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公開番号2025096523
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-26
出願番号2025065424,2024565887
出願日2025-04-11,2023-12-25
発明の名称局所投与用の医薬組成物
出願人国立感染症研究所長,キリンホールディングス株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類A61K 35/744 20150101AFI20250619BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】本発明は、新規な局所投与用の医薬組成物および新規な局所投与するための免疫賦活用組成物の提供を目的とする。
【解決手段】本発明によれば、乳酸菌を有効成分とする、局所投与用の医薬組成物および局所投与するための免疫賦活用組成物が提供される。本発明の有効成分である乳酸菌は好ましくはラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスである。本発明によれば、局所投与(特に経鼻投与)することにより、有効成分である乳酸菌による感染症の予防効果および免疫賦活効果をより高めることができる点で有利である。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
乳酸菌を有効成分として含有する、局所投与用の医薬組成物。
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
局所投与が経鼻投与、舌下投与または吸入投与である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
局所投与が、上気道および/または下気道に対する投与である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記上気道が、鼻腔である、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
上気道および/または下気道においてプラズマサイトイド樹状細胞によるインターフェロン(IFN)の産生を誘導するための、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記医薬組成物の投与対象が感染症に罹患した後、該対象においてIFNの産生が誘導される、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
感染症の予防または治療のための、または、投与対象の感染症への罹患リスク低減に用いるための、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項8】
感染症が、ウイルス感染症である、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
ウイルス感染症の予防が、ウイルス感染症の発症予防またはウイルス感染症の重症化予防である、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
ウイルス感染症がCOVID-19またはインフルエンザウイルス感染症である、請求項8に記載の医薬組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本願は、先行する日本国出願である特願2022-206490(出願日:2022年12月23日)の優先権の利益を享受するものであり、その開示内容全体は引用することにより本明細書の一部とされる。
続きを表示(約 6,600 文字)【0002】
本発明は、局所投与用の医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)をはじめとするウイルスまたは細菌等による感染症の世界的な蔓延が社会問題となっている。SARS-CoV-2による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬としては、例えば、中和モノクローナル抗体を用いた抗体医薬品等の開発が進められてきた(非特許文献1~3)。一方で、医薬品として効能および効果が認められている新型コロナウイルス感染症予防薬はなく、その開発が求められている。特にウイルスは変異株が出現する可能性が高いため、さらに変異株に対してもその有効性が期待できる治療薬および予防薬の開発が求められている。
【0004】
乳酸菌はヨーグルト等の発酵乳等に多く含まれており、飲食品として古くから用いられている。また、乳酸菌は経口摂取により腸内等で様々な生理活性をもたらすことが知られているが、医薬用途での局所投与による効果は知られていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
WeinreichDM, et al., N Engl J Med., 2021; 384(3): 238-251.
PiccicaccoN, et al., Open Forum Infect Dis., 2021; 8(7): ofab292.
KoehlerJ, et al., Infection, 2021; 49(6): 1313-1318.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、新規な局所投与用の医薬組成物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、乳酸菌を局所投与することにより感染症の予防効果を高められることを見出した。本発明者らはまた、乳酸菌を局所投与することにより免疫賦活効果が奏されることを見出した。本発明はこれらの知見に基づくものである。
【0008】
本発明によれば以下の発明が提供される。
[1]乳酸菌を有効成分として含有する、局所投与用の医薬組成物。
[2]局所投与が経鼻投与、舌下投与または吸入投与である、上記[1]に記載の医薬組成物。
[3]局所投与が、上気道および/または下気道に対する投与である、上記[1]または[2]に記載の医薬組成物。
[4]前記上気道が、鼻腔である、上記[3]に記載の医薬組成物。
[5]上気道および/または下気道においてプラズマサイトイド樹状細胞によるインターフェロンの産生を誘導するための、上記[1]~[4]のいずれかに記載の医薬組成物。
[6]前記医薬組成物の投与対象が感染症に罹患した後、該対象においてIFNの産生が誘導される、上記[5]に記載の医薬組成物。
[7]感染症の予防または治療のための、または、投与対象の感染症への罹患リスク低減に用いるための、上記[1]~[6]のいずれかに記載の医薬組成物。
[8]感染症が、ウイルス感染症である、上記[7]に記載の医薬組成物。
[9]ウイルス感染症の予防が、ウイルス感染症の発症予防またはウイルス感染症の重症化予防である、上記[8]に記載の医薬組成物。
[10]ウイルス感染症がCOVID-19またはインフルエンザウイルス感染症である、上記[8]または[9]に記載の医薬組成物。
[11]ウイルス感染症が呼吸器系感染症の原因ウイルスが感染したものである、上記[8]~[10]のいずれかに記載の医薬組成物。
[12]呼吸器系ウイルス感染症の原因ウイルスがSARS-CoV-2またはインフルエンザウイルスである、上記[11]に記載の医薬組成物。
[13]哺乳動物に投与される、上記[1]~[12]のいずれかに記載の医薬組成物。
[14]哺乳動物がヒトである、上記[13]に記載の医薬組成物。
[15]投与回数が2回以上である、上記[1]~[14]のいずれかに記載の医薬組成物。
[16]投与間隔が1日以上である、上記[1]~[15]のいずれかに記載の医薬組成物。
[17]ウイルス感染症の予防の有効期間が、局所投与を行った最後の日から56日間である、上記[8]~[16]のいずれかに記載の医薬組成物。
[18]乳酸菌の1日当たりの投与量(成体の体重50kg基準)が、1mg以上1000mg以下である、上記[1]~[17]のいずれかに記載の医薬組成物。
[19]乳酸菌がラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスJCM5805菌株である、上記[1]~[18]のいずれかに記載の医薬組成物。
[20]ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスを有効成分として含有する、局所投与用組成物。
[21]医薬組成物である、上記[20]に記載の局所投与用組成物。
[22]ウイルス感染部位に局所投与する、上記[8]~[19]のいずれかに記載の医薬組成物。
[23]乳酸菌を有効成分として含有する、局所投与するための免疫賦活用組成物。
[24]顎下リンパ節および/または脾臓におけるIFN誘導性抗ウイルス遺伝子(ISG)の発現を増強させるための、上記[22]または[23]に記載の免疫賦活用組成物。
[25]ISGが、Viperin、Isg15およびMx1からなる群から選択される1種または2種以上である、上記[24]に記載の免疫賦活用組成物。
[26]脾臓中のリンパ球に対するpDCの比率を増加させるための、および/または、鼻粘膜中のリンパ球に対するpDCの比率を増加させるための、上記[22]~[25]のいずれかに記載の免疫賦活用組成物。
[27]鼻粘膜中のリンパ球に対するCD11b

Siglec-H

細胞の比率を増加させるための、上記[22]~[26]のいずれかに記載の免疫賦活用組成物。
[28]有効量の乳酸菌またはそれを含んでなる組成物を、それを必要としている対象に局所投与する工程を含む、感染症の予防方法もしくは治療方法、感染症の罹患リスク低減方法または免疫賦活方法。
[29]局所投与用の感染症の予防剤もしくは治療剤の製造のための、局所投与用の感染症の罹患リスク低減剤の製造のための、または局所投与用の免疫賦活剤の製造のための、あるいは、局所投与用の感染症の予防剤もしくは治療剤としての、局所投与用の感染症の罹患リスク低減剤としてのまたは局所投与用の免疫賦活剤としての、あるいは、局所投与による感染症の予防方法もしくは治療方法、局所投与による感染症の罹患リスク低減方法または局所投与による免疫賦活方法における、乳酸菌の使用。
[30]局所投与による感染症の予防もしくは治療に用いるための、局所投与による感染症の罹患リスク低減に用いるための、または局所投与による免疫賦活に用いるための、乳酸菌。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、局所投与(特に経鼻投与)することにより、有効成分である乳酸菌による感染症の予防効果および免疫賦活効果をより高めることができる点で有利である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、経鼻投与した場合の対照群および乳酸菌投与群(6群)の感染前の体重に対する感染3日後の体重の割合を示す。
図2Aは、経鼻投与した場合の対照群および乳酸菌投与群(6群)の感染3日後の肺におけるSARS-CoV-2のRNA量を示す。図2Bは、経鼻投与した場合の感染3日後の対照群および乳酸菌投与群(6群)のBALF中のSARS-CoV-2のRNA量を示す。
図3は、経鼻投与した場合の対照群および乳酸菌投与群(6群)の感染3日後のBALF中のSARS-CoV-2のウイルス力価(ウイルス量)を示す。
図4Aは、経鼻投与した場合の対照群および乳酸菌投与群(5群)の感染3日後の血漿中のIFN-α濃度を示す。図4Bは、経鼻投与した場合の対照群および乳酸菌投与群(5群)の感染3日後のBALF中のIFN-α濃度を示す。
図5Aは、経鼻投与した場合の対照群および乳酸菌投与群における各マウスの感染前の体重に対する感染後の体重の割合の経時変化を示す。図5Bは、経鼻投与した場合の対照群および乳酸菌投与群の感染前の体重に対する感染後の体重の割合の平均値の経時変化を示す。なお、図中の*はp<0.05、**はp<0.01を示し(マン・ホイットニーのU検定)、エラーバーは標準偏差を示す。
図6は、経鼻投与した場合の対照群および乳酸菌投与群(5群)の感染2日後のNALT中のSARS-CoV-2のRNA量を示す。なお、図中の-は幾何平均値を示す。
図7は、経鼻投与した場合の対照群および乳酸菌投与群の感染2日後の鼻腔洗浄液中のA型インフルエンザウイルス(H1N1)のRNA量を示す。なお、図中の*はp<0.05を示し(マン・ホイットニーのU検定)、-は幾何平均値を示す。
図8は、Low Volume(-)群、Low volume(+)群、High Volume(-)群およびHighVolume(+)群における、Day(-3)の体重に対する、Day(-2)、Day(-1)およびDay(0)の体重の割合(相対的体重(Day(-3)基準)(%)を示す。なお、図中のエラーバーは標準偏差を示す。
図9は、Low Volume(-)群、Low volume(+)群、High Volume(-)群およびHighVolume(+)群の顎下リンパ節における、Viperin、Isg15、Mx1の相対的mRNA発現量を示す。なお、図中の*はp<0.05、**はp<0.01を示し(スチューデントのt検定(Student’st-test)、エラーバーは標準偏差を示す。
図10は、Low Volume(-)群、Low volume(+)群、High Volume(-)群およびHighVolume(+)群の脾臓における、Viperin、Isg15、Mx1の相対的mRNA発現量を示す。なお、図中の*はp<0.05を示し(スチューデントのt検定(Student’st-test)、エラーバーは標準偏差を示す。
図11は、Low Volume(-)群、Low volume(+)群、HighVolume(-)群およびHighVolume(+)群の肺における、Viperin、Isg15、Mx1の相対的mRNA発現量を示す。なお、図中のエラーバーは標準偏差を示す)。
図12Aは、Low Volume(-)群およびLow volume(+)群の脾臓のリンパ球分画におけるCD11cおよびSiglec-Hに関するFACS解析像を示す。なお、CD11c

SIglec-H

細胞集団をpDCとして解析した。図12Bは、LowVolume(-)群およびLowvolume(+)群の脾臓中のリンパ球に対するpDCの比率(%)を示す。なお、図中の-は平均値を示す。
図13は、Low Volume(-)群およびLow volume(+)群おける、脾臓中のpDCにおけるMHCクラスII(I-A/I-E)(A)およびCD86(B)の発現量(MFI:MedianFlurorescence Intensity)を示す。なお、図中の-は平均値を示す。
図14Aは、Low Volume(-)群およびLow volume(+)群の顎下リンパ節のリンパ球分画におけるCD11cおよびSiglec-Hに関するFACS解析像を示す。なお、CD11c

Siglec-H

細胞集団をpDCとして解析した。図14Bは、LowVolume(-)群およびLow volume(+)群の顎下リンパ節中のリンパ球に対するpDCの比率(%)を示す。図中の**はp<0.01を示し(スチューデントのt検定(Student’st-test)、-は平均値を示す)。
図15は、Low Volume(-)群およびLow volume(+)群おける、顎下リンパ節のpDCにおけるMHCクラスII(I-A/I-E)(A)およびCD86(B)の発現量(MFI)を示す。なお、図中の-は平均値を示す。
図16Aは、Low Volume(-)群およびLow volume(+)群の鼻粘膜のリンパ球分画におけるCD11bおよびSiglec-Hに関するFACS解析像を示す。CD11b

Siglec-H

細胞集団をpDC、CD11b

Siglec-H

細胞集団をCD11b

Sigkec-H

細胞として解析した。図16Bは、LowVolume(-)群およびLow volume(+)群の鼻粘膜中のリンパ球に対するpDCおよびCD11b

Siglec-H

細胞の比率(%)を示す。なお、図中の*はp<0.05、**はp<0.01を示し(スチューデントのt検定( Student’st-test)、-は平均値を示す。
図17Aは、Low Volume(-)群およびLow volume(+)群における、鼻粘膜中のpDCにおけるMHCクラスII(I-A/I-E)(A)およびCD86(B)の発現量(MFI)を示す。図17Bは、LowVolume(-)群およびLow volume(+)群における、鼻粘膜中のCD11b

Siglec-H

細胞におけるMHCクラスII(I-A/I-E)(A)およびCD86(B)の発現量(MFI)を示す。なお、図中の-は平均値を示す。
図18は、Low Volume(-)群およびLow volume(+)群から採取した鼻粘膜細胞を培養した時の、CpG-A添加なし(CpG-A 0μM)およびCpG-A添加あり(CpG-A 1μM)の培養上清中のIFN-α産生量(pg/ml)を示す。なお、図中の**はp<0.01を示し(スチューデントのt検定(Student’st-test)、-は平均値を示す。
図19は、Low Volume(-)群およびLow volume(+)群から採取した鼻粘膜細胞を培養した時の、不活化済HIN1添加なし(HIN10μg/ml)および不活化済HIN1添加あり(HIN1 15μg/ml)の培養上清中のIFN-α産生量(pg/ml)(A)、IFN-β産生量(pg/ml)(B)およびIFN-λ産生量(pg/ml)(C)を示す。なお、図中の-は平均値を示す。
図20Aは、経口投与した場合の対照群および乳酸菌投与群(6群)の感染2日後のNALTにおけるSARS-CoV-2のRNA量を示す(*はp=0.0104を示す(マン・ホイットニー検定(Mann-Whitneytest))。図20Bは、経口投与した場合の対照群および乳酸菌投与群(6群)の感染3日後のNALTにおけるSARS-CoV-2のRNA量を示す。
図21は、経口投与した場合の対照群および乳酸菌投与群(6群)の感染3日後の肺におけるSARS-CoV-2のRNA量を示す(*はp=0.0281を示す(マン・ホイットニー検定(Mann-Whitneytest))。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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