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公開番号2025103098
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-09
出願番号2023220200
出願日2023-12-27
発明の名称抗真菌薬
出願人国立感染症研究所長,国立研究開発法人理化学研究所
代理人個人,個人
主分類A61K 31/444 20060101AFI20250702BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】 亜鉛との結合能が高い金属キレート化合物を抗真菌薬として提供すること。
【解決手段】
式(1)で示されるポリアミン化合物又はその塩を有効成分として含有する抗真菌薬。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>JPEG</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2025103098000012.jpg</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">58</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">124</com:WidthMeasure> </com:Image>
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、及びR6は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1~5のアルキル、炭素数1~5のハロアルキル、炭素数1~5のハロアルコキシである。)
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
式(1)で示されるポリアミン化合物又はその塩を有効成分として含有する抗真菌薬。
JPEG
2025103098000010.jpg
58
124
(式中、R

、R

、R

、R

、R

、及びR

は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1~5のアルキル、炭素数1~5のハロアルキル、炭素数1~5のハロアルコキシである。)
続きを表示(約 410 文字)【請求項2】
式(1)において、R

、R

、R

、R

、R

、及びR

は、それぞれ独立して、水素、フッ素、塩素、臭素、CH

、又はCF

である式(1)で示されるポリアミン化合物又はその塩を有効成分として含有する請求項1に記載の抗真菌薬。
【請求項3】
式(2)で示されるポリアミン化合物又はその塩を有効成分として含有する請求項1に記載の抗真菌薬。
JPEG
2025103098000011.jpg
59
123
【請求項4】
真菌がカンジダ菌である請求項1~3のいずれか1項に記載の抗真菌薬。
【請求項5】
真菌がC.aurisである請求項1~3のいずれか1項に記載の抗真菌薬。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、抗真菌薬耐性菌に有効なポリアミン化合物を含有する抗真菌薬に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、侵襲性真菌症は増加の一途を辿っており、特に免疫不全の患者を中心に高い罹患率と死亡率が問題となっている。侵襲性真菌症の社会・経済的影響も大きく、米国では2017年に年間72億ドルを超える負担となり、対策は世界的課題となっている。
【0003】
侵襲性真菌症を治療するための抗真菌薬はポリエン系、アゾール系、エキノキャンディン系のたった3系統に限られる。これらの作用機序として、まずポリエン系は真菌細胞膜の必須脂質成分であるエルゴステロールへ特異的に結合し細胞膜機能障害を引き起こすことで、殺菌的に作用する。続いてアゾール系はラノステロール脱メチル化酵素ERG11を阻害し、エルゴステロール合成を抑制し、増殖を抑制する。一方エキノキャンディン系は、FKS遺伝子によってコードされるβ-D-グルカン合成酵素の機能を阻害し、真菌細胞壁の産生を抑制する。そして現在、これら抗真菌薬に対する耐性菌が出現し、社会問題となっている。特にCandida aurisの出現は脅威である。C.aurisは2009年に日本で初めて報告された菌種であったが、その後世界各国で感染例が報告された。C.aurisによる血流感染症は、米国、欧州、南米、南アフリカ、インドなど様々な地域でアウトブレイクをきたしていて、その致命率は30-60%とされる。C.aurisの治療における問題は、その薬剤耐性率の高さにある。他のカンジダ属菌種と比較してC.aurisの抗真菌薬に対する耐性率は非常に高く、複数国の分離株の薬剤感受性を調査した研究では約40%が2系統以上の抗真菌薬に耐性であった。また3系統全ての抗真菌薬に耐性を示す株も相次いで報告された。これを受けて世界保健機関は、2022年にC.aurisを真菌優先病原体リストに指定し、感染管理・対策の緊急性を強調した。日本国内では幸いにもC.aurisのアウトブレイクの報告はないが、海外からの症例報告や既存の抗真菌薬では治療できないケースを受けて、新たな作用機序を有する抗真菌薬の開発は現在の急務となっている。
【0004】
近年、新たな抗真菌活性の作用機序として「栄養免疫」が注目されている。「栄養免疫」とは、宿主側の分子が病原微生物に必要な鉄や亜鉛など微量金属を捕捉して、微生物側に与えないようにする宿主の感染防御機構のことである。「栄養免疫」が対象とする微量金属の中でも特に亜鉛の重要な役割が最近の研究で強調されている。亜鉛は、真核生物において細胞内プロセスに不可欠な微量金属である。具体的にはタンパク質の約9%が亜鉛含有タンパク質で、亜鉛はタンパク質の構造安定性を提供し、また酵素補因子として機能している。さらに遺伝子制御においても亜鉛依存性の転写因子が存在している。そのため病原微生物にとって亜鉛の獲得は自身の増殖に不可欠である。侵襲性真菌症をきたす代表菌種であるCandida albicansは、亜鉛の枯渇で増殖やバイオフィルム形成の減少を起こすなど、亜鉛の影響を非常に受けやすいことが知られる(例えば、非特許文献1参照。)。ここから「栄養免疫」を模倣したメカニズムで、真菌が必要とする亜鉛を捕捉して利用を妨げる化合物があれば、ここに新たな種類の抗真菌薬としての可能性が期待される。実際、亜鉛や鉄の捕捉化合物の抗真菌活性が少数ながら報告されていて、既存の抗真菌薬に耐性のある病原体に対しても有効に作用する可能性が示唆されている(例えば、非特許文献2参照。)。
【0005】
ポリアミン化合物を抗寄生虫剤として、特にリーシュマニア症及びシャーガス病の治療に使用することが開示されているものの(例えば、特許文献1)、それらポリアミン化合物を抗真菌薬として使用することは検討されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
ES2440896A1
【非特許文献】
【0007】
Kumar R et al.,Sci Rep 7,p.1-15,2017
Duan X et al.,Microbiol Spectr 10,2022
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、亜鉛との結合能が高く、安定した亜鉛錯体を形成できる環状のポリアミン化合物を含有する抗真菌薬を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このようなことから、本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた。具体的には、これまで抗真菌薬として評価されていなかった真菌から亜鉛を奪い亜鉛錯体を形成しうる様々なポリアミン化合物(PAと略記することがある。)の抗真菌活性を評価した。その結果、安定な亜鉛錯体の形成を示す亜鉛キレート化合物である環状のポリアミン化合物を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の構成を有する。
【0010】
[1]式(1)で示されるポリアミン化合物又はその塩を有効成分として含有する抗真菌薬。
JPEG
2025103098000002.jpg
58
124
(式(1)中、R

、R

、R

、R

、R

、及びR

は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1~5のアルキル、炭素数1~5のハロアルキル、炭素数1~5のハロアルコキシである。)
[2]式(1)において、R

、R

、R

、R

、R

、及びR

は、それぞれ独立して、水素、フッ素、塩素、臭素、CH

、又はCF

である式(1)で示されるポリアミン化合物又はその塩を有効成分として含有する前記[1]に記載の抗真菌薬。
[3]式(2)で示されるアルキルポリアミン化合物又はその塩を有効成分として含有する前記[1]に記載の抗真菌薬。
JPEG
2025103098000003.jpg
59
123
[4]前記[1]~[3]のいずれか1項に記載の抗真菌薬を対象に投与する、真菌感染症の予防又は治療方法。
[5]真菌感染症の予防又は治療のための、前記[1]~[3]のいずれか1項に記載の抗真菌薬の使用。
[6]真菌感染症がカンジダ症である前記[4]項に記載の真菌感染症の予防又は治療方法。
[7]真菌感染症がカンジダ症である前記[5]項に記載の抗真菌薬の使用。
[8]真菌がカンジダ菌である前記[1]~[3]のいずれか1項に記載の抗真菌薬。
[9]真菌がC.aurisである前記[1]~[3]のいずれか1項に記載の抗真菌薬。
[10]真菌感染症がC.auris感染症である前記[4]項に記載の方法。
[11]真菌感染症がC.auris感染症である前記[5]項に記載の使用。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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