【請求項3】
前記ドープ元素Xが、Li、Cu、Ga、Ag、Sn、Sb、およびBiからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1または2に記載の熱電材料。
【請求項4】
前記Mg、前記Ge、および前記ドープ元素Xのいずれか1種の原子半径よりも小さい原子半径を有する圧力印加元素Zをさらに含有する、請求項1または2に記載の熱電材料。
【請求項5】
前記圧力印加元素ZがB、およびSiからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項4に記載の熱電材料。
【請求項6】
前記Mgと前記Geと前記ドープ元素Xと前記圧力印加元素Zとのモル比(Mg:Ge:X:Z)が下記(4)式~下記(7)式のうち、いずれか1つの式を満たし、かつ、下記(8)式および下記(9)式を満たす請求項5に記載の熱電材料。
Mg:Ge:X:Z=2×(100-α)/100:1-a-b:a:b・・・・(4)Mg:Ge:X:Z=2×(100-α)/100-a-b:1:a:b・・・・(5)
Mg:Ge:X:Z=2×(100-α)/100-a:1-b:a:b・・・・(6)
Mg:Ge:X:Z=2×(100-α)/100-b:1-a:a:b・・・・(7)
0<a≦0.12・・・(8)
0<b≦0.05・・・(9)
【請求項7】
前記刃状転位の密度が、1.0×10
16
~1.0×10
18

―2
である、請求項1または2に記載の熱電材料。
【請求項8】
Mgと、
Geと、
キャリアをドープするドープ元素Xと、
を少なくとも混合して混合物を作製後、
不活性ガス中で前記混合物の温度が溶融温度となるまで加熱することで、前記混合物を溶融し、
前記混合物の溶融後、前記不活性ガスの圧力p[atm]が下記(10)式を満たし、かつ、前記混合物の温度が前記溶融温度から徐冷停止温度となるまでの平均冷却速度が16.7K/h以下となるように冷却する、熱電材料の製造方法。
0≦p≦48・・・(10)
【請求項9】
前記Mgと前記Geと前記ドープ元素Xとのモル比(Mg:Ge:X)が下記(11)式または(12)式を満たし、かつ下記(13)式および下記(14)式を満たす、請求項8に記載の熱電材料の製造方法。
Mg:Ge:X=d:1-a:a・・・・(11)
Mg:Ge:X=d-a:1:a・・・・(12)
1.8≦d≦2.2・・・・(13)
0<a≦0.12・・・・(14)
【請求項10】
前記ドープ元素Xが、Li、Cu、Ga、Ag、Sn、Sb、およびBiからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項9に記載の熱電材料の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱電材料および熱電材料の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
廃熱から電気エネルギーを得ることができる熱電材料の開発が進められている。熱電材料としては、Bi

Sb

、PbTeなどが知られている。しかし、従来の熱電材料は、構成元素が希少であり、またTeなどは毒性が高いという問題がある。
【0003】
毒性が低く、かつ安価である熱電材料としては、MgとSnとからなるMg-Sn系の熱電材料がある。Mg-Sn系の熱電材料であるMg

Snは、電気伝導率が低く、熱伝導率が高いため、熱電材料の性能を示す無次元性能指数zTが低いという問題があった。ここで、zTはPF×T/κで表され、PFは出力因子、Tは絶対温度、κは熱伝導率である。
【0004】
Mg-Sn系熱電材料のzTを向上した技術として、特許文献1には、Mgと、Snと、キャリアをドープするドープ元素Xと、を含有し、単一の結晶からなる単結晶体であり、前記Mgの空孔欠陥の比率であるαが0%超、20.0%以下である、熱電材料が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-125757号公報
【非特許文献】
【0006】
Kamila et al., Adv. Sci. 7 (2020) 2000070
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現在、毒性が低く、安価であり、かつ、特許文献1のMg-Sn系熱電材料よりも高温での発電性能に優れた熱電材料が求められている。
【0008】
本発明は、上記の課題を鑑みてなされた発明であり、毒性が低く、安価であり、かつ、高温において優れた無次元性能指数zTを有するMg-Ge系熱電材料および熱電材料の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
(1)本発明の態様1の熱電材料は、
Mgと、
Geと、
キャリアをドープするドープ元素Xと、
を含有し、
単一の結晶からなる単結晶体または異相の析出物が存在する単一の結晶からなる単結晶体であり、
前記Mgの空孔欠陥の比率であるαが0%超、20.0%以下であり、
刃状転位を有する、熱電材料。
(2)本発明の態様2は、態様1の熱電材料において、
前記Mgと前記Geと前記ドープ元素Xとのモル比(Mg:Ge:X)が下記(1)式または(2)式を満たし、かつ、下記(3)式を満たしてもよい。
Mg:Ge:X=2×(100-α)/100:1-a:a・・・・(1)
Mg:Ge:X=2×(100-α)/100-a:1:a・・・・(2)
0<a≦0.12・・・・(3)
(3)本発明の態様3は、態様1または態様2の熱電材料において、
前記ドープ元素Xが、Li、Cu、Ga、Ag、Sn、Sb、およびBiからなる群から選択される少なくとも1種であってもよい。
(4)本発明の態様4は、態様1~3のいずれか1つの熱電材料において、
前記Mg、前記Ge、および前記ドープ元素Xのいずれか1種の原子半径よりも小さい原子半径を有する圧力印加元素Zをさらに含有してもよい。
(5)本発明の態様5は、態様4の熱電材料において、
前記圧力印加元素ZがB、およびSiからなる群から選択される少なくとも1種であってもよい。
(6)本発明の態様6は、態様4または5の熱電材料において、前記Mgと前記Geと前記ドープ元素Xと前記圧力印加元素Zとのモル比(Mg:Ge:X:Z)が下記(4)式~下記(7)式のうち、いずれか1つの式を満たし、かつ、下記(8)式および下記(9)式を満たしてもよい。
Mg:Ge:X:Z=2×(100-α)/100:1-a-b:a:b・・・・(4)Mg:Ge:X:Z=2×(100-α)/100-a-b:1:a:b・・・・(5)
Mg:Ge:X:Z=2×(100-α)/100-a:1-b:a:b・・・・(6)
Mg:Ge:X:Z=2×(100-α)/100-b:1-a:a:b・・・・(7)
0<a≦0.12・・・(8)
0<b≦0.05・・・(9)
(7)本発明の態様7は、態様1~6のいずれか1つの熱電材料において、
前記刃状転位の密度が、1.0×10
16
~1.0×10
18
(m
―2
)であってもよい。
(8)本発明の態様8の熱電材料の製造方法は、
Mgと、
Geと、
キャリアをドープするドープ元素Xと、
を少なくとも混合して混合物を作製後、
不活性ガス中で前記混合物の温度が溶融温度となるまで加熱することで、前記混合物を溶融し、
前記混合物の溶融後、前記不活性ガスの圧力p[atm]が下記(10)式を満たし、かつ、前記混合物の温度が前記溶融温度から徐冷停止温度となるまでの平均冷却速度が16.7K/h以下となるように冷却する。
0≦p≦48・・・(10)
(9)本発明の態様9は、態様8の熱電材料の製造方法において、
前記Mgと前記Geと前記ドープ元素Xとのモル比(Mg:Ge:X)が下記(11)式または(12)式を満たし、かつ下記(13)式および下記(14)式を満たしてもよい。
Mg:Ge:X=d:1-a:a・・・・(11)
Mg:Ge:X=d-a:1:a・・・・(12)
1.8≦d≦2.2・・・・(13)
0<a≦0.12・・・・(14)
(10)本発明の態様10は、態様8または態様9の熱電材料の製造方法において、
前記ドープ元素Xが、Li、Cu、Ga、Ag、Sn、Sb、およびBiからなる群から選択される少なくとも1種であってもよい。
(11)本発明の態様11は、態様8~10のいずれか1つの熱電材料の製造方法において、前記混合物が、前記Mg、前記Ge、および前記ドープ元素Xのいずれか1種の原子半径よりも小さい原子半径を有する圧力印加元素Zをさらに含有してもよい。
(12)本発明の態様12は、態様9の熱電材料の製造方法において、前記圧力印加元素ZがB、およびSiからなる群から選択される少なくとも1種であってもよい。
(13)本発明の態様13は、態様11または12の熱電材料の製造方法において、
【発明の効果】
【0010】
本発明の上記各態様によれば、毒性が低く、安価であり、かつ、高温において優れた無次元性能指数zTを有するMg-Ge系熱電材料および熱電材料の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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