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公開番号2025115119
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-06
出願番号2024009469
出願日2024-01-25
発明の名称モータシステム
出願人マツダ株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H02K 9/12 20060101AFI20250730BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】CO2冷媒を潤滑に用いる滑り軸受を備えたモータシステムにおいて、ロータシャフトとハウジングとの間からCO2冷媒が漏れ出ることを抑制することが可能なモータシステムを提供する。
【解決手段】モータシステムSは、滑り軸受20の摺動面22に連通する第1冷媒供給通路18bを備え、滑り軸受20は、第1冷媒供給通路18bを通して、支持空間22aへ供給された超臨界流体のCO2冷媒Rによって潤滑されるように構成されており、モータシステムSは、少なくともハウジング15を貫通して延びてハウジング15の内部空間15bに連通する第2冷媒供給通路18cを更に備え、第2冷媒供給通路18cは、超臨界流体のCO2冷媒Rを膨張させるための膨張室118bを備え、膨張室118bからシール室50の近傍を通ってハウジング15の内部空間15bに連通するように構成されている。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
軸方向に延びるロータシャフトと、前記ロータシャフトを回転可能に支持する滑り軸受と、前記滑り軸受を保持するハウジングと、前記ハウジングから外部へ延びる前記ロータシャフトの端部と前記ハウジングとの間をシールするシール部材と、を備えるモータシステムであって、
前記ハウジングは、貫通孔によって前記ハウジングの外部と連通するシール室に前記シール部材を収容すると共に、前記シール室と前記ハウジングの内部空間とを連通する軸受室に前記滑り軸受を保持しており、
前記モータシステムは、前記ハウジング及び前記滑り軸受を貫通して延びて、前記ロータシャフトに対する前記滑り軸受の摺動面に連通する第1冷媒供給通路を更に備え、前記滑り軸受は、前記第1冷媒供給通路を通して、前記滑り軸受と前記ロータシャフトとの間の支持空間へ供給された超臨界流体のCO
2
冷媒によって潤滑されるように構成されており、
前記モータシステムは、少なくとも前記ハウジングを貫通して延びて前記ハウジングの内部空間に連通する第2冷媒供給通路を更に備え、前記第2冷媒供給通路は、超臨界流体の前記CO
2
冷媒を膨張させるための膨張室を備え、前記膨張室から前記シール室の近傍を通って前記ハウジングの内部空間に連通するように構成されている、モータシステム。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
超臨界流体の前記CO
2
冷媒を前記第1冷媒供給通路及び前記第2冷媒供給通路に供給する冷媒循環システムを更に備えている、請求項1に記載のモータシステム。
【請求項3】
前記冷媒循環システムは、
前記ハウジングから回収した気体の前記CO
2
冷媒を圧縮し超臨界流体の前記CO
2
冷媒を生成する圧縮機と、
前記圧縮機から出力された前記CO
2
冷媒を凝縮し外部環境と熱交換し、超臨界流体の前記CO
2
冷媒を前記第1冷媒供給通路及び前記第2冷媒供給通路へ供給する凝縮器と、を備える、請求項2に記載のモータシステム。
【請求項4】
前記シール室は、前記第1冷媒供給通路及び前記支持空間を通って供給される前記CO
2
冷媒を保持するように構成されている、請求項1に記載のモータシステム。
【請求項5】
前記冷媒循環システムは、少なくとも気体の前記CO
2
冷媒を前記ハウジング内から回収する、請求項2に記載のモータシステム。
【請求項6】
前記第1冷媒供給通路と前記第2冷媒供給通路は、前記ハウジングを貫通して延びる主冷媒供給通路から分岐するように形成されている、請求項1に記載のモータシステム。
【請求項7】
前記シール部材は、前記貫通孔を取り囲むように前記シール室に固定された環状の固定シール部材と、前記ロータシャフトに固定された環状の回転シール部材と、を備え、
前記ロータシャフトの回転時に、前記固定シール部材と前記回転シール部材は摺動する、請求項1に記載のモータシステム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、モータシステムに関し、特に滑り軸受を有するモータシステムに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、電気モータのロータシャフトは、転がり軸受や滑り軸受によって支持されるように構成される。例えば、特許文献1に記載の電気モータでは、ロータシャフトは、転がり軸受によって支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2023-17291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、電気モータの回転速度が高速になると(例えば、30,000rmp超)、転がり軸受は転がり疲労が問題となる。これを回避するため、このような超高速回転モータでは、転がり軸受に代えて、オイル潤滑滑り軸受を採用してもよい。オイル潤滑滑り軸受では、オイルが滑り軸受に供給される。しかしながら、この場合、超高速回転モータでは、オイルが有する粘性に起因して、ロータシャフトの高速回転時における攪拌抵抗損失が問題となる。
【0005】
近年、車両などにおいて、環境に配慮して、冷凍サイクルで自然冷媒(例えばCO
2
冷媒など)を用いる技術が開発されている。CO
2
冷媒の冷凍サイクルでは、CO
2
冷媒は、圧力及び温度に応じて、気体、液体、気液混合、超臨界流体の4つの状態に変化する。
【0006】
そこで、本発明者は、滑り軸受において、オイルに代えてCO
2
冷媒を用いることを検討した。すなわち、CO
2
冷媒(超臨界流体)が滑り軸受の潤滑に用いられ、潤滑に用いられたCO
2
冷媒がコイル端の冷却に用いられる。この場合、コイル端で熱交換した後のCO
2
冷媒(気体)はオイルと比べて粘性が大幅に小さいため、このようなCO
2
冷媒の使用は、所定の粘性を有する液体のオイル冷媒と比べて、攪拌抵抗損失を極めて小さくすることができる。
【0007】
しかしながら、本発明者は、この場合、超臨界流体のCO
2
冷媒の一部が滑り軸受付近で気化してしまうと、CO
2
ガスが、ロータシャフトとハウジングとの間のシール部材から外部に漏れ出しまうという新たな解決課題を見出した。この課題に対応するため、液体用のシール部材ではなく気体用のシール部材(例えば、メカニカルシール)を採用してもよいが、この場合、装置構造が複雑で製造コストが高くなってしまう。
【0008】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、CO
2
冷媒を潤滑に用いる滑り軸受を備えたモータシステムにおいて、ロータシャフトとハウジングとの間からCO
2
冷媒が漏れ出ることを抑制することが可能なモータシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明は、軸方向に延びるロータシャフトと、ロータシャフトを回転可能に支持する滑り軸受と、滑り軸受を保持するハウジングと、ハウジングから外部へ延びるロータシャフトの端部とハウジングとの間をシールするシール部材と、を備えるモータシステムであって、ハウジングは、貫通孔によってハウジングの外部と連通するシール室にシール部材を収容すると共に、シール室とハウジングの内部空間とを連通する軸受室に滑り軸受を保持しており、モータシステムは、ハウジング及び滑り軸受を貫通して延びて、ロータシャフトに対する滑り軸受の摺動面に連通する第1冷媒供給通路を更に備え、滑り軸受は、第1冷媒供給通路を通して、滑り軸受とロータシャフトとの間の支持空間へ供給された超臨界流体のCO
2
冷媒によって潤滑されるように構成されており、モータシステムは、少なくともハウジングを貫通して延びてハウジングの内部空間に連通する第2冷媒供給通路を更に備え、第2冷媒供給通路は、超臨界流体のCO
2
冷媒を膨張させるための膨張室を備え、膨張室からシール室の近傍を通ってハウジングの内部空間に連通するように構成されていることを特徴とする。
【0010】
このように構成された本発明では、モータシステムは、第1冷媒供給通路を介してCO
2
冷媒を滑り軸受とロータシャフトとの間の支持空間に供給することができる。支持空間に供給されたCO
2
冷媒は、滑り軸受の摺動面を潤滑することができる。その後、このCO
2
冷媒は、支持空間からハウジングの内部空間へ噴出すると共に、支持空間からシール室へ流入可能である。CO
2
冷媒は、ハウジングの内部空間への噴出時に膨張して低温低圧の気液混合状態となり、モータ内部を冷却することができる。また、シール室に流入したCO
2
冷媒は、シール室を充填していく。そして、シール室は、支持空間のCO
2
冷媒により加圧される。一方、超臨界流体のCO
2
冷媒は、第2冷媒供給通路を通して流れ、膨張室で膨張することにより、低温低圧の気液混合状態となる。この低温のCO
2
冷媒は、シール室の近傍を通って、シール室内の冷媒を冷却する。このように、シール室内の冷媒は、加圧され且つ冷却された状態に維持される。これにより、モータの動作中、シール室内の冷媒は、ガス化が防止され、超臨界流体に維持される。このため、本発明では、CO
2
冷媒を用いて滑り軸受の潤滑ができると共に、ロータシャフトとハウジングとの間のシール部材を通してCO
2
冷媒がハウジングの外部へ漏れ出ることを抑制することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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