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公開番号
2025110949
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-30
出願番号
2024005016
出願日
2024-01-17
発明の名称
粉末油脂及びそれを配合した飲食品
出願人
ミヨシ油脂株式会社
代理人
弁理士法人牛木国際特許事務所
主分類
A23D
7/00 20060101AFI20250723BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約
【課題】飲食品に添加する際の流動性及び再溶解後の乳化安定性が良好な粉末油脂及びそれを配合した飲食品を提供する。
【解決手段】本発明の粉末油脂は、安息角が53°未満であり、かつ下記の乳化特性を有するオクテニルコハク酸処理澱粉(A)を含むことを特徴としている。
<乳化特性>
パーム油、デキストリン、及びオクテニルコハク酸処理澱粉(A)を配合し、均質化して油滴のメディアン径を0.6~0.8μmに調整した乳化液を、噴霧乾燥して得た粉末油脂の水への再溶解後の油滴のメディアン径が1.2μm未満である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
安息角が53°未満であり、かつ下記の乳化特性を有するオクテニルコハク酸処理澱粉(A)を含む、粉末油脂。
<乳化特性>
パーム油、デキストリン、及びオクテニルコハク酸処理澱粉(A)を配合し、均質化して油滴のメディアン径を0.6~0.8μmに調整した乳化液を、噴霧乾燥して得た粉末油脂の水への再溶解後の油滴のメディアン径が1.2μm未満である。
続きを表示(約 440 文字)
【請求項2】
前記オクテニルコハク酸処理澱粉(A)の配合量が、前記粉末油脂中のオクテニルコハク酸処理澱粉の全量に対して20質量%以上である、請求項1に記載の粉末油脂。
【請求項3】
油脂の配合量が、前記粉末油脂の全量に対して50質量%以上である、請求項1に記載の粉末油脂。
【請求項4】
さらに、乳化剤を含む、請求項1に記載の粉末油脂。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の粉末油脂を配合した飲食品。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか1項に記載の粉末油脂を用いて、飲食品の食感を改良する方法。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか1項に記載の粉末油脂を用いて、飲食品の結着を抑制する方法。
【請求項8】
請求項1~4のいずれか1項に記載の粉末油脂を含む、食感改良剤。
【請求項9】
請求項1~4のいずれか1項に記載の粉末油脂を含む、結着抑制剤。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末油脂及びそれを配合した飲食品に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
粉末油脂は、液状や固形状の油脂よりも、他の粉体原料と混合しやすく、さらには、保存安定性や作業性が良いという利点を持つため、幅広い分野で利用されている。粉末油脂は、例えば、コーヒーやスープ類等の飲料や、製菓製パン等の飲食品の調味材料として用いることで、飲食品に所望の味や香りを付与する等の目的で使用されている。
【0003】
従来、粉末油脂の粉末化基材としてカゼイン塩や大豆タンパク質等が使用されてきたが、近年、アレルゲンフリーの素材が求められており、粉末化基材としてオクテニルコハク酸処理澱粉等を使用した粉末油脂が提案されている(特許文献1~5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2016-101157号公報
特開2003-073691号公報
国際公開第2022/118887号
特開2005-168356号公報
特開2013-255440号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これらの粉末油脂は、オクテニルコハク酸処理澱粉の流動性や乳化性に着目しておらず、粉末油脂の流動性や再溶解後の乳化安定性が十分なものではなかった。オクテニルコハク酸処理澱粉は、オクテニルコハク酸基を導入することで界面活性効果があり一定の乳化性を示すが、粉末油脂の技術分野における従来技術はいずれも乳化性には着目しておらず、特に乳化性能が高い特定のオクテニルコハク酸処理澱粉の使用は検討されていない。さらに粉末油脂の流動性に関わる特定範囲の安息角を併せ持つことについても検討されていない。
【0006】
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、飲食品に添加する際の流動性及び再溶解後の乳化安定性が良好な粉末油脂及びそれを配合した飲食品を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために本発明者らは鋭意検討した結果、安息角が小さく、かつ特定の乳化特性を有するオクテニルコハク酸処理澱粉を用いることにより、粉末油脂を飲食品に添加したときの流動性や、再溶解後の乳化安定性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の粉末油脂は、安息角が53°未満であり、かつ下記の乳化特性を有するオクテニルコハク酸処理澱粉(A)を含むことを特徴としている。
<乳化特性>
パーム油、デキストリン、及びオクテニルコハク酸処理澱粉(A)を配合し、均質化して油滴のメディアン径を0.6~0.8μmに調整した乳化液を、噴霧乾燥して得た粉末油脂の水への再溶解後の油滴のメディアン径が1.2μm未満である。
本発明の飲食品は、前記粉末油脂を配合したものである。
本発明の飲食品の食感を改良する方法は、前記粉末油脂を用いることを特徴としている。
本発明の飲食品の結着を抑制する方法は、前記粉末油脂を用いることを特徴としている。
本発明の食感改良剤は、前記粉末油脂を含むことを特徴としている。
本発明の結着抑制剤は、前記粉末油脂を含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の粉末油脂は、飲食品に添加した際の流動性、再溶解後の乳化安定性が良好である。また、本発明の粉末油脂を用いた飲食品は、飲食品に添加した際の乳化安定性に優れており、良好な外観である。また、嫌なデンプン臭がなく、油脂のコクがあり良好な風味である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の具体的な実施形態について説明する。
(粉末油脂)
本発明の粉末油脂に使用される油脂は、従来の食用油脂のように、トリグリセリドがほぼ全体を占める組成物を主な対象としている。油脂中のトリグリセリドは、1分子のグリセロールに3分子の脂肪酸がエステル結合した構造を有する。トリグリセリドの1位、2位、3位とは、脂肪酸が結合した位置を表す。油脂は、1位、2位、3位の全てに飽和脂肪酸Sが結合した3飽和トリグリセリド(SSS)を含んでいてもよく、1分子のグリセロールに2分子の飽和脂肪酸Sと1分子の不飽和脂肪酸Uが結合した2飽和トリグリセリドとして、1位及び3位に飽和脂肪酸Sが結合し、かつ2位に不飽和脂肪酸Uが結合した対称型トリグリセリド(SUS)を含んでいてもよく、1位と2位、又は2位と3位に飽和脂肪酸Sが結合し、かつ3位又は1位に不飽和脂肪酸Uが結合した非対称型トリグリセリド(SSU、USS)を含んでいてもよい。また、1分子のグリセロールに2分子の不飽和脂肪酸Uと1分子の飽和脂肪酸Sが結合した2不飽和トリグリセリド(SUU、UUS、USU)を含んでいてもよく、1位、2位、3位の全てに不飽和脂肪酸Uが結合した3不飽和トリグリセリド(UUU)を含んでいてもよい。ここで、飽和脂肪酸Sは、油脂中に含まれる全ての飽和脂肪酸である。飽和脂肪酸Sとしては、特に限定されないが、例えば、酪酸(4)、カプロン酸(6)、カプリル酸(8)、カプリン酸(10)、ラウリン酸(12)、ミリスチン酸(14)、パルミチン酸(16)、ステアリン酸(18)、アラキジン酸(20)、ベヘン酸(22)、リグノセリン酸(24)等が挙げられる。なお、上記飽和脂肪酸の括弧内の数値表記は、脂肪酸の炭素数を意味する。不飽和脂肪酸Uは、油脂中に含まれる全ての不飽和脂肪酸である。不飽和脂肪酸Uとしては、特に限定されないが、例えば、ミリストレイン酸(14:1)、パルミトレイン酸(16:1)、ヒラゴン酸(16:3)、オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、リノレン酸(18:3)、エイコセン酸(20:1)、エルカ酸(22:1)、セラコレイン酸(24:1)等が挙げられる。なお、上記不飽和脂肪酸についての括弧内の数値表記は、左側が脂肪酸の炭素数であり、右側が二重結合数を意味する。各トリグリセリド分子に結合している2つ又は3つの飽和脂肪酸S又は不飽和脂肪酸Uは、同一の脂肪酸でも互いに異なる脂肪酸でもよい。
【0010】
本発明の粉末油脂に使用される油脂は、特に限定されないが、例えば、ヤシ油、パーム核油、パーム油、菜種油、大豆油、綿実油、コーン油、ヒマワリ油、米油、サフラワー油、オリーブ油、ゴマ油、シア脂、サル脂、マンゴー油、イリッペ脂、カカオ脂等の植物性油脂や、豚脂(ラード)、牛脂、乳脂、魚油等の動物性油脂、MCT等の合成油、それらの分別油、加工油(硬化及びエステル交換反応のうち1つ以上の処理がなされたもの)等が挙げられる。
(【0011】以降は省略されています)
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