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公開番号
2025103090
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-09
出願番号
2023220185
出願日
2023-12-27
発明の名称
複合金属ナノ粒子担持体及びその製造方法並びに複合金属ナノ粒子担持体を含有する抗菌組成物及びコーティング組成物
出願人
国立大学法人茨城大学
代理人
個人
主分類
C23C
18/42 20060101AFI20250702BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約
【課題】複数の金属を含む複合金属ナノ粒子の凝集を抑制し、耐環境性の向上、高価貴金属の省資源化、及び金属ナノ粒子として発現する各種の特性や機能の向上を図ることができる複合金属ナノ粒子担持体及びその製造方法並びに複合金属ナノ粒子担持体を含有する抗菌組成物及びコーティング組成物を提供する。
【解決手段】本発明は、電気絶縁性担体に複合金属ナノ粒子を担持した複合金属ナノ粒子担持体であって、単一金属又は合金からなる第1の金属が電気絶縁性担体に担持される第1の金属のナノ粒子と、第1の金属のナノ粒子の一部が無電解めっきによって第2の金属に置換される第2の金属の無電解めっき層とを含み、第2の金属の無電解めっき層が複合金属ナノ粒子の表面の一部又は全周に形成されることによって第1の金属のナノ粒子表面の少なくとも一部が第2の金属の無電解めっき層で被覆される構造を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
電気絶縁性担体に複合金属ナノ粒子を担持した複合金属ナノ粒子担持体であって、
単一金属又は合金からなる第1の金属が前記電気絶縁性担体に担持される前記第1の金属のナノ粒子と、前記第1の金属のナノ粒子の一部が無電解めっきによって第2の金属に置換される第2の金属の無電解めっき層とを含み、
前記第2の金属の無電解めっき層が前記複合金属ナノ粒子の表面の一部又は全周部に形成されることによって、前記第1の金属のナノ粒子表面の少なくとも一部が前記第2の金属の無電解めっき層で被覆される構造を有することを特徴とする複合金属ナノ粒子担持体。
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
前記電気絶縁性担体に、前記複合金属ナノ粒子と、前記第1の金属、前記第1の金属の酸化物及び前記第1の金属の水酸化物の少なくともいずれかを含むナノ粒子とが担持され、
前記第1の金属、前記第1の金属の酸化物及び前記第1の金属の水酸化物の少なくともいずれかを含むナノ粒子が、前記電気絶縁性担体の表面上において前記複合金属ナノ粒子の担持場所とは異なる場所に担持され、かつ、
前記複合金属ナノ粒子の粒径(D)と、前記第1の金属、前記第1の金属の酸化物及び前記第1の金属の水酸化物の少なくともいずれかを含むナノ粒子の粒径(d)とが、D>dの関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の複合金属ナノ粒子担持体。
【請求項3】
前記第1の金属のナノ粒子が、無電解めっきによって前記電気絶縁性担体に担持される金属ナノ粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の複合金属ナノ粒子担持体。
【請求項4】
前記第1の金属がAg、Co、Cu、Fe、Zn、Ni、AgとNiとの合金、AgとPdとの合金の群から選ばれるいずれかの金属又は合金であり、前記第2の金属がAu、Pt、Pdの群から選ばれるいずれかの金属であることを特徴とする請求項3に記載の複合金属ナノ粒子担持体。
【請求項5】
前記電気絶縁性担体が、粒子状、板状及び繊維状からなる群から選ばれる何れかの形状を有する金属酸化物、セラミックス又はプラスチックであることを特徴とする請求項4に記載の複合金属ナノ粒子担持体。
【請求項6】
前記電気絶縁性担体が、ナノ粒子の金属酸化物又はナノポーラス構造を有する金属酸化物であることを特徴とする請求項5に記載の複合金属ナノ粒子担持体。
【請求項7】
前記第1及び第2の金属がそれぞれAg及びAu、Co及びPt、又はNi及びPtであり、前記電気絶縁性担体がナノ粒子の金属酸化物であることを特徴とする請求項6に記載の複合金属ナノ粒子複合体。
【請求項8】
電気絶縁性担体に複合金属ナノ粒子を担持する複合金属ナノ粒子担持体の製造方法であって、
単一金属又は合金からなる第1の金属ナノ粒子を前記電気絶縁性担体に担持する工程と、
前記第1の金属ナノ粒子の金属とは異なる第2の金属のイオンを用いて、前記絶縁性担体に担持される前記第1の金属ナノ粒子に含まれる前記第1の金属の一部を無電解めっきによって前記第2の金属に置換し、前記第2の金属の無電解めっき層を形成する工程と、を有し、
前記第2の金属の無電解めっき層を前記複合金属ナノ粒子の表面の一部又は全周に形成することによって、前記第1の金属のナノ粒子表面の少なくとも一部が前記第2の金属の無電解めっき層で被覆されることを特徴とする複合金属ナノ粒子担持体の製造方法。
【請求項9】
前記第2の金属の無電解めっき層を形成する工程で使用する無電解めっき液中に含まれる前記第2の金属イオンの濃度を変えることによって、前記第1の金属ナノ粒子の表面の少なくとも一部に形成される前記第2の金属の無電解めっき層の被覆範囲、及び複合金属ナノ粒子に含まれる前記第2の金属の元素濃度が、それぞれ調整されることを特徴とする請求項8に記載の複合金属ナノ粒子担持体の製造方法。
【請求項10】
無電解めっき後のコロイド分散液として得られる前記複合金属ナノ粒子担持体を含むめっき液の動的光散乱(DLS)測定を行うことによって求められる個数平均粒径(Dn)及び体積平均粒径(Dv)において、前記個数平均粒径(Dn)が前記電気絶縁性担体の平均粒径(D
0
)に対して下記(1)式を満たし、且つ、Dv/Dnが下記(2)式を満たすように調製された無電解めっき液を用いて、前記第2の金属の無電解めっき層を形成する工程が行われることを特徴とする請求項9に記載の複合金属ナノ粒子担持体の製造方法。
0.5<Dn/D
0
<1.0 (1)
1.0<Dv/Dn<1.6 (2)
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の金属を含む複合金属ナノ粒子を担体に担持することにより複合金属ナノ粒子の凝集を抑制するとともに、耐環境性の向上、高価貴金属の省資源化、及び金属ナノ粒子として発現する各種特性の向上又は新機能の付与ができる複合金属ナノ粒子担持体及びその製造方法並びに複合金属ナノ粒子担持体を含有する抗菌組成物及びコーティング組成物成物に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
金属ナノ粒子は分散媒中で凝集が起こりやすく、容易に凝集体を形成しやすいという問題があるため、その技術課題を解決するものとして、各種の金属ナノ粒子をシリカ、アルミナ又はチタニア等の金属酸化物担体に担持した金属ナノ粒子担持体が検討されている。これら金属ナノ粒子担持体は、すでに抗菌剤、建材コーティング剤又は着色顔料としての用途が種々提案されており、従来からよく知られた材料である(例えば、特許文献1及び非特許文献1を参照)。
【0003】
また、金属ナノ粒子担持体としては、単一の金属ではなく、複数の金属からなる合金を担体に担持する合金ナノ粒子担持体を排ガス浄化触媒として適用することも提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
【0004】
さらに、上記合金の形態ではなく、複数の金属ナノ粒子のそれぞれを独立して担体に担持させた複合金属ナノ粒子担持体が提案されている(例えば、特許文献4~6を参照)。特許文献4には、担体に担持させた第1の金属ナノ粒子の表面上に、さらに第2の金属ナノ粒子を担持させる複合金属ナノ粒子担持体が開示されている。特許文献5には、第1金属および第2金属と、外側表面から連続する1つ以上の空洞とを含む金属ナノ粒子とを担体に担持させた担体-金属ナノ粒子複合体が提案されている。また、特許文献6には、真空チャンバーを用いる物理的方法で製造された複合金属ナノ粒子コロイド中に、複合金属ナノ粒子を担持する担体を入れることにより製造される複合金属ナノ粒子担持体が開示されている。これらの発明は、2種類以上の金属からなる複合金属ナノ粒子が、それぞれの元素の性質を併せ持つだけでなく、新規な特性を発現することを期待してなされたものであり、燃料電池や排ガス浄化装置の触媒への利用、磁気媒体への利用、及び半導体への利用への試みがなされている。
【0005】
一方、担持体の形態を有しない複合金属ナノ粒子そのものについても従来から様々な用途に適用が検討されている。例えば、特許文献6及び7には、金属ナノ粒子又はシリカ等のナノ粒子の表面に複合金属を2層以上で被覆した複合金属ナノ粒子が提案されており、その製造が無電解めっき法で行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2023-111400号公報
特許第4883162号公報
特表2019-166483号公報
特表2016-525264号公報
特許第5904648号公報
特表2011-58050号公報
特開2002-4057号公報
【非特許文献】
【0007】
白石 敦則、「ナノ粒子複合化による新規材料の開発」、平成18年度佐賀県窯業技術センタ―研究報告書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
複数の金属からなる金属ナノ粒子を担体に担持する担持体は、金属ナノ粒子の凝集という問題を解決できるだけでなく、単一金属による金属ナノ粒子担持体に比べて、様々な特性の向上、Au、Pt、Pd等の高価貴金属の省資源化、及び排ガス浄化触媒や反応触媒等への利用において新規な機能付与等の効果が期待できることから近年特に注目を浴びている。
【0009】
金属ナノ粒子担持体の従来技術として、例えば、特許文献1及び非特許文献1に開示されるようなAg、Cu、Fe等の単一金属のナノ粒子担持体では、保存時又は使用中に酸化又は吸湿等によって酸化物又は水酸化物が形成される場合があり、抗菌性等の特性変動又は退色等の特性低下が顕著になるという問題があった。
【0010】
また、複数の金属からなる金属ナノ粒子担持体として合金ナノ粒子担持体が特許文献2に開示されている。しかしながら、これら合金ナノ粒子は、異なる種類の複数の金属を加熱処理又は還元処理によって一部合金にした形態で担体に担持させるものであり、複数の金属の組成比率に応じて調製された合金としての単一の特性及び機能が発現されるだけである。そのため、それぞれの金属が相乗的に機能する特性の発現までは考慮されていなかった。
(【0011】以降は省略されています)
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