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公開番号2025131444
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-09
出願番号2024029208
出願日2024-02-28
発明の名称複合タングステン酸化物微粒子の表面へのケイ素化合物膜の被覆方法
出願人住友金属鉱山株式会社,国立大学法人茨城大学
代理人個人,個人
主分類C01G 41/00 20060101AFI20250902BHJP(無機化学)
要約【課題】複合タングステン酸化物微粒子の表面に均一な膜厚のケイ素化合物膜を形成する被覆方法を提供する。
【解決手段】複合タングステン酸化物微粒子とアルコールを含むアルコール分散液を準備し、アルコキシシラン化合物とアルコールを含むシラン化合物溶液を前記アルコール分散液に加えてシラン化合物添加アルコール分散液を調製し、アルカリ性水溶液を前記シラン化合物添加アルコール分散液に加えて原料混合溶液を調製して、前記原料混合溶液を12時間以上継続して撹拌を行い複合タングステン酸化物微粒子の表面へのケイ素化合物膜の被覆する撹拌工程を行う複合タングステン酸化物微粒子の表面へのケイ素化合物膜の被覆方法を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
複合タングステン酸化物微粒子とアルコールを含むアルコール分散液を準備するアルコール分散液準備工程と、
アルコキシシラン化合物とアルコールを含むシラン化合物溶液を前記アルコール分散液に加えてシラン化合物添加アルコール分散液を調製するシラン化合物投入工程と、
アルカリ性水溶液を前記シラン化合物添加アルコール分散液に加えて原料混合溶液を調製するアルカリ性水溶液添加工程とを行い、
前記原料混合溶液を12時間以上継続して撹拌を行い複合タングステン酸化物微粒子の表面へのケイ素化合物膜の被覆する撹拌工程を行う複合タングステン酸化物微粒子の表面へのケイ素化合物膜の被覆方法。
続きを表示(約 270 文字)【請求項2】
前記複合タングステン酸化物微粒子の前記ケイ素化合物膜が膜厚2nm以上6nm以下である請求項1に記載の複合タングステン酸化物微粒子の表面へのケイ素化合物膜の被覆方法。
【請求項3】
前記アルコキシシラン化合物がテトラエトキシシランである請求項1または2に記載の複合タングステン酸化物微粒子の表面へのケイ素化合物膜の被覆方法。
【請求項4】
前記アルカリ性水溶液が水酸化ナトリウム水溶液である請求項1または2に記載の複合タングステン酸化物微粒子の表面へのケイ素化合物膜の被覆方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、複合タングステン酸化物微粒子の表面へのケイ素化合物膜の被覆方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
六ホウ化物微粒子やタングステン酸化物微粒子、複合タングステン酸化物微粒子は、可視光に対する透明性を有しながら近赤外線を吸収する機能を有することから近赤外線吸材料微粒子と知られている。このような近赤外線吸収材料微粒子を、可視光線を透過する樹脂などの媒体に分散した近赤外線吸収材料微粒子分散体は、近赤外線吸収(熱線遮蔽)ウィンドウフィルム、近赤外線吸収シート材、近赤外線吸収合わせガラス用中間膜、電子材料用赤外線カットフィルタ、農業用日射遮熱資材といった分野に広く応用されてきた。
【0003】
これらの近赤外線吸収ウィンドウフィルム、近赤外線吸収シート材や農業用近赤外線吸収資材などの資材は、その用途から屋外で使用されるため、日射や湿気などに曝される。これらの資材が含有する近赤外線吸収材料微粒子は、高湿・高温の環境において長時間の暴露を受けた際に、近赤外線の吸収機能が低下することがあった。その原因は、環境中に含まれる水や酸素が導電性化合物微粒子と接触し、化合物の酸化やドープ元素の脱離などをもたらすためであると考えられている。
【0004】
そこで、特許文献1では、一般式WyOzまたは/および一般式MxWyOzで表記される複合タングステン酸化物の微粒子であって、当該微粒子の平均一次粒径が1nm以上、800nm以下であり、当該微粒子表面が、シラン化合物または/および有機金属化合物で被覆されている赤外線遮蔽微粒子を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2008-291109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近赤外線吸収材料微粒子を被覆する従来の技術は、被覆膜の膜厚の均一性において課題を有するものであった。具体的には、被覆膜の膜厚が厚すぎる場合、被覆処理によって粒子径が大幅に増大し、粒子1つあたりの光の散乱の大きさ(散乱断面積)が増大してしまう。一方で、被覆膜の膜厚が薄すぎる場合、熱や水による酸化からの防護が十分ではない。
本発明の課題とするところは、複合タングステン酸化物微粒子の表面に均一な膜厚のケイ素化合物膜を形成する被覆方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明者らは、上記課題を可決するために、均一な膜厚のケイ素化合物膜の被覆方法を検討した。すなわち上記課題を解決するための手段として、
複合タングステン酸化物微粒子とアルコールとを含むアルコール分散液を準備するアルコール分散液準備工程と
アルコキシシラン化合物とアルコールとを含むシラン化合物溶液を、前記アルコール分散液に加えてシラン化合物添加アルコール分散液を調製するシラン化合物投入工程と、
アルカリ性水溶液を前記シラン化合物添加アルコール分散液に加えて原料混合溶液を調製するアルカリ性水溶液添加工程とを行い、
前記原料混合溶液を12時間以上継続して撹拌を行い、前記複合タングステン酸化物微粒子の表面へケイ素化合物膜を被覆する撹拌工程を行う複合タングステン酸化物微粒子の表面へのケイ素化合物膜の被覆方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、複合タングステン酸化物微粒子の表面に、膜厚が均一で膜厚2nm以上6nm以下のケイ素化合物膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施例1に係る複合タングステン酸化物微粒子の表面へのケイ素化合物膜の被覆方法を示すフローチャートである。
実施例1および比較例1に係る耐湿熱性評価結果(吸光度)を示すグラフである。
実施例1および比較例1に係る耐湿熱性評価結果(吸光度維持率)を示すグラフである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本実施形態は、複合タングステン酸化物微粒子とアルコールとを含むアルコール分散液を準備するアルコール分散液準備工程と
アルコキシシラン化合物とアルコールとを含むシラン化合物溶液を、前記アルコール分散液に加えてシラン化合物添加アルコール分散液を調製するシラン化合物投入工程と
アルカリ性水溶液を前記シラン化合物添加アルコール分散液に加えて原料混合溶液を調製するアルカリ性水溶液添加工程とを行い、
前記原料混合溶液を12時間以上継続して撹拌を行い、前記複合タングステン酸化物微粒子の表面へケイ素化合物膜を被覆する撹拌工程を行う複合タングステン酸化物微粒子の表面へのケイ素化合物膜の被覆方法である。
(【0011】以降は省略されています)

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