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公開番号2025100907
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-03
出願番号2025072507,2021053424
出願日2025-04-24,2021-03-26
発明の名称アミロイドβ蓄積リスクの有無の指標とする方法、一塩基多型(SNP)の存在又は非存在を検出する方法、組成物、及びキット
出願人国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構,学校法人電子開発学園
代理人個人,個人,個人
主分類C12Q 1/6883 20180101AFI20250626BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】ApoE4遺伝子のみに主眼が置かれた方法以外に、アルツハイマー型認知症の発症前の初期段階においても、アルツハイマー型認知症を発症しやすいというリスクを判定する方法を提供すること。
【解決手段】被験者由来の核酸におけるヒト染色体領域8q24.3上の一塩基多型(SNP)rs4907405の存在又は非存在を該被験者におけるアミロイドβ蓄積リスクの有無の指標とする方法。
【選択図】なし

特許請求の範囲【請求項1】
アミロイドβ蓄積リスクを生体外で判定するための方法であって、
前記方法が、被験者由来の核酸における下記一塩基多型(SNP)(b)、(a)及び(d)からなる群のうち少なくとも1つのリスクアレルの存在を該被験者におけるアミロイドβ蓄積リスクが高いことの指標とし、
前記リスクアレルが、SNPサイトにおいて、2種類のホモ接合型それぞれを有する集団におけるアミロイドβと関連する疾患又は状態の発症と特に関係が深いAβ1-42及びAPP669-711の2つの値をスケーリングしてスコア化したComposite Biomarker値の平均値を求めて比較するとき、Composite Biomarker値の平均値との正の相関がもう一方のホモ接合型よりも高いことを示すホモ接合型を構成するアレルである、
方法。
(b)ヒト染色体領域3q27.1上のrs12493550
(a)ヒト染色体領域2p22.2上のrs17019641
(d)ヒト染色体領域20q13.31上のrs74792644
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記一塩基多型(SNP)(a)のリスクアレルは、Gであり、
前記一塩基多型(SNP)(b)のリスクアレルは、Aであり、
前記一塩基多型(SNP)(d)のリスクアレルは、Cであり、
前記リスクアレルは、SNPサイトにおいて、2種類のホモ接合型それぞれを有する集団におけるアミロイドβと関連する疾患又は状態の発症と特に関係が深いAβ1-42及びAPP669-711の2つの値をスケーリングしてスコア化したComposite Biomarker値の平均値を求めて比較するとき、Composite Biomarker値の平均値との正の相関がもう一方のホモ接合型よりも高いことを示すホモ接合型を構成するアレルである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記被験者は、50歳以上である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記被験者は、アポリポプロテインE遺伝子タイプ4(ApoE4遺伝子)を保有しない、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記一塩基多型(SNP)の存在を、前記一塩基多型(SNP)が非存在である場合と比較して前記被験者におけるアミロイドβ蓄積リスクが高いことの指標とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記一塩基多型(SNP)の非存在を、前記一塩基多型(SNP)が存在する場合と比較して前記被験者におけるアミロイドβ蓄積リスクが低いことの指標とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記アミロイドβ蓄積リスクは、アミロイドβが蓄積していること又はアミロイドβが蓄積するリスクがあることである、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記アミロイドβ蓄積リスクは、アミロイドβと関連する疾患若しくは状態の発症前又は早期段階におけるアミロイドβ蓄積リスクである、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記疾患が、軽度認知障害(MCI)、アルツハイマー型認知症(AD)、ダウン症候群、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(オランダ型)、脳血管アミロイドアンギオパチー、及びグアムパーキンソン認知症複合からなる群から選択される神経障害又は進行性核上性麻痺、多発性硬化症、封入体筋炎(IBM)、クロイツフェルト-ヤコブ病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、封入体筋炎(IBM)、成人発症型糖尿病(2型糖尿病)、老人性心アミロイドーシス、内分泌腫瘍、緑内障、眼アミロイドーシス、原発性網膜変性、黄斑変性、視神経ドルーゼン、視神経症、視神経炎、又は格子状異栄養である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記アミロイドβと関連する疾患若しくは状態の発症についての前記被験者のリスクを測定ないし発見するためのもの、前記アミロイドβと関連する疾患若しくは状態を前記被験者において発見するためのもの、前記アミロイドβと関連する疾患若しくは状態を有する被験者を選択するためのもの、前記アミロイドβと関連する疾患若しくは状態を予防又は治療するための摂取物に対する前記被験者の反応を測定、評価ないしモニタリングするためのもの、あるいは、前記被験者における前記アミロイドβと関連する疾患若しくは状態の経過を測定、評価ないしモニタリングするためのものである、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アミロイドβ蓄積リスクの有無の指標とする方法、一塩基多型(SNP)の存在又は非存在を検出する方法、組成物、及びキットに関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
認知症は高齢化率が増えるのに従って発症リスクが高まる疾病である。世界の認知症患者は、2017年で4700万人いるとされ、2030年に7500万人、2050年に1億3100万人に増えると予想されている。また、認知症の増加で医療・介護給付費が2030年に2兆ドル(世界)、2025年に10.7兆円(日本)に達する可能性が指摘されている。日本は全人口における認知症有病率が2.33%であり、OECD加盟国(1.48%)のうちで最も高い割合となっている。
【0003】
日本の認知症の中では、アルツハイマー型(アルツハイマー病;AD)が50%、レビ-小体型が20%、血管性が15%、その他が15%であり、最多割合を占めるアルツハイマー型認知症の治療、予防が特に重要である。
【0004】
認知症の前段階に適切な予防/治療をすることで認知機能が回復する軽度認知障害(MCI)という状態があり、この段階で改善できれば認知症の発症タイミングを遅延させることができることがわかっている。MCIから認知症に進展する人の割合は年平均で10%、5年間で約40%と言われている。また、MCIで適切な処置をすれば16-41%の人が回復することが日本神経学会、認知症疾患診療ガイドライン2017に示されている。そのため、認知症を早期発見して、予防対策することが強く求められている。
【0005】
認知症の検査・診断としては、記憶や言語のテスト、血液検査、脳画像検査(CT、MRI)、脳血流SPECT(シンチグラフィ)検査、ドパミントランスポータシンチグラフィ(発現量の低下を検査)、MIBG心筋シンチグラフィ検査(心筋交感神経検査)などが実施されている。しかしながら、MCIの診断方法や、発症前や初期段階等のより早期の段階における検査・診断方法は限られている。
【0006】
一般的に、アルツハイマー型認知症の発症には先天的要因である遺伝要因と後天的要因である環境要因の両方が関与する。
【0007】
アルツハイマー型認知症の感受性遺伝子としては、最も広く知られているのはアポリポプロテインE遺伝子タイプ4(ApoE4遺伝子)であり、日本では、全集団の10%程度がApoE4遺伝子を保有する。ApoE4遺伝子を保有する群では、保有しない群と比較して60歳代以降においてアミロイドβ(Aβ)蓄積量に明確な差異が生じ、認知症発症リスクが高まることが知られている(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
Jansen WJ et al. Prevalence of cerebral amyloid pathology in persons without dementia: a meta-analysis. JAMA 313, 1924-1938, (2015). [PubMed: 25988462]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
アルツハイマー型認知症を発症しやすい健常者を判別して予防措置を行えば、認知症患者を大幅に減少させられるので、発症リスクの高い健常者の判別法や予防食品の開発が強く期待されている。
【0010】
アルツハイマー型認知症では、脳内でのアミロイドβ蓄積が顕著に認められる。アルツハイマー型認知症は脳にアミロイドβが蓄積し、神経原繊維が変化し、記憶を司る海馬が縮小して起こるという「アミロイドカスケード仮説」が支持されている。
(【0011】以降は省略されています)

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