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公開番号2025103190
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-09
出願番号2023220381
出願日2023-12-27
発明の名称ロータリーキルンのガスシール構造
出願人住友金属鉱山株式会社
代理人個人,個人
主分類F27B 7/24 20060101AFI20250702BHJP(炉,キルン,窯;レトルト)
要約【課題】耐熱性の低いゴム製の部材を使用しても耐久性を高くできるロータリーキルンのガスシール構造を提供する。
【解決手段】キルン本体11と、対象物供給部2と、ガス排出部20と、を有するロータリーキルン1におけるガスシール構造30であって、ガス排出部20は、キルン本体11と対象物供給部2の供給管4との間に設けられる内部隔離壁22を有する内部構造体21と、内部構造体21の内部隔離壁22との間にキルン本体11を挟みかつキルン本体11を囲むように設けられる外部隔離壁26を有する外部構造体25と、を有しており、ガスシール構造30は、ラビリンス構造を有する内部シール部32と、外部シール部31と、外部空間25h内に冷却用気体を供給する冷却用気体供給部35と、によって構成されており、外部シール部31を構成する部材にゴム製部材を使用している。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
処理対象物を加熱するキルン本体と、該キルン本体の装入側端部から処理対象物を装入する供給管を有する対象物供給部と、該キルン本体の装入側端部から該キルン本体内部からガスを排出するガス排出部と、を有するロータリーキルンのガスシール構造であって、
前記ガス排出部は、
前記キルン本体と前記対象物供給部の供給管との間に該対象物供給部の供給管を囲むように設けられる内部隔離壁を有する内部構造体と、
該内部構造体の内部隔離壁との間に前記キルン本体を挟みかつ該キルン本体を囲むように設けられる外部隔離壁を有し、該外部隔離壁と前記内部構造体の内部隔離壁とに囲まれた外部空間が前記内部構造体の内部隔離壁内の内部空間と気密に分離された外部構造体と、を有しており、
前記ガスシール構造は、
前記内部構造体の内部隔離壁と前記キルン本体の内面との間をシールする、ラビリンス構造を有する内部シール部と、
前記キルン本体の外面と前記外部構造体の外部隔離壁との間をシールする外部シール部と、
前記外部空間内に冷却用気体を供給する冷却用気体供給部と、によって構成されており、
前記外部シール部を構成する部材にゴム製部材を使用している
ことを特徴とするロータリーキルンのガスシール構造。
続きを表示(約 450 文字)【請求項2】
前記ガスシール構造の外部シール部は、
前記キルン本体に対して前記内部シール部よりも外方に位置するように設けられている
ことを特徴とする請求項1記載のロータリーキルンのガスシール構造。
【請求項3】
前記内部シール部は、
前記内部構造体の内部隔離壁を囲むように設けられた環状部材を有しており、
前記環状部材は、
その内面と前記内部構造体の内部隔離壁の外面との間および/またはその外面と前記外部構造体の外部隔離壁の内面との間に隙間を有するように設けられている
ことを特徴とする請求項1または2記載のロータリーキルンのガスシール構造。
【請求項4】
前記冷却用気体供給部は、
前記外部空間内と前記内部空間内との間に、該内部空間内から前記隙間を通してガスが漏れない差圧が生じる量の前記冷却用気体を供給するものである
ことを特徴とする請求項3記載のロータリーキルンのガスシール構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータリーキルンのガスシール構造に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
種々の粉体等の被処理物を処理し処理物を製造する装置としてロータリーキルンがある。ロータリーキルンは、回転可能に保持された円筒状のキルン本体と、このキルン本体を外部から加熱する加熱ヒータなどの加熱手段と、を備えている。また、ロータリーキルンには、キルン本体の一方の端部(装入端)から被処理物をキルン本体内に装入する原料供給部が設けられており、キルン本体の他方の端部(排出端)には処理物を排出する排出部が設けられている。また、ロータリーキルンのキルン本体の排出端には、キルン本体内部の雰囲気を所定の状態にするために、熱風や酸素ガス、窒素ガスなどの雰囲気ガスを供給するガス供給部が設けられている。また、キルン本体の装入端には、キルン本体内を排出端から装入端に流れた雰囲気ガスを外部に排出するガス排出部が設けられている。
【0003】
このようなロータリーキルンでは、加熱手段によってキルン本体内部の温度を所定の温度まで上昇させた状態で、キルン本体を回転させながら原料供給部からキルン本体内に被処理物が供給される。キルン本体は排出端の高さが装入端の高さより若干低くなるように傾いて設置されているので、キルン本体内に供給された被処理物は、キルン本体の回転によって攪拌されながら排出部に向かって移動し、排出部に向かって移動しながら所定の雰囲気に維持された状態で加熱される。そして、排出部まで移動する間に被処理物は所定の状態まで処理された処理物となり、排出部から処理物が排出される。
【0004】
このようなロータリーキルンでは、キルン本体内部を所定の雰囲気に維持するために、外気の侵入を防止することが必要であり、原料供給部や排出部、ガス供給部、ガス排出部とキルン本体との間には、キルン本体が回転しても外部とキルン本体内部とを遮断するシール構造が設けられる。例えば、特許文献1は、キルン本体と、キルン本体を覆うように設けられるフードとの間にリップシール構造やグランドパッキン、メカニカルシール等のシール構造を設けることが開示されている。また、図2に示すように、特許文献1には、キルン本体101とフード110とのシール性を向上するために、キルン本体101の端部に被処理物を処理する部分よりも細径の円管102(供給側円管や排出側円管)を設け、この円管102とフード(供給側傘状筒や排出側傘状筒)との間にシール構造120を設けた構成が開示されている。
【0005】
また、特許文献1では、フード(供給側傘状筒や排出側傘状筒)を、細径の筒状部分(供給側円管や排出側円管)に挿入される内筒と、供給側円管を覆うように設けられる外筒とを有する二重管構造とする構成も開示されている。そして、特許文献1には、各筒(内筒および外筒)と円管(供給側円管や排出側円管)との間にシール部を設け、シール部と外筒と内筒とで囲まれた空間に雰囲気ガスを供給することによって、シール信頼性を高めることができる旨が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2016-16202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかるに、特許文献1に開示されている技術によってキルン本体とフードとの間のシール機能を高めることはできるが、シール構造を構成する部材には高温の雰囲気ガスや反応生成ガスが接触するため、使用によりシール構造を構成する部材が劣化し定期的に交換が必要になる。とくに、シール材に耐熱性の低いゴム製の部材を有している場合には、早期にシール材が劣化し短期間で交換が必要となる。
一方、ゴム製のシール材は、耐熱性は低いが柔軟性に優れ、シール効果が高いことから、耐熱性の低いゴム製のシール材を使用しても長期間交換することなく使用することができるシール構造が求められている。
【0008】
本発明は上記事情に鑑み、耐熱性の低いゴム製の部材を使用しても耐久性を高くできるロータリーキルンのガスシール構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1発明のロータリーキルンのガスシール構造は、処理対象物を加熱するキルン本体と、該キルン本体の装入側端部から処理対象物を装入する供給管を有する対象物供給部と、該キルン本体の装入側端部から該キルン本体内部からガスを排出するガス排出部と、を有するロータリーキルンのガスシール構造であって、前記ガス排出部は、前記キルン本体と前記対象物供給部の供給管との間に該対象物供給部の供給管を囲むように設けられる内部隔離壁を有する内部構造体と、該内部構造体の内部隔離壁との間に前記キルン本体を挟みかつ該キルン本体を囲むように設けられる外部隔離壁を有し、該外部隔離壁と前記内部構造体の内部隔離壁とに囲まれた外部空間が前記内部構造体の内部隔離壁内の内部空間と気密に分離された外部構造体と、前記内部構造体の内部空間から前記外部構造体外にガスを排出する排出管と、を有しており、前記ガスシール構造は、前記内部構造体の内部隔離壁と前記キルン本体の内面との間をシールする、ラビリンス構造を有する内部シール部と、前記キルン本体の外面と前記外部構造体の外部隔離壁との間をシールする外部シール部と、前記外部空間内に冷却用気体を供給する冷却用気体供給部と、によって構成されており、前記外部シール部を構成する部材にゴム製部材を使用していることを特徴とする。
第2発明のロータリーキルンのガスシール構造は、第1発明において、前記ガスシール構造の外部シール部は、前記キルン本体に対して前記内部シール部よりも外方に位置するように設けられていることを特徴とする。
第3発明のロータリーキルンのガスシール構造は、第1または第2発明において、前記内部シール部は、前記内部構造体の内部隔離壁を囲むように設けられた環状部材を有しており、前記環状部材は、その内面と前記内部構造体の内部隔離壁の外面との間および/またはその外面と前記外部構造体の外部隔離壁の内面との間に隙間を有するように設けられていることを特徴とする。
第4発明のロータリーキルンのガスシール構造は、第3発明において、前記冷却用気体供給部は、前記外部空間内と前記内部空間内との間に、該内部空間内から前記隙間を通してガスが漏れない差圧が生じる量の前記冷却用気体を供給するものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
第1発明によれば、ガス排出部がキルン本体と連通された内部構造体内の内部空間と内部空間と気密に分離された外部空間を有する外部構造体とを有しており、内部構造体と処理対象物を装入する対象物供給部の供給管との間の内部シール部にラビリンス構造を採用しているので、キルン本体と外部との気密性を高くできる。しかも、外部シール部には雰囲気ガス等が接触せず、しかも、外部シール部が面する外部空間に冷却用気体を供給しているので、外部シール部にゴム製部材を有するシール構造を採用しても、ゴム製部材の耐久性を高くできるから、外部シール部の耐久性も高くできる。
第2発明によれば、外部シール部の熱による損傷を防止しやすくなる。
第3、第4発明によれば、内部シール部のシール性を維持しつつ、内部シール部の構造を簡素化できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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