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公開番号2025114549
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-05
出願番号2025061522,2023068907
出願日2025-04-03,2019-05-03
発明の名称局所化されたプライ絶縁を伴う熱可塑性航空機構造および航空機構造を形成する方法
出願人カルボン エアロスペース (ファウンデーション)、エルエルシー
代理人個人
主分類B64C 3/18 20060101AFI20250729BHJP(航空機;飛行;宇宙工学)
要約【課題】構造の構成要素に損傷を生じることなく、当該構造の複合構成要素を連結する効率的な工程を提供する。
【解決手段】強化熱可塑性材料で形成された複合ウイングボックス構造10。当該複合構造10は、炭素繊維補強材と、当該構造10を製造する工程中に生じる熱を局所化させる複数の絶縁要素60とを含む。前記ウイングボックス10を製造する工程は、複数の薄膜50内において一連の絶縁要素60を交互に配置する工程と、前記絶縁要素60および薄膜50を統合させて積層体40を形成する工程とを含む。前記積層体40は、次いで、前記絶縁要素60が支持構造15の上に重なるよう、前記支持構造15に位置合わせされる。前記積層体40は、次いで、非接触型加熱工程、例えば誘導溶接を使って前記支持構造15に溶融合される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
複合航空機構造であって、
複数の長手方向に細長いスパーであって、その各々が、溶接ゾーンを形成する単一方向性または織物の炭素繊維強化熱可塑性材料の層を有した上方要素を有する、複数の長手方向に細長いスパーと、
前記複数のスパーと相互接続されてグリッドを形成する複数の細長いリブであって、各リブは、溶接ゾーンを形成する単一方向性または織物の炭素繊維強化熱可塑性材料の層を有した上方要素を有する、複数の細長いリブと、
前記スパーおよびリブのグリッドと連結された複合スキンであって、
単一方向性の炭素繊維強化熱可塑性材料の第1のプライであって、前記炭素繊維は第1の方向に配向された、第1のプライと、
単一方向性の炭素繊維強化熱可塑性材料の第2のプライであって、前記炭素繊維は前記第1の方向に配向され、前記第1のプライは当該第2のプライの上に重なりこれに直接連結された、第2のプライと、
単一方向性の炭素繊維強化熱可塑性材料の第3のプライであって、前記炭素繊維は、前記第1の方向を横断する第2の方向に配向された、第3のプライと、
単一方向性の炭素繊維強化熱可塑性材料の第4のプライであって、前記炭素繊維は前記第2の方向に配向され、前記第3のプライは当該第4のプライの上に重なりこれに直接連結された、第4のプライと、
単一方向性の炭素繊維強化熱可塑性材料の第5のプライであって、前記炭素繊維は、前記スパーおよび前記リブの前記上方要素の前記炭素繊維を横断する方向に配向された、第5のプライと、
電気絶縁材料で形成された複数の細長い絶縁要素であって、当該絶縁要素は、それぞれ長さおよび幅を有し、当該絶縁要素のうち少なくとも複数は、実質的に前記幅を超える長さを有し、当該絶縁要素は、当該絶縁要素が前記リブおよびスパーの前記上方要素の上に重なるよう、前記リブおよびスパーにより形成された前記グリッドと実質的に同様に構成されたグリッドを形成し、当該絶縁要素の前記グリッドは前記第2の層と前記第3の層間に配置される、複数の細長い絶縁要素と
を有する複合スキンと
を有する複合航空機構造。
続きを表示(約 950 文字)【請求項2】
請求項1記載の航空機構造において、前記第1、第2、第3、第4、および第5のプライは、単一方向性の炭素繊維強化熱可塑性材料である航空機構造。
【請求項3】
請求項1または2記載の航空機構造において、各絶縁要素は、熱可塑性材料のマトリックス内に埋め込まれたガラス繊維を有するものである航空機構造。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の航空機構造において、前記絶縁要素は、前記スパーの上に重なる複数の細長いスパー絶縁体を有するものである航空機構造。
【請求項5】
請求項4記載の航空機構造において、前記絶縁要素は、前記リブの上に重なる複数の細長いリブ絶縁体を有し、当該リブ絶縁体は、前記スパー絶縁体の長さより短い長さを有するものである航空機構造。
【請求項6】
請求項5記載の航空機構造において、前記リブ絶縁体は、前記スパー絶縁体の上に実質的に重なることなく、前記スパー絶縁体間にわたり延長するものである航空機構造。
【請求項7】
請求項5または6記載の航空機構造において、前記スパー絶縁体は互いに離間されるものである航空機構造。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の航空機構造において、前記複合スキンは、炭素繊維強化熱可塑性材料の追加層を有し、前記絶縁要素のグリッドは第1のグリッドであり、前記複数の絶縁要素は、前記絶縁要素の第1のグリッドと実質的に同様に構成された第2のグリッドを形成し、前記第2のグリッドは、当該第2のグリッドが前記第1のグリッドに位置合わせされるよう、前記炭素強化熱可塑性材料の追加層間に配置されるものである航空機構造。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の航空機構造であって、前記リブおよびスパーのグリッドと連結された第2の複合スキンを有するものである航空機構造。
【請求項10】
請求項9記載の航空機構造において、各スパーおよびリブは、下方溶接ゾーンを形成する単一方向性の炭素繊維強化熱可塑性材料の層を有した下方要素を有するものである航空機構造。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本願は、2018年5月3日付で出願された米国仮特許出願第62/666,193号の優先権を主張するものである。上記出願の開示は、この参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 2,400 文字)【0002】
本発明は、複合材料の分野に関する。特に、本願は、複合材料で形成された複数の構成要素で形成される構造に関する。本発明は、特に複数の複合要素で形成される航空機構造の分野における応用を対象とする。
【背景技術】
【0003】
これまで複合材料は、軽量高強度材料の利点が材料コストよりも重要視される多種多様な用途で使用されてきている。例えば、歴史的に、航空機構造は軽量金属、例えばアルミニウム、より近年ではチタンで形成されてきた。しかし、現代の飛行機は構造の大部分が複合材料から形成されている。航空宇宙産業で一般に使用されている材料は、炭素繊維強化熱硬化性プラスチックである。そのような材料を使うと複雑な構造を形成でき、一度その構造が硬化すると、その形状は永続的に保たれる。ただし、その利点は、形成された構造を別個の構造と融合させる能力を制約する。その代わり、その別個の要素は別個のコネクタ、例えば留め具を使って連結される。強化熱可塑性材料で形成される構造要素は別個の留め具がなくても連結できるが、要素を溶融させる工程では、当該構造に損傷を生じるおそれのある温度を超えて前記構成要素を加熱する必要がある。そのため、構造の構成要素に損傷を生じることなく、当該構造の複合構成要素を連結する効率的な工程が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上を鑑み、一態様によれば、本発明は、誘導溶接工程中に生じる熱を局所化するよう構成された積層体構造を提供する。特に、前記積層体は、多層炭素繊維強化熱可塑性複合積層体の1または複数の特定のプライの特定の領域への熱を局所化するよう構成される。一態様によれば、前記熱は、前記積層体の層内にパターンで構成され、埋め込まれた絶縁要素の複数の層を実装することにより、特定のプライの特定の領域に局所的される。任意選択的に、前記積層体は、航空機構造、例えばウイングボックスに実装できる。
【0005】
別の態様によれば、本発明は、複数の長手方向に細長いスパーと、前記複数のスパーと相互接続されてグリッドを形成するリブを有する複合航空機構造を提供し、前記スパーおよびリブの各々は、溶接ゾーンを形成する単一方向性または織物の炭素繊維強化熱可塑性材料の層を有した上方要素を有する。複合スキンは、前記スパーおよびリブのグリッドと連結される。前記積層体は、炭素繊維強化熱可塑性材料のプライを少なくとも5つ含む。第1のプライにおいて、前記炭素繊維は第1の方向に配向される。第2のプライにおいて、前記炭素繊維は前記第1の方向に配向され、前記第1のプライは当該第2のプライの上に重なりこれに直接連結される。第3のプライは、前記第1の方向を横断する第2の方向に配向された炭素繊維を有し、第4のプライは、前記第2の方向に配向された炭素繊維を有し、前記第3のプライは前記第4のプライの上に重なりこれに直接連結される。第5のプライは、前記スパーおよび前記リブの前記上方要素の前記炭素繊維を横断する方向に配向された炭素繊維を有する。前記積層体は、電気絶縁材料で形成された複数の細長い絶縁要素も含む。前記絶縁要素は、それぞれ長さおよび幅を有し、当該絶縁要素のうち少なくとも複数は、実質的に前記幅を超える長さを有する。前記絶縁要素は、当該絶縁要素が前記リブおよびスパーの前記上方要素の上に重なるよう、前記リブおよびスパーにより形成された前記グリッドと実質的に同様に構成されたグリッドを形成する。前記絶縁要素の前記グリッドは、前記第2の層と前記第3の層間に配置される。任意選択的に、各絶縁要素は、熱可塑性材料のマトリックス内に埋め込まれたガラス繊維を有する。また、前記絶縁要素は、前記スパーの上に重なる複数の細長いスパー絶縁体と、前記リブの上に重なる複数の細長いリブ絶縁体であって、前記スパー絶縁体より短いリブ絶縁体とを有することができる。前記リブ絶縁体は、前記スパー絶縁体の上に実質的に重なることなく、前記スパー絶縁体間にわたり延長できる。さらに、前記スパー絶縁体は、任意選択的に互いに離間させることができる。
【0006】
任意選択的に、前記複合スキンは、炭素繊維強化熱可塑性材料の追加層を含むことができ、前記絶縁要素のグリッドは第1のグリッドを形成でき、前記複数の絶縁要素は、前記絶縁要素の第1のグリッドと実質的に同様に構成された第2のグリッドを形成する。前記第2のグリッドは、当該第2のグリッドが前記第1のグリッドに位置合わせされるよう、前記炭素強化熱可塑性材料の追加層間に配置できる。
【0007】
前記航空機構造は、前記リブおよびスパーのグリッドと連結された第2の複合スキンを有することができる。各スパーおよびリブは、下方溶接ゾーンを形成する単一方向性または織物の炭素繊維強化熱可塑性材料の層を有した下方要素を含むことができ、前記第2のスキンは、前記リブおよびスパーの前記下方要素と連結できる。
【0008】
さらに別の態様によれば、本発明は航空機構造を提供し、その航空機構造においては、複数の絶縁要素がグリッドを形成し、前記絶縁要素は複数の開口部を形成するよう構成できる。
【0009】
別の態様によれば、本発明は、ポリアリールエーテルケトン類の半結晶性の熱可塑性材料を有する熱可塑性材料で形成された航空機構造を提供する。
【0010】
別の態様によれば、本発明は、華氏500度を超える融点を有する熱可塑性材料で形成された航空機構造を提供する。
(【0011】以降は省略されています)

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